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第1章 死亡開始

第14話 面倒なので馬鈴薯づくりしますか

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 魔王サタンが気絶している間。
 ロードは3人の悪魔の子供と会話をして、一緒に馬鈴薯作りをしてスローライフを送る事に決まった。
 他の魔王の兵士達は疲れはて抵抗をやめている。

 ロードは疲れたので動かないが、ブルー戦士とレッド忍者がいればあらかた片付く。
 魔王の城の地下室からサデスとリデスの妹のサリスが見つかった。
 3人兄弟妹が揃って和気あいあいとしていると。

 魔王サタンこと彼等の父親が目を覚ました。
 まだ空には空飛ぶ船が浮遊しているし、ドラゴンキングがあたりを見回している。
 オレンジはテイマーレベル99なので付き従うモンスターの数も10万を超えている。

「わしを殺せ、だが民は魔王サデスよしっかりと大事にするんだぞ」

「父上、なぜ、そうまでして、地位や魔王の位が欲しかったのですか」

「それは俺が説明する」

 まさかの部外者であるロードが説明する事になった。

 話術士のアンバーと飛脚のイエローと忍者のレッドの表と公開と裏の情報を統合した結果。

「とりあえず、アンバーは各地の魔王領にて話術しで沢山だまして情報を得てきた。イエローは公開されている情報を物凄い早いスピードで移動しながら手に入れてきた。レッドは裏の情報を隠れながら集めてきた。その結果、魔王サタンは単純にこの国を守りたかっただけだ」

「はぁ?」

 魔王サデスは怒りを表す。

「守りたいなら母上をなぜ殺した、守りたいならリデスの友達やらをなぜ殺した」

「それも守るために必要な力、その時、魔王サタンは決断を迫られていた。別の魔王領の属国になることを、つまり奴隷となる事を」

「そんなのは知らないぞ」

「サデスがまだ小さい時の話だ」

「それ以前にそんな情報をよく集めてきてくれて」

「気にするな」


 魔王サタンは唾を吐き出し。


「それでもこれからここは放っておかれるどうせ滅ぶだけだ」

「なら、俺の国にこい、魔王サタン、お前を馬鈴薯の隊長にしてやる」

「ぷ」

 突如笑ったのはリデスだった。

「ある意味僕の予言は当たったのかもしれない」

 ようやく魔王サタンは気づき。
 また笑う。

「この国の民をあと財産を」

「移動させよう、今無職だが100人の俺がいるからな、他にもメンバーがいるし」

「かたじけない、わしは今日から馬鈴薯畑の隊長か、はは、はっはっは」

「父上笑ってないで荷物運ぶよ」

「すまない」

 皆が荷物運びに動き出し、魔王王国と周辺の村も避難させる。みんな空飛ぶ船に乗って興味津々なのだろう。

「サリス、ひどい事されてないよな?」

 魔王サデスが問いかけると。

「もちろんよ、兄さん、父上はとても大事に守ってくれました。父上は狂ったふりをしているだけで、この国を守る為、私を幽閉したのです」

「そうだよ兄さん、サリスにも別の力があるんだ。それは帰ってから説明するよ」

「おう」

 ロードは片耳にそれを聞いていた。
 聴力も今までの自分の合計値分なので、透き通るように聞こえる。
 一番憂鬱なのだが100人の自分をどうするかという事。
 1人1人職業を決めていても困るし。
 そもそも同じ職業をつけてもいいのだろうか。

「もちろんいいのだぞ」

 そう呟いたのは、ロードにしか聞こえない声の主だった。

「レベルのカンストも999になったしな、99からはそう簡単には上昇しないと思え」

 ロードはこくりと頷く。

 全ての民とあらゆる資産を格納し終わると。
 ロード達は空飛ぶ船で帰還した。
 オレンジはテイマーな為、10万を超える大群のモンスターとドラゴンキングを引き連れてザイホー王国に帰還することになった。

 全てが終わった訳ではないが、ロード達はまた馬鈴薯づくりを始めながら色々と考えていくのだった。

「わしは隊長だぞ」

 魔王サタンは威張っていた。
 今日からサタン隊長となった。

 ロードはリーナとベンチに座りながら談笑する。

「100人の無職の髪形は色々あったけど、ちょっと考えて決めたんだ」

「何にするの? 纏めるんでしょ」

「修行者にするよ全員、修行する道具とかはどうやって作ればいいかわらかないけど、最強の100人部隊にしたいんだ」

「それなら手を貸せると思いますロード様」

 突如現れたのは魔王サデスとリデスの妹サリスであった。

「私の力は書物で得た知識を具現化させる事です」

「えーと」

「材料をそろえてもらえれば具現化できます」

 ロードとリーナは目くばせしながら。
 少しの時間を要してものは試しと色々と資材をそろえた。

「では、参ります」

 場所は木こりのトープが木々を伐採して広げてくれたポイントで。

「効果×10倍の木のサンドバックを作ります」

「その効果×10倍とは」

「成長が×10倍という事です。さらに貴重な資材を集めていただくと、効果×20倍にしたりできます」

「それ凄いな」

 サリスは会釈すると地面に両手を合わせて、目をつぶって魔術のような祝詞を呟いた。
 一瞬にして置いてある資材が結合し始めて1個のサンドバックが出来た。
 ロードは試しに一発殴ると司令官レベル100になった。

「えええええ」

 試しにもう一発殴ると司令官レベル101になった。

「なんだこのサンドバックは」

「おそらく司令官ジョブのレベルが上がりやすくなってるんじゃないかしら」

 リーナの助言にロードは確かにと頷く。

「暇人たちに資材を届けさせるからサンドバック効果×10倍の奴を後99個作って欲しい」

「もちろんですわ、ロード様」

「サリスありがとう、いつかお礼をさせてくれ」

「そのような事は、しいて言えば、お茶でもしませんこと」

「ああ、今度準備しよう」

「それはありがとうございます」

 サリスの元にスマルト【暗殺者レベル99】とスノーホワイト【店長レベル99】とセピア【聖騎士レベル99】が資材を集めに走ってやってきた。

 同化現象での意思疎通はとても便利な機能だとこの時ロードは思った。

 ロードは馬鈴薯畑に戻ると。

「王よ隊長として馬鈴薯畑をさらに拡大しましたであります」

 サタン隊長が敬礼しつつも。
 隣では魔王サデスが爆笑しており。

「何を笑うか、父親の第二の人生だぞ」

「ごめんごめんと」

 魔王サデスはそう言いながら馬に乗りながらも。

「ロード、俺様達はちと見回りにいってくる、怪しい奴の情報があがってる」

「そうか気をつけろ」

 リデスがこっちに耳打ちしてきた。

「ね、サリスの力凄いでしょ」

「いや、リデスのも凄いよ」

 リデスも馬に乗りながら弓矢を背負っていた。

 悪魔の子供の3名は馬鈴薯をむしゃむしゃ食っていた。

「ちょ、またんか、それは茹でてから食べるのじゃぞ」

 サタンが悪魔の子供に説明する姿は孫を叱る祖父という姿だった。

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