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第5話 ゴブリン強くね? いや俺が弱いのか!!
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目の前のゴブリンはこちらに気付くと、先ほども述べたがにんまりと笑った。
捕食して生の状態で食べていたウサギを放り捨てると、竜司の方向へとゆったりと余裕をもって近づいてくる。
その右手にはぼろぼろの斧が握られており、ぶんぶんと振り回している。
竜司は鉄剣+2を構えると攻撃する事が出来なかった。
それは恐怖感から来るものもあるが、人間に近い存在を殺すという事がイメージつかないのだ。
ゴブリンは変な雄叫びを上げて、竜司の方角へと物凄い鬼気迫る顔で走り出した。
「う、うあああああ」
竜司はあまりにも驚いてしまい、尻餅をついた。
その真上を斧が通過していった。
ゴブリンは真下で尻餅をついている竜司に向けて斧を叩き落した。
竜司は鉄剣+2でなんとかガードする事に成功した。
体に微妙な衝撃が加わり、手がじーんと痺れた。
脱力感に見舞われ、このままでは殺されると思い、立ち上がり、距離を取ったのだが、ゴブリンは次から次へと連撃を浴びせてくる。
鬼気迫る雄叫びを上げるゴブリンの恐ろしさに身を固めさせる。
だがこの鬼気迫る雄叫びを知っている。
《おい、竜司、仕事せんかああああああ、雑用はな、ちゃんと仕事して金貰えるんだよ》
《竜司いいいいい、さぼってんじゃねえええ、タバコ吸ってる場合じゃねーぞ、殺すぞおおてめえええ》
《おいおいおいおい、何弁当食ってんだよ、雑用はずっと働けやこのばかもんあがああああ》
「ふ、ふふ、ふふふふ」
今こそ、係長に復讐を果たす時が来た。
目の前のゴブリンは係長そのものだ。
あの鬼気迫る雄叫びは課係長の雄叫びだ。
あの小さな体と緑色は係長が小さくなってペンキでコスプレしてるんだ。
「今なら係長をぶっ殺せるぜ」
竜司の体から脱力感が消滅する。
その変り、ゴブリンいや係長を殺したい欲求に駆られる。
今こそ竜司は係長を殺す為に立ち上がったのだ。
「ぎぇ?」
ゴブリンは不思議そうにこちらを見ていた。
次は竜司がにんまりと笑った。
右足+1と左足+1を上手く交互に動かし、ステップを繰り出す。
フェイントを重ねて、竜司は剣を振り落とした。
だがゴブリンはすらりとフェンシングの選手のように避けてしまう。
そのままゴブリンの斧が右頬に飛来するが。
首を下げてそれを回避する。
「つえーな係長」
もう竜司の目にはゴブリンが係長にしか見えていなかった。
「ふぅ、これで終わりだぜ、係長バスター」
ただ。単純な力技、上段から下段に切り下げる方法、竜司は剣道を学んでいる訳でも、剣術スキルがある訳でもない、武器の扱い方はきっとそこらへんにいる村人と同じくらいだろう。
それでも竜司は係長を倒したいのだ。
「うああああああああ」
竜司の雄叫びにゴブリンは怯み、斧はどこかに飛んで行ってしまい、そのままゴブリンの顔面を斬りつけ、頭蓋を割る事に成功した。
ゴブリンの体は消滅していくと、1つの赤い石ころが落ちていた。
【おめでとうございます。クエスト完了しました。25スキルポイントを得ました。魔石も得ました。魔石は魔法を学ぶ時に必要な物です。お店に売る事も出来ます】
「なんだって、魔法だってえええええ」
竜司は今係長(ゴブリン)を惨殺した事を忘れ果てており、今竜司の頭の中には魔石で魔法を学び、魔法を使いたいという所だった。
【はい、遺跡や本で学ぶ事が出来るでしょう、おや、ゴブリンの荷物に本がありますね】
「おおおお、てかさっきの斧使えないかな、最悪だ見逃したよ、どっかに落ちたし、お、あったああああ」
竜司は【朽ち果てた鉄斧】と【魔法書】を得たのだが。
「文字が読めないって落ちではないよな」
【それは大丈夫です。あなたはこの世界に落ちた時からこの世界の言葉と文字を勝手に習得されています】
「それは良かった。ではどうするんだ?」
【魔石を魔法書に掲げてください、そうすれば、魔法書の文字を読まずとも勝手に頭の中に流れて行きますが魔石は消耗されます】
「ほむほむ」
竜司はわくわくした心を抑えるように魔法書に魔石を掲げた。
文字がふわふわと浮き上がり、頭の中に入っていく。
そうして得た魔法は。
【ファイアーボールを習得しました】
「どうやらファイアーボールを習得したみたいだな」
【初級の魔法でしょう、おめでとうございます。魔法を始めて習得したので、ボーナスポイント25スキルポイントを得ました】
「それは嬉しいねーさてと、スキル付与のお時間だぜ、さっきの係長は強かったなそれにしても」
【あれは係長ではなくゴブリンかと思われますが、訂正しないでおきます。基本的にゴブリンは雑魚です】
「はへ?」
【あなたが弱すぎるだけです。なにせ始まりはステータス値がALLゼロですからね、眼を疑いましたよ】
「うるさいな、昔から容量が悪いだけだ」
【さて、付与するのでしょう? エンチャント師殿、あなたがエンチャント師じゃなかったら、ずっとALLゼロだったかもしれませんね】
「恐ろしい事言わないでくれよ」
竜司の背筋が凍った瞬間であった。
==============
ステータス レベル12
==============
HP:10→20
MP:12
攻撃力:5→10
防御力:5→10
素早さ:4→10
賢さ:5→10
器用さ:5→10
幸運:3→10
=================
《肉体》
右腕+3
左腕+3
右足+1→2
左足+1→2
==============
《魔法》
ファイアーボール
==============
《装備》
鉄剣+2
朽ち果てた鉄斧+2
==============
《アイテムボックス一覧》
薬草5本
魔法書【ファイアーボール】
==============
《スキル一覧》
【進化】+10を次に進化
==============
とりあえず、HPを+10にして、攻撃力を+5上げて、防御力も+5上げて、素早さを+6上げて、賢さを+5上げて、器用さを+5上げて、幸運を+7上げて、左腕+3を追加して、右足を+1上げて、左足を+1上げて、朽ち果てた鉄斧を+2にしてという感じで、50スキルポイントを使用した。
【おめでとうございます。ステータスの全てのスキルがALL10になりましたね】
「おう、がんばったぞ」
【ステータスに合わせたサブ職業が与えられます】
「おおおおお」
【サブ職業はサブジョブともいいますが、どちらでも構いません、ではあなたが得るサブ職業は!】
「うんうん」
【乞食です】
「ぶほ」
【乞食職業は家や宿で寝るとジョブチェンジ出来ますので】
「ようは早く、エルフの村やら王国に行けって事ね」
【その通りでございます。では乞食の竜司さん頑張ってください】
「乞食の利点はなんだよ」
【それはどこまでも負けそうでも食らいつく性根の悪さです】
「なんかさっきの俺な気がするんだが」
竜司はなんとなくそう思ったのであった。
捕食して生の状態で食べていたウサギを放り捨てると、竜司の方向へとゆったりと余裕をもって近づいてくる。
その右手にはぼろぼろの斧が握られており、ぶんぶんと振り回している。
竜司は鉄剣+2を構えると攻撃する事が出来なかった。
それは恐怖感から来るものもあるが、人間に近い存在を殺すという事がイメージつかないのだ。
ゴブリンは変な雄叫びを上げて、竜司の方角へと物凄い鬼気迫る顔で走り出した。
「う、うあああああ」
竜司はあまりにも驚いてしまい、尻餅をついた。
その真上を斧が通過していった。
ゴブリンは真下で尻餅をついている竜司に向けて斧を叩き落した。
竜司は鉄剣+2でなんとかガードする事に成功した。
体に微妙な衝撃が加わり、手がじーんと痺れた。
脱力感に見舞われ、このままでは殺されると思い、立ち上がり、距離を取ったのだが、ゴブリンは次から次へと連撃を浴びせてくる。
鬼気迫る雄叫びを上げるゴブリンの恐ろしさに身を固めさせる。
だがこの鬼気迫る雄叫びを知っている。
《おい、竜司、仕事せんかああああああ、雑用はな、ちゃんと仕事して金貰えるんだよ》
《竜司いいいいい、さぼってんじゃねえええ、タバコ吸ってる場合じゃねーぞ、殺すぞおおてめえええ》
《おいおいおいおい、何弁当食ってんだよ、雑用はずっと働けやこのばかもんあがああああ》
「ふ、ふふ、ふふふふ」
今こそ、係長に復讐を果たす時が来た。
目の前のゴブリンは係長そのものだ。
あの鬼気迫る雄叫びは課係長の雄叫びだ。
あの小さな体と緑色は係長が小さくなってペンキでコスプレしてるんだ。
「今なら係長をぶっ殺せるぜ」
竜司の体から脱力感が消滅する。
その変り、ゴブリンいや係長を殺したい欲求に駆られる。
今こそ竜司は係長を殺す為に立ち上がったのだ。
「ぎぇ?」
ゴブリンは不思議そうにこちらを見ていた。
次は竜司がにんまりと笑った。
右足+1と左足+1を上手く交互に動かし、ステップを繰り出す。
フェイントを重ねて、竜司は剣を振り落とした。
だがゴブリンはすらりとフェンシングの選手のように避けてしまう。
そのままゴブリンの斧が右頬に飛来するが。
首を下げてそれを回避する。
「つえーな係長」
もう竜司の目にはゴブリンが係長にしか見えていなかった。
「ふぅ、これで終わりだぜ、係長バスター」
ただ。単純な力技、上段から下段に切り下げる方法、竜司は剣道を学んでいる訳でも、剣術スキルがある訳でもない、武器の扱い方はきっとそこらへんにいる村人と同じくらいだろう。
それでも竜司は係長を倒したいのだ。
「うああああああああ」
竜司の雄叫びにゴブリンは怯み、斧はどこかに飛んで行ってしまい、そのままゴブリンの顔面を斬りつけ、頭蓋を割る事に成功した。
ゴブリンの体は消滅していくと、1つの赤い石ころが落ちていた。
【おめでとうございます。クエスト完了しました。25スキルポイントを得ました。魔石も得ました。魔石は魔法を学ぶ時に必要な物です。お店に売る事も出来ます】
「なんだって、魔法だってえええええ」
竜司は今係長(ゴブリン)を惨殺した事を忘れ果てており、今竜司の頭の中には魔石で魔法を学び、魔法を使いたいという所だった。
【はい、遺跡や本で学ぶ事が出来るでしょう、おや、ゴブリンの荷物に本がありますね】
「おおおお、てかさっきの斧使えないかな、最悪だ見逃したよ、どっかに落ちたし、お、あったああああ」
竜司は【朽ち果てた鉄斧】と【魔法書】を得たのだが。
「文字が読めないって落ちではないよな」
【それは大丈夫です。あなたはこの世界に落ちた時からこの世界の言葉と文字を勝手に習得されています】
「それは良かった。ではどうするんだ?」
【魔石を魔法書に掲げてください、そうすれば、魔法書の文字を読まずとも勝手に頭の中に流れて行きますが魔石は消耗されます】
「ほむほむ」
竜司はわくわくした心を抑えるように魔法書に魔石を掲げた。
文字がふわふわと浮き上がり、頭の中に入っていく。
そうして得た魔法は。
【ファイアーボールを習得しました】
「どうやらファイアーボールを習得したみたいだな」
【初級の魔法でしょう、おめでとうございます。魔法を始めて習得したので、ボーナスポイント25スキルポイントを得ました】
「それは嬉しいねーさてと、スキル付与のお時間だぜ、さっきの係長は強かったなそれにしても」
【あれは係長ではなくゴブリンかと思われますが、訂正しないでおきます。基本的にゴブリンは雑魚です】
「はへ?」
【あなたが弱すぎるだけです。なにせ始まりはステータス値がALLゼロですからね、眼を疑いましたよ】
「うるさいな、昔から容量が悪いだけだ」
【さて、付与するのでしょう? エンチャント師殿、あなたがエンチャント師じゃなかったら、ずっとALLゼロだったかもしれませんね】
「恐ろしい事言わないでくれよ」
竜司の背筋が凍った瞬間であった。
==============
ステータス レベル12
==============
HP:10→20
MP:12
攻撃力:5→10
防御力:5→10
素早さ:4→10
賢さ:5→10
器用さ:5→10
幸運:3→10
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《肉体》
右腕+3
左腕+3
右足+1→2
左足+1→2
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《魔法》
ファイアーボール
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《装備》
鉄剣+2
朽ち果てた鉄斧+2
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《アイテムボックス一覧》
薬草5本
魔法書【ファイアーボール】
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《スキル一覧》
【進化】+10を次に進化
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とりあえず、HPを+10にして、攻撃力を+5上げて、防御力も+5上げて、素早さを+6上げて、賢さを+5上げて、器用さを+5上げて、幸運を+7上げて、左腕+3を追加して、右足を+1上げて、左足を+1上げて、朽ち果てた鉄斧を+2にしてという感じで、50スキルポイントを使用した。
【おめでとうございます。ステータスの全てのスキルがALL10になりましたね】
「おう、がんばったぞ」
【ステータスに合わせたサブ職業が与えられます】
「おおおおお」
【サブ職業はサブジョブともいいますが、どちらでも構いません、ではあなたが得るサブ職業は!】
「うんうん」
【乞食です】
「ぶほ」
【乞食職業は家や宿で寝るとジョブチェンジ出来ますので】
「ようは早く、エルフの村やら王国に行けって事ね」
【その通りでございます。では乞食の竜司さん頑張ってください】
「乞食の利点はなんだよ」
【それはどこまでも負けそうでも食らいつく性根の悪さです】
「なんかさっきの俺な気がするんだが」
竜司はなんとなくそう思ったのであった。
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