【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ

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第一部 現実になった異世界生活

現-3. 現世界6日目 うちの家族は大混乱

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 翌日の日曜日はジェンがうちに遊びに来ることになった。うちの家族に挨拶したいというのと今後の話をもっと詰めるためだ。

 うちの父は一般的なサラリーマンで、母は週に数日スーパーにパートに出ている半専業主婦だ。妹の玲奈は中学2年生で、この年齢にありがちなのか、最近家族との会話も少ない上、特に自分とは口も聞かないレベルになっている。

 ただ家にいるときに食事は一緒に食べるというのがルールなので今朝の朝食もみんなでそろって食べる。このときに友人がうちにやってくることを伝える。

「「え?友達?」」

 両親がかなり驚いているのは、中学校以来、自分が友人を家に連れてくることがなかったからだ。

「まさか女の子ってことはないわよね?」

 母の突っ込みが入る。

「いや、女の子だよ。」

 家族全員が固まる。

「なんだよ。俺が女友達を呼ぶのがそんなに変なのか?」

 そのあといろいろと言ってきたが、もうすぐ来るからそのときに見ればいいだろということで話を終える。
 普通だったらすぐに部屋に戻って何かやっている玲奈はなぜかリビングでテレビを見ていた。こいつジェンを見たくてここにいるな。結局紹介することになるからまあいいか。

 約束の10時になったところでもうすぐ着くという連絡が入ったので家の前に出ると、えらく立派なリムジンがやってきた。なんという場違い感!!
 そして頼むから玄関ドアの隙間からのぞくのはやめてくれ、うちの家族~~~っ!!

 迎えはまた連絡すると言ってジェンが車から降りてきた。

 さっそくうちに入ってもらうが、ジェンを見て固まっている家族3人。なんとか3人をリビングに連れて行き紹介をする。

「えっと、紹介するよ。見て分かるように、父と母と妹の玲奈だ。こっちはジェニファー。同じ高校の同級生だ。」

「はじめまして。ジェニファー・クーコといいます。ジェンと呼んでください。純一郎さんの妻となりますのでこれからはお義父、」

「よけいなことをいうんじゃない!!」チョップをかまして言葉を止める。

 ちぇっと舌打ちしてからちゃんと挨拶をしてもらう。

「純一郎さんの同級生で、アメリカからやってきました。日本語は話せるので日本語で大丈夫です。純一郎さんとは仲良くさせていただいています。今後ともよろしくお願いします。」

「ナイストーミートゥー・・・」

「いや日本語でいいから。」

 片言の英語を話そうとしている父に突っ込みを入れる。

「父は日本で言う典型的なサラリーマンだ。土日は大体家にいるが、バイクが趣味なので時々ふらっと出かけたりする。
 母は近くのスーパーで週に数日パートをしている半専業主婦だ。母もバイクが趣味なので父と一緒に出かけたりもしている。
 妹は中学2年生で地元の中学校に通っている。」

 一段落すると、まずは妹が堰を切ったようにジェンに話し出した。

「なんで、なんで?なんでこんな美人がお兄ちゃんと?妻とかいいかけていたけど、彼女?彼女なんですか?」

 収拾がつかないのである程度のところで話をぶった切って部屋に移動。後ろで騒いでいるが、きりがないので部屋には来ないように念押ししていく。


 とりあえず、聞き耳を立てられないようにしてから夕べ考えた今後の考えをジェンと話す。

 やはりこっちの世界では学歴がある程度重要視されるから最低限でも高校は出ておいた方がいいだろう。せっかくなので高校生活を満喫するつもりだ。今更という感じではあるんだけどね。
 そのあと大学に行くかどうかは今のところ不明だし、向こうの知識や道具を使って商売とかを始めるのかもわからない。大学に行く場合は海外で飛び級を狙ってもいいかもしれない。ただ収納したものが取り出せるという時点で正直なところ一生遊んで暮らせるくらいの価値のものがあるんだけどね。

 あとはパスポートをとっておかないといけないな。まだ検証は終わっていないので使えるかわからないけど、もし魔法で移動できるようになったとしても国の移動はそれがないと面倒なことになりそうだ。入国とか出国の手続きってどうやればいいのだろう?

 話をしていると、お昼の準備ができたというので一緒に食事をとることになった。普段ならとっくに出かけて夕方まで帰ってこないはずの玲奈がなぜ家にいるんだ?

 食事の後はうちの家族と色々と話すことになったのは仕方がないか。14時頃に迎えに来てもらって見送りをしたんだが、帰った後も家族の追求が面倒だった。
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