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第16章 未来への歩み
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淳也が社会人になって2年が経った。23歳になった彼は、仕事にも慣れ、一人暮らしも板についてきた。真澄は52歳になり、更年期の症状も落ち着きを見せ始めていた。
ある週末、二人は埼玉県の中間地点でデートをしていた。大きな公園を散歩しながら、将来の話をした。
「淳也、そろそろ彼女とかできないの?と周りから言われない?」真澄が心配そうに聞いた。
「言われるよ」淳也は苦笑した。「でも、『仕事に集中したいから』って言ってる」
「それで納得してくれるの?」
「まあ、若いからね。『まだ時間がある』って感じで」
真澄は少し寂しそうな表情を浮かべた。「私のせいで、普通の恋愛ができないんだね」
「違うよ」淳也は彼女の手を強く握った。「僕は真澄さんと恋愛してる。これが僕の『普通』だ」
「でも、いつかは結婚してほしい。子供も作って」
「真澄と子供は作れないけど…」淳也の声が小さくなった。
あの時の悲しみが、二人の胸をよぎった。
「ごめん、変なこと言って」真澄は慌てて謝った。
「ううん」淳也は首を振った。「でも、僕はそれでいい。真澄さんさえいれば」
「私もよ。あなたさえいれば」
二人はベンチに座り、穏やかな春の日差しを浴びた。桜がちらほらと咲き始めていた。
「きれいね」真澄が呟いた。
「うん。真澄もきれいだよ」
「バカ」真澄は照れたように淳也の腕を叩いた。
その時、淳也のスマホが鳴った。会社からの連絡だった。
「あ、ちょっと電話」淳也が立ち上がると、
「どうぞ。私はここで待ってる」
電話を終え、淳也が戻ってくると、真澄が何か考え込んでいるようだった。
「どうしたの?」
「あのさ、淳也…」真澄は真剣な表情で淳也を見つめた。「私たち、この先どうするつもり?」
「どうするって?」
「この関係を、ずっと続けるの?それとも、いつか終わりが来るの?」
淳也は深く息を吸った。「僕はずっと続けたい。でも…真澄さんのことが心配だ」
「私?」
「うん。真澄はもう52歳だよ。僕は23歳。この先、年齢差がどんどん開いていく。僕が30歳の時、真澄さんは59歳。40歳の時は69歳…」
真澄はうつむいた。「…それでもいいの?」
「僕はいいよ。でも、真澄が辛くならないか心配だ。周りの目も厳しくなるだろうし」
「周りの目なんて、もう慣れたわ」真澄は微笑んだ。「だって、あなたを選んだ時から覚悟は決めてた」
「でも——」
「いいの」真澄は淳也の手を両手で包んだ。「私は後悔しない。たとえこの先、どんな困難が待っていても、あなたと一緒なら乗り越えられる」
「真澄…」
「それにね」真澄の目が輝いた。「最近、すごく幸せなの。あなたとこうしてデートできること、LINEで毎日話せること、時々一緒に寝られること…全部が宝物」
淳也の目頭が熱くなった。「僕も。真澄がいてくれて、本当に幸せだ」
「じゃあ、この先もずっと一緒にいよう」真澄は淳也の唇に軽くキスをした。「たとえ世間が何と言おうと、私たちの愛は本物だもの」
「うん」淳也は彼女を抱きしめた。「ずっと一緒だよ」
その春、二人は新たな誓いを交わした。距離や年齢、社会の目を乗り越えて、この愛を貫き通すと。
週末、淳也が実家に帰ると、父がふと話しかけてきた。
「淳也、お前もそろそろ彼女はできたか?会社にいい子はいないのか?」
「いやぁ、僕なんてモテないよ。それに仕事に集中したいときだから」淳也はいつものように答えた。
「そうか。まあ、無理にとは言わんがな」父は新聞を読みながらうなずいた。
兄も同意した。「でも、早く彼女作れよ。でないと、お母さんも心配するよ。孫の顔が見たいだろうし」
真澄は台所で笑った。「私は焦ってないわ。淳也の幸せが一番だから」
その言葉に、淳也は胸が熱くなった。真澄は本当に自分の幸せを願っている——それなのに、彼女自身がその幸せの障害になっていることに、複雑な思いを抱いた。
夜、真澄と淳也がそのことを話すと、
「障害なんかじゃないわ」真澄はきっぱりと言った。「私たちの関係は、あなたの幸せの一部でしょ?」
「そうだけど…」
「だったら、それでいいの」真澄は淳也の頬に手を当てた。「私たちが幸せなら、それで十分」
「うん」淳也はうなずいた。「そうだね」
夏、真澄が淳也のマンションに泊まりに来た。エアコンの効いた部屋で、二人は何も身に着けずに寝転がって将来の夢を語り合った。
「いつか、一緒に住める日が来るかな」真澄が呟いた。
「うん。いつかは。僕がもっと経済的に余裕ができたら、少し離れた街で一緒に暮らそう」
「それまで待ってる」真澄は嬉しそうに笑った。
「でも、その時はもう僕たちの関係を隠せないかもしれない」
「それでもいい」真澄の目は決意に満ちていた。「覚悟はできてる」
秋、淳也の誕生日がやってきた。23歳の誕生日だ。
「おめでとう、淳也」真澄が小さなケーキを持ってマンションを訪ねてきた。
「わあ、ありがとう」淳也は驚いた。「自分で作ったの?」
「ええ。昔みたいに上手くできたかわからないけど」
ケーキを切って食べると、それは昔の味そのものだった。
「美味しい。母さんの味だ」
「母さんって呼ばないで」真澄はふくれっ面をした。
「ごめん、真澄」淳也は笑いながら謝った。
プレゼントは腕時計だった。
「社会人だから、良い時計を持ったほうがいいと思って」
「ありがとう。ずっと大切にするよ」
その夜、二人は特別な夜を過ごした。23歳と52歳——年齢差は29歳にもなるが、心の距離はゼロだった。
「これからもずっと、愛してるよ」淳也が囁いた。
「私も。たとえ何が起きても、この気持ちは変わらない」
年が明け、淳也は24歳になった。仕事では少しずつ責任のあるポジションを任されるようになり、収入も増えてきた。
「そろそろ、寮を出て、少し大きい部屋に引っ越そうかと思ってる」淳也が真澄に相談した。
「え?どうして?」
「だって、真澄が泊まりに来るとき、もう少しゆったりしたいでしょ?それに…いつかは一緒に住むための練習にもなるし」
真澄の目が輝いた。「それ、いいわね。でも、今は少しでもお金貯めたほうがいいよ、私はこの部屋でじゅうぶんよ。」そんな会話もした。
真澄が淳也のマンションへ訪れるときは、「美味しいものを作ってあげろよ。」家族から送り出され、堂々と行ける環境。この生活は、二人の関係をさらに深めた。真澄が泊まりに来る頻度も増え、まるで事実上の同棲のようなだった。
ある週末、二人でスーパーへ行ったとき、真澄がふと言った。
「まるで、新婚さんみたいね」
「そうだね。実家にいたときも、よく一緒に買い物したけど、なんか新鮮だね」淳也は笑った。「でも、私たちはもう『新婚』じゃない。長い付き合いだ」
「これからもずっと、続いていくわね」
「うん。ずっと」
夕方、マンションに戻ると、二人で夕食の支度をした。淳也が野菜を切り、真澄が味付けをする——自然な役割分担ができていた。
「こうして普通の生活ができるのが、すごく幸せ」真澄が呟いた。
「僕も。これがずっと続けばいいな」
「きっと続くわ。私たちが望めば」
夜、二人は抱き合った。これまでの歳月が、彼らを確かなパートナーに変えていた。
「淳也、あの時告白してくれてありがとう」真澄が突然言った。
「え?どうして急に?」
「だって、あの時あなたが勇気を出してくれなかったら、今の幸せはなかったもの」
「僕こそ、受け入れてくれてありがとう」淳也は彼女の額にキスをした。「僕の人生で最高の決断だった」
「私もよ。あなたを愛して、本当によかった」
実の息子と母親のタブーな関係。社会が決して認めない関係。しかし、彼らにとってそれは、何物にも代えがたい本物の愛だった。
これから先、どんな困難が待ち受けているかわからない。しかし、二人は確信していた。この愛さえあれば、どんな壁も乗り越えられると。
「愛してる、真澄」
「愛してる、淳也」
彼らのラブストーリーは、まだまだ続いていく。
ある週末、二人は埼玉県の中間地点でデートをしていた。大きな公園を散歩しながら、将来の話をした。
「淳也、そろそろ彼女とかできないの?と周りから言われない?」真澄が心配そうに聞いた。
「言われるよ」淳也は苦笑した。「でも、『仕事に集中したいから』って言ってる」
「それで納得してくれるの?」
「まあ、若いからね。『まだ時間がある』って感じで」
真澄は少し寂しそうな表情を浮かべた。「私のせいで、普通の恋愛ができないんだね」
「違うよ」淳也は彼女の手を強く握った。「僕は真澄さんと恋愛してる。これが僕の『普通』だ」
「でも、いつかは結婚してほしい。子供も作って」
「真澄と子供は作れないけど…」淳也の声が小さくなった。
あの時の悲しみが、二人の胸をよぎった。
「ごめん、変なこと言って」真澄は慌てて謝った。
「ううん」淳也は首を振った。「でも、僕はそれでいい。真澄さんさえいれば」
「私もよ。あなたさえいれば」
二人はベンチに座り、穏やかな春の日差しを浴びた。桜がちらほらと咲き始めていた。
「きれいね」真澄が呟いた。
「うん。真澄もきれいだよ」
「バカ」真澄は照れたように淳也の腕を叩いた。
その時、淳也のスマホが鳴った。会社からの連絡だった。
「あ、ちょっと電話」淳也が立ち上がると、
「どうぞ。私はここで待ってる」
電話を終え、淳也が戻ってくると、真澄が何か考え込んでいるようだった。
「どうしたの?」
「あのさ、淳也…」真澄は真剣な表情で淳也を見つめた。「私たち、この先どうするつもり?」
「どうするって?」
「この関係を、ずっと続けるの?それとも、いつか終わりが来るの?」
淳也は深く息を吸った。「僕はずっと続けたい。でも…真澄さんのことが心配だ」
「私?」
「うん。真澄はもう52歳だよ。僕は23歳。この先、年齢差がどんどん開いていく。僕が30歳の時、真澄さんは59歳。40歳の時は69歳…」
真澄はうつむいた。「…それでもいいの?」
「僕はいいよ。でも、真澄が辛くならないか心配だ。周りの目も厳しくなるだろうし」
「周りの目なんて、もう慣れたわ」真澄は微笑んだ。「だって、あなたを選んだ時から覚悟は決めてた」
「でも——」
「いいの」真澄は淳也の手を両手で包んだ。「私は後悔しない。たとえこの先、どんな困難が待っていても、あなたと一緒なら乗り越えられる」
「真澄…」
「それにね」真澄の目が輝いた。「最近、すごく幸せなの。あなたとこうしてデートできること、LINEで毎日話せること、時々一緒に寝られること…全部が宝物」
淳也の目頭が熱くなった。「僕も。真澄がいてくれて、本当に幸せだ」
「じゃあ、この先もずっと一緒にいよう」真澄は淳也の唇に軽くキスをした。「たとえ世間が何と言おうと、私たちの愛は本物だもの」
「うん」淳也は彼女を抱きしめた。「ずっと一緒だよ」
その春、二人は新たな誓いを交わした。距離や年齢、社会の目を乗り越えて、この愛を貫き通すと。
週末、淳也が実家に帰ると、父がふと話しかけてきた。
「淳也、お前もそろそろ彼女はできたか?会社にいい子はいないのか?」
「いやぁ、僕なんてモテないよ。それに仕事に集中したいときだから」淳也はいつものように答えた。
「そうか。まあ、無理にとは言わんがな」父は新聞を読みながらうなずいた。
兄も同意した。「でも、早く彼女作れよ。でないと、お母さんも心配するよ。孫の顔が見たいだろうし」
真澄は台所で笑った。「私は焦ってないわ。淳也の幸せが一番だから」
その言葉に、淳也は胸が熱くなった。真澄は本当に自分の幸せを願っている——それなのに、彼女自身がその幸せの障害になっていることに、複雑な思いを抱いた。
夜、真澄と淳也がそのことを話すと、
「障害なんかじゃないわ」真澄はきっぱりと言った。「私たちの関係は、あなたの幸せの一部でしょ?」
「そうだけど…」
「だったら、それでいいの」真澄は淳也の頬に手を当てた。「私たちが幸せなら、それで十分」
「うん」淳也はうなずいた。「そうだね」
夏、真澄が淳也のマンションに泊まりに来た。エアコンの効いた部屋で、二人は何も身に着けずに寝転がって将来の夢を語り合った。
「いつか、一緒に住める日が来るかな」真澄が呟いた。
「うん。いつかは。僕がもっと経済的に余裕ができたら、少し離れた街で一緒に暮らそう」
「それまで待ってる」真澄は嬉しそうに笑った。
「でも、その時はもう僕たちの関係を隠せないかもしれない」
「それでもいい」真澄の目は決意に満ちていた。「覚悟はできてる」
秋、淳也の誕生日がやってきた。23歳の誕生日だ。
「おめでとう、淳也」真澄が小さなケーキを持ってマンションを訪ねてきた。
「わあ、ありがとう」淳也は驚いた。「自分で作ったの?」
「ええ。昔みたいに上手くできたかわからないけど」
ケーキを切って食べると、それは昔の味そのものだった。
「美味しい。母さんの味だ」
「母さんって呼ばないで」真澄はふくれっ面をした。
「ごめん、真澄」淳也は笑いながら謝った。
プレゼントは腕時計だった。
「社会人だから、良い時計を持ったほうがいいと思って」
「ありがとう。ずっと大切にするよ」
その夜、二人は特別な夜を過ごした。23歳と52歳——年齢差は29歳にもなるが、心の距離はゼロだった。
「これからもずっと、愛してるよ」淳也が囁いた。
「私も。たとえ何が起きても、この気持ちは変わらない」
年が明け、淳也は24歳になった。仕事では少しずつ責任のあるポジションを任されるようになり、収入も増えてきた。
「そろそろ、寮を出て、少し大きい部屋に引っ越そうかと思ってる」淳也が真澄に相談した。
「え?どうして?」
「だって、真澄が泊まりに来るとき、もう少しゆったりしたいでしょ?それに…いつかは一緒に住むための練習にもなるし」
真澄の目が輝いた。「それ、いいわね。でも、今は少しでもお金貯めたほうがいいよ、私はこの部屋でじゅうぶんよ。」そんな会話もした。
真澄が淳也のマンションへ訪れるときは、「美味しいものを作ってあげろよ。」家族から送り出され、堂々と行ける環境。この生活は、二人の関係をさらに深めた。真澄が泊まりに来る頻度も増え、まるで事実上の同棲のようなだった。
ある週末、二人でスーパーへ行ったとき、真澄がふと言った。
「まるで、新婚さんみたいね」
「そうだね。実家にいたときも、よく一緒に買い物したけど、なんか新鮮だね」淳也は笑った。「でも、私たちはもう『新婚』じゃない。長い付き合いだ」
「これからもずっと、続いていくわね」
「うん。ずっと」
夕方、マンションに戻ると、二人で夕食の支度をした。淳也が野菜を切り、真澄が味付けをする——自然な役割分担ができていた。
「こうして普通の生活ができるのが、すごく幸せ」真澄が呟いた。
「僕も。これがずっと続けばいいな」
「きっと続くわ。私たちが望めば」
夜、二人は抱き合った。これまでの歳月が、彼らを確かなパートナーに変えていた。
「淳也、あの時告白してくれてありがとう」真澄が突然言った。
「え?どうして急に?」
「だって、あの時あなたが勇気を出してくれなかったら、今の幸せはなかったもの」
「僕こそ、受け入れてくれてありがとう」淳也は彼女の額にキスをした。「僕の人生で最高の決断だった」
「私もよ。あなたを愛して、本当によかった」
実の息子と母親のタブーな関係。社会が決して認めない関係。しかし、彼らにとってそれは、何物にも代えがたい本物の愛だった。
これから先、どんな困難が待ち受けているかわからない。しかし、二人は確信していた。この愛さえあれば、どんな壁も乗り越えられると。
「愛してる、真澄」
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