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☆職業農民最強伝説★編
第26章 エルフの街防衛線
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―――アッキ―――
フォケジーをアヴァロン号から落とし、彼にエルフの王子の運命を託してから、数時間後の話である。乱気流やら何やらで嵐がひどくなり、アヴァロン号を着地させる事となるのだが、ちらりと見えたエルフの街に嵐が直撃している。
それだけならまだよかった。そこに数万は超えるゴブリンの大軍が押し寄せてきている。
ついに始まったのだ。
アッキは決めポーズをとりながらゴブリン達の光景を見ている。
顎に手を乗せても考える。どうでもいい参謀は今ここにはいない。
「皆、おそらく密偵は逃げた。あのゴブリンの大軍を目にして一緒に死のうと思える密偵はいないと仮定しよう、俺様、スカイ、棘刀、芝桜で数万の敵をほふる、文句あるか!」
全員文句など一切言わず、全員がにやりと笑って、戦う準備を整える為それぞれの船室に消えていった。
「スカイ、120人の新しく村人の予定の奴等は、どうする」
「任せろ、アヴァロン号が着地した後に絶対バリア機能を使う、そうすれば船が城となる」
「考えてるな」
「任せな」
それからアヴァロン号はエルフの街の駐車スペースへ着地して戦闘メンバーを下すとバリアを作動させた。エルフの街の防衛しているエルフ達と合流し、獣人達やら冒険者ギルドの人々と協力して、戦う準備を整えていた。
ゴブリン達はこちらの様子を伺い、兵士で逃げ場のないようにエルフの街をぐるりと取り囲んでしまったのだ。
そんな時にフォケジーのフレンド通信がやってきて、色々な情報を知る。
そしてエルフ王子救出を失敗し、2人はどうやらエルフ共和国の秘密通路に向かったもよう。そしてアッキたちはゴブリン達と戦争をおっぱじめようとしていた。
北門をアッキが、東門をスカイが、西門を棘刀が、南門を芝桜が。
それぞれが防御を固めて、エルフの街の中央広場には地下と地上と空中がある。
空中では枝が入り乱れて出来ており基本的に鳥たちの住みかとなっている。
そこにアヴァロン号を着地させた。
アヴァロン号には沢山の能力がある。
その一つが、ステルス機能、次に絶対バリア機能、次に重量軽量機能だ。
重量軽量機能はどれだけのものを乗せても、軽くなってしまう。
なんとも便利な機能なのだ。
ちなみにアッキがそれらを理解するのにスカイは10回説明した。
アッキは腕を組む、北に勢揃いしたゴブリン達を見回す。
後ろには冒険者ギルドから派遣された獣人たちの塊の集団、彼等は絶望の声をあげている。
「もう無理だ。俺達殺される。男性は殺され、女性は考えるのも恐ろしい」
「あんた、本気で戦いなよ、男は死ぬだけでいい、だけど女は死ぬよりも恐ろしい事が」
それ以上の事は女性の獣人は言わなかった。
エルフ達が集まって城門から出て逃げようとしている。
「ここから出せ、今すぐ逃げないと」
「もう手遅れだ。逃げ道はない」
「城門を開けろ、俺達だって生きたいんだ。木に登って確かめてもいいんだぞ」
「ああ、確かめたのじゃ」
「町長」
「もう逃げ場はない、もはや戦うしか、女と子供を地下に匿え、扉に絶対防御の魔法をかけろ、なんとしても男たちよ女と子供を守るのだ。わしらは死ぬだけ、だが女はおもちゃにされ、子供は奴隷として一生ゴブリンの下で働く事になる」
その場の全員が絶望の声をあげて、真っ青になって、1人また1人と武器をたらりと垂らす。
それは色々な街やダンジョンなどを冒険してきた冒険者たちも同じだ。
「こんな事聞いた事がない、魔王が誕生したわけでもねーのに、いったいこんなこと経験した事が無いよ」
「そうよ、聞いた事がある? どこの世界にゴブリンが数万体いるのよ、今までどこに隠れていたのよ、それに冒険者ギルドのギルドマスターはこの事を予測出来たのではなくて? そしたらゴブリン討伐があっても良かったのに」
「そのギルドマスターの事なのじゃが」
老人が手をあげて話しだす。
アッキは鍬を背中に担ぎながら、城壁の下にいるエルフ達や獣人たちの会話を聞いていた。
「先程、死体として見つかった。死後2ヵ月だそうだ」
「嘘よ、昨日だって普通にご飯食ってた」
「おかしいと思わなかったか? あのゴブリン嫌いのギルドマスターが突然ゴブリンの討伐を中止した事に」
「まさか」
「そうじゃ、わしらは騙されておった。もはやこの街にも魔物達モンスターの侵略は始まっている。こんな事を考える事が出来るのは」
「ゴブリンキングの誕生」
「その通り、魔王の一種とされるゴブリンキングの誕生、もはや1万を滅ぼしても、また1万を滅ぼしても、数万のゴブリン、数万のゴブリン並の強さのゴブリンキング。わしらは滅亡じゃ、ここが滅亡すると共和国が滅亡する。パワーバランスが滅び、下手したら」
「エルフ族は滅びる。獣人族は至る所にいるからいいが、エルフは森のある所でなくては生きていけない」
その場がまたしんみりとする。
すると1人の異常者が笑って見せた。
「あひはっはははははははっは、おめーらまじで言ってのか?」
全員の目がこちらを見る。
その発言の源はアッキ・ミザワ。彼は鍬を野球のバットでも振るかのようにスイングしながら言う。
「俺様が1人で1万ぶち殺す、その為にお前らは弓矢だけで援護しろ」
その場にいる全員が唖然として、哀れな目でこちらを見ている。
どうやらアッキが男ならかかる中二病患者のような目でみていた。
「いいかよーく聞け、お前等はこのままじゃ滅びる、俺様の仲間がエルフの街の四方に散って、この街を命を懸けて守る。お前等は命を懸けるな、なぜなら俺様がかっこいいからだ。かっこいい奴にはかっこいい事させろと父ちゃんと母ちゃんに言われなかったか?」
アッキは意味不明な事を叫ぶ。
人々は唖然と口を開けながら、こちらを見ている。
希望の光ではない、それはいわば賭けの光。
「無理やあんたみたいな農民」
「ああ、ただの農民ならな、俺様はサウザンドマウンテンに村をつくる村長だ。最強の村人集めて、最強の村の王となる。さぁ見て、俺様が死んだらお前らは終わりだ。俺様を信じて賭けに出るか、そのまま死ぬか、ただ見ているか、いろいろと選べるぜぇ?」
町長がアゴヒゲを撫でながら、こちらを見る。
彼の瞳には老いを感じる。
とても鋭い視線をアッキは浴びる。
アッキはその視線がとても懐かしいもののように感じる。
爺ちゃん、それを思いだす。
そうだ。この眼差しは爺ちゃんそのものだ。
「お前を信じよう」
「町長!」
「正気ですか」
「町長そのような事をエルフ王にばれたら、打ち首もの」
「ばれる前に死んでは意味がなかろう?」
町長はにやりと笑った。
やはり食えない爺さんだ。
アッキは結論が出たのを知り。
「じゃ、暴れてくるわ」
アッキは城壁からジャンプすると草原が広がる地面にどさりと着地する。
その衝撃で足がダメージを負うがすぐにラジオ体操をして回復。
「お前何やってる敵を前にしてなんで体操してる」
と獣人らしき冒険者が叫ぶ。
「ん? ラジオ体操だよ? 戦う前の準備は大切だろう?」
「お前、なんでそんなにリラックスしてる?」
「こんなもん、サラリーマンになる為に第三次試験の筆記試験、第二次試験の実技試験、最終試験の面接に比べたら、楽勝だ」
「そ、そうか、お前は人間、つまり」
「そゆこと、君達から見たら異世界人だね、異世界人を頼るのも大切だよ? あっははは、それ以前にエルフの街にもいるはずなんだがな、異世界人、みんなへっぴり腰か?」
フォケジーをアヴァロン号から落とし、彼にエルフの王子の運命を託してから、数時間後の話である。乱気流やら何やらで嵐がひどくなり、アヴァロン号を着地させる事となるのだが、ちらりと見えたエルフの街に嵐が直撃している。
それだけならまだよかった。そこに数万は超えるゴブリンの大軍が押し寄せてきている。
ついに始まったのだ。
アッキは決めポーズをとりながらゴブリン達の光景を見ている。
顎に手を乗せても考える。どうでもいい参謀は今ここにはいない。
「皆、おそらく密偵は逃げた。あのゴブリンの大軍を目にして一緒に死のうと思える密偵はいないと仮定しよう、俺様、スカイ、棘刀、芝桜で数万の敵をほふる、文句あるか!」
全員文句など一切言わず、全員がにやりと笑って、戦う準備を整える為それぞれの船室に消えていった。
「スカイ、120人の新しく村人の予定の奴等は、どうする」
「任せろ、アヴァロン号が着地した後に絶対バリア機能を使う、そうすれば船が城となる」
「考えてるな」
「任せな」
それからアヴァロン号はエルフの街の駐車スペースへ着地して戦闘メンバーを下すとバリアを作動させた。エルフの街の防衛しているエルフ達と合流し、獣人達やら冒険者ギルドの人々と協力して、戦う準備を整えていた。
ゴブリン達はこちらの様子を伺い、兵士で逃げ場のないようにエルフの街をぐるりと取り囲んでしまったのだ。
そんな時にフォケジーのフレンド通信がやってきて、色々な情報を知る。
そしてエルフ王子救出を失敗し、2人はどうやらエルフ共和国の秘密通路に向かったもよう。そしてアッキたちはゴブリン達と戦争をおっぱじめようとしていた。
北門をアッキが、東門をスカイが、西門を棘刀が、南門を芝桜が。
それぞれが防御を固めて、エルフの街の中央広場には地下と地上と空中がある。
空中では枝が入り乱れて出来ており基本的に鳥たちの住みかとなっている。
そこにアヴァロン号を着地させた。
アヴァロン号には沢山の能力がある。
その一つが、ステルス機能、次に絶対バリア機能、次に重量軽量機能だ。
重量軽量機能はどれだけのものを乗せても、軽くなってしまう。
なんとも便利な機能なのだ。
ちなみにアッキがそれらを理解するのにスカイは10回説明した。
アッキは腕を組む、北に勢揃いしたゴブリン達を見回す。
後ろには冒険者ギルドから派遣された獣人たちの塊の集団、彼等は絶望の声をあげている。
「もう無理だ。俺達殺される。男性は殺され、女性は考えるのも恐ろしい」
「あんた、本気で戦いなよ、男は死ぬだけでいい、だけど女は死ぬよりも恐ろしい事が」
それ以上の事は女性の獣人は言わなかった。
エルフ達が集まって城門から出て逃げようとしている。
「ここから出せ、今すぐ逃げないと」
「もう手遅れだ。逃げ道はない」
「城門を開けろ、俺達だって生きたいんだ。木に登って確かめてもいいんだぞ」
「ああ、確かめたのじゃ」
「町長」
「もう逃げ場はない、もはや戦うしか、女と子供を地下に匿え、扉に絶対防御の魔法をかけろ、なんとしても男たちよ女と子供を守るのだ。わしらは死ぬだけ、だが女はおもちゃにされ、子供は奴隷として一生ゴブリンの下で働く事になる」
その場の全員が絶望の声をあげて、真っ青になって、1人また1人と武器をたらりと垂らす。
それは色々な街やダンジョンなどを冒険してきた冒険者たちも同じだ。
「こんな事聞いた事がない、魔王が誕生したわけでもねーのに、いったいこんなこと経験した事が無いよ」
「そうよ、聞いた事がある? どこの世界にゴブリンが数万体いるのよ、今までどこに隠れていたのよ、それに冒険者ギルドのギルドマスターはこの事を予測出来たのではなくて? そしたらゴブリン討伐があっても良かったのに」
「そのギルドマスターの事なのじゃが」
老人が手をあげて話しだす。
アッキは鍬を背中に担ぎながら、城壁の下にいるエルフ達や獣人たちの会話を聞いていた。
「先程、死体として見つかった。死後2ヵ月だそうだ」
「嘘よ、昨日だって普通にご飯食ってた」
「おかしいと思わなかったか? あのゴブリン嫌いのギルドマスターが突然ゴブリンの討伐を中止した事に」
「まさか」
「そうじゃ、わしらは騙されておった。もはやこの街にも魔物達モンスターの侵略は始まっている。こんな事を考える事が出来るのは」
「ゴブリンキングの誕生」
「その通り、魔王の一種とされるゴブリンキングの誕生、もはや1万を滅ぼしても、また1万を滅ぼしても、数万のゴブリン、数万のゴブリン並の強さのゴブリンキング。わしらは滅亡じゃ、ここが滅亡すると共和国が滅亡する。パワーバランスが滅び、下手したら」
「エルフ族は滅びる。獣人族は至る所にいるからいいが、エルフは森のある所でなくては生きていけない」
その場がまたしんみりとする。
すると1人の異常者が笑って見せた。
「あひはっはははははははっは、おめーらまじで言ってのか?」
全員の目がこちらを見る。
その発言の源はアッキ・ミザワ。彼は鍬を野球のバットでも振るかのようにスイングしながら言う。
「俺様が1人で1万ぶち殺す、その為にお前らは弓矢だけで援護しろ」
その場にいる全員が唖然として、哀れな目でこちらを見ている。
どうやらアッキが男ならかかる中二病患者のような目でみていた。
「いいかよーく聞け、お前等はこのままじゃ滅びる、俺様の仲間がエルフの街の四方に散って、この街を命を懸けて守る。お前等は命を懸けるな、なぜなら俺様がかっこいいからだ。かっこいい奴にはかっこいい事させろと父ちゃんと母ちゃんに言われなかったか?」
アッキは意味不明な事を叫ぶ。
人々は唖然と口を開けながら、こちらを見ている。
希望の光ではない、それはいわば賭けの光。
「無理やあんたみたいな農民」
「ああ、ただの農民ならな、俺様はサウザンドマウンテンに村をつくる村長だ。最強の村人集めて、最強の村の王となる。さぁ見て、俺様が死んだらお前らは終わりだ。俺様を信じて賭けに出るか、そのまま死ぬか、ただ見ているか、いろいろと選べるぜぇ?」
町長がアゴヒゲを撫でながら、こちらを見る。
彼の瞳には老いを感じる。
とても鋭い視線をアッキは浴びる。
アッキはその視線がとても懐かしいもののように感じる。
爺ちゃん、それを思いだす。
そうだ。この眼差しは爺ちゃんそのものだ。
「お前を信じよう」
「町長!」
「正気ですか」
「町長そのような事をエルフ王にばれたら、打ち首もの」
「ばれる前に死んでは意味がなかろう?」
町長はにやりと笑った。
やはり食えない爺さんだ。
アッキは結論が出たのを知り。
「じゃ、暴れてくるわ」
アッキは城壁からジャンプすると草原が広がる地面にどさりと着地する。
その衝撃で足がダメージを負うがすぐにラジオ体操をして回復。
「お前何やってる敵を前にしてなんで体操してる」
と獣人らしき冒険者が叫ぶ。
「ん? ラジオ体操だよ? 戦う前の準備は大切だろう?」
「お前、なんでそんなにリラックスしてる?」
「こんなもん、サラリーマンになる為に第三次試験の筆記試験、第二次試験の実技試験、最終試験の面接に比べたら、楽勝だ」
「そ、そうか、お前は人間、つまり」
「そゆこと、君達から見たら異世界人だね、異世界人を頼るのも大切だよ? あっははは、それ以前にエルフの街にもいるはずなんだがな、異世界人、みんなへっぴり腰か?」
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