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第十話 旦那様のスキル
「は? なんでジェラルドが?」
アルチュールが驚いて声を上げたが、旦那様は彼を一瞥して淡々と言った。
「机の上にメモがあってな。なぜか私の筆跡を真似ていたから確認に来た」
旦那様がメモをアルチュールに見せる。
「いや、普通メモ置いてく?」
「あ、捨てるの忘れてた」
「君たちはずいぶん親しくなったようだな」
旦那様が僕とアルチュールを見比べている。純粋に疑問に思っているようで、咎めるような口調ではない。
真っ直ぐな視線に耐えられなくなったのか、アルチュールが勢いよく立ち上がり深々と頭を下げた。
「申し訳ございません。奥様に無理矢理関係を迫りました。いかなる処分もお受けいたします」
旦那様が驚きで目を見張る。このままだと本当にアルチュールは鉱山送りになるかもしれない。
僕は慌てて壁際から移動し、旦那様と向かい合った。
「あの、違います! たしかに無理やり押し倒されましたけど、頭突きをくらわせて和解しました! いろいろすれ違いがあったみたいで、でも解決できそうなんです。どうか彼に寛大な処分をお願いします」
「は? 頭突き? 和解?」
あ、まずい。さらに混乱させてしまった。
その後、言葉を重ねれば重ねるほど旦那様を混乱させる展開が続いたが、僕より先に冷静になったアルチュールのおかげでなんとか事態を収束させることができた。
「事情はだいたいわかった。アルチュールの処分は追って知らせる」
「あの、信じていただけるのですか?」
密会を疑われても仕方ない状況だったから信じてもらえて安堵した。
「君たちが嘘を言っているようには見えなかった。それに」
「それに?」
「私と離縁できる好機を逃すとは思えない。部下の失態を理由に私の有責で離縁できたはずだ」
はっきりとした声が、僕が離縁を望んでいると決めつけているように聞こえた。
「どうして」
「ん?」
「どうしてそんなひどいこと言うんですか!」
思い返せば、僕はずっと我慢していた。
婚姻してすぐ離縁の話をされた時も、旦那様と顔を合わさない日が続いた時も、悲しかったけど仲良くなるためにずっと我慢していた。
それにアルチュールといろいろあった直後で、もう感情がぐちゃぐちゃだ。
「え? あ、泣いて……落ち着きなさい」
「無理です! 止まりません! 僕は旦那様と仲良くしたいだけなのに、離縁、離縁ってうるさいし」
涙で滲む視界に、旦那様の焦った顔が見える。
「君だって私のことを恐れていただろう!」
旦那様が声を荒げた。初めてこの人の本音に触れた気がして、僕も本気で返そうと思った。
「だって、旦那様のお顔が怖いから!」
「……は? 顔、の問題なのか?」
「目も合わないし、ずっと不機嫌そうで笑ってくれないし。自分より三十センチも高い人に無表情で見下ろされたら怖くないですか?」
「いきなり何の話だ?」
「僕と旦那様の身長差です! 自分に置き換えて想像してみてくださいよ! 二三〇センチの人に無言で見下ろされたら怖いですよね!?」
「そ、それは……たしかに警戒するかもしれない」
「ですよね!」
旦那様が複雑そうに頷く。
「奥様と呼ばれることを嫌がった理由は? 婚姻に不満があったわけではないのか?」
「それは単純にしっくりこなかっただけです。昔から使用人に名前で呼ばれてたので。そもそも不満があったら僕は結婚しません」
「ああ、君の性格がわかってきた気がする」
正直に答えただけなのに、なぜか旦那様は疲れたようにため息をついた。
「僕もお尋ねしたいことがあります」
「何だ?」
旦那様の顔に怯えが見える。それでも、この機会を逃したら二度と尋ねることができないという確信があった。
僕は覚悟を決めて真っ直ぐに旦那様を見据えた。
「旦那様のスキルを教えてください」
「私は」
重い沈黙だった。呼吸の音さえ消えるような静寂が襲ってきたが、旦那様の言葉をひたすら待ち続けた。
「私のスキルは怪力と……威圧だ」
「怪力は以前アルチュールが説明してくれたのでわかります。威圧、とは?」
「相手に過度な恐怖心を与え、押さえつけるスキルだ。魔物の動きも止めることができるし、私を視界に入れただけで卒倒する者もいる。五つの時に発現してからずっと化け物扱いだ」
旦那様は自嘲気味に笑った。
予想通り、旦那様も精神に干渉するスキルを持っていた。この系統のスキルは自分の意思で止めることができず常に発動してしまうのが欠点だ。
彼の顔色から、壮絶な人生の一端を垣間見た気がした。
「あの、そのスキルって精神に干渉するやつですよね?」
「それはそうだろう。君も実感しているはずだ」
「効いてません」
「すまない。意味がよくわからない」
旦那様は困り顔でこめかみを押さえる。
「僕も精神干渉系のスキルなので威圧は効きません」
「いや、そんなはずは……君のスキルは『癒し』だから治癒系統では?」
「違います。僕のスキルは人の心を和ませるもので、治癒ではないです」
話がすぐに飲み込めなかったのか、旦那様は呆然と僕を見つめている。
「使用人に旦那様のことを聞いたら不穏な空気になる理由がわかりました」
「私も、今までの君の態度に合点がいった」
お互い凄まじくすれ違っていたようだ。今までの出来事を思い出して、どっと疲れが押し寄せる。
「あの、もしかして王弟殿下から僕のスキルのこと聞きました?」
「ああ。癒しのスキル持ちとだけ聞いた」
「僕は殿下に旦那様のスキルを伺っても教えて頂けなくて……」
僕の言葉で全てを悟ったのか、旦那様がこめかみに青筋を立て、地を這うような低い声で呟いた。
「ガスパールめ、やってくれたな」
そういえば、王弟殿下も旦那様のこと名前で呼んでたな。二人はとても仲がいいのだろう。まさに今、友情が崩壊しそうだけど。
「陛下に直接抗議文を送ってやる」
「賛成です! さすがにひどくないですか!?」
「本当にありえない。人の婚姻を何だと思って」
「僕も父と兄に伝えておきます。ありえないですよね!」
「長年の付き合いだが、こんなに殴りたいと思ったのは久々だ」
「あ、そこは初めてじゃないんですね」
旦那様が気まずそうに目を逸らす。なんだか可笑しくなって、声を上げて笑った。
「なぜ笑う」
「だって、初めて盛り上がった話題が王族の悪口なのが面白くて」
「不敬だぞ」
「そんなこと言って、旦那様も笑ってますよ」
「え」
旦那様は信じられないといった様子で自分の顔をペタペタ触った。
「本当だ。つられて笑うとはこんな感覚なのだな」
再びぎこちない笑顔を浮かべる旦那様を見て、この人のことをもっと知りたいと思った。
「僕、旦那様にお話したいことがたくさんあります」
「私も、君のことをもっと知りたい」
二人の間に和やかな空気が流れ、そしてそれもまた笑い声に変わっていく。
「あのー」
突然気まずそうな声が割って入る。振り返ると声の主は顔が真っ白になっていた。
「アルチュール、どうしたの?」
「いい感じの雰囲気なのに申し訳ないんですけどあと頼みます」
アルチュールは一息で話し切ると、突然後ろに倒れた。
「アルチュール!? あ、頭打ってたら大変」
「スキルが発動していたからそこは問題ないはずだが」
言われてみれば床にぶつかる音がしなかった。
ふと、先ほどのアルチュールの発言が頭に浮かぶ。
『俺はスキルのおかげで乳兄弟として友人としてジェラルドのそばにいることができた』
スキルのおかげって、衝撃無効だから「威圧」の影響で倒れても怪我をしないってことなの?
彼の献身っぷりに涙が出そうになった。
「とにかく、お医者様、お医者様を呼びましょう!」
「わかった。とりあえずアルチュールを運ぶところから」
「ノア様ー!! どちらにいらっしゃいますか? いたら返事してください!」
フロア中に響き渡るような声に肩が跳ね上がる。ジョゼフが心配して僕を探しに来てくれたようだ。
「ジョゼフうるさいぞ! いったい何の騒ぎだ」
「レジスさん、ノア様が見当たりません! とりあえず使用人全員に声はかけましたが、誰もお姿を見てないらしくて」
「なんだって? すぐに探さなくては!」
大変な騒ぎになってしまった。これはごまかすのは難しそうだ。旦那様は見るからに渋い顔をしている。
とりあえず事態を収めるため廊下にいるレジスを呼ぶことにした。彼に説明を求められたら正直に経緯を話すしかないだろう。
意識が戻った後のアルチュールがどんな目に遭うか想像に難くない。自業自得とはいえ、あまりにもかわいそうだ。
僕は心の中で何度かアルチュールに謝っておいた。
アルチュールが驚いて声を上げたが、旦那様は彼を一瞥して淡々と言った。
「机の上にメモがあってな。なぜか私の筆跡を真似ていたから確認に来た」
旦那様がメモをアルチュールに見せる。
「いや、普通メモ置いてく?」
「あ、捨てるの忘れてた」
「君たちはずいぶん親しくなったようだな」
旦那様が僕とアルチュールを見比べている。純粋に疑問に思っているようで、咎めるような口調ではない。
真っ直ぐな視線に耐えられなくなったのか、アルチュールが勢いよく立ち上がり深々と頭を下げた。
「申し訳ございません。奥様に無理矢理関係を迫りました。いかなる処分もお受けいたします」
旦那様が驚きで目を見張る。このままだと本当にアルチュールは鉱山送りになるかもしれない。
僕は慌てて壁際から移動し、旦那様と向かい合った。
「あの、違います! たしかに無理やり押し倒されましたけど、頭突きをくらわせて和解しました! いろいろすれ違いがあったみたいで、でも解決できそうなんです。どうか彼に寛大な処分をお願いします」
「は? 頭突き? 和解?」
あ、まずい。さらに混乱させてしまった。
その後、言葉を重ねれば重ねるほど旦那様を混乱させる展開が続いたが、僕より先に冷静になったアルチュールのおかげでなんとか事態を収束させることができた。
「事情はだいたいわかった。アルチュールの処分は追って知らせる」
「あの、信じていただけるのですか?」
密会を疑われても仕方ない状況だったから信じてもらえて安堵した。
「君たちが嘘を言っているようには見えなかった。それに」
「それに?」
「私と離縁できる好機を逃すとは思えない。部下の失態を理由に私の有責で離縁できたはずだ」
はっきりとした声が、僕が離縁を望んでいると決めつけているように聞こえた。
「どうして」
「ん?」
「どうしてそんなひどいこと言うんですか!」
思い返せば、僕はずっと我慢していた。
婚姻してすぐ離縁の話をされた時も、旦那様と顔を合わさない日が続いた時も、悲しかったけど仲良くなるためにずっと我慢していた。
それにアルチュールといろいろあった直後で、もう感情がぐちゃぐちゃだ。
「え? あ、泣いて……落ち着きなさい」
「無理です! 止まりません! 僕は旦那様と仲良くしたいだけなのに、離縁、離縁ってうるさいし」
涙で滲む視界に、旦那様の焦った顔が見える。
「君だって私のことを恐れていただろう!」
旦那様が声を荒げた。初めてこの人の本音に触れた気がして、僕も本気で返そうと思った。
「だって、旦那様のお顔が怖いから!」
「……は? 顔、の問題なのか?」
「目も合わないし、ずっと不機嫌そうで笑ってくれないし。自分より三十センチも高い人に無表情で見下ろされたら怖くないですか?」
「いきなり何の話だ?」
「僕と旦那様の身長差です! 自分に置き換えて想像してみてくださいよ! 二三〇センチの人に無言で見下ろされたら怖いですよね!?」
「そ、それは……たしかに警戒するかもしれない」
「ですよね!」
旦那様が複雑そうに頷く。
「奥様と呼ばれることを嫌がった理由は? 婚姻に不満があったわけではないのか?」
「それは単純にしっくりこなかっただけです。昔から使用人に名前で呼ばれてたので。そもそも不満があったら僕は結婚しません」
「ああ、君の性格がわかってきた気がする」
正直に答えただけなのに、なぜか旦那様は疲れたようにため息をついた。
「僕もお尋ねしたいことがあります」
「何だ?」
旦那様の顔に怯えが見える。それでも、この機会を逃したら二度と尋ねることができないという確信があった。
僕は覚悟を決めて真っ直ぐに旦那様を見据えた。
「旦那様のスキルを教えてください」
「私は」
重い沈黙だった。呼吸の音さえ消えるような静寂が襲ってきたが、旦那様の言葉をひたすら待ち続けた。
「私のスキルは怪力と……威圧だ」
「怪力は以前アルチュールが説明してくれたのでわかります。威圧、とは?」
「相手に過度な恐怖心を与え、押さえつけるスキルだ。魔物の動きも止めることができるし、私を視界に入れただけで卒倒する者もいる。五つの時に発現してからずっと化け物扱いだ」
旦那様は自嘲気味に笑った。
予想通り、旦那様も精神に干渉するスキルを持っていた。この系統のスキルは自分の意思で止めることができず常に発動してしまうのが欠点だ。
彼の顔色から、壮絶な人生の一端を垣間見た気がした。
「あの、そのスキルって精神に干渉するやつですよね?」
「それはそうだろう。君も実感しているはずだ」
「効いてません」
「すまない。意味がよくわからない」
旦那様は困り顔でこめかみを押さえる。
「僕も精神干渉系のスキルなので威圧は効きません」
「いや、そんなはずは……君のスキルは『癒し』だから治癒系統では?」
「違います。僕のスキルは人の心を和ませるもので、治癒ではないです」
話がすぐに飲み込めなかったのか、旦那様は呆然と僕を見つめている。
「使用人に旦那様のことを聞いたら不穏な空気になる理由がわかりました」
「私も、今までの君の態度に合点がいった」
お互い凄まじくすれ違っていたようだ。今までの出来事を思い出して、どっと疲れが押し寄せる。
「あの、もしかして王弟殿下から僕のスキルのこと聞きました?」
「ああ。癒しのスキル持ちとだけ聞いた」
「僕は殿下に旦那様のスキルを伺っても教えて頂けなくて……」
僕の言葉で全てを悟ったのか、旦那様がこめかみに青筋を立て、地を這うような低い声で呟いた。
「ガスパールめ、やってくれたな」
そういえば、王弟殿下も旦那様のこと名前で呼んでたな。二人はとても仲がいいのだろう。まさに今、友情が崩壊しそうだけど。
「陛下に直接抗議文を送ってやる」
「賛成です! さすがにひどくないですか!?」
「本当にありえない。人の婚姻を何だと思って」
「僕も父と兄に伝えておきます。ありえないですよね!」
「長年の付き合いだが、こんなに殴りたいと思ったのは久々だ」
「あ、そこは初めてじゃないんですね」
旦那様が気まずそうに目を逸らす。なんだか可笑しくなって、声を上げて笑った。
「なぜ笑う」
「だって、初めて盛り上がった話題が王族の悪口なのが面白くて」
「不敬だぞ」
「そんなこと言って、旦那様も笑ってますよ」
「え」
旦那様は信じられないといった様子で自分の顔をペタペタ触った。
「本当だ。つられて笑うとはこんな感覚なのだな」
再びぎこちない笑顔を浮かべる旦那様を見て、この人のことをもっと知りたいと思った。
「僕、旦那様にお話したいことがたくさんあります」
「私も、君のことをもっと知りたい」
二人の間に和やかな空気が流れ、そしてそれもまた笑い声に変わっていく。
「あのー」
突然気まずそうな声が割って入る。振り返ると声の主は顔が真っ白になっていた。
「アルチュール、どうしたの?」
「いい感じの雰囲気なのに申し訳ないんですけどあと頼みます」
アルチュールは一息で話し切ると、突然後ろに倒れた。
「アルチュール!? あ、頭打ってたら大変」
「スキルが発動していたからそこは問題ないはずだが」
言われてみれば床にぶつかる音がしなかった。
ふと、先ほどのアルチュールの発言が頭に浮かぶ。
『俺はスキルのおかげで乳兄弟として友人としてジェラルドのそばにいることができた』
スキルのおかげって、衝撃無効だから「威圧」の影響で倒れても怪我をしないってことなの?
彼の献身っぷりに涙が出そうになった。
「とにかく、お医者様、お医者様を呼びましょう!」
「わかった。とりあえずアルチュールを運ぶところから」
「ノア様ー!! どちらにいらっしゃいますか? いたら返事してください!」
フロア中に響き渡るような声に肩が跳ね上がる。ジョゼフが心配して僕を探しに来てくれたようだ。
「ジョゼフうるさいぞ! いったい何の騒ぎだ」
「レジスさん、ノア様が見当たりません! とりあえず使用人全員に声はかけましたが、誰もお姿を見てないらしくて」
「なんだって? すぐに探さなくては!」
大変な騒ぎになってしまった。これはごまかすのは難しそうだ。旦那様は見るからに渋い顔をしている。
とりあえず事態を収めるため廊下にいるレジスを呼ぶことにした。彼に説明を求められたら正直に経緯を話すしかないだろう。
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