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第一部 異世界らしい冒険

52. 異世界227日目 サクラの最後の一日

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 夕べはかなり遅くまで盛り上がったせいで結局泊めてもらうことになってしまった。さすがに宿に帰ろうかと思っていたんだが、夜中にあまりうろつくのはちょっと怖かったこともある。結局自分もお酒を飲まされて酔っ払っていたしね。


 ベッドの中でまどろんでいると、なんかちょっと違和感を受ける。「あれ?」と横を振り向くと、ジェンと目が合った。

「「え・・・・!!」」

「・・・おはよ。」

「おはよ。

・・・・って、なんで同じベッドにいるのよ~~~っ!!」

 ベッドからたたき落とされてしまう。

「まて、誤解だ。何もしてない。不可抗力だ。」

 あれ?だけど昨日は確かジェンはみんなと盛り上がっていたので、自分が先に寝たよな?

「ちょっとまて、ベッドに入ったのは自分が先だよな?自分は間違いなくこのベッドに入ったぞ。なんでそこにジェンがいたんだ?」

「あと、その格好は目の毒だからどうにかしてくれ!」

 ジェンは下着にスケスケのネグリジェというかなり刺激的な格好をしていたのである。

「~~~~~!!」

 あわてて布団に潜り込むジェン。


 なんかドアの方に視線を感じて見てみると、みんなが覗いていた。

「「「「夕べはお楽しみでしたか?」」」」とニヤニヤしながら聞いてきた。

「あんた達の仕業か~~~!!」



 どうやら夕べは自分が寝た後も女子会みたいに管理人の二人も混じって盛り上がったらしい。そのあとジェンが寝落ちしそうになっていたのでベッドに連れて行ったようだ。それも俺が寝ていたベッドに。

「勘弁してください。自分たちはそんな関係じゃないから。」

 いくら言っても適当に流されてしまう。ジェンもなにか言ってよと思ったが、まだ照れていて黙ったままだ。もういいや。


 なんとか落ち着いたところで、準備してもらった朝食をいただく。朝食と言ってももう1時半になっていたのでかなり遅めの朝食になってしまった。

 「今日はまだ時間あるんでしょ?」ということで、お昼まで庭で訓練したり、いろいろ話をしたりして、お昼過ぎに軽めの昼食を取りに行く。お店は前にも行ったお店で、サンドイッチをつまみながらいろいろと話をしてからみんなと別れる。

「サクラに戻ってきたときは必ず連絡してよ。」

「もちろん!」



 このあといくつかのお店を回って買い物をしてから夕方に役場に行って他の冒険者に明日出発することについて挨拶をしていく。

 なぜか蠍の尾のメンバーの家に行ったことが知られているのはどうしてなんだ?しかも泊まったことまで知っている人もいるし・・・。なんか激励の言葉にとげがあるし、握手の時の力が強くて痛いんだけど・・・。なんなんだよ~~~!!


~他の冒険者Side~

「ジュンイチのやつがスレインさん達の家に行ったらしいが、そのまま泊まってきたらしいぞ。」

「マジか?あれだけかわいいパートナーがいながらそれだけで足りないって?それ以前に5人も一緒に相手をしたのか?」

「最近なんか優しくなってきたと思ったら男ができたからだったのか?」

「「「「「うらやまし~~~~~!!」」」」」

 完全な誤解なんだが、家に泊まったという事実があるため、冒険者の間では真実として話が伝わっていた。

~~~~~~~~~~

 宿に戻ってから夕べは戻れなかったことを謝罪してから部屋に移動。残っていた荷物も収納バッグに入れて準備は完了だ。収納バッグがなかったら大変だったよなあ。

 しばらく大浴場は入れないと思い、ゆっくりとお風呂に入る。最後の夜となるので夕食もちょっと豪華に宿のレストランで食べることにした。今回はコース料理ではないけどね。


 当初考えていたとおり、かなり頑張ったおかげで一通りの最低限のスキルを手に入れることができた。まだまだ学びたいことも多いけど、最低限の基礎知識は手に入れたのでしばらくは自分で鍛錬することでも対応できると思う。

 学識関係は元々高いことと、加護がついていることもあり結構高くなっているが、一番厳しいのは戦闘系のスキルだなあ。このあたりはちょっとずつでも鍛錬していくしかないだろう。まあレベルが3あれば無理しなければ十分なレベルだと思うけどね。

 魔法についてもイメージ的なものがあるからまだレベルアップは早いほうだと思う。やはり戦うときは魔法を主体に考えた方がいいかもしれない。魔法のレベルを上げていけばやっと次元魔法も使えるようになるからね。

 ガイド本のレベルが3にあがったせいか、ガイド本への本の取り込みが本を見るだけでできるようになった。おかげで図書館で閲覧できる本の大半を取り込むことができたのはかなりの収穫である。まあこの中から必要なものを探すのが大変なんだけどね。

 収納バッグの仕様についてはあのあといろいろ試して大分使いやすくなってきた。頭の中に浮かぶだけだとやはりわかりにくいのでイメージが目の前に表示できるように変更。
 収納するときに鑑定結果をイメージすることで詳細も表示されるし、分類別にしておくことで見やすくなった。同じ種類のものについては個数で表示するようにして、取り出すときは古いものから出てくるようにした。やはり世の中に全く同じものが存在しないので個数表示にすることが一番苦労した。
 もちろん非常時のために頭の中からでも取り出しはできる様にしている。


~イントSide~
 ジュンイチとジェンが冬の間は南の方に行くと言って挨拶にやってきた。しばらく会えなくなるため、急遽壮行会をやろうと言うことになり、買い出しへいくことになった。

 いろいろと話しながら途中までは普通に食事をしていたのだけど、お酒を飲んでいたこともあってみんなちょっと羽目を外しだした。今まで他の人たちの前でここまで酔っ払うことはなかったんだけど、大丈夫かな?
 私はお酒には結構強いのでまだほろ酔い程度なんだが、せっかくなのでみんなと同じようにジュンイチをからかってみた。胸を押しつけると反応がかわいい。


 私はあまりそういうつもりはないのだけど、いつも男性に色目を使っていると言われてきた。胸も大きいし、男性の好きな体型であるのは自覚している。初めて会う人も気がついていないと思っているのか、大体が私の体をいやな目で見てくる。

 ジュンイチと初めて会ったとき、警戒はしたんだけどいやな目線を感じなかった。訓練の時に私を指名してきたので「やっぱりなあ。」と邪推してしまったんだけど、単純に戦闘スタイルが近いので習いたかっただけのようだった。そのあとも普通に接してくるので、「もしかして女性に興味ないのかな?」と思ったくらいだった。


 会ったときはこんなにじゃれ合うまでの仲になるとは思っていなかったけど、こんな関係もいいものね。他の人たちからは変な誤解をされているみたいだけど、まあそれはそれでかまわないかな。


 ジュンイチはあまりお酒を飲んだことがなかったらしく、早々にダウンしたので客間に連れて行った。さすがにこの状態で家に帰れとはいえないもんね。
 そのあとはせっかくだからとジャニーとルリアンも加わっていろいろと話をした。やはりこの年齢だといろいろと異性に興味があるようだ。自分たちも興味がないとは言わないが、それよりも嫌悪感が勝っているかんじだからね。

 ジェンはジュンイチとツインの部屋に泊まっているのだけど、キス以前に付き合うことにもなっていないらしい。

「「「「「「え~~~、同棲状態なのに何もないの~~!!」」」」」」

 みんなからいろいろ言われてお酒を飲むペースが上がったのか、ジェンも眠そうになってきたようなので部屋に案内する。部屋に置いているベッドの一つにはすでにジュンイチが寝ていたんだけど、みんな悪い顔になっていた。
 ジェンの服を脱がせてサイズの合いそうなネグリジェを着せて、イチの隣に寝かせてあげる。うん、なんて優しいんだろうね、私たち。そしてその後もそのことで盛り上がり、夜更けに眠りについた。



 翌朝、大きな叫び声が聞こえてきた。大急ぎで客室の方に行くと他のみんなもやってきていた。ドアの隙間からのぞくとベッドの上で言い合っている二人がいた。

「「「「夕べはお楽しみでしたか?」」」」

 みんなの声がそろっていた。

「あんた達の仕業か~~~!!」ジュンイチの絶叫が響いた。


 このあともしばらくからかっていたのだが、ジェンは照れてしまっていてまったく言葉がない。ちょっと悪いことしたかなあ?
 結局お昼まで一緒に食べてから二人を見送る。きっと又会うこともあるだろう。私もジュンイチみたいな人を捕まえられるのかなあ?ちょっとうらやましく思ってしまったのはみんなには内緒だ。


~カサス商会にて~
 カサス商会では通信の魔道具を使って定期的に全支店の情報交換を行っている。通信にもかなりの魔獣石が必要なため、基本的には書類で資料が回されており、緊急の内容のみが説明される。通常は簡単な状況確認で終了するのであるが、この日の打ち合わせでは少し長めの会議となっていた。

 議題に上がったのはジュンイチとジェニファー両名についてである。今までもフードコートやインスタントラーメンのこと、そのほか商売に関する斬新的なアイデアが共有されていたが、今回はサクラでの二人の研修内容についての報告があった。

「この報告内容について間違いはないだろうね?」

「はい、それぞれの担当者から確認が取れており、いくつかは鑑定を行っています。」

 見たことのない文字での魔道具の作成とその効果、薬の高グレード作成についてとその知識、錬金技術や採掘技術についてと、どう考えても初心者ではあり得ない上達スピードが報告されていた。

「もともと技術を持っていたと言うことではないのか?」

「担当者の話だと、よほどうまくごまかさなければあり得ないと言っています。」

 通信機から沈黙が流れる。

「とりあえず、現段階ではわからないことが多い。二人とは友好な関係が築けていると思うので、各支店長は無理な勧誘などはしないことを徹底する。また過剰な接待も行わないこと。彼らとは今後も信頼関係を築いていきたいのでその点を頭に置いておくように。」

 通信を切った後、コーランは二人のことを思い浮かべる。見た目とは年齢が異なるのか?ただ最初に話した感じからはそうは思えない。
 うちの商会は無理に知識を求めるようなことはしていないが、他の商会に知られると強引な手段に出てくるところがあるかもしれない。どこかでちゃんと伝えておいたほうがよいだろう。このあとルイサレムに移動するみたいなので私も直接話をした方がいいかもしれないな。


~ジュンイチとジェニファーのステータス~
名前:ジュンイチ(大岡純一郎)
種族:猿人(異世界人)
生年月日:998年10月30日
年齢:17歳
国籍:ヤーマン国
職業:冒険者(上階位・アース)
賞罰:なし
資格:なし
クラス:戦士(武術力向上-1)、魔法使い(魔力向上-1)、学者(思考力向上-2)、神の祝福(物理耐性上昇-2、魔法耐性上昇-2)

スキル:
体術-2、片手剣-3、両手剣-2、刀剣-1、短剣-2、盾-3
威圧-1、突撃-1、回避-1
一般魔法-3、火魔法-3、風魔法-3、水魔法-3、土魔法-3、氷魔法-1、雷魔法-1、光魔法-1、闇魔法-1
治癒魔法-3、回復魔法-2
肉体硬化-1、筋力強化-1、持久力強化-1、俊敏強化-1、魔力強化-1
毒耐性-1、麻痺耐性-1、睡眠耐性-2
演奏-1、歌唱-1、絵画-2、彫刻-1、工作-2、料理-2、裁縫-1
日本語-5、英語-3、ヤーマン語-5、ライハンドリア公用語-5
思考強化-2、鑑定-3
索敵-3、罠探知-2、罠解除-2、隠密-1
錬金-2、付与-1、商人-1
採掘-2、採取-1、解体-3、解体魔法-3

知識スキル:
戦学-3、武学-3、防学-3
魔法学-4、魔素吸収-3、魔素放出-3、魔素操作-3
算学-4、自然科学-4、社会科学-3、生物学-4、植物学-4、地学-4-、神学-3、医学-3、天文学-4、言語学-3
罠学-3、鍛冶学-1、調合学-1、錬金学-2、付与学-3
ガイド本-3

秘匿スキル:
アミナの祝福(知識吸収上昇)
タミスの祝福(技術吸収上昇)


名前:ジェニファー(ジェニファー・クーコ)
種族:猿人(異世界人)
生年月日:998年12月15日
年齢:17歳
国籍:ヤーマン国
職業:冒険者(上階位・アース)
賞罰:なし
資格:なし
クラス:戦士(武術力向上-1)、魔法使い(魔力向上-1)、治癒士(治癒力向上-1)、学者(思考力向上-2)、神の祝福(物理耐性上昇-2、魔法耐性上昇-2)

スキル:
体術-2、片手剣-1、短剣-3、弓-2、盾-3
威圧-1、突撃-1、回避-1
一般魔法-3、火魔法-3、風魔法-3、水魔法-3、土魔法-3、氷魔法-1、雷魔法-1、光魔法-1、闇魔法-1
治癒魔法-3、回復魔法-3
肉体硬化-1、筋力強化-1、持久力強化-1、俊敏強化-1、魔力強化-1、治癒力強化-1
毒耐性-1、麻痺耐性-1、睡眠耐性-2
演奏-3、歌唱-2、絵画-3、彫刻-1、舞踊-3、料理-2、裁縫-2
英語-5、スペイン語-4、ドイツ語-3、フランス語-3、中国語-2、日本語-3、ヤーマン語-5、ライハンドリア公用語-5
思考強化-2、鑑定-3
索敵-2、隠密-1
調合-1、錬金-1、付与-1、商人-2
採掘-1、採取-1、解体-3、解体魔法-3

知識スキル:
戦学-3、武学-3、防学-3
魔法学-4、魔素吸収-3、魔素放出-3、魔素操作-3
算学-4、自然科学-4、社会科学-4、生物学-4、植物学-4、地学-4、神学-3、医学-3、天文学-4、言語学-4
罠学-1、鍛冶学-1、調合学-3、錬金学-1、付与学-3
ガイド本-3

秘匿スキル:
アミナの祝福(知識吸収上昇)
タミスの祝福(技術吸収上昇)
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