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第14話オークション
しおりを挟む―分身レベル5―
―箒を使うレベル110―
―料理レベル60―
―水魔法レベル30―
驚異的なレベルアップに俺は驚きを隠せない。分身たちが消え終わった後。俺は、また分身を起動した。
―分身レベル5―
「ナンバーワン 掃除をする」
「ナンバーツー 料理をする」
「ナンバースリー木人に水魔法を与える」
「ナンバーフォー近衛兵の見張り」
「ナンバーファイブカウンターでお客の見張り」
「全員、仕事をきばっていこう」
「「「「「イエッサー」」」」」
ここは軍隊ではありません。
そんでもって、俺は一般市民で、単なる小説家でございます。俺は、事務所の二階にて、本を眺めながら、ペンを振り絞った。色んな角度から見る本は大好きであった。
そして、物語をつむぐ。勇者と魔王がみなぎるぞ。俺はそれを書き綴る。
勇者は国のお姫様、魔王と太陽に向かって走るシーンがラスト、だが、それで終わっていない、続編に続く。
やっと、一冊書き終わった。続編は、どうするか、ブァンビーからあらかじめもらっておいた本をめくり、続編を書き始める。
そこでは、魔王と勇者がみなぎって、闘って、惑星を制覇する話が描かれている。永延と続かれる物語、終わりがないみたいだ。そして、最後は、勇者と魔王が老人になって、終わる。そこに挟まれていた主人公は、みなぎって、死んだ。
みんなグッバイ、老後をグッバイ。
そして、物語は終わった。
ぜいぜいはぁはぁ、息を吸う。もう、夜中であった。
そして、夕食を一階の事務所でみんな食っているみたいだ。
俺は血でも吐くんじゃないかと、恐ろしくて、とてもじゃないが、動けなかった。ゆっくりと世界になじみ始めて、空気を吸い上げる。そして、一階に行くと、みんながこちらを見ていた。どうやら近衛兵は帰っていったようである。
そして、俺はというと、くらりと倒れながら、椅子に座って、飯をかき込む。
今日はオムライスであった。上手かった。
そんでもって、卵スープもある。
色々と口の中にかき込みながら。色々と思案しながら、沢山のことを思い描きながら、俺は、みんなの言葉を待っていた。みんなは雑談しながら、食っていた。
俺は、というと、この世界にいないみたいだなと感じたのだが。
「あなた、小説は出来たの?」
我らが頭領は、甘くなかった。
「ああ、出来たぞ」
「それなら、添削するから、持ってきなさい、ちょうど食い終わったし、あなたも食い終わったでしょ?」
「ああ、そうだな、ちょっと待ってくれ」
俺は、一度、台所に行くと、料理人を回収しようかと思って放置した、ずっと料理つくってくれ、しばらくしたら回収しよう、どうやら、長い時間を働かせると、レベルアップの効率がよくなるみたいだ。なら、外の水やりもちょびちょび休憩させながら、木々に与えてやってくれ、箒掃除もたのむ。そして、お客の見張りは、ずっと、おばちゃんの寝姿でも見張ってくれ。近衛兵の見張りはどうしようかと思ったが。一度外に出て、ただぼうっと突っ立っている人物を発見。
回収しておく。
―勇者の技レベル10―
ええ? なぜに?
どうやら、近衛兵が逃げようとして、攻撃したらしい。
回収してよかった。
そんでもって、図書館を眺めると、カウンターでじっと本の群れを眺めている俺がいた。
「がんばってくれ」
と呟き。俺は、とぼとぼと事務所に入ると、そこでは、ブァンビーが腕組みしてまっていた。俺は、二階にいって、本をとると、一階に戻り、彼女に本を見せた。
みんな食事が終わったのか、それぞれの仕事や休憩に繰り出していた。
そして、俺はというと。彼女の威厳のまなざしに照らされながら。小さくなりつつも。
「面白い、これなら、いけるでしょう、ちょっと残念なのは、勇者が単純な魔法使いになっているところね、これは神様レベルには達してないわ」
「そうか」
「でもチャレンジーしてみましょう、ここで、展覧会開くけどいい? 大抵五分で決まるから」
「お願いします」
「あなたがやるのよ、まずは、自分の真名を呟いて、その後に、本に触れて、展覧会開始と叫べばいいわ、異界と天界と呟いてね、ほら、やって」
「はい、出山本保 展覧会開始 異界と天界」
いきなり、世界が薄闇のようにぼやけ始めた。そして、二冊の本が宙に浮くと、まるでテレビの向こう側にいってしまったように薄ぼんやりした。
そして、しばらく待つこと。
そこの空間の壁に名前が出た。
―セイヤールさんが購入しました。天界本四冊です。
―パパラードさんが購入しました。異界本三千冊です。
―オークションしますか?
俺は唖然としながら、考える。パパラードさんは天界の人が購入してもあきらめなかったみたいだな。俺はその勇士に頷いた。
―イエス。
―セイヤールさんが+十冊出しました。
―パパラードさんが、+二千冊出しました。
―イヤーラムさんが乱入しました。異界本一万冊です。
―セイヤールさんが、+二十冊出しました。
―パパラードさんが、+五百冊出しました。
―イヤーラムさんが、+一万冊出しました。
ううむ困るな。というかこれどうすればいいの?
エンドレスに続く、交渉。
いつしか、とんでもないことになっていた。
―セイヤールさんが合計、千冊を出します。
―パパラードさんが合計五万冊出します。
―イヤーラムさんが、十万冊出します。
―では決めてください。
決めれるかあああああ。なんだ。このとんでもない桁は、天界も必至だな。こんな小説のあらすじのどこに惹かれたんだ。そうだ。忘れてたあらすじも書いてたんだ。それしか見れないように設定されているらしい。
そして、俺は、決めた。
やはり、まずは、天界の本からだ。
―セイヤールさん落札です。本を出す場所に移動してください、大量の本ですので、広い空間にお願いします。
この交渉している人はきっと商売人だろうか。
俺は、ドーム裏の練習場に移動する。そこには一万冊くらいの本が積み重なっていた。
そして、俺はイエスの覧に手で押した。
俺の本が向こう側に消えた。一瞬顔が見えた。
とてつもない、美麗な女性がこちらを見て微笑んでいた。そして、白い羽、なぜか、薄いカーディガンみたいなものをはおって、胸がチラッと見えた。ピンク色だ。
そして、俺は唖然としながら、目の前に積み重なる本の大群にびびっていた。
千冊が揃ったところで、俺は一息いれると。
ブァンビーがきた。
「どうやら、取りこしぐろうね。セイヤールはね、誘惑の天使だから、一度見たからって、また同じ人ばかりに選ばないほうがいいわよ」
「うんわかった」
「それでどうだった?」
「スリルめっちゃあった」
「そうでしょ」
「また書きたい?」
「うん、書きたい」
俺は、さらに小説を書く気満々にさせられた。これから書きまくってやる。その前に、天界の本二冊を適当に選んでみよう、ねたになるかもしれない、図書館にもあるのだろうけど、どこにあるのかが分からない。
この千冊の上に、紙で、これは天界の品ですと書き綴り。
ウルクーダたちが呆気な口をあけて、びびっていた。
俺は、微笑みながら、その足で、カウンターに戻った。隣ではルーサーを監視している俺がいて、そして、俺は小説を読んでいた。
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