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第一部 異世界らしい冒険
43. 異世界185日目 首都の一日
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よく眠れたのか、目覚ましが鳴る前に起きることができた。なかなかいい気分だ。ジェンの方は・・・って、まじか!!布団とスカートがめくれて太ももまでがあらわになっている。お願いだから健全な高校生にそんなものを見せないでくれよ。
目をそらそうとしてもやはり気になってしまう。さわってみたい・・・って、ダメだ、ダメだ。ジェンは自分を信頼して同室になってくれているんだ。ここで手を出したらこの関係が崩れてしまう。
なんとか理性を働かせて耐えてから、ちょっとトイレへ。部屋に戻ってから準備をしているとジェンも起きたようだ。その格好を特に気にするわけでもなくあくびをしている。気になっているのは自分だけかよ!!
「パジャマがはだけているぞ!!」
つい大きな声を上げてしまった。
「え~~~、あ~~~、見た?!」
「見たくて見たわけじゃない!!」
これから毎朝こんなことになったら正直我慢の限界を超えてしまうぞ。
「な~~んだ、見たいなら見てもいいのになあ。」
お願いだから、それ以上誘惑しないで、お願いだから・・・。
今日の朝食も宿で食べることにしたので最上階のレストランへ。朝食はバイキング形式となっている(なんて言うのか知らない)が、ここも自分でとるスタイルではなく、こちらで指定したものを持ってきてもらう感じだ。ステーキ、揚げ物、麺類などいろいろと豪華な朝食を堪能してからいったん部屋に戻る。
このあとの予定についてジェンと再度確認をする。とりあえずは今月末までということで25日ほどあるんだが、まずは自分の考えをジェンに説明する。
「10日に兵士の掃討戦があるのでそれまで今日のペースで狩りをしたら1万~2万ドールくらいは稼げると思う。でも、今はお金には余裕があるので、この際、狩りなどは一切やめて学識や技術、戦闘術や魔法の習得に力を入れてはどうかと思っている。」
「ちゃんとした講習に行くってこと?」
「うん、武器の使い方については役場の講習会や場合によっては私塾で鍛錬しようと思っている。自分は剣と盾、できれば体術くらいまでやってみたい。もちろんそれ以外に毎日1時間くらいは二人で鍛錬する感じ?
ただ、魔法については部屋の中でイメージするだけでも訓練になるし、それ以前に常に魔素を取り込むように訓練しているので大丈夫だと思っているんだ。あとは図書館で知識を手に入れるくらいか?」
「魔法についてはそう思うわ。講習を受けるよりも自分たちでやった方がいいと思うしね。」
「技術として覚えたいのは付与魔法だ。すぐには無理かもしれないが、自分たちの知識をベースにすればもっと効率よく魔道具が作れるんじゃないかと思っているからね。最低限の付与魔法の知識を覚えてからできるかどうかを検討していけばいいと思う。
付与魔法を学ぶには基礎を学ぶための学校があるらしいけど、習いたい人も多くてなかなか枠が開かないらしい。まあそれ以前に入れるのかも分からないから、カルニアさんに一回相談してみようかと思っているんだ。」
「私も付与魔法は学んでもいいかなと思っているけど、その後は調合について学びたいかな?薬とかの知識もあった方が何かの時には役に立つと思うから。」
「そのあたりはまたどうするか考えていけばいいと思うよ。あと、自分は罠関係のスキルを手に入れたいと思ってる。これは今後探索をする場合に必要になってくると思うからね。それ以外に鍛冶や調合や錬金については状況と時間的余裕を見てやってみたい。」
「今のところ、技術系の知識はほとんどないから分担して覚えたら効率がいいわよね。」
分担してと言ってくれるってことはまだしばらくは一緒に行動すると考えていてくれていると思っていいのかな?
「まあ、あまり欲張ってもしょうが無いのでできる範囲でやってく形になるとは思うけどね。」
「それはそうよね。確実に技術を手に入れていかないと中途半端になってしまうわね。二兎を追うものとか言う言葉があったわね。」
「そう思うよ。学識についてはここには大きな図書館もあるから、そこで知識を仕入れればいいと思う。とりあえず取り込んでしまえば宿で勉強できるからね。」
どうするかを一通り話した後、まずはどこでどういう風に習うことができるのか確認するためにまずは役場に行ってみたが、残念ながらあまり有意義な情報は得られなかった。罠についての講習はあるみたいなんだけど、他の技術については学校や職業紹介というレベルだった。
後の頼みの綱はカサス商会くらいなので受付に行き、カルニアさんに取り次いでもらうようにお願いする。
「支店長との面会の予定は受けていません。」
さすがにいきなり来て店長に合わせろというのも厳しいみたいで、すげなく断られてしまった。まあ当たり前か。
「コーランさんに何かあればカルニアさんに相談するように言われたので、お願いします。」
前にコーランさんにもらったカードを見せると、態度が一変して連絡を取ってくれた。しばらくすると連絡がついたみたいで奥の部屋に案内され、カルニアさんと面談ができた。
個人的なことで申し訳ないと謝りつつも、付与魔法について学びたいのでどこかいいところを紹介してくれないかと話すと、基礎的なことで良ければカサス商会の魔道具製作の部門で学べますよと言われた。
どうやらカサス商会でも魔道具の製作をしているらしく、そこで勉強しても良いらしい。しかも講師として1名つけてくれるようだ。いいのか?
ただ少なくとも5日、できれば10日は毎日通って基礎を学んでほしいこと、なにか新しいものを発見したら優先的にカサス商会に教えてほしいことを条件で出される。もちろん利益が見込めるものであれば対価は払うと言われるが、いくらなんでも全くの素人がそんな価値あるものなんか簡単には作れないよ。
ただ、こちらとしてはそれで無料で教えてくれるのなら願ってもないことなのでお願いすると、明日1時半にやってくるように言われる。講義は1時半から3時間行われるようだ。講師は決めておくので受付で自分たちの名前を言えば良いとのことだ。
お礼を言ってからお店を後にする。このあと役場に行ってから武器の講習と罠に関する講習の日程を確認する。罠の講習も罠探知や解除などの実践なので先に本で勉強しておいた方が良さそうだ。
せっかくなので役場の訓練場を借りて簡単に訓練を行う。ジェンと二人で打ち合っていると蠍の尾のメンバーがやってきた。護衛任務も終わったので数日は休養をとっているらしい。せっかくだから相手してやるぞと言うので相手をしてもらうが、もちろんボロボロにされてしまった。
せっかくなのでデルタさんに魔法の威力のことについて聞いてみる。
「デルタさん、魔法の威力がなかなか上がらないんですが、なにかいい訓練方法はないですか?」
するとデルタさんは不思議そうな顔をする。
「魔法の連射の方に重点を置いているから、魔力をためずに打ち出していると思っていたんだけど・・・違うの?あの威力をあの時間で出せるなら、時間をかければ結構威力が上がるでしょ?
それとも魔素をとどめることが苦手なの?僕は最大で30秒くらいはとどめておくことができるけど、5秒くらいでもかなり威力が上がるはずだよ。」
「え・・・、もしかして魔力ってためていくとその分威力が上がるの?魔法に慣れてくるとイメージが洗練されて威力が上がっていくのかと思っていたんだけど・・・。」
ジェンにも確認してみるとジェンも同じように攻撃の時に魔力をためるという考えは持っていなかったらしい。
「マジか・・・。やらかしたか?」
どうやら魔力をためればためるだけ威力は上がるが、それだけ時間がかかることと、維持するのが大変になるらしい。この辺は使うことで慣れていくしかないらしい。もちろん使っていけばそれだけ維持できる魔力も増えていくし、時間も早くなるようだ。
威力を上げるにはより圧縮するとかイメージとかで対応することで考えていたんだけど、単純に使う魔力を多くすれば威力が上がるのは当然か。
もしかして魔法関係のレベルがなかなか上がらないのは威力を上げていなかったせいか?一回外に出てから魔法の威力について検証した方が良さそうだな。
1時間ほど訓練をした後、彼女たちと一緒に昼食へ行くことになった。彼女たち行きつけのお店が近くにあるみたいなので行ってみると、お店はちょっとおしゃれな喫茶店風のところだった。
「いらっしゃいませ~!あ、スレインさん。いつもの席で・・・・えっ?」
なんかお店の店員と思われる女性が固まっている。どうしたんだろう?
スレインさんたちと一緒に奥の個室へと移動して、おすすめと言われるセットメニューを注文する。しばらくして運ばれてきたのは鶏肉っぽい照り焼きとパンとスープのセットだった。確かになかなかおいしいな。
今回いろいろと予定外の収入があったので、1ヶ月は訓練の他にいろいろやってみたいことに手を出してみることを伝えると、時間があるときは声をかけてくれれば稽古をつけてやると言ってくれた。
しばらくはそんなに長期の依頼は受けないし、冬の間は借りている家でゆっくりと過ごすらしい。連絡も取れるように冒険者の連絡先と家の住所も教えてくれたので今度遊びに行ってみよう。
そのあとスレインさん達がひいきにしている鍛冶屋や雑貨屋などに連れて行ってもらい、お店の店員と顔合わせする。なぜかみんなが驚いているのか分からない。1時間ほどお店を見て回ってからスレインさん達と別れる。
魔法のことが気になるので町の外へ出て威力を試してみた。魔力をためるとたしかに威力が上がっている。ただそれだけ時間もかかるので、普段は今まで通りの方がいいのかもしれない。何かの時に使えるように、時間と威力について事前にちゃんと把握しておいた方が良さそうだ。
それから図書館へ向かうが、さすがに首都だけあって規模が大きい。入るためには他の図書館と同じように委託金を預けないといけないみたいなんだが、3000ドールと結構高い。他の町では1000ドールとかだったんだけどね。まあ、何もなければ返ってくるお金だからいいんだけど。
他の図書館と同じように出入り口にはセキュリティーも設けられている。まあガイド本くらいなら持って入れるからいいけどね。
どんな本があるのかを確認してからざっと目を通していき、とりあえず付与魔法と罠についての本を中心に読んでおく。
夕食はスレインさん達に教えてもらったお店で食べることにした。食事の後で宿に戻り、お風呂でまったり。部屋に戻ってから少し勉強をして眠りについた。
~ジェンSide~
朝起きるとなんか横でイチのうなっている声が聞こえてきた。うっすら目を開けてみると、イチがこっちを見ながらうなっていた。手をこっちに伸ばそうとしたり引っ込めたりしている。どうしたのかと思ったら、昨日着ていたパジャマがはだけて足があらわになっていたようだ。
さすがにこれは恥ずかしい・・・。起きた方がいいかな?どうしようか?と悩んでいると、しばらく凝視していたイチはトイレに行ってしまった。ははぁん。
部屋に戻ってきたところで、今起きたようにあくびをしながら声をかけると、イチは顔を真っ赤にしながら叫んできた。やっぱり女の子には興味あるみたいね。ふふふ・・・。
でも、私も気をつけないといけないわね。やっと気に入ったパジャマが手に入ってちょっと気が緩んじゃったかな。
~喫茶店の店員Side~
ひいきにしてくれている蠍の尾のメンバーのスレインさん達がやってきた。スレインさん達は良階位の冒険者で礼儀も良くていい人たちだ。ただ男性にはかなり不信感を持っているみたいで、食事の時は個室を用意してくれと言われている。美人の部類に入る4人がいると声をかけてくる人たちが多いので仕方が無いわ。
今日もお昼を食べに来てくれたのだけど、珍しいことに他の人たちも一緒だった。ただ驚いたのはそのうちの一人が男性だったことだ。しかもかなり親しげにしており、食事の間もみんなでいい雰囲気で食事をとっていた。
気になって話を少し聞いていると、なんと連絡先や家の住所まで教えているようだった。今度遊びに行くと約束までしていたのでかなりびっくりだ。なにか心境の変化でもあったのかな?4人の他に女性もいるんだけど、もしかして、もしかして5人で付き合っているのかしら?
目をそらそうとしてもやはり気になってしまう。さわってみたい・・・って、ダメだ、ダメだ。ジェンは自分を信頼して同室になってくれているんだ。ここで手を出したらこの関係が崩れてしまう。
なんとか理性を働かせて耐えてから、ちょっとトイレへ。部屋に戻ってから準備をしているとジェンも起きたようだ。その格好を特に気にするわけでもなくあくびをしている。気になっているのは自分だけかよ!!
「パジャマがはだけているぞ!!」
つい大きな声を上げてしまった。
「え~~~、あ~~~、見た?!」
「見たくて見たわけじゃない!!」
これから毎朝こんなことになったら正直我慢の限界を超えてしまうぞ。
「な~~んだ、見たいなら見てもいいのになあ。」
お願いだから、それ以上誘惑しないで、お願いだから・・・。
今日の朝食も宿で食べることにしたので最上階のレストランへ。朝食はバイキング形式となっている(なんて言うのか知らない)が、ここも自分でとるスタイルではなく、こちらで指定したものを持ってきてもらう感じだ。ステーキ、揚げ物、麺類などいろいろと豪華な朝食を堪能してからいったん部屋に戻る。
このあとの予定についてジェンと再度確認をする。とりあえずは今月末までということで25日ほどあるんだが、まずは自分の考えをジェンに説明する。
「10日に兵士の掃討戦があるのでそれまで今日のペースで狩りをしたら1万~2万ドールくらいは稼げると思う。でも、今はお金には余裕があるので、この際、狩りなどは一切やめて学識や技術、戦闘術や魔法の習得に力を入れてはどうかと思っている。」
「ちゃんとした講習に行くってこと?」
「うん、武器の使い方については役場の講習会や場合によっては私塾で鍛錬しようと思っている。自分は剣と盾、できれば体術くらいまでやってみたい。もちろんそれ以外に毎日1時間くらいは二人で鍛錬する感じ?
ただ、魔法については部屋の中でイメージするだけでも訓練になるし、それ以前に常に魔素を取り込むように訓練しているので大丈夫だと思っているんだ。あとは図書館で知識を手に入れるくらいか?」
「魔法についてはそう思うわ。講習を受けるよりも自分たちでやった方がいいと思うしね。」
「技術として覚えたいのは付与魔法だ。すぐには無理かもしれないが、自分たちの知識をベースにすればもっと効率よく魔道具が作れるんじゃないかと思っているからね。最低限の付与魔法の知識を覚えてからできるかどうかを検討していけばいいと思う。
付与魔法を学ぶには基礎を学ぶための学校があるらしいけど、習いたい人も多くてなかなか枠が開かないらしい。まあそれ以前に入れるのかも分からないから、カルニアさんに一回相談してみようかと思っているんだ。」
「私も付与魔法は学んでもいいかなと思っているけど、その後は調合について学びたいかな?薬とかの知識もあった方が何かの時には役に立つと思うから。」
「そのあたりはまたどうするか考えていけばいいと思うよ。あと、自分は罠関係のスキルを手に入れたいと思ってる。これは今後探索をする場合に必要になってくると思うからね。それ以外に鍛冶や調合や錬金については状況と時間的余裕を見てやってみたい。」
「今のところ、技術系の知識はほとんどないから分担して覚えたら効率がいいわよね。」
分担してと言ってくれるってことはまだしばらくは一緒に行動すると考えていてくれていると思っていいのかな?
「まあ、あまり欲張ってもしょうが無いのでできる範囲でやってく形になるとは思うけどね。」
「それはそうよね。確実に技術を手に入れていかないと中途半端になってしまうわね。二兎を追うものとか言う言葉があったわね。」
「そう思うよ。学識についてはここには大きな図書館もあるから、そこで知識を仕入れればいいと思う。とりあえず取り込んでしまえば宿で勉強できるからね。」
どうするかを一通り話した後、まずはどこでどういう風に習うことができるのか確認するためにまずは役場に行ってみたが、残念ながらあまり有意義な情報は得られなかった。罠についての講習はあるみたいなんだけど、他の技術については学校や職業紹介というレベルだった。
後の頼みの綱はカサス商会くらいなので受付に行き、カルニアさんに取り次いでもらうようにお願いする。
「支店長との面会の予定は受けていません。」
さすがにいきなり来て店長に合わせろというのも厳しいみたいで、すげなく断られてしまった。まあ当たり前か。
「コーランさんに何かあればカルニアさんに相談するように言われたので、お願いします。」
前にコーランさんにもらったカードを見せると、態度が一変して連絡を取ってくれた。しばらくすると連絡がついたみたいで奥の部屋に案内され、カルニアさんと面談ができた。
個人的なことで申し訳ないと謝りつつも、付与魔法について学びたいのでどこかいいところを紹介してくれないかと話すと、基礎的なことで良ければカサス商会の魔道具製作の部門で学べますよと言われた。
どうやらカサス商会でも魔道具の製作をしているらしく、そこで勉強しても良いらしい。しかも講師として1名つけてくれるようだ。いいのか?
ただ少なくとも5日、できれば10日は毎日通って基礎を学んでほしいこと、なにか新しいものを発見したら優先的にカサス商会に教えてほしいことを条件で出される。もちろん利益が見込めるものであれば対価は払うと言われるが、いくらなんでも全くの素人がそんな価値あるものなんか簡単には作れないよ。
ただ、こちらとしてはそれで無料で教えてくれるのなら願ってもないことなのでお願いすると、明日1時半にやってくるように言われる。講義は1時半から3時間行われるようだ。講師は決めておくので受付で自分たちの名前を言えば良いとのことだ。
お礼を言ってからお店を後にする。このあと役場に行ってから武器の講習と罠に関する講習の日程を確認する。罠の講習も罠探知や解除などの実践なので先に本で勉強しておいた方が良さそうだ。
せっかくなので役場の訓練場を借りて簡単に訓練を行う。ジェンと二人で打ち合っていると蠍の尾のメンバーがやってきた。護衛任務も終わったので数日は休養をとっているらしい。せっかくだから相手してやるぞと言うので相手をしてもらうが、もちろんボロボロにされてしまった。
せっかくなのでデルタさんに魔法の威力のことについて聞いてみる。
「デルタさん、魔法の威力がなかなか上がらないんですが、なにかいい訓練方法はないですか?」
するとデルタさんは不思議そうな顔をする。
「魔法の連射の方に重点を置いているから、魔力をためずに打ち出していると思っていたんだけど・・・違うの?あの威力をあの時間で出せるなら、時間をかければ結構威力が上がるでしょ?
それとも魔素をとどめることが苦手なの?僕は最大で30秒くらいはとどめておくことができるけど、5秒くらいでもかなり威力が上がるはずだよ。」
「え・・・、もしかして魔力ってためていくとその分威力が上がるの?魔法に慣れてくるとイメージが洗練されて威力が上がっていくのかと思っていたんだけど・・・。」
ジェンにも確認してみるとジェンも同じように攻撃の時に魔力をためるという考えは持っていなかったらしい。
「マジか・・・。やらかしたか?」
どうやら魔力をためればためるだけ威力は上がるが、それだけ時間がかかることと、維持するのが大変になるらしい。この辺は使うことで慣れていくしかないらしい。もちろん使っていけばそれだけ維持できる魔力も増えていくし、時間も早くなるようだ。
威力を上げるにはより圧縮するとかイメージとかで対応することで考えていたんだけど、単純に使う魔力を多くすれば威力が上がるのは当然か。
もしかして魔法関係のレベルがなかなか上がらないのは威力を上げていなかったせいか?一回外に出てから魔法の威力について検証した方が良さそうだな。
1時間ほど訓練をした後、彼女たちと一緒に昼食へ行くことになった。彼女たち行きつけのお店が近くにあるみたいなので行ってみると、お店はちょっとおしゃれな喫茶店風のところだった。
「いらっしゃいませ~!あ、スレインさん。いつもの席で・・・・えっ?」
なんかお店の店員と思われる女性が固まっている。どうしたんだろう?
スレインさんたちと一緒に奥の個室へと移動して、おすすめと言われるセットメニューを注文する。しばらくして運ばれてきたのは鶏肉っぽい照り焼きとパンとスープのセットだった。確かになかなかおいしいな。
今回いろいろと予定外の収入があったので、1ヶ月は訓練の他にいろいろやってみたいことに手を出してみることを伝えると、時間があるときは声をかけてくれれば稽古をつけてやると言ってくれた。
しばらくはそんなに長期の依頼は受けないし、冬の間は借りている家でゆっくりと過ごすらしい。連絡も取れるように冒険者の連絡先と家の住所も教えてくれたので今度遊びに行ってみよう。
そのあとスレインさん達がひいきにしている鍛冶屋や雑貨屋などに連れて行ってもらい、お店の店員と顔合わせする。なぜかみんなが驚いているのか分からない。1時間ほどお店を見て回ってからスレインさん達と別れる。
魔法のことが気になるので町の外へ出て威力を試してみた。魔力をためるとたしかに威力が上がっている。ただそれだけ時間もかかるので、普段は今まで通りの方がいいのかもしれない。何かの時に使えるように、時間と威力について事前にちゃんと把握しておいた方が良さそうだ。
それから図書館へ向かうが、さすがに首都だけあって規模が大きい。入るためには他の図書館と同じように委託金を預けないといけないみたいなんだが、3000ドールと結構高い。他の町では1000ドールとかだったんだけどね。まあ、何もなければ返ってくるお金だからいいんだけど。
他の図書館と同じように出入り口にはセキュリティーも設けられている。まあガイド本くらいなら持って入れるからいいけどね。
どんな本があるのかを確認してからざっと目を通していき、とりあえず付与魔法と罠についての本を中心に読んでおく。
夕食はスレインさん達に教えてもらったお店で食べることにした。食事の後で宿に戻り、お風呂でまったり。部屋に戻ってから少し勉強をして眠りについた。
~ジェンSide~
朝起きるとなんか横でイチのうなっている声が聞こえてきた。うっすら目を開けてみると、イチがこっちを見ながらうなっていた。手をこっちに伸ばそうとしたり引っ込めたりしている。どうしたのかと思ったら、昨日着ていたパジャマがはだけて足があらわになっていたようだ。
さすがにこれは恥ずかしい・・・。起きた方がいいかな?どうしようか?と悩んでいると、しばらく凝視していたイチはトイレに行ってしまった。ははぁん。
部屋に戻ってきたところで、今起きたようにあくびをしながら声をかけると、イチは顔を真っ赤にしながら叫んできた。やっぱり女の子には興味あるみたいね。ふふふ・・・。
でも、私も気をつけないといけないわね。やっと気に入ったパジャマが手に入ってちょっと気が緩んじゃったかな。
~喫茶店の店員Side~
ひいきにしてくれている蠍の尾のメンバーのスレインさん達がやってきた。スレインさん達は良階位の冒険者で礼儀も良くていい人たちだ。ただ男性にはかなり不信感を持っているみたいで、食事の時は個室を用意してくれと言われている。美人の部類に入る4人がいると声をかけてくる人たちが多いので仕方が無いわ。
今日もお昼を食べに来てくれたのだけど、珍しいことに他の人たちも一緒だった。ただ驚いたのはそのうちの一人が男性だったことだ。しかもかなり親しげにしており、食事の間もみんなでいい雰囲気で食事をとっていた。
気になって話を少し聞いていると、なんと連絡先や家の住所まで教えているようだった。今度遊びに行くと約束までしていたのでかなりびっくりだ。なにか心境の変化でもあったのかな?4人の他に女性もいるんだけど、もしかして、もしかして5人で付き合っているのかしら?
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