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第2章勇者召喚
24話巌鬼の王
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―――巌鬼の王―――
巌鬼の王は深い深い眠りについていた。
静かな空気をゆっくりと吸い込みながら。
体は岩のように固いものでおおわれており、
身長はノーマルの人間を2人合体させたくらいだ。
巨人よりはでかくなくて、
人間よりはでかい、
それが巌鬼の王という魔王なのだから。
いつもどおり、巌鬼の王は部下を呼ぶ。
巌鬼の王は部下たちをほぼ解放しており、
いつまでも魔王の世話ばかりさせてはいけないと思ったのだから。
部下を呼んでも、何も反応がない、
異変に気付いた巌鬼の王は山のような地下深くにいるわけだが、
ここは迷路のように入り組んでいるわけだ。
だが迷路といえども大きな広間があり、
そこでいつも部下たちが飲み会をしたりしていたはずだった。
そこは忽然とすべてなくなり、
そして一通の手紙が置いてあった。
ごつごつとした右手で手紙を見ることにすると。
【こんにちは巌鬼の王、俺はベルシート王国のものです。一時期は勇者なんて呼ばれていたこともあります。俺はあなたの部下すべてを買収しました。これから1人で生きていくあなたにいいことを教えてあげましょう、俺はベルシート王国の手先みたいなものですので、恨むならベルシートを恨んでください、では】
巌鬼の王は怒りの咆哮を発した。
「おのれえええ、部下を部下をすべて買収だと、奴らは魔力の塊をあたえて、冷静じゃない状態にしたはずだ。もしかしたら魔力の粒を無効化する力が、まぁ勇者と名乗るくらいだからなぁ、ふむ、どうやら人間はこのわしを怒らせたようだ」
巌鬼の王はゆっくりと一歩ずつ前に動き出した。
それがベルシート王国を戦乱にする1つ鍵なのだと、
このときの巌鬼の王は知らず。
―――勇者太陽―――
俺はその光景を岩石と岩石の隙間から覗き見ていた。
後ろにはファミルが挟まっており、
ファミルの胸がでかすぎたようで、
むちむちになっており。
「お前エロイな、お前の体を知っている俺でもお前はエロイとおもう」
「う、うるさいわね、そんなあなただってわたしの胸さわりまくるじゃない」
「うむ、男は触るものだ」
「だからいちゃいちゃするでない、こちらがむらむらするではないかのう」
「すまんすまん変態覇王、それで巌鬼の王の魔王はベルシート王国に殴り込みにいくだろうな」
「お前の悪知恵にはいつも感服させられる」
「だけど、勇者のいない勇者パーティーさんって火炎の王を倒したのでは?」
「そのとおりだ。きっと必至に戦って、巌鬼の王を倒すだろうけど、まぁ俺は彼らにめんどくさい嫌がらせをしたいだけだからさ、ぐへへ」
「やっぱり勇者様は性格悪いです」
「うるせい」
その場が静まり返ると。
巌鬼の王がいなくなった巌鬼の王の寝室に俺たちは到達していた。
そこには巨大な宝箱が置いてあり。
「これも俺の悪知恵ってやつさ、さぁ宝箱をみようぜ」
「まったく、どこまであくどいのよ、やることなすこと卑怯者じゃない」
「それが勇者に生まれた覚悟ってやつさ」
「んもう」
宝箱をあけた俺たちは、たくさんの手紙が入っていることに驚きを隠せない。
俺たちは一通一通手紙を読むこととした。
そして俺たちは初めて、魔王のために涙を流していた。
「これ、どういうことなの? あの巌鬼の王は本当に魔王なの?」
「ファミル、どうやら俺たちは魔王という生き物を偏見の目で見ていたようだ」
「わしはこの巌鬼の王の覚悟、それを受け止めることができると思う、いますぐにでもベルシート王国のものたちが巌鬼の王を討伐するのを防ぐ必要がある」
「なるほどな、俺は勇者として、魔王を助けなくてはならないようだ」
すべては勇者の卑怯な作戦だった。
勇者のいないパーティーをこまらせて、
それで巌鬼の王を討伐させて、はいはい終了だった。
しかし運命とは、そういうものではないようだ。
沢山の手紙、
それを見たとき、巌鬼の王がいままでの魔王ではないことを知る俺たちは、
巌鬼の王が勇者のいないパーティーに討伐されることを否定した。
助けたいと思った。
「すべては俺の責任で始まったこと、そして俺は自分が引き起こした責任を回収する。俺たちはとんだ茶番をしていたようだ」
ばしんばしんと2発ハリセンが俺の頭をくらわせる。
「いったいなぁ」
「まったくちょっとは反省しろ」
「わしもそう思うのじゃ」
「てめーらいつの間にハリセンなんか作りやがって」
「やることがないならつくるでしょ」
「ここ最近、お主の悪知恵がさえすぎるのじゃ」
「そうかいそうかい」
―――巌鬼の王―――
巌鬼の王はとてもやさしい魔王だった。
たくさんの人間の子供たちを救ってきた。
人間の子供たちは巌鬼の王のことをやさしいごついおっさんだといった。
そして巌鬼の王はやさしいごついおっさんだよといって、
孤児院を作りまくった。
孤児院を経営しているのは人間だ。
そしてそういう人間たちは巌鬼の王をごついおっさんにしか思っていない。
巌鬼の王は体をごつくさせることはできるが、すべてを人間に化けることはできず、
それでも子供や魔物の分析をする専門家でなければだますことができる。
毎日毎日孤児院にいってはたくさんの人間の子供たちを助ける。
それはもちろん人間だけではなくて、魔族の子供たちを助けたりする。
巌鬼の王はたくさんの子供たちから尊敬され、そして愛されており、
彼らから毎日のように手紙が届けられ、
巌鬼の王はひたすらその子供たちの手紙を読んだりする。
巌鬼の王の力及ばず死んでいった子供たちは一人残らず名前を覚えている。
だから今回のベルシート王国に乱入するのも、
勇者パーティーとやらにすこしお灸をすえつもりでもあった。
ひたすら地面という地面からジャンプして、
山を下ると。
巨大なベルシート王国が見えてくる。
あそこにも孤児院があったはずだ。
あそこで戦ってたくさんの子供たちを巻き込むわけにはいかない、
巌鬼の魔王はベルシート王国の城門の手前に落下する。
沢山の兵士たちが悲鳴を上げる。
「ま、魔王だあああああ」
「いいから勇者をよべ」
かくして巌鬼の王のけじめがはじまろうとしていた。
巌鬼の王は深い深い眠りについていた。
静かな空気をゆっくりと吸い込みながら。
体は岩のように固いものでおおわれており、
身長はノーマルの人間を2人合体させたくらいだ。
巨人よりはでかくなくて、
人間よりはでかい、
それが巌鬼の王という魔王なのだから。
いつもどおり、巌鬼の王は部下を呼ぶ。
巌鬼の王は部下たちをほぼ解放しており、
いつまでも魔王の世話ばかりさせてはいけないと思ったのだから。
部下を呼んでも、何も反応がない、
異変に気付いた巌鬼の王は山のような地下深くにいるわけだが、
ここは迷路のように入り組んでいるわけだ。
だが迷路といえども大きな広間があり、
そこでいつも部下たちが飲み会をしたりしていたはずだった。
そこは忽然とすべてなくなり、
そして一通の手紙が置いてあった。
ごつごつとした右手で手紙を見ることにすると。
【こんにちは巌鬼の王、俺はベルシート王国のものです。一時期は勇者なんて呼ばれていたこともあります。俺はあなたの部下すべてを買収しました。これから1人で生きていくあなたにいいことを教えてあげましょう、俺はベルシート王国の手先みたいなものですので、恨むならベルシートを恨んでください、では】
巌鬼の王は怒りの咆哮を発した。
「おのれえええ、部下を部下をすべて買収だと、奴らは魔力の塊をあたえて、冷静じゃない状態にしたはずだ。もしかしたら魔力の粒を無効化する力が、まぁ勇者と名乗るくらいだからなぁ、ふむ、どうやら人間はこのわしを怒らせたようだ」
巌鬼の王はゆっくりと一歩ずつ前に動き出した。
それがベルシート王国を戦乱にする1つ鍵なのだと、
このときの巌鬼の王は知らず。
―――勇者太陽―――
俺はその光景を岩石と岩石の隙間から覗き見ていた。
後ろにはファミルが挟まっており、
ファミルの胸がでかすぎたようで、
むちむちになっており。
「お前エロイな、お前の体を知っている俺でもお前はエロイとおもう」
「う、うるさいわね、そんなあなただってわたしの胸さわりまくるじゃない」
「うむ、男は触るものだ」
「だからいちゃいちゃするでない、こちらがむらむらするではないかのう」
「すまんすまん変態覇王、それで巌鬼の王の魔王はベルシート王国に殴り込みにいくだろうな」
「お前の悪知恵にはいつも感服させられる」
「だけど、勇者のいない勇者パーティーさんって火炎の王を倒したのでは?」
「そのとおりだ。きっと必至に戦って、巌鬼の王を倒すだろうけど、まぁ俺は彼らにめんどくさい嫌がらせをしたいだけだからさ、ぐへへ」
「やっぱり勇者様は性格悪いです」
「うるせい」
その場が静まり返ると。
巌鬼の王がいなくなった巌鬼の王の寝室に俺たちは到達していた。
そこには巨大な宝箱が置いてあり。
「これも俺の悪知恵ってやつさ、さぁ宝箱をみようぜ」
「まったく、どこまであくどいのよ、やることなすこと卑怯者じゃない」
「それが勇者に生まれた覚悟ってやつさ」
「んもう」
宝箱をあけた俺たちは、たくさんの手紙が入っていることに驚きを隠せない。
俺たちは一通一通手紙を読むこととした。
そして俺たちは初めて、魔王のために涙を流していた。
「これ、どういうことなの? あの巌鬼の王は本当に魔王なの?」
「ファミル、どうやら俺たちは魔王という生き物を偏見の目で見ていたようだ」
「わしはこの巌鬼の王の覚悟、それを受け止めることができると思う、いますぐにでもベルシート王国のものたちが巌鬼の王を討伐するのを防ぐ必要がある」
「なるほどな、俺は勇者として、魔王を助けなくてはならないようだ」
すべては勇者の卑怯な作戦だった。
勇者のいないパーティーをこまらせて、
それで巌鬼の王を討伐させて、はいはい終了だった。
しかし運命とは、そういうものではないようだ。
沢山の手紙、
それを見たとき、巌鬼の王がいままでの魔王ではないことを知る俺たちは、
巌鬼の王が勇者のいないパーティーに討伐されることを否定した。
助けたいと思った。
「すべては俺の責任で始まったこと、そして俺は自分が引き起こした責任を回収する。俺たちはとんだ茶番をしていたようだ」
ばしんばしんと2発ハリセンが俺の頭をくらわせる。
「いったいなぁ」
「まったくちょっとは反省しろ」
「わしもそう思うのじゃ」
「てめーらいつの間にハリセンなんか作りやがって」
「やることがないならつくるでしょ」
「ここ最近、お主の悪知恵がさえすぎるのじゃ」
「そうかいそうかい」
―――巌鬼の王―――
巌鬼の王はとてもやさしい魔王だった。
たくさんの人間の子供たちを救ってきた。
人間の子供たちは巌鬼の王のことをやさしいごついおっさんだといった。
そして巌鬼の王はやさしいごついおっさんだよといって、
孤児院を作りまくった。
孤児院を経営しているのは人間だ。
そしてそういう人間たちは巌鬼の王をごついおっさんにしか思っていない。
巌鬼の王は体をごつくさせることはできるが、すべてを人間に化けることはできず、
それでも子供や魔物の分析をする専門家でなければだますことができる。
毎日毎日孤児院にいってはたくさんの人間の子供たちを助ける。
それはもちろん人間だけではなくて、魔族の子供たちを助けたりする。
巌鬼の王はたくさんの子供たちから尊敬され、そして愛されており、
彼らから毎日のように手紙が届けられ、
巌鬼の王はひたすらその子供たちの手紙を読んだりする。
巌鬼の王の力及ばず死んでいった子供たちは一人残らず名前を覚えている。
だから今回のベルシート王国に乱入するのも、
勇者パーティーとやらにすこしお灸をすえつもりでもあった。
ひたすら地面という地面からジャンプして、
山を下ると。
巨大なベルシート王国が見えてくる。
あそこにも孤児院があったはずだ。
あそこで戦ってたくさんの子供たちを巻き込むわけにはいかない、
巌鬼の魔王はベルシート王国の城門の手前に落下する。
沢山の兵士たちが悲鳴を上げる。
「ま、魔王だあああああ」
「いいから勇者をよべ」
かくして巌鬼の王のけじめがはじまろうとしていた。
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