年下男子好きな38歳ミク 日々の冒険

MisakiNonagase

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第四章:ブックカフェの距離感

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19時、翔平と待ち合わせたブックカフェは、落ち着いたインテリアが特徴的だった。

「ミクさん、こっちです!」

「翔平くん、おまたせしたかしら」

21歳の翔平は文学部の大学生。

前回会ったとき、ミクがふと「最近面白い本ないかな」と呟いたのを覚えていて、この店を教えてくれたのだ。

「ここ、蔵書がすごくて…ミクさんが好きそうな海外文学もたくさんあるんですよ」

「まあ、よく覚えててくれたわね。嬉しいわ」

席に着き、それぞれコーヒーを注文する。ミクはわざとメニューを選ぶのに少し時間をかけ、困ったような表情を一瞬見せた。

「どれにしようかしら…翔平くん、おすすめある?」

「えっと、僕はいつもブラジルかコロンビアを…」

「じゃあ、それにしようかな。翔平くんと同じので」

ほんの少しの依存。

さりげない「教えて」のサイン。

年下の男子は、こうした「頼られる」瞬間に弱いことを、ミクは知っている。

会話は本の話から、大学の授業、将来の夢へと広がる。

ミクは聞き手に回り、時折深くうなずき、感心した表情を見せる。

相手の話を引き出し、褒め、認める――これもまた、男受けする振る舞いの一つだ。

「ミクさん、すごく話しやすいです。同年代の女の子って、なんかこっちが話す前に決めつけてきたりするけど…」

「ふふ、それは翔平くんがいい話し手だからよ」

ミクは微笑みながら、そっとコーヒーカップを手に取った。

カップを持つ指を、わざと少し優雅に曲げる。小さな仕草の積み重ねが、全体の印象を形作る。

2時間後、店を出るとき翔平が言った。

「また、来週も会えますか? 今度は別の面白い店、見つけておきます!」

「ええ、楽しみにしているわ」

振り返らずに去る翔平の背中を見送りながら、ミクはほんの少し笑みを浮かべた。

距離感とタイミング――今日もまた、うまくいったようだ。

(続く)
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