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☆職業商人商売伝説★編
第1話リアルのお店つぶれました。
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その日川山豆太郎の人生は積んだ。
豆太郎の人生とは、努力の積み重ねだ。
高校生のころからいろいろなハガキで送って当たるという懸賞品を狙ったりしていた。
豆太郎はとても物が大好きだった。
料理に使う道具、または掃除に使う道具、しいては雑貨用品まで。
彼は百円ショッピングに毎日出かけている。
高校生の彼は進学をあきらめ、商売を始めることにしていた。
両親はそれに対して反対はしなかった。
お店を建てるお金もアルバイトをしてためた。
アルバイトは図書館の整理という仕事だった。
毎日が楽しく。
そしてついにお店を買った。
アパートのような建物に看板やらなにやら売りたいものやらなにやら。
商売の極意の本を見たり。
開店初日。不思議な道具を扱っているお店といわれたくさんのお客さんが長蛇の列になっている。
実は豆太郎は手で石などを加工し、いろいろな道具を使って宝石みたく仕上げるのが得意で、細工が得意で、さらには修理も得意ということだった。
太陽はばっちり上っている。
「さぁ、開店だああ」
まちにまった店開き。
次の瞬間、そのお店は粉になった。
「は?」
客が逃げていく。
店に落ちたのはロボットのようなもの。
豆太郎はそれを見て笑うしかない。
そして必死に逃げた。
豆太郎のお店開店の日、店は閉店した。
地球は宇宙人の侵略者により地下深くまで追放された。
人類は宇宙人をぶちたおすために、異世界型VRMMO、つまり異世界にゲーム要素を無理やりもりこんだ世界での宇宙人ボスをぶち殺すこと。
それが地球を宇宙人の手から助ける方法だった。
そんななかぼうぜんとそこに立っているものがいる。
豆太郎は見ていた。
彼は役所の地下に避難すると、役員たちの説明やら、世界がやばいことを知る。
そのあとカプセルに入れられ、ここにいるということだ。
ここに来るまで宇宙で彗星のように落下し、数えきれない人類たちが彗星となっていろいろな惑星に落下する。
十個ある惑星すべて地球の銀河系にあったもの。
しかしパラレルワールド的にこの宇宙系は自分たちがいた宇宙系ではない。
なぜならここはどうやら金星らしいのだ。
しかも残念なことに死ぬことはない。
なぜ悲しむか?
お店をつくってすぐにつぶれる。
その悲しさがわかるかと突っ込みたい。
どうやら金星のどこかの都市のようだ。
見たこともない金属の文明だった。たくさんのお店がある。
豆太郎は茫然としながら歩き続ける。
人はたくさんいてごった返している。
自分のように訳が分からず茫然と歩き続ける人は結構いた。
たしか魂そのものを具現化し、職業にしてこの世界に解き放たれたはず。
まさかゲームのようになるのか?
意識すると、空中にステータスのようなものが出現する。
ステータスは変化なしと書かれている。
つまり元の地球のステータスと変わらないということだ。
残念だが地球にはステータスを見るという魔法はない。
【職業:商人 レベル1】
と表示されている。ふむ、スキル表を見ることに。
スキル表
鑑定眼【すべてのレベルのものを鑑定できる】
商売上手【何かを買おうとしたり売ろうとすると相手に無意識に働きかける。買いたいときは安くなり、売りたいときは高くなる】
無限アイテムボックス【無限にアイテムをしまえる】
露店【小さなお店を外に開くことができる。露店に飾ってあるものを露店といっしょに収納すると露天の中に入ったままである】
借金払い【コインの数をある程度借金すると驚異的な強さになる。しかしコインを借金に充てればバッドステータスはない、それは計算ができなくなるということだった】
これが現状のステータス。
つまり戦い専門のスキルはこの2つだ。
鑑定眼と借金払い。
しかし借金払いをしてチート級の強さになるようだ。
おそらくコインを借金すれば借金するほど強くなるのだろう。
そして借金を払えなかったら、計算ができなくなる。
それはきっと商人として致命的だ。
まずはアイテムボックスの中身を確認する。
中から出てきたのは手袋のようなのだ。早速鑑定する。
創造手袋【鉱物ならなんでも触れたら粘土のように作ることができる。手をはなすと固まる】
この道具は鉱石を宝石にできるかもしれない、まずはお金を稼ぐことからだしなぁ。
あとは地図がでてきた。
その地図はこの金星のすべての地区をあらわしているものではない。
金星の一部、ここの都市とその外に広がる鉱石の森の道だ。
この地図で鉱石に森などあるのかと愕然とする。
そしてその地図はタブレットの透明版みたいだった。
地図の画面をぽちっとおすと、空中にうくと消滅した。
空中にぽちっと押すと出現する地図。
そのタブレットみたいなやつにはメモリーを入れるところがある。
ヘルプで検索すると。
【そのメモリーに地図のデータをいれると、この地図の情報が更新されます】
というもの、これは商人にとってうれしいことだ。
きっとそういった情報はお店に売っているのだろう。
ここを金星都市というらしい。この場所は文明が発達しており、空には無数の船が飛んでいた。
現在の持ち金は1000コインとなっている。
きっと多くないコインの数だと思われる。
まずはこの都市の情報が欲しい。
データ売り場を探す。
この金星都市にはたくさんのお店が開かれている。
それがなぜなのかはわからない。
あと人間じゃなくてロボットが歩いている。
よーく見ると、そいつらは鉱物そのもの。
ダイヤとかサファイアとかそういった鉱物人間が歩いている。
とりあえずデータ売り場を見つける。
店主はやはりメタリック人間だった。
ロボットに見えるがおそらく違う。
「いらっさい、おたくら人気だろ、金星にたくさんきてさ。みんなパニックだよ、てめーらの能力の職業ってやつがなかったら、追放してやってもいいんだがな、1人1人がつえーからな、さてデータ何買う?」
「あのうこの金星都市の情報の入ったものを」
「いいだろう、100コインだ」
「えっとどうすれば」
「手をだすんだよ」
店主は怒り心頭といったかんじで、豆太郎の手にふれるそこからコインが落下してきて、店主がかぞえる。次に店主はコインを吸い上げた。
その光景をみながら、豆太郎は唖然としつつも、これどゆこと?
とは突っ込みたくても突っ込めない。
「初めてか、コインとはな体に宿る力の一種、買い手と売り手の同意がとれれば、あとはコインが勝手に動けさ、購入できないのに同意してもコインはでてこねーよ、さぁ、人間はあっちいってな」
まったくと思いつつも、地図のデータをタブレット型にいれる。
データのようなチップは消滅する。
【更新しました】
と出てくると、金星都市について、この惑星ついてや種族やモンスターなど、いろいろなものが流れ始めた。
金星都市、この惑星にはメタリック族と呼ばれる。メタリックたちがいる。
彼らは商売が非常に得意で、いろいろなものを作ることに秀でている。
しかしドワーフのようには創造することができない。
メタリック族の脳みそはとても小さいのだ。
金星都市の周囲、金属の森ではたくさんの素材アイテムを手に入れることができる。
その素材を使って、いろいろなものを作ることができる。
メタリック族はそれらを使って、砕き、データチップをつくる。
メタリック族は本の知恵をデータにしてしまうという力がある。
そのおかげで、データチップがないとメタリック族は生きていけない。
なぜなら、メタリック族の脳みそは小さく、すぐに忘れるからだ。
ただ1つ気を付けることがある。この惑星の石は魂がやどる。彼らはロックと呼ばれていて、この金星の敵キャラでもある。
「ふう、だいたいのことはわかった。まずは外に出て鉱物をあつめて、創造手袋でいろいろ作ってみよう、そのあとにいろいろ売って、コインをためる。いつ戦闘になってもいいようにしないと、本当になにが起きるわからないし、この世界で死ねば、現実世界の自分はと魂の抜け殻になる」
そこんとこの説明はしっかり聞くのが豆太郎のよきところ。
実は豆太郎は記憶力がよい。地図を見なくても暗記で、いろいろなデータチップ屋にいっては、素材分布チップ、モンスター分布チップ、地形分布チップなど。
チップ類は基本100コインくらいだ。食事も含めると出したい500コインくらいしか残っていない。
金星都市の外に出ようとすると、巨大なゴーレムのようなメタリック族がいる。
彼はこちらを見ると会釈してにこりと笑った。
「夜遅くまでは外に出ないように、モンスターのロックがお前を襲いに来るかもしれない、油断はするな」
門は基本ずっと開け放たれている。
外に出ると、見たこともない景色が広がっていた。
金属の草原だった。
その草はすべて金属で、ゴム製の金属のようにぐねぐねと曲り。
おそらく光合成で成長しているのだろう。
動物も神秘的で、ウサギがいたのだが、全身がシルバー色に輝いている。
この地区はどうやらウサギが多いみたいだ。
モンスターのロックには気をつけながら。
森の木々すべてが金属の欠片でおおわれている。
樹木そのものはあるのだろう、しかし表面も葉っぱもすべて金属。
葉っぱは1枚1枚の色が違って、エメラルドグリーンだったり黄緑だったり、中には枯れたのか茶色い鉱物の葉っぱがある。
1枚の葉っぱを引きちぎって、手のひらに触ると、鉱物がぼろぼろ崩れる。残ったのは1枚の本物の葉っぱだった。
おそらく、この惑星ならではの進化なのかもしれない。
そんなところに人間が土足で入ってくるのはいかがなものかと思われる。
歩きながらそう思うのだ。
そして採掘場を見つける。
さきほどアイテムボックスにドリルを見つけたので。それで掘ろうと決めていた。
そのドリルは右手にはめるものだ。
鉱物をえぐって取り出すものだ。
豆太郎はそのような経験はない、彼はどちらかというと商売をするほうであり、取るほうではないのだ。
金星都市の採掘場には30名の人間がいた。
そして20名のメタリック族がいた。
それぞれが洞窟に入っていく。
おそらくモンスターはいないようで、メタリック族が見張りをしている。
まるで一種の採掘ショップのようだ。
人間たちは真剣な表情で採掘している。
メタリック族の彼らは真剣な彼らを笑っている。
ドリルで鉄鉱石を取りまくる。
どうやら外れのようだ。
別な場所に移動する。
別な場所で、穴をほっても鉄鉱石しかでてこない。
この場所が悪いのではなくて、自分の道具が悪いのかもしれない。
ドリル【1】
この1という意味、おそらくレベルのことだ。
地図をタブレットのように開くと、金星都市のマップを見つける。
そこには鍛冶屋というものがある。
さらにボタンを押す。
【装備強化してます。レベル【10】まで可能、それ以上は別なとこいけ】
なるほど、そういうことか。
豆太郎はとりあえず金星都市に戻った。
鉄鉱石だけで1000個取ることに成功した。
1000個とってようやくおかしいと気づくのは自分がバカだからなのではないだろうかと、自己嫌悪に陥ったりもする。
だが彼のメンタルは強かった。
創造手袋をうまく使えないだろうか。
胡坐をかいて座る。
何を作ろう。これが豆太郎の能力、考えれば考えるほどいいものができる。
何度も何度もイメージする。
「ばっちしだね」
とつぶやき、豆太郎の動きが速くなる
彼は路地裏でその作業をしていた。
この金星都市で無一文になってしまったかわいそうな人間がいる。
10名くらいだろうか、彼らは面白おかしそうに豆太郎のしているのを見ていた。
彼らはこれがなんなのか知るときっと驚く。
にやりと豆太郎は笑うのであった。
豆太郎は確信している。
脳みその小さいメタリック族の弱点。
彼らが大事そうにもっていたもの、それは人形だ。
どうやら彼らは身分証明書の代わりに人形をもっていた。
人形に名前を付けて自分とそっくりではないものを持っていた。
それがなぜなのかはしらない。
猛スピードで作った。創造手袋は自分の創造したとおりに動いてくれる。
アニメオタク万歳、コミックオタク万歳、フィギュアオタク万歳。
なぜなら自分は最強のオタクなのだから。
ちなみに豆太郎はフィギュア以外にもつくったものが結構ある。
プラモデルだ。何かのロボットのプラモデルをパーツ1個ずつ。
ちなみに豆太郎の家の中には全種類のロボットのプラモがある。
そして彼の恐ろしいことは、1個1個のプラモデルのパーツをすべて覚えており、さらには粘土で再現できるほどなのだ。
彼には変な力があった。
その力がなぜ生じたのかはわからない、だが1つだけ心あたりがあるとすれば。
爺ちゃんは生粋の商人だった。
そして生粋の創造化だった。
創造したものをそのままコピーしてさらに創造できた。
さらにはコピー能力をつかっていろいろ新しく作り出すことができた。
その遺伝子を持っているのだろう。
さきほどメタリック族の衛兵に露店を開いていいか聞いた。
すると彼らはマニュアルを取り出して、頷いた。
こんなことまで覚えることができないのはきっと悲しことだろう。
この金星都市には一切の風がない。
さらには太陽の光が結構きつい。
それはなぜか、鉱物が太陽の光を反射させてしまうからだ。
本を取り出す勢いで露店を出すと、目の前に出現する。
テーブルが出てきた。
豆太郎はまず最初に200個つくった鉄合金人形を取り出した。
それらはメタリック族を観察して、コピーしながら、創造する。
つまり新しいメタリック族の人形ができる。
1個10000コインにしてみた。元は1個の鉄鉱石、この鉄鉱石の原価を調べた結果50コイン。
これは異常なるぼったくりというやつだ。
これが通用するか試してみたかった。
そして豆太郎の商売戦闘が始まる。
豆太郎の人生とは、努力の積み重ねだ。
高校生のころからいろいろなハガキで送って当たるという懸賞品を狙ったりしていた。
豆太郎はとても物が大好きだった。
料理に使う道具、または掃除に使う道具、しいては雑貨用品まで。
彼は百円ショッピングに毎日出かけている。
高校生の彼は進学をあきらめ、商売を始めることにしていた。
両親はそれに対して反対はしなかった。
お店を建てるお金もアルバイトをしてためた。
アルバイトは図書館の整理という仕事だった。
毎日が楽しく。
そしてついにお店を買った。
アパートのような建物に看板やらなにやら売りたいものやらなにやら。
商売の極意の本を見たり。
開店初日。不思議な道具を扱っているお店といわれたくさんのお客さんが長蛇の列になっている。
実は豆太郎は手で石などを加工し、いろいろな道具を使って宝石みたく仕上げるのが得意で、細工が得意で、さらには修理も得意ということだった。
太陽はばっちり上っている。
「さぁ、開店だああ」
まちにまった店開き。
次の瞬間、そのお店は粉になった。
「は?」
客が逃げていく。
店に落ちたのはロボットのようなもの。
豆太郎はそれを見て笑うしかない。
そして必死に逃げた。
豆太郎のお店開店の日、店は閉店した。
地球は宇宙人の侵略者により地下深くまで追放された。
人類は宇宙人をぶちたおすために、異世界型VRMMO、つまり異世界にゲーム要素を無理やりもりこんだ世界での宇宙人ボスをぶち殺すこと。
それが地球を宇宙人の手から助ける方法だった。
そんななかぼうぜんとそこに立っているものがいる。
豆太郎は見ていた。
彼は役所の地下に避難すると、役員たちの説明やら、世界がやばいことを知る。
そのあとカプセルに入れられ、ここにいるということだ。
ここに来るまで宇宙で彗星のように落下し、数えきれない人類たちが彗星となっていろいろな惑星に落下する。
十個ある惑星すべて地球の銀河系にあったもの。
しかしパラレルワールド的にこの宇宙系は自分たちがいた宇宙系ではない。
なぜならここはどうやら金星らしいのだ。
しかも残念なことに死ぬことはない。
なぜ悲しむか?
お店をつくってすぐにつぶれる。
その悲しさがわかるかと突っ込みたい。
どうやら金星のどこかの都市のようだ。
見たこともない金属の文明だった。たくさんのお店がある。
豆太郎は茫然としながら歩き続ける。
人はたくさんいてごった返している。
自分のように訳が分からず茫然と歩き続ける人は結構いた。
たしか魂そのものを具現化し、職業にしてこの世界に解き放たれたはず。
まさかゲームのようになるのか?
意識すると、空中にステータスのようなものが出現する。
ステータスは変化なしと書かれている。
つまり元の地球のステータスと変わらないということだ。
残念だが地球にはステータスを見るという魔法はない。
【職業:商人 レベル1】
と表示されている。ふむ、スキル表を見ることに。
スキル表
鑑定眼【すべてのレベルのものを鑑定できる】
商売上手【何かを買おうとしたり売ろうとすると相手に無意識に働きかける。買いたいときは安くなり、売りたいときは高くなる】
無限アイテムボックス【無限にアイテムをしまえる】
露店【小さなお店を外に開くことができる。露店に飾ってあるものを露店といっしょに収納すると露天の中に入ったままである】
借金払い【コインの数をある程度借金すると驚異的な強さになる。しかしコインを借金に充てればバッドステータスはない、それは計算ができなくなるということだった】
これが現状のステータス。
つまり戦い専門のスキルはこの2つだ。
鑑定眼と借金払い。
しかし借金払いをしてチート級の強さになるようだ。
おそらくコインを借金すれば借金するほど強くなるのだろう。
そして借金を払えなかったら、計算ができなくなる。
それはきっと商人として致命的だ。
まずはアイテムボックスの中身を確認する。
中から出てきたのは手袋のようなのだ。早速鑑定する。
創造手袋【鉱物ならなんでも触れたら粘土のように作ることができる。手をはなすと固まる】
この道具は鉱石を宝石にできるかもしれない、まずはお金を稼ぐことからだしなぁ。
あとは地図がでてきた。
その地図はこの金星のすべての地区をあらわしているものではない。
金星の一部、ここの都市とその外に広がる鉱石の森の道だ。
この地図で鉱石に森などあるのかと愕然とする。
そしてその地図はタブレットの透明版みたいだった。
地図の画面をぽちっとおすと、空中にうくと消滅した。
空中にぽちっと押すと出現する地図。
そのタブレットみたいなやつにはメモリーを入れるところがある。
ヘルプで検索すると。
【そのメモリーに地図のデータをいれると、この地図の情報が更新されます】
というもの、これは商人にとってうれしいことだ。
きっとそういった情報はお店に売っているのだろう。
ここを金星都市というらしい。この場所は文明が発達しており、空には無数の船が飛んでいた。
現在の持ち金は1000コインとなっている。
きっと多くないコインの数だと思われる。
まずはこの都市の情報が欲しい。
データ売り場を探す。
この金星都市にはたくさんのお店が開かれている。
それがなぜなのかはわからない。
あと人間じゃなくてロボットが歩いている。
よーく見ると、そいつらは鉱物そのもの。
ダイヤとかサファイアとかそういった鉱物人間が歩いている。
とりあえずデータ売り場を見つける。
店主はやはりメタリック人間だった。
ロボットに見えるがおそらく違う。
「いらっさい、おたくら人気だろ、金星にたくさんきてさ。みんなパニックだよ、てめーらの能力の職業ってやつがなかったら、追放してやってもいいんだがな、1人1人がつえーからな、さてデータ何買う?」
「あのうこの金星都市の情報の入ったものを」
「いいだろう、100コインだ」
「えっとどうすれば」
「手をだすんだよ」
店主は怒り心頭といったかんじで、豆太郎の手にふれるそこからコインが落下してきて、店主がかぞえる。次に店主はコインを吸い上げた。
その光景をみながら、豆太郎は唖然としつつも、これどゆこと?
とは突っ込みたくても突っ込めない。
「初めてか、コインとはな体に宿る力の一種、買い手と売り手の同意がとれれば、あとはコインが勝手に動けさ、購入できないのに同意してもコインはでてこねーよ、さぁ、人間はあっちいってな」
まったくと思いつつも、地図のデータをタブレット型にいれる。
データのようなチップは消滅する。
【更新しました】
と出てくると、金星都市について、この惑星ついてや種族やモンスターなど、いろいろなものが流れ始めた。
金星都市、この惑星にはメタリック族と呼ばれる。メタリックたちがいる。
彼らは商売が非常に得意で、いろいろなものを作ることに秀でている。
しかしドワーフのようには創造することができない。
メタリック族の脳みそはとても小さいのだ。
金星都市の周囲、金属の森ではたくさんの素材アイテムを手に入れることができる。
その素材を使って、いろいろなものを作ることができる。
メタリック族はそれらを使って、砕き、データチップをつくる。
メタリック族は本の知恵をデータにしてしまうという力がある。
そのおかげで、データチップがないとメタリック族は生きていけない。
なぜなら、メタリック族の脳みそは小さく、すぐに忘れるからだ。
ただ1つ気を付けることがある。この惑星の石は魂がやどる。彼らはロックと呼ばれていて、この金星の敵キャラでもある。
「ふう、だいたいのことはわかった。まずは外に出て鉱物をあつめて、創造手袋でいろいろ作ってみよう、そのあとにいろいろ売って、コインをためる。いつ戦闘になってもいいようにしないと、本当になにが起きるわからないし、この世界で死ねば、現実世界の自分はと魂の抜け殻になる」
そこんとこの説明はしっかり聞くのが豆太郎のよきところ。
実は豆太郎は記憶力がよい。地図を見なくても暗記で、いろいろなデータチップ屋にいっては、素材分布チップ、モンスター分布チップ、地形分布チップなど。
チップ類は基本100コインくらいだ。食事も含めると出したい500コインくらいしか残っていない。
金星都市の外に出ようとすると、巨大なゴーレムのようなメタリック族がいる。
彼はこちらを見ると会釈してにこりと笑った。
「夜遅くまでは外に出ないように、モンスターのロックがお前を襲いに来るかもしれない、油断はするな」
門は基本ずっと開け放たれている。
外に出ると、見たこともない景色が広がっていた。
金属の草原だった。
その草はすべて金属で、ゴム製の金属のようにぐねぐねと曲り。
おそらく光合成で成長しているのだろう。
動物も神秘的で、ウサギがいたのだが、全身がシルバー色に輝いている。
この地区はどうやらウサギが多いみたいだ。
モンスターのロックには気をつけながら。
森の木々すべてが金属の欠片でおおわれている。
樹木そのものはあるのだろう、しかし表面も葉っぱもすべて金属。
葉っぱは1枚1枚の色が違って、エメラルドグリーンだったり黄緑だったり、中には枯れたのか茶色い鉱物の葉っぱがある。
1枚の葉っぱを引きちぎって、手のひらに触ると、鉱物がぼろぼろ崩れる。残ったのは1枚の本物の葉っぱだった。
おそらく、この惑星ならではの進化なのかもしれない。
そんなところに人間が土足で入ってくるのはいかがなものかと思われる。
歩きながらそう思うのだ。
そして採掘場を見つける。
さきほどアイテムボックスにドリルを見つけたので。それで掘ろうと決めていた。
そのドリルは右手にはめるものだ。
鉱物をえぐって取り出すものだ。
豆太郎はそのような経験はない、彼はどちらかというと商売をするほうであり、取るほうではないのだ。
金星都市の採掘場には30名の人間がいた。
そして20名のメタリック族がいた。
それぞれが洞窟に入っていく。
おそらくモンスターはいないようで、メタリック族が見張りをしている。
まるで一種の採掘ショップのようだ。
人間たちは真剣な表情で採掘している。
メタリック族の彼らは真剣な彼らを笑っている。
ドリルで鉄鉱石を取りまくる。
どうやら外れのようだ。
別な場所に移動する。
別な場所で、穴をほっても鉄鉱石しかでてこない。
この場所が悪いのではなくて、自分の道具が悪いのかもしれない。
ドリル【1】
この1という意味、おそらくレベルのことだ。
地図をタブレットのように開くと、金星都市のマップを見つける。
そこには鍛冶屋というものがある。
さらにボタンを押す。
【装備強化してます。レベル【10】まで可能、それ以上は別なとこいけ】
なるほど、そういうことか。
豆太郎はとりあえず金星都市に戻った。
鉄鉱石だけで1000個取ることに成功した。
1000個とってようやくおかしいと気づくのは自分がバカだからなのではないだろうかと、自己嫌悪に陥ったりもする。
だが彼のメンタルは強かった。
創造手袋をうまく使えないだろうか。
胡坐をかいて座る。
何を作ろう。これが豆太郎の能力、考えれば考えるほどいいものができる。
何度も何度もイメージする。
「ばっちしだね」
とつぶやき、豆太郎の動きが速くなる
彼は路地裏でその作業をしていた。
この金星都市で無一文になってしまったかわいそうな人間がいる。
10名くらいだろうか、彼らは面白おかしそうに豆太郎のしているのを見ていた。
彼らはこれがなんなのか知るときっと驚く。
にやりと豆太郎は笑うのであった。
豆太郎は確信している。
脳みその小さいメタリック族の弱点。
彼らが大事そうにもっていたもの、それは人形だ。
どうやら彼らは身分証明書の代わりに人形をもっていた。
人形に名前を付けて自分とそっくりではないものを持っていた。
それがなぜなのかはしらない。
猛スピードで作った。創造手袋は自分の創造したとおりに動いてくれる。
アニメオタク万歳、コミックオタク万歳、フィギュアオタク万歳。
なぜなら自分は最強のオタクなのだから。
ちなみに豆太郎はフィギュア以外にもつくったものが結構ある。
プラモデルだ。何かのロボットのプラモデルをパーツ1個ずつ。
ちなみに豆太郎の家の中には全種類のロボットのプラモがある。
そして彼の恐ろしいことは、1個1個のプラモデルのパーツをすべて覚えており、さらには粘土で再現できるほどなのだ。
彼には変な力があった。
その力がなぜ生じたのかはわからない、だが1つだけ心あたりがあるとすれば。
爺ちゃんは生粋の商人だった。
そして生粋の創造化だった。
創造したものをそのままコピーしてさらに創造できた。
さらにはコピー能力をつかっていろいろ新しく作り出すことができた。
その遺伝子を持っているのだろう。
さきほどメタリック族の衛兵に露店を開いていいか聞いた。
すると彼らはマニュアルを取り出して、頷いた。
こんなことまで覚えることができないのはきっと悲しことだろう。
この金星都市には一切の風がない。
さらには太陽の光が結構きつい。
それはなぜか、鉱物が太陽の光を反射させてしまうからだ。
本を取り出す勢いで露店を出すと、目の前に出現する。
テーブルが出てきた。
豆太郎はまず最初に200個つくった鉄合金人形を取り出した。
それらはメタリック族を観察して、コピーしながら、創造する。
つまり新しいメタリック族の人形ができる。
1個10000コインにしてみた。元は1個の鉄鉱石、この鉄鉱石の原価を調べた結果50コイン。
これは異常なるぼったくりというやつだ。
これが通用するか試してみたかった。
そして豆太郎の商売戦闘が始まる。
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