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第一部 現実になった異世界生活
ジェンside-1. 異世界1日目 異世界にやってきた
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ジェニファーが異世界にやってきたからの話です。ジュンイチと出会ってからの内容はジュンイチと別視点の見方および心情となります。主人公以外の心情は明確にしない方がいいという意見もあるかもしれませんが、自分的には書いておきたい内容だったのでこのあともジェンSideの話は書いていくことになります。
~~~~
私の名前はジェニファー・クーコ。アメリカニューヨークの高校生だ。自己評価だけど顔もスタイルもなかなかのレベルだと思っているわ。親は大きな会社の経営者をやっていて普通でいうお金持ちと言われる階層になる。家も大きく、家にはお手伝いと言われる人も多い。
両親ともに忙しいので、会えるのは月に数回というレベルだけど、記念日にはちゃんと休みを取ってお祝いをしてくれるし、私のことを大切に思っているのは分かるくらいの愛情を注いでくれる。両親はあまり家にはいなかったけど、小さな頃から世話をしてくれている家族のような人たちもいて特に寂しい思いをしたことはなかったわ。
学校の勉強はあまり好きじゃないけれど、将来のことを考えて語学や経営学などには力を入れているし、自衛のために合気道などの武道も習っている。
いつものように学校に行き、友達と遊び、学校の後は習い事や家庭教師からの教育を受ける。友達といえる人は結構いるけど、本当の友達かというと違うだろうな。みんな私の容姿や私の後ろにあるものを見ているだけで私という人間を見ているわけではないと感じている。それが悪いとは言わないし、そういう付き合いも必要と思っているのだけどね。
小さな頃からこのような環境で育ってきたので、表情や行動を見るとある程度その人のことが分かるようになってきた。もちろんまだまだ人生経験は少ないので年配の方達はうまく隠している人もいるとは思うのだけどね。
勉学については落ちこぼれというわけではないけれど、平凡であり、商才についてはあるかどうかは分からないわ。高校生になってから両親の仕事に付き添ったり、業務の一部を手伝ったりとかしているけれど、将来事業を継ぐのかどうかも分からないし、両親が本気で継いでもらおうと思っているのかも分からない。
最近空いた時間には日本の漫画や小説を読んでいるの。日本語がちゃんと読めればいいのだけれど、まだ勉強中なので翻訳されたものしか読めないから新しいものが読めないのがちょっと残念。でも、漫画に出てくるような親友といえる友人なんて現実世界であるのかなあ?
でも、こういう小説に出てくる金持ちの女の子ってなんでこんなに性格が悪い人が多いんだろう?私の周りにもお金持ちの娘は結構いるけど、こんな人はかなり珍しいと思うんだけどなあ。
遅めの夕食を終えてからやっと一息ついてそろそろシャワーを浴びて寝ようかと思っていると、急に辺りの風景が変わって驚いた。真っ白な空間の中に投げ出された感じ。夢?そう思っているとまた景色が変わった。
「ここはどこ?」
銀行かどこかのロビーなのだろうか?呆然とたたずんでいると声が聞こえてきた。
「はじめまして、私は異次元課のササミと申します。」
「はじめまして、私は異次元課のスイサイと申します。」
男女二人の声が聞こえてきたのだけど、スイサイと名乗った女性が私を誘導してきたので言われるままに席に着いた。もう一人の男性は近くにいた男性を連れて行ったみたい。
いろいろと説明をしてくれるのだけど、最近読んでいる異世界転移のような話だった。夢?きっと夢よね?夢だったら夢で楽しまないといけないかな?
今回は転生とかではなく、どうやら異世界に転移する設定みたい。勇者召喚とかではなくて、たんに世界の狭間に入ってしまい、別の世界、いわゆる異世界ね、に行くことになったらしい。ただ向こうに行ったきりというわけではなく、10日間で戻ってこられるみたいだからまだ大丈夫ね。行き先は剣と魔法の世界でモンスターもいるので10日間死なないように頑張ってくださいと言うことだった。
異世界ものの定番のようなチートスキルというものは残念ながらないようなのが残念ね。夢にしてはあまり都合がいい設定ではないわね。
「そろそろ時間になります。」
そう言われたところで再び目の前が真っ白になった。
目を開けると港の近くのベンチに座っていた。そして海のにおいがする。
「えっ?ええっ?ええ~~~~っ!!」
しばらく辺りの風景に混乱していたのだけど、やっと落ち着いてきた。大声を上げたせいか、あたりでこちらを見ていた人も「なんだったのかな?」という感じで去って行った。
もしかしてこれって夢じゃないの?日の光や漂う風など、どう考えても夢ではない。しかも夜遅かったはずなのに、昼間になっている。時間的には昼過ぎ位なのかな?
私もついに異世界デビュー!?
こんなことならもっとしっかりと話を聞いておけば良かったわ。そういえばこの世界についてはガイド本があると言っていたわね。まずは状況を確認することから始めましょ。
一通りガイド本を読んで、表に表示されている時間を見てみる。あと10日間かあ。長いような短いような時間ね。せっかく来たんだからやっぱり魔法よね。あとは魔獣の退治とかかな?
荷物にはいつも持ち歩いているものが大体入っていた。ただブラスチックケースの材質とかは変わっているのでこっちにはない材質なのかな。化粧品とかは最低限のものが入っているし、生理用品は材質が若干変わっているんだけど、大丈夫なのかな?ピリオドを考えると10日間なら大丈夫か。
異世界ものの定番と言えばチートスキルだけど・・・説明にあったように、何もないというのが残念ね。こっちの言葉だけは話せるようになっているみたいだけどね。定番の鑑定スキルを得るにはすぐには無理そうなので10日間では諦めるしかないかな。商人のスキルにある鑑定だったらなんとかなるかな?
服装はこっちの人の服装という感じに変わっているし、武器として短剣もあった。お金は一日1000ドールあれば十分と言っていたので、もらった5万ドールあれば十分生活できると言っていいはず。感覚的に1ドル=10ドールという感じかしら?
硬貨が50枚くらい入っているようなので1枚が1000ドールと考えたらいいのかな。さすがにこんなところでお金を数えるわけにもいかないだろうから後で数えてみることにしよう。
ただ魔獣を狩るにしても装備とかもいるし、それ以前に魔法とか使えるようになりたいけど、どこかで教えてもらうことはできるのかな?レベルを上げたらすぐにスキルを覚えられるというわけではないみたいだからそんなに簡単に魔法とかが使えるようになるわけでもなさそうだしね。
まずは10日間過ごすことのできる環境の確保が一番なんだけど、冒険者ギルドのような受付もやっているという役場に行ってみるのが最初かな。そこに行けば町の情報も得られると思うしね。
現地の言葉は話すことができるので、途中で道を聞きながら役場へとやってくることができた。冒険者の窓口である受付はお昼のせいか人も少ないので助かるわね。
冒険者について説明を聞いたのだけど、ちょっとイメージしていたのとは違っていた。それでもせっかくなので冒険者登録してもらうことにしたわ。
冒険者の登録には100ドールかかるようなので持っていたお金で支払いをすると、おつりに少し小さな色の違う硬貨が9枚返ってきた。これが100ドールと言うことかな?お金はすべて魔獣石と言われる魔獣から取り出すものを代用して使っているみたいなのですべてコインというのがちょっと慣れないところね。
身分証明証を見てみるとこんな感じに書かれていた。
名前:ジェニファー
生年月日:998年12月15日
年齢:17歳
職業:冒険者(初階位)
賞罰:なし
資格:なし
クラス:なし
もとの世界と日付は変わっているけど、生まれた日付は変わってないのね。年はこっちの世界の付け方なのかな?年齢はまだ16歳のはずだけど年齢の数え方が違うのかもしれないわね。たしか東洋の方で生まれたときに1歳という数え方があったと思うからそれなのかも。
魔法の講習会が明日あるようなので早速受けさせてもらうことにする。あとは女性が一人でも安心して泊まる手頃な値段の宿がないかを聞いてみると、いくつか候補を教えてもらえてくれたので、この中から一つを選んでいくことにした。
町の中央から少し外れたところにあるメイルミの宿というのが言われたところだ。夫婦で運営しているところで、一泊400ドールで朝食もついているので値段的には手頃なのかな?とりあえず一泊だけお願いすることにして、よければ延長すればいいか。
役場に戻ってから辺りの魔獣の説明などが書かれた資料を読ませてもらう。近郊の魔獣であれば少し訓練すれば一人でもなんとかなるかな?受付で聞いた限りでは、子供でも倒せるくらいの魔獣もいるみたいだし。
パーティーは組むとしても状況を見てからした方が良さそうね。変な人に絡まれる可能性もあるし、それ以前に変な人と組んで外で襲われる可能性も否定できない。一人で行くときも周りには気をつけておかないといけないわ。
資料を見ていると、冒険者と思われる人たちがちらほらとやってきた。狩りから戻ってきたのだろう。なぜかこちらをチラチラと見ているのは声をかけるタイミングを計っているのだろうか?
そう思っていると男性の一人が声をかけてきた。
「冒険者登録したばかり?食事しながらいろいろ教えてやろうか?」
「いえ、大丈夫です。いろいろと調べ物がありますので、すみません。」
その表情を見るとどう考えてもそれ以外のことを考えているようなので、丁重にお断りをした。狩りが終わったのか、人も増えてきて面倒になりそうだったので、まだ資料を読んでいる途中だったけど撤収することにした。人が少ないときにまた来るしかないわね。
まだ夕食には早い時間だったのでいろいろとお店を見て回ると、思ったよりも文明が進んでいることが分かった。調味料とかもかなり充実しているし、食材もかなり豊富なので食べ物については大丈夫そうね。あとは実際に食べてみないとわからないわ。
美容関係はもとの世界の方がいろいろ進んでいる感じだけど、ある程度そろっているので問題はなさそう。ただやっぱり値段は結構するみたいなのはどこの世界でも一緒かな?とりあえず今持っているクリームや乳液や簡単な化粧道具があれば10日間なら十分足りそうなので大丈夫かな。
電化製品も魔道具という形で大体のものがあるし、車もあるようなのであまり生活レベルは変わらないとみていいのかな?値段は高いのでまだ一般的に普及していないかもしれないけど、ないわけではないからね。車は値段が10倍くらいする感じなのであまり走っていないのだろう。ただテレビやラジオはないみたい。
こうやって見てみると、大体のものがあるのでよくある異世界知識チートというものはできそうにもないかな。まあ10日間であればお金は十分なのでいいんだけど。
鍛冶屋に行くといろいろと装備が売られていたのだけれど、今のところ短剣はあるので明日はこのままでも大丈夫かな。薬や携帯食もあるからね。
宿に戻って部屋に荷物を置いた後、併設する食堂でご飯を食べることにした。メニューはビーフシチューのようなものにパンとサラダで、味もなかなかよかった。これだと私の料理の知識の出番はないわね。うまく作れないけど、知識だけはそれなりにあると思うんだけどね。遅くなると酔っ払いも出てきそうだったので早々に部屋に戻ってガイド本を何度か読み返してみる。
私が持っているスキルは予想通りという感じだった。ただ学識関係のスキルレベルが思ったより高いのはこの世界の知識レベルが低いと言うことなのかしら?
レベルアップという概念がないし、スキルはその関係の経験や知識を手に入れた場合に認定されるものなので簡単には上がらないと言うことなのね。地道に鍛えていかないといけないってことね。
とりあえず短剣の扱い方を習って、攻撃魔法や治癒魔法を使ってみたいかな。あとは何か面白いものがないかを見てまわるくらいね。
暦は若干差があるけれど、もとの世界と大きな差はないみたいだし、時間も1時間が120分と考えればいいだけだからそこまで差はなさそう。
ある程度今後の予定を立ててからシャワーを浴びたけど、お湯も出るし、石けんやシャンプー、トリートメントまであるので十分だった。明日は講習もあるのでちょっと早めに休むことにした。
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私の名前はジェニファー・クーコ。アメリカニューヨークの高校生だ。自己評価だけど顔もスタイルもなかなかのレベルだと思っているわ。親は大きな会社の経営者をやっていて普通でいうお金持ちと言われる階層になる。家も大きく、家にはお手伝いと言われる人も多い。
両親ともに忙しいので、会えるのは月に数回というレベルだけど、記念日にはちゃんと休みを取ってお祝いをしてくれるし、私のことを大切に思っているのは分かるくらいの愛情を注いでくれる。両親はあまり家にはいなかったけど、小さな頃から世話をしてくれている家族のような人たちもいて特に寂しい思いをしたことはなかったわ。
学校の勉強はあまり好きじゃないけれど、将来のことを考えて語学や経営学などには力を入れているし、自衛のために合気道などの武道も習っている。
いつものように学校に行き、友達と遊び、学校の後は習い事や家庭教師からの教育を受ける。友達といえる人は結構いるけど、本当の友達かというと違うだろうな。みんな私の容姿や私の後ろにあるものを見ているだけで私という人間を見ているわけではないと感じている。それが悪いとは言わないし、そういう付き合いも必要と思っているのだけどね。
小さな頃からこのような環境で育ってきたので、表情や行動を見るとある程度その人のことが分かるようになってきた。もちろんまだまだ人生経験は少ないので年配の方達はうまく隠している人もいるとは思うのだけどね。
勉学については落ちこぼれというわけではないけれど、平凡であり、商才についてはあるかどうかは分からないわ。高校生になってから両親の仕事に付き添ったり、業務の一部を手伝ったりとかしているけれど、将来事業を継ぐのかどうかも分からないし、両親が本気で継いでもらおうと思っているのかも分からない。
最近空いた時間には日本の漫画や小説を読んでいるの。日本語がちゃんと読めればいいのだけれど、まだ勉強中なので翻訳されたものしか読めないから新しいものが読めないのがちょっと残念。でも、漫画に出てくるような親友といえる友人なんて現実世界であるのかなあ?
でも、こういう小説に出てくる金持ちの女の子ってなんでこんなに性格が悪い人が多いんだろう?私の周りにもお金持ちの娘は結構いるけど、こんな人はかなり珍しいと思うんだけどなあ。
遅めの夕食を終えてからやっと一息ついてそろそろシャワーを浴びて寝ようかと思っていると、急に辺りの風景が変わって驚いた。真っ白な空間の中に投げ出された感じ。夢?そう思っているとまた景色が変わった。
「ここはどこ?」
銀行かどこかのロビーなのだろうか?呆然とたたずんでいると声が聞こえてきた。
「はじめまして、私は異次元課のササミと申します。」
「はじめまして、私は異次元課のスイサイと申します。」
男女二人の声が聞こえてきたのだけど、スイサイと名乗った女性が私を誘導してきたので言われるままに席に着いた。もう一人の男性は近くにいた男性を連れて行ったみたい。
いろいろと説明をしてくれるのだけど、最近読んでいる異世界転移のような話だった。夢?きっと夢よね?夢だったら夢で楽しまないといけないかな?
今回は転生とかではなく、どうやら異世界に転移する設定みたい。勇者召喚とかではなくて、たんに世界の狭間に入ってしまい、別の世界、いわゆる異世界ね、に行くことになったらしい。ただ向こうに行ったきりというわけではなく、10日間で戻ってこられるみたいだからまだ大丈夫ね。行き先は剣と魔法の世界でモンスターもいるので10日間死なないように頑張ってくださいと言うことだった。
異世界ものの定番のようなチートスキルというものは残念ながらないようなのが残念ね。夢にしてはあまり都合がいい設定ではないわね。
「そろそろ時間になります。」
そう言われたところで再び目の前が真っ白になった。
目を開けると港の近くのベンチに座っていた。そして海のにおいがする。
「えっ?ええっ?ええ~~~~っ!!」
しばらく辺りの風景に混乱していたのだけど、やっと落ち着いてきた。大声を上げたせいか、あたりでこちらを見ていた人も「なんだったのかな?」という感じで去って行った。
もしかしてこれって夢じゃないの?日の光や漂う風など、どう考えても夢ではない。しかも夜遅かったはずなのに、昼間になっている。時間的には昼過ぎ位なのかな?
私もついに異世界デビュー!?
こんなことならもっとしっかりと話を聞いておけば良かったわ。そういえばこの世界についてはガイド本があると言っていたわね。まずは状況を確認することから始めましょ。
一通りガイド本を読んで、表に表示されている時間を見てみる。あと10日間かあ。長いような短いような時間ね。せっかく来たんだからやっぱり魔法よね。あとは魔獣の退治とかかな?
荷物にはいつも持ち歩いているものが大体入っていた。ただブラスチックケースの材質とかは変わっているのでこっちにはない材質なのかな。化粧品とかは最低限のものが入っているし、生理用品は材質が若干変わっているんだけど、大丈夫なのかな?ピリオドを考えると10日間なら大丈夫か。
異世界ものの定番と言えばチートスキルだけど・・・説明にあったように、何もないというのが残念ね。こっちの言葉だけは話せるようになっているみたいだけどね。定番の鑑定スキルを得るにはすぐには無理そうなので10日間では諦めるしかないかな。商人のスキルにある鑑定だったらなんとかなるかな?
服装はこっちの人の服装という感じに変わっているし、武器として短剣もあった。お金は一日1000ドールあれば十分と言っていたので、もらった5万ドールあれば十分生活できると言っていいはず。感覚的に1ドル=10ドールという感じかしら?
硬貨が50枚くらい入っているようなので1枚が1000ドールと考えたらいいのかな。さすがにこんなところでお金を数えるわけにもいかないだろうから後で数えてみることにしよう。
ただ魔獣を狩るにしても装備とかもいるし、それ以前に魔法とか使えるようになりたいけど、どこかで教えてもらうことはできるのかな?レベルを上げたらすぐにスキルを覚えられるというわけではないみたいだからそんなに簡単に魔法とかが使えるようになるわけでもなさそうだしね。
まずは10日間過ごすことのできる環境の確保が一番なんだけど、冒険者ギルドのような受付もやっているという役場に行ってみるのが最初かな。そこに行けば町の情報も得られると思うしね。
現地の言葉は話すことができるので、途中で道を聞きながら役場へとやってくることができた。冒険者の窓口である受付はお昼のせいか人も少ないので助かるわね。
冒険者について説明を聞いたのだけど、ちょっとイメージしていたのとは違っていた。それでもせっかくなので冒険者登録してもらうことにしたわ。
冒険者の登録には100ドールかかるようなので持っていたお金で支払いをすると、おつりに少し小さな色の違う硬貨が9枚返ってきた。これが100ドールと言うことかな?お金はすべて魔獣石と言われる魔獣から取り出すものを代用して使っているみたいなのですべてコインというのがちょっと慣れないところね。
身分証明証を見てみるとこんな感じに書かれていた。
名前:ジェニファー
生年月日:998年12月15日
年齢:17歳
職業:冒険者(初階位)
賞罰:なし
資格:なし
クラス:なし
もとの世界と日付は変わっているけど、生まれた日付は変わってないのね。年はこっちの世界の付け方なのかな?年齢はまだ16歳のはずだけど年齢の数え方が違うのかもしれないわね。たしか東洋の方で生まれたときに1歳という数え方があったと思うからそれなのかも。
魔法の講習会が明日あるようなので早速受けさせてもらうことにする。あとは女性が一人でも安心して泊まる手頃な値段の宿がないかを聞いてみると、いくつか候補を教えてもらえてくれたので、この中から一つを選んでいくことにした。
町の中央から少し外れたところにあるメイルミの宿というのが言われたところだ。夫婦で運営しているところで、一泊400ドールで朝食もついているので値段的には手頃なのかな?とりあえず一泊だけお願いすることにして、よければ延長すればいいか。
役場に戻ってから辺りの魔獣の説明などが書かれた資料を読ませてもらう。近郊の魔獣であれば少し訓練すれば一人でもなんとかなるかな?受付で聞いた限りでは、子供でも倒せるくらいの魔獣もいるみたいだし。
パーティーは組むとしても状況を見てからした方が良さそうね。変な人に絡まれる可能性もあるし、それ以前に変な人と組んで外で襲われる可能性も否定できない。一人で行くときも周りには気をつけておかないといけないわ。
資料を見ていると、冒険者と思われる人たちがちらほらとやってきた。狩りから戻ってきたのだろう。なぜかこちらをチラチラと見ているのは声をかけるタイミングを計っているのだろうか?
そう思っていると男性の一人が声をかけてきた。
「冒険者登録したばかり?食事しながらいろいろ教えてやろうか?」
「いえ、大丈夫です。いろいろと調べ物がありますので、すみません。」
その表情を見るとどう考えてもそれ以外のことを考えているようなので、丁重にお断りをした。狩りが終わったのか、人も増えてきて面倒になりそうだったので、まだ資料を読んでいる途中だったけど撤収することにした。人が少ないときにまた来るしかないわね。
まだ夕食には早い時間だったのでいろいろとお店を見て回ると、思ったよりも文明が進んでいることが分かった。調味料とかもかなり充実しているし、食材もかなり豊富なので食べ物については大丈夫そうね。あとは実際に食べてみないとわからないわ。
美容関係はもとの世界の方がいろいろ進んでいる感じだけど、ある程度そろっているので問題はなさそう。ただやっぱり値段は結構するみたいなのはどこの世界でも一緒かな?とりあえず今持っているクリームや乳液や簡単な化粧道具があれば10日間なら十分足りそうなので大丈夫かな。
電化製品も魔道具という形で大体のものがあるし、車もあるようなのであまり生活レベルは変わらないとみていいのかな?値段は高いのでまだ一般的に普及していないかもしれないけど、ないわけではないからね。車は値段が10倍くらいする感じなのであまり走っていないのだろう。ただテレビやラジオはないみたい。
こうやって見てみると、大体のものがあるのでよくある異世界知識チートというものはできそうにもないかな。まあ10日間であればお金は十分なのでいいんだけど。
鍛冶屋に行くといろいろと装備が売られていたのだけれど、今のところ短剣はあるので明日はこのままでも大丈夫かな。薬や携帯食もあるからね。
宿に戻って部屋に荷物を置いた後、併設する食堂でご飯を食べることにした。メニューはビーフシチューのようなものにパンとサラダで、味もなかなかよかった。これだと私の料理の知識の出番はないわね。うまく作れないけど、知識だけはそれなりにあると思うんだけどね。遅くなると酔っ払いも出てきそうだったので早々に部屋に戻ってガイド本を何度か読み返してみる。
私が持っているスキルは予想通りという感じだった。ただ学識関係のスキルレベルが思ったより高いのはこの世界の知識レベルが低いと言うことなのかしら?
レベルアップという概念がないし、スキルはその関係の経験や知識を手に入れた場合に認定されるものなので簡単には上がらないと言うことなのね。地道に鍛えていかないといけないってことね。
とりあえず短剣の扱い方を習って、攻撃魔法や治癒魔法を使ってみたいかな。あとは何か面白いものがないかを見てまわるくらいね。
暦は若干差があるけれど、もとの世界と大きな差はないみたいだし、時間も1時間が120分と考えればいいだけだからそこまで差はなさそう。
ある程度今後の予定を立ててからシャワーを浴びたけど、お湯も出るし、石けんやシャンプー、トリートメントまであるので十分だった。明日は講習もあるのでちょっと早めに休むことにした。
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