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第一章:日常の歪んだ絆
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団地の廊下には夕暮れのオレンジ色が差し込んでいた。仕事帰りの大樹が自宅のドアを開けた。リビングからは母・冬美の声が聞こえてくる。
「あぁ、もうー!また既読スルーされた!」
冬美はスマホをソファに投げつけ、テーブルに突っ伏した。43歳とは思えないほど細身の体をジーンズと薄手のニットが包んでいる。髪は少し色褪せた茶色で、肩にかかっていた。
「どうしたんだよ、母さん」
大樹はカバンを置き、冷蔵庫を開けて麦茶を探した。
「もぅー、聞いてよ大樹。マッチングアプリで知り合った人、三回目デートまでいったのに、今日メッセージ送ったら既読ついたまま何も返ってこないの」
冬美は顔を上げ、ため息をついた。目尻には小さな皺が刻まれていたが、表情は20代の女性のように生き生きと不満に満ちていた。
「またかよ。前もそう言ってたじゃん。『やり逃げされた』って」
大樹はグラスを二つ取り出し、麦茶を注いだ。
「それがね、今回は違うと思ったのよ。共通の趣味がたくさんあって、話も合うし…」
「で、もうやったの?」
大樹の率直な質問に、冬美は一瞬口をとんがらせた。
「…うん。二回目デートの時」
「そりゃあ、男からしたらゴールだよ。それで満足しちゃったんじゃない?」
大樹はグラスをテーブルに置き、冬美の向かいに座った。
「ひどい!そんなこと言わないでよ!大樹だって、彼女とそういう関係でしょ?」
「俺は付き合って二ヶ月経ってからだよ。母さんみたいに早食いじゃない」
「もう!『早食い』って何よ!」
「これじゃ、釣ってるのか、釣られてるのか、わからないな(笑)」
冬美はクッションを大樹に投げたが、すぐに笑い出した。こうした会話は、彼らにとって日常の一部だった。
工業高校を卒業後、市役所の設備管理課に勤めている大樹は、バツイチの母と、この団地で暮らしている。
冬美は地元の小さな金属加工工場で総務と経理を一手に引き受けている。
いわゆる「町工場のおばちゃん」だ。
「そういえば、今日ね、職場に来てる業者の翔太くんがさぁ」
冬美の目が輝いた。大樹は「また始まった」と思いながらも耳を傾けた。
「25歳で、スポーツ刈りがすごく似合ってて。今日、受領書へ判を押す時にちょっと手が触れちゃって…彼、照れてたみたい」
「LINE交換は?」
「まだ…でも来週、納品に来るからその時にチャンス窺おうと思って」
大樹は苦笑した。母が男性に興味を持つこと自体は自然なことだ。43歳で独身なのだから。ただ、その詳細を息子である自分に赤裸々に話す関係は、確かに普通ではないと自覚していた。
夕食の準備をしながら、冬美はさらに続けた。
「大樹は彼女と順調?結婚とか考えてる?」
「まだ早いよ。俺は20歳だし、彼女も学生だし」
「全然早くないわよ、私は大樹を早く産んだんだよ。」
「時代が違うだろ」
大樹は野菜を刻みながら答えた。彼には大学に通う彼女がいた。付き合って一年になるが、もちろん、母との特別な関係については一言も話していない。話せるわけがない。
夕食後、二人はテレビを見ながらビールを飲んだ。冬美は少し酔い、頬を赤らめていた。
「ねえ、大樹」
声のトーンが変わったのを、大樹はすぐに察した。
「あのさ…前に付き合ってた人に言われたんだけど『しまりが悪くて気持ちよくない』って」
大樹はビールの缶をテーブルに置いた。この話題は数ヶ月前に一度出ていた。
「またそれ?気にしてるの?」
「だってさ…」冬美はうつむいた。「それ以来、新しい人と寝るのが怖くなっちゃって。また同じこと言われたらどうしようって」
大樹はため息をついた。三ヶ月前、冬美が酔った勢いで「試してくれ」と言い出した時のことを思い出した。最初は断ったが、冬美が本気で悩んでいるように見え、そして何より、自分自身にも好奇心があった。童貞ではなかったが、相手が実の母親というのは全く別次元の話だった。
あの夜はお互い無言で行為に及んだ。緊張していたが、一度始まると、不思議と自然な流れだった。終わった後、冬美は「どうだった?」と不安そうに聞いた。
「別に…普通だよ。むしろ気持ちよかった。あの男との相性が悪かっただけじゃない?それか、別れる口実にされたとか。それにしてもヒデーことを言われたよな!」
その言葉に冬美は安どの表情を浮かべ、そして彼らの特別な関係が始まった。
「母さん」
大樹は冬美の方を向いた。
「今度の週末、刺身買ってくるよ。久しぶりに『あれ』やろうか」
冬美の目がぱっと輝いた。
「本当?マグロとサーモンがいいな。あと、タコとイカも」
「わかったよ」
彼らが「あれ」と呼ぶのは、月に一度の儀式的な行為だった。スーパーで刺身を買い揃え、冬美の裸体に並べる「女体盛り」だ。最初は大樹の冗談から始まったが、冬美が「面白そう」と乗り気になり、今では二人の秘密の楽しみになっていた。
冬美の裸体を長テーブルに横たわらせて、刺身を並べた女体盛り。冬美の乳首を大樹が箸でつまみ、彼女の嫌らしい声を聞きながら、湿った陰部へ刺身を付けてピチャピチャと音を出しながら味を付けて食べる。冬美が「あーん」と言えば、大樹が箸でつまんだ刺身を彼女の口へ入れる。その後一緒にお風呂に入ってスキンシップをはかる流れだ。
「今月はどんな盛り付けにしようか」冬美は嬉しそうに考え込んだ。「前回はバラの形にしたけど、今度は幾何学模様とか?」
「母さんの体がキャンバスだからな。好きにさせてよ」
大樹は微笑んだ。この関係が異常だとは思っていた。母子が肉体関係を持ち、さらにこうした遊びまでするのは、社会の常識から大きく外れている。だが、お互いに恋愛感情はなく、ただの「セフレ」という認識だった。むしろ、この関係があるからこそ、他のことでは何でも話せる親友のような絆が生まれていると感じた。
「あぁ、もうー!また既読スルーされた!」
冬美はスマホをソファに投げつけ、テーブルに突っ伏した。43歳とは思えないほど細身の体をジーンズと薄手のニットが包んでいる。髪は少し色褪せた茶色で、肩にかかっていた。
「どうしたんだよ、母さん」
大樹はカバンを置き、冷蔵庫を開けて麦茶を探した。
「もぅー、聞いてよ大樹。マッチングアプリで知り合った人、三回目デートまでいったのに、今日メッセージ送ったら既読ついたまま何も返ってこないの」
冬美は顔を上げ、ため息をついた。目尻には小さな皺が刻まれていたが、表情は20代の女性のように生き生きと不満に満ちていた。
「またかよ。前もそう言ってたじゃん。『やり逃げされた』って」
大樹はグラスを二つ取り出し、麦茶を注いだ。
「それがね、今回は違うと思ったのよ。共通の趣味がたくさんあって、話も合うし…」
「で、もうやったの?」
大樹の率直な質問に、冬美は一瞬口をとんがらせた。
「…うん。二回目デートの時」
「そりゃあ、男からしたらゴールだよ。それで満足しちゃったんじゃない?」
大樹はグラスをテーブルに置き、冬美の向かいに座った。
「ひどい!そんなこと言わないでよ!大樹だって、彼女とそういう関係でしょ?」
「俺は付き合って二ヶ月経ってからだよ。母さんみたいに早食いじゃない」
「もう!『早食い』って何よ!」
「これじゃ、釣ってるのか、釣られてるのか、わからないな(笑)」
冬美はクッションを大樹に投げたが、すぐに笑い出した。こうした会話は、彼らにとって日常の一部だった。
工業高校を卒業後、市役所の設備管理課に勤めている大樹は、バツイチの母と、この団地で暮らしている。
冬美は地元の小さな金属加工工場で総務と経理を一手に引き受けている。
いわゆる「町工場のおばちゃん」だ。
「そういえば、今日ね、職場に来てる業者の翔太くんがさぁ」
冬美の目が輝いた。大樹は「また始まった」と思いながらも耳を傾けた。
「25歳で、スポーツ刈りがすごく似合ってて。今日、受領書へ判を押す時にちょっと手が触れちゃって…彼、照れてたみたい」
「LINE交換は?」
「まだ…でも来週、納品に来るからその時にチャンス窺おうと思って」
大樹は苦笑した。母が男性に興味を持つこと自体は自然なことだ。43歳で独身なのだから。ただ、その詳細を息子である自分に赤裸々に話す関係は、確かに普通ではないと自覚していた。
夕食の準備をしながら、冬美はさらに続けた。
「大樹は彼女と順調?結婚とか考えてる?」
「まだ早いよ。俺は20歳だし、彼女も学生だし」
「全然早くないわよ、私は大樹を早く産んだんだよ。」
「時代が違うだろ」
大樹は野菜を刻みながら答えた。彼には大学に通う彼女がいた。付き合って一年になるが、もちろん、母との特別な関係については一言も話していない。話せるわけがない。
夕食後、二人はテレビを見ながらビールを飲んだ。冬美は少し酔い、頬を赤らめていた。
「ねえ、大樹」
声のトーンが変わったのを、大樹はすぐに察した。
「あのさ…前に付き合ってた人に言われたんだけど『しまりが悪くて気持ちよくない』って」
大樹はビールの缶をテーブルに置いた。この話題は数ヶ月前に一度出ていた。
「またそれ?気にしてるの?」
「だってさ…」冬美はうつむいた。「それ以来、新しい人と寝るのが怖くなっちゃって。また同じこと言われたらどうしようって」
大樹はため息をついた。三ヶ月前、冬美が酔った勢いで「試してくれ」と言い出した時のことを思い出した。最初は断ったが、冬美が本気で悩んでいるように見え、そして何より、自分自身にも好奇心があった。童貞ではなかったが、相手が実の母親というのは全く別次元の話だった。
あの夜はお互い無言で行為に及んだ。緊張していたが、一度始まると、不思議と自然な流れだった。終わった後、冬美は「どうだった?」と不安そうに聞いた。
「別に…普通だよ。むしろ気持ちよかった。あの男との相性が悪かっただけじゃない?それか、別れる口実にされたとか。それにしてもヒデーことを言われたよな!」
その言葉に冬美は安どの表情を浮かべ、そして彼らの特別な関係が始まった。
「母さん」
大樹は冬美の方を向いた。
「今度の週末、刺身買ってくるよ。久しぶりに『あれ』やろうか」
冬美の目がぱっと輝いた。
「本当?マグロとサーモンがいいな。あと、タコとイカも」
「わかったよ」
彼らが「あれ」と呼ぶのは、月に一度の儀式的な行為だった。スーパーで刺身を買い揃え、冬美の裸体に並べる「女体盛り」だ。最初は大樹の冗談から始まったが、冬美が「面白そう」と乗り気になり、今では二人の秘密の楽しみになっていた。
冬美の裸体を長テーブルに横たわらせて、刺身を並べた女体盛り。冬美の乳首を大樹が箸でつまみ、彼女の嫌らしい声を聞きながら、湿った陰部へ刺身を付けてピチャピチャと音を出しながら味を付けて食べる。冬美が「あーん」と言えば、大樹が箸でつまんだ刺身を彼女の口へ入れる。その後一緒にお風呂に入ってスキンシップをはかる流れだ。
「今月はどんな盛り付けにしようか」冬美は嬉しそうに考え込んだ。「前回はバラの形にしたけど、今度は幾何学模様とか?」
「母さんの体がキャンバスだからな。好きにさせてよ」
大樹は微笑んだ。この関係が異常だとは思っていた。母子が肉体関係を持ち、さらにこうした遊びまでするのは、社会の常識から大きく外れている。だが、お互いに恋愛感情はなく、ただの「セフレ」という認識だった。むしろ、この関係があるからこそ、他のことでは何でも話せる親友のような絆が生まれていると感じた。
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