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14話 攻略か死亡か

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 7人の美少女達がそれぞれの攻撃を仕掛ける中、
 ゴミ魔王と繋がっているのがゴミ捨て場みたいな所だった。

 そこに投げ飛ばされたゴミ達はゴミ魔王の力となりて、
 こちらへと襲ってくるだろう。

 7人の美少女達は沢山のゴミが飛来してくるなかで、
 それぞれの得意技を発動させている。
 ちなみにベリーは俺様の背中の後ろで回りを把握する事に努めている。

 ゴミ魔王は次から次へと捨てられたゴミを吸収しながら、
 ゴミ魔王の世界とこのダンジョンのゴミ捨て場が繋がっている事で、

 先程から俺様達が一生懸命ゴミ捨て場らしき場所に捨てていたゴミが、魔王の力となる。
 魔王はまるでゴミのゴーレムのように蠢く、
 俺様は竜魔人の剣を構えると、前方に走り出した【前世最強】【乱舞無双】【最強武芸】【肉体強化】を発動させたまま、もはや自然を超越したスピードで走り出す。

 目で追う事は不可能で素早さ15300の力は伊達ではなかった。
 気付いた瞬間、ゴミ魔王の体からゴミが次から次へと消滅していく、
 それに対して、サリィーは長い槍を扱いながら、
 俺が弾き飛ばすゴミ達をその槍で破壊してくれる。
 憤怒は怒りくるっていた。
 憤怒のサリィーは怒り狂う事で強さを見出していた。

 それぞれの仲間達が必至でゴミを駆除しているなか、
 俺様は右に左にとジャンプしたりしている。

 風の様に舞い上がり、ゴミ魔王の後ろに到達しても、
 どこにも弱点を見出す事が出来ない、

 どうやってこの無限に沸いてくるゴミ達をどうすればいいのか?

 このゴミのせいでゴミ魔王はどんどんと強くなっていく、
 
 恐らく地上からも至る所からも繋がっている空間からゴミを集めてきているのだろう。

 地上に捨てられていたあのゴミだって魔王の力になるだろうし、
 ゴミダンジョンにあったゴミ達だって魔王の力となるだろう。

 まさかゴミそのものに逆襲されるとは、

「俺様不覚」

 俺様は今初めて使用するスキルがある。
 それが【魔剣召喚】だった。
 一度も使った事がない、竜魔人の剣、神仏のメリケンサック、俊足神の弓があれば大丈夫だと高をくくっていた所もあるだろう。

 だが今、俺様は竜魔人の剣を腰の鞘にしまうと、

 右手となぜか左手に自分がイメージする魔剣を召喚する事に成功した。

 その時、傲慢のルシュフと嫉妬のレイディーが弾かれて、壁に叩きつけられた。
 彼女達は口から空気を吐き出して動けなくなる。

「も、もうしわけ、ありませんわ、このお嬢様と、し」
「はわわわ、王子様の力に……」

 2人の美少女が壁の端っこで気絶している中、
 俺様の頭が真っ赤に染まった。
 仲間が倒された事に怒りを覚えたのだ。

 あんなに美少女な2人をボコボコにするってのは、
 男としてどうなんだ?

 とゴミ魔王の老人に視線で問いかけると、
 ゴミ魔王はそれに気づいたのか、にやりと親指を上げて見せた。

 その親指はゴミのようなゴーレムの姿であったが、

 怒りがさらに逆立ち、

 イメージでは右手と左手に魔剣を召喚する感じだった。
 しかしどうやって、このゴミ魔王を倒すべきかを考えすぎていた結果。

 この世界ではない別な世界の道具を召喚してしまったようで。

「な、んだ。これは?」

 それは筒みたいな物と大きな箱のようなものがあり、
 頭に使用方法を流れ込む。

【魔剣:高機能掃除機】
【使用方法:筒状の物を相手に向け、スイッチをONにすれば、目の前にあるゴミまたは不要な物を吸い込む事が出来る。ゴミと認識する物なら全て吸い込む、吸い込まれたものは魔界に飛ばされる】

「こうやって使えばいいのか? つーかこんな魔剣聞いた事ねーぞ俺様的に」

 スイッチをONにすると、
 ぶいいいいいいいんんという耳に残るボイスを響かせながら、
 7人の美少女達は、それぞれがこちらを凝視している。
 ゴミ魔王ですら何が起きたとばかりにこちらを見ている。

 それは俺様が知りたい事です。この音を発してどうするのですか?
 と尋ねたい。

「何をしているんだあああ、そこのクソガキいいいいい」

 ゴミ魔王の右手が伸びる。 
 ぼろぼろと崩れるゴミ達、または沢山の知らない物達が、地面にこぼれながら、
 ぐちゃぐちゃになりながら、それが一本の右腕だという事が認識すると。

 俺様は【魔剣:高機能掃除機】を向けた。
 するとゴミ魔王はちょこざいなぁとばかりに、右腕を上昇させると、
 その絶壁のような腕を振り落として、
 俺様に止めを刺そうと。

「なるようになるさあああああ」

 叫び声を上げて、
 その落下してくるゴミの右腕に対して、高機能掃除機を発動させる。
 
 まず信じられない事が起きた。
 この魔剣は普通の魔剣ではないようだ。

 沢山のゴミを吸収していくではないか、
 大きさなど関係ないとばかりに、
 次から次へとこの魔剣はゴミを吸い込む。
 それは魔界に飛ばされているらしいが、どこの魔界かは知らない、
 いつか魔界の人に苦情報告でもされたらどうしようかと思いつつも。

「ぐおおおおおぉぉぉ」

 ゴミ魔王が驚愕に打ちひしがれた悲鳴を上げながら、
 俺様は高機能掃除機を向ける。

「ぐあああああああああ」

 ゴミ魔王の体から沢山のゴミが次から次へと高機能掃除機に吸い込まれて行く。
 ゴミが剥がされて行く中、ゴミ魔王の本来の姿が見えるまで相当な量のゴミを吸収する必要がある。

 ゴミ魔王はそこから逃れようと、
 至る所にあるゴミを操作し始める。
 ゴミ魔王は遠隔操作も出来るみたいだ。

 沢山のゴミ達がこちらに飛来してくる中、

 憤怒のサリィーと暴食のネメと強欲のゴーナと色欲のサキュラが四方を守ってくれる。
 傲慢のルシュフと嫉妬のレイディーはノックダウンされている。
 怠惰のベリーは俺様の背中で至る所を分析している。

 その時だ。
 ひたすら俺様はゴミを高機能掃除機に吸収させて行く中で、
 そこにゴミ魔王がいる気配が消えた事に気付いていた。
 
 だがゴミ魔王がどこにいるかは分かっていない。

 それでもゴーレムのような奴を倒すのに必死になっていた。

 天井から飛来してくるゴミ魔王の存在に気付いたのは。

「上だリュウケン!」
「おう」

 その時、全てが終わった。そんな気がした。
 それは良い意味で。
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