59 / 430
第一部 異世界らしい冒険
47. 異世界198日目 いろいろとお勉強
しおりを挟む
今日は罠の講習がないので錬金について体験させてもらうことになっている。錬金は鉱石から必要な物質を抽出したり、それらから合金やものを作ったりする魔法である。地球では融点の違いで抽出しているものなんだが、こっちでは魔法で抽出するようだ。
錬金術と言っても物質を変えて目的の物質が得られる訳ではない。もしかして魔法で物質を変えられるのかもしれないけど、それは分からないし、本にもそういう記述は見つけられなかった。
カサス商会に行ってから、ジェンは調合の部門へ、自分は受付の女性に案内されて錬金の部署のリーダーであるカルクさんと言う人と会う。錬金は鉱石を使うため、町から離れた鉱山近くで行っているらしい。このため車で30分ほど走ったところに移動する。
鉱山近くに塀に囲まれた工場のような施設が作られており、採掘と併せて金属の抽出をしているらしい。抽出を行っている作業場に入ると、20人くらいの人が黙々と作業を行っていた。
ここでは鉱石から必要な物質を抽出しているが、主に抽出するのは鉄らしい。他の金属についてはそれぞれの鉱山で行っているようで、貴重な鉱物についてはもっとセキュリティーの高いところで熟練者がやっているようだ。
魔法を使うせいか連続しての作業は厳しいらしく、一日のノルマが決められているので最低限そのノルマをこなせばあとは自由となる。まあ抽出以外の作業もあるので実際はそこまで自由というわけではないようだけどね。
チームリーダーと言われる人から簡単にやり方について教えてもらう。最初に取りかかるのは鉄からとなる。基本となる鉄のサンプルに結合するように鉱石から同じものを取り出す。サンプルを鑑定してみると純度100%の鉄となっている。これってたしか地球でもかなり貴重なものじゃなかった?
鉱石を見ると鉄やアルミなどいろいろなものが混じっているようだ。なんでサンプルがいるのかよく分からない。そのまま鉄だけ分離すればいいような気もするんだが・・・。
お手本としてやって見せてくれたんだが、サンプルを左手にもち、鉱石に右手を当てて魔力を流し込んでいる。すると鉱石から鉄が取り出されてサンプルの周りに堆積していく。
原子とかが解明されていないため鉄というのがどういうものか分かっていないのかもしれない。このためサンプルと同じものを鉱石から抽出というイメージで魔法を行っているのだろう。
とりあえず同じようにやってみることにした。鉄を鉱石から取り出すようイメージしてそれをサンプルに結合させていくと、思ったよりもうまくいった。ただ思いのほか精神的に疲れてしまう。結構魔力を使ってしまうようだ。
うまくいったことを確認したのか、頑張って経験を積んでくれといって席に戻っていった。他にも鉱石をいくつか置いていったんだが、見てみると、含まれているのは銅、金、銀、ニッケル、モリブデンなどだった。
このあとは鉄と炭などを規定量混ぜて材料を作り、武器などを作る材料となる。それを鍛えて武器の強度を上げていくのが鍛冶となるんだが、錬金でも鋳造なら作れるみたいだ。もちろん鋳造だとそれなりのレベルにしかならないんだけどね。
そういえば刀の原料となる鉄は地球の現在の技術でも簡単には作れないというのを前にテレビで見たことがあったなあ。今のところ昔ながらの工法でないとだめとか言っていたような気もする。魔法でもできないのかね。まあ強度向上とかの魔法があるからそこまで強度はなくてもいいのかもしれないけどね。
試しに他の金属についても抽出してみると、問題なくできてしまった。これって元素が分かっていたら結構簡単にできるんじゃないのか?ちょっとまずいかもしれない。取り出したのは少しだけだったので気付かれないと思う。
あとステンレスとかの合金って言うのはこっちの世界ではあるのだろうか?向こうの本の知識と錬金の技術を使えば結構簡単に作れそうな気もする。
とりあえず一日頑張って鉄の抽出をやっていたんだが、10kgのインゴットを二つが限界だった。ちなみにノルマは10kgなので十分な成果ではある。初日でこれだけやったので驚いていたしね。スキルを見てみるとちゃんと錬金のスキルが付いていた。帰りは大型のバスで町まで送ってくれた。
ちなみにこちらで製品の生産をするのは基本的に魔法を使うみたいで、紙や袋なんかも油や液体から作り出しているようだ。作り方は金属の抽出と同じような感じで作っているようなんだが、最初の製品をどうやって作り出したのかはよく分からない。
ものによっては魔道具を使って作っているものもあるようだが、少量生産であれば錬金術師がそのまま生産しているようだ。
魔法で作るので水質汚染や大気汚染とかがなくていいんだろうけど効率的と言っていいのか、非効率と言っていいのか・・・。
夕方にジェンと合流すると、調合は材料のバランスとか、魔力の調整とかが結構難しくて大変なようだ。こっちは知識だけだとうまくいかないようだ。そうは言っても初日から一応調合ができるようになったようなので、やはり給料を払わないといけないのではないかという話になっているみたい。そういえば自分も同じようなことを言われたなあ。
翌日からも毎日ではないが、ジェンは調合、自分は罠と錬金の勉強をしていく。カサス商会も自分たちが思った以上に成果を出しているため、バイト代を出してくれたのでありがたかった。付与魔法と違って科学知識が意外に使えたのが大きかったね。
せっかく鉱山に行ったので採掘についてもやらせてもらった。採掘は露天掘りで行われており、魔法で目的の鉱石を探すらしい。手にサンプルを持って同じものが多く含まれるエリアを探索するらしい。探索については索敵の感じに近いが、それを土魔法で行う感じだ。
土魔法と言ってもどうすればいいのか簡単にはイメージできない。いろいろと聞いてみると、どうも超音波のような振動を発すればいいようだ。土に若干の振動を与える要領で魔法を飛ばすと、索敵で魔獣を見つけるように地中に目的の鉱物の位置がわかってきた。元素をイメージしてやってみるとそれでもうまくいった。
発見したエリアに土魔法を使い少し鉱石を取り出してみると、それなりに純度の高いものがとれた。思ったよりも簡単だなと思っていたんだが、普通は探索ができるまでかなり時間がかかるらしい。
ここで直接目的の金属を取り出すこともできるらしいが、効率を考えるといったん鉱石を回収してからの方がいいみたいだ。
他には鍛冶や調合、商売についての本もいろいろと読んでいる。とりあえず知識だけは仕入れておかないと、技術は身につかないからね。
ただ鍛冶についてはカサス商会でもやっていないので、ほんとに習うのなら鍛冶屋にお願いしてやらせてもらうしかないかもしれない。あとは我流でやるかだけど、そもそも設備がないからなあ。
~ジェンSide~
付与魔法に引き続き調合のスキルを勉強している。イチと一緒に行動するなら同じものだけを取得するよりも、手分けして取得した方が効率いいはずだからね。
調合はいろいろな薬草を決められた比率で混ぜ合わせていくのだけど、混ぜ合わせるときに魔力の供給を常に安定して注ぎ込んでいかないと効果が低下してしまうと言うかなり難しい作業となる。常に一定であればいいのだけど、目的の薬によって注ぎ込む量が変わるので覚えるだけでも大変。
ある程度基本的な調合比率は勉強していたので、魔力の調整を行うことに注力できたのはまだよかった。おかげで初日から簡単なものであれば作れるようになったので教えてくれていたチームリーダーのサルファニーさんは驚いていた。
薬を入れる瓶は熱湯消毒しているみたい。浄化の魔法ではだめなのか聞いたところ、浄化だけだと薬の劣化が早いらしい。どうやら普通の浄化魔法だと殺菌まではできないようだ。もしかして自分たちは浄化魔法と言いながら治癒魔法とかも併用して浄化しているのかしら?
調合の時に治癒魔法を意識して魔力を注ぎ込んでいたら高い品質のものができてしまった。鑑定してみると「初級治療薬(良)」とでている。
薬の種類について聞いてみると、原料によって初級、中級、高級、特級とランクは決まっているのだけど、作る人によって品質は異なるらしい。通常販売されているのは並か高グレードで低グレードのものは販売していないようだ。実際には捨てるのももったいないため、寄付されているらしい。
私の言動が気になったのか、サルファニーさんが私の作った薬を鑑定して驚いていた。
「良グレード・・・。」
サルファニーさんは他の部屋に移動してから説明してくれた。どうやら良グレードを作れるのはかなりの熟練者になるようだ。習い始めてすぐにこのレベルのものが作れるというのは普通あり得ないらしい。
しばらく考えた後、「もしかして治癒魔法を使えるの?」と聞いてきたので肯定すると納得していた。どうやら治癒魔法を使える場合、作る薬の効果が高くなることがあるらしい。良グレードより高い品質のものは効果の差が大きく、価格が1.5倍以上で取引されるようだ。とりあえず品質をチェックする担当者には話をしてくれるようだ。
翌日からは初級治療薬だけでなく、他の薬についてもいろいろと挑戦させてくれるようになった。サルファニーさんも前以上に時間をとって熱心に教えてくれるのでちょっと驚いている。調合だけでなく、薬草の効果の説明をしてくれるので、非常にわかりやすかった。
錬金術と言っても物質を変えて目的の物質が得られる訳ではない。もしかして魔法で物質を変えられるのかもしれないけど、それは分からないし、本にもそういう記述は見つけられなかった。
カサス商会に行ってから、ジェンは調合の部門へ、自分は受付の女性に案内されて錬金の部署のリーダーであるカルクさんと言う人と会う。錬金は鉱石を使うため、町から離れた鉱山近くで行っているらしい。このため車で30分ほど走ったところに移動する。
鉱山近くに塀に囲まれた工場のような施設が作られており、採掘と併せて金属の抽出をしているらしい。抽出を行っている作業場に入ると、20人くらいの人が黙々と作業を行っていた。
ここでは鉱石から必要な物質を抽出しているが、主に抽出するのは鉄らしい。他の金属についてはそれぞれの鉱山で行っているようで、貴重な鉱物についてはもっとセキュリティーの高いところで熟練者がやっているようだ。
魔法を使うせいか連続しての作業は厳しいらしく、一日のノルマが決められているので最低限そのノルマをこなせばあとは自由となる。まあ抽出以外の作業もあるので実際はそこまで自由というわけではないようだけどね。
チームリーダーと言われる人から簡単にやり方について教えてもらう。最初に取りかかるのは鉄からとなる。基本となる鉄のサンプルに結合するように鉱石から同じものを取り出す。サンプルを鑑定してみると純度100%の鉄となっている。これってたしか地球でもかなり貴重なものじゃなかった?
鉱石を見ると鉄やアルミなどいろいろなものが混じっているようだ。なんでサンプルがいるのかよく分からない。そのまま鉄だけ分離すればいいような気もするんだが・・・。
お手本としてやって見せてくれたんだが、サンプルを左手にもち、鉱石に右手を当てて魔力を流し込んでいる。すると鉱石から鉄が取り出されてサンプルの周りに堆積していく。
原子とかが解明されていないため鉄というのがどういうものか分かっていないのかもしれない。このためサンプルと同じものを鉱石から抽出というイメージで魔法を行っているのだろう。
とりあえず同じようにやってみることにした。鉄を鉱石から取り出すようイメージしてそれをサンプルに結合させていくと、思ったよりもうまくいった。ただ思いのほか精神的に疲れてしまう。結構魔力を使ってしまうようだ。
うまくいったことを確認したのか、頑張って経験を積んでくれといって席に戻っていった。他にも鉱石をいくつか置いていったんだが、見てみると、含まれているのは銅、金、銀、ニッケル、モリブデンなどだった。
このあとは鉄と炭などを規定量混ぜて材料を作り、武器などを作る材料となる。それを鍛えて武器の強度を上げていくのが鍛冶となるんだが、錬金でも鋳造なら作れるみたいだ。もちろん鋳造だとそれなりのレベルにしかならないんだけどね。
そういえば刀の原料となる鉄は地球の現在の技術でも簡単には作れないというのを前にテレビで見たことがあったなあ。今のところ昔ながらの工法でないとだめとか言っていたような気もする。魔法でもできないのかね。まあ強度向上とかの魔法があるからそこまで強度はなくてもいいのかもしれないけどね。
試しに他の金属についても抽出してみると、問題なくできてしまった。これって元素が分かっていたら結構簡単にできるんじゃないのか?ちょっとまずいかもしれない。取り出したのは少しだけだったので気付かれないと思う。
あとステンレスとかの合金って言うのはこっちの世界ではあるのだろうか?向こうの本の知識と錬金の技術を使えば結構簡単に作れそうな気もする。
とりあえず一日頑張って鉄の抽出をやっていたんだが、10kgのインゴットを二つが限界だった。ちなみにノルマは10kgなので十分な成果ではある。初日でこれだけやったので驚いていたしね。スキルを見てみるとちゃんと錬金のスキルが付いていた。帰りは大型のバスで町まで送ってくれた。
ちなみにこちらで製品の生産をするのは基本的に魔法を使うみたいで、紙や袋なんかも油や液体から作り出しているようだ。作り方は金属の抽出と同じような感じで作っているようなんだが、最初の製品をどうやって作り出したのかはよく分からない。
ものによっては魔道具を使って作っているものもあるようだが、少量生産であれば錬金術師がそのまま生産しているようだ。
魔法で作るので水質汚染や大気汚染とかがなくていいんだろうけど効率的と言っていいのか、非効率と言っていいのか・・・。
夕方にジェンと合流すると、調合は材料のバランスとか、魔力の調整とかが結構難しくて大変なようだ。こっちは知識だけだとうまくいかないようだ。そうは言っても初日から一応調合ができるようになったようなので、やはり給料を払わないといけないのではないかという話になっているみたい。そういえば自分も同じようなことを言われたなあ。
翌日からも毎日ではないが、ジェンは調合、自分は罠と錬金の勉強をしていく。カサス商会も自分たちが思った以上に成果を出しているため、バイト代を出してくれたのでありがたかった。付与魔法と違って科学知識が意外に使えたのが大きかったね。
せっかく鉱山に行ったので採掘についてもやらせてもらった。採掘は露天掘りで行われており、魔法で目的の鉱石を探すらしい。手にサンプルを持って同じものが多く含まれるエリアを探索するらしい。探索については索敵の感じに近いが、それを土魔法で行う感じだ。
土魔法と言ってもどうすればいいのか簡単にはイメージできない。いろいろと聞いてみると、どうも超音波のような振動を発すればいいようだ。土に若干の振動を与える要領で魔法を飛ばすと、索敵で魔獣を見つけるように地中に目的の鉱物の位置がわかってきた。元素をイメージしてやってみるとそれでもうまくいった。
発見したエリアに土魔法を使い少し鉱石を取り出してみると、それなりに純度の高いものがとれた。思ったよりも簡単だなと思っていたんだが、普通は探索ができるまでかなり時間がかかるらしい。
ここで直接目的の金属を取り出すこともできるらしいが、効率を考えるといったん鉱石を回収してからの方がいいみたいだ。
他には鍛冶や調合、商売についての本もいろいろと読んでいる。とりあえず知識だけは仕入れておかないと、技術は身につかないからね。
ただ鍛冶についてはカサス商会でもやっていないので、ほんとに習うのなら鍛冶屋にお願いしてやらせてもらうしかないかもしれない。あとは我流でやるかだけど、そもそも設備がないからなあ。
~ジェンSide~
付与魔法に引き続き調合のスキルを勉強している。イチと一緒に行動するなら同じものだけを取得するよりも、手分けして取得した方が効率いいはずだからね。
調合はいろいろな薬草を決められた比率で混ぜ合わせていくのだけど、混ぜ合わせるときに魔力の供給を常に安定して注ぎ込んでいかないと効果が低下してしまうと言うかなり難しい作業となる。常に一定であればいいのだけど、目的の薬によって注ぎ込む量が変わるので覚えるだけでも大変。
ある程度基本的な調合比率は勉強していたので、魔力の調整を行うことに注力できたのはまだよかった。おかげで初日から簡単なものであれば作れるようになったので教えてくれていたチームリーダーのサルファニーさんは驚いていた。
薬を入れる瓶は熱湯消毒しているみたい。浄化の魔法ではだめなのか聞いたところ、浄化だけだと薬の劣化が早いらしい。どうやら普通の浄化魔法だと殺菌まではできないようだ。もしかして自分たちは浄化魔法と言いながら治癒魔法とかも併用して浄化しているのかしら?
調合の時に治癒魔法を意識して魔力を注ぎ込んでいたら高い品質のものができてしまった。鑑定してみると「初級治療薬(良)」とでている。
薬の種類について聞いてみると、原料によって初級、中級、高級、特級とランクは決まっているのだけど、作る人によって品質は異なるらしい。通常販売されているのは並か高グレードで低グレードのものは販売していないようだ。実際には捨てるのももったいないため、寄付されているらしい。
私の言動が気になったのか、サルファニーさんが私の作った薬を鑑定して驚いていた。
「良グレード・・・。」
サルファニーさんは他の部屋に移動してから説明してくれた。どうやら良グレードを作れるのはかなりの熟練者になるようだ。習い始めてすぐにこのレベルのものが作れるというのは普通あり得ないらしい。
しばらく考えた後、「もしかして治癒魔法を使えるの?」と聞いてきたので肯定すると納得していた。どうやら治癒魔法を使える場合、作る薬の効果が高くなることがあるらしい。良グレードより高い品質のものは効果の差が大きく、価格が1.5倍以上で取引されるようだ。とりあえず品質をチェックする担当者には話をしてくれるようだ。
翌日からは初級治療薬だけでなく、他の薬についてもいろいろと挑戦させてくれるようになった。サルファニーさんも前以上に時間をとって熱心に教えてくれるのでちょっと驚いている。調合だけでなく、薬草の効果の説明をしてくれるので、非常にわかりやすかった。
21
あなたにおすすめの小説
異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』
アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた
【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。
カクヨム版の
分割投稿となりますので
一話が長かったり短かったりしています。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ
壬黎ハルキ
ファンタジー
それは、少年が高校を卒業した直後のことだった。
幼なじみでお嬢様な少女から、夕暮れの公園のど真ん中で叫ばれた。
「知らない御曹司と結婚するなんて絶対イヤ! このまま世界の果てまで逃げたいわ!」
泣きじゃくる彼女に、彼は言った。
「俺、これから異世界に移住するんだけど、良かったら一緒に来る?」
「行くわ! ついでに私の全部をアンタにあげる! 一生大事にしなさいよね!」
そんな感じで駆け落ちした二人が、異世界でのんびりと暮らしていく物語。
※2019年10月、完結しました。
※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる