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第一部 異世界らしい冒険
53. 異世界228日目 バスでの長距離移動は大変だった
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朝食を食べた後、部屋の中の荷物を確認してからチェックアウトをする。何があるか分からないので短剣や革鎧などは身につけているが、それ以外の装備関係は収納バッグに入れている。
バスが通るのは主要の道路だけなのと、バス移動の客を襲っても実入りが少ないこと、すぐに討伐依頼が出るため襲われることはほとんどないらしいので大丈夫と思いたい。フラグはいらない。
バス乗り場に到着してから目的のバスを確認する。バスは1列に2席と1席の3席が10列くらいの大きさで25席とトイレが完備されている。途中の町でバスを乗り換えることもあるが、乗るバスのグレードはほぼ一緒らしい。
運転手と護衛が1名乗っているんだが、運転手も護衛を兼ねているみたいでかなりがっちりとした体格をしている。
乗客は全部で20人くらいなので席には余裕がある。乗っている客は商人と冒険者、買い出しに来ている人たちという感じだ。
荷物の量によって追加料金を取られるみたいだが、自分たちは小さなリュックだけなので特に問題はないようだ。まあ自分たちも収納バッグがなかったら結構な荷物になっていただろうけどね。
席は二人がけのところに並んで座っている。ずっと話をしていてもいいんだが、せっかくなので移動中は仮眠をとったり、勉強したりしていた。
前みたいなことがあっても困るので訓練もかねて索敵は常に展開しておく。
途中で休憩は取るんだが、サービスエリアのようなところがあるわけでもないので、日本のように買い物とかができるわけではない。地球にいたときは旅行の時のサービスエリアや道の駅に寄るのは楽しかったけどね。
お昼は各人が準備したものを食べる感じなので自分たちも買っておいたサンドイッチで簡単に済ませる。朝夕の食事関係は途中の町で購入する予定だが、一応ある程度の食事は収納バッグに入れている。温かいままという訳ではないんだが、腐らないだけでも十分だからね。
途中の町の宿はツインの部屋に泊まることにした。まあもう今更だ。宿のレベルは町の規模によってさまざまだが、一応そこそこのレベルの宿に泊まっていたので特に不満はない。
何回か魔獣は出てきたけど、車でそのまま通り過ぎたり、場合によっては護衛の人が退治したりで予定通り10日目の夕方にオーマトの町に到着する。特に定番のイベントはなくてほっとする。
オーマトの町の規模はアーマトの町と同じくらいの印象だ。城壁も結構高くて町の雰囲気もそんなに変わらない。
町に入るのには60分ほどかかったが、まあこれはしょうが無いだろう。さすがに連続での移動もつらいので、バスの予定を確認して、2日後の朝一に出発するバスの予約を済ませておく。
このあとスレインさん達に事前に聞いておいたお勧めの宿に行ってからツインの部屋をお願いする。アーマトで泊まっていたカイランと同じような雰囲気だ。すぐに部屋に入れるようなので部屋に移動してから持っているリュックなどを部屋に置いてから夕食を食べに行く。リュックはほとんど何も入っていないんだけどね。
夕食には野菜炒めのようなものやスープを頼んだんだが、ちょっと香辛料が強い感じだ。オカニウムはそうでもなかったけど、南の方だから香辛料を使った料理が多いのかな?ハーブ系がきつい感じなのでだめな人も多いかもしれない。ジェンは少し苦手らしい。
夕食の後はすぐに宿に戻るが、さすがに疲れていたのでシャワーは諦めて浄化魔法で済ませる。ベッドに入るとそうそうに眠りに落ちていた。
翌日起きるとすでに1時半になっていた。やっぱり疲れがたまっていたんだろう。
ジェンを起こしてから服を着替えて遅めの朝食へ。宿の朝食時間はすでに終わっていたので諦めて近くにあったお店で簡単に済ませる。
役場に行ってから置いてある資料の確認を行う。町の周りはそこまで魔獣の種類が違う感じではない。町からは遠いが、一応遠征エリアにはかなり上のレベルの魔獣が住んでいるところもあるようだ。そこを狩り場にする場合は近くに町があるらしいのでそこを拠点にした方が良さそうだな。まあ、今日はもうさすがに狩りには出ないけどね。
特に予定もなかったので図書館をのぞいたり、ショッピングに行ったり、役場の訓練場で稽古をしたりした。骨董屋にも覗いていくがそうそう掘り出し物が見つかるわけでもない。まあ骨董店をやっているお店だと大体が鑑定スキルを持っているからね。
夕食にはちょっと辛めのラーメンのようなものを食べてから宿に戻る。シャワーを浴びてから今日もちょっと早めに就寝だ。
翌朝から再びバスに乗って移動となるが、ここからはバスのペースもさらに速くなっている。途中の町で泊まりながら、予定通り5日目の夕方に港町ルイサレムに到着した。海が近いせいかオカニウムの時のように潮の匂いがしてきた。
やはり南下してくると徐々に気温も上がってきて、出発の時には長袖に上着まで着ていたんだが、こっちに来たら半袖でもいいくらいの感じになってきた。真冬でも長袖くらいでいいかもしれないな。
オカニウムは海辺に面した港町で、高い城壁に囲まれているが、西側が少し高い丘になっているようで城壁より上に建物が見える。丘の斜面にも家が建ち並んでいるので丘の上だと展望が良さそうだ。
町の周りの畑は他の町に比べて小さいみたいだけど、農業よりも漁業が中心のせいだろうか?それとも土があまりよくないのだろうか?まあ海が近いと塩害とかもあるだろうからね。
まずは役場に行こうと町の中を歩いて行くと、頭の上に何かをつけている人たちがいた。よく見てみると、何かをのせているのではなく耳のようなものだった。
もしかして自分のイメージするような獣人?ちょっと異なる顔立ちに頭に耳が付いているので犬人か猫人なんだろうか?
そう思って注意してみると他にも何人かいることが分かる。服装も普通の人と変わらない感じなので奴隷とか言うことではなさそうだ。他の人も特に気にしている風もないので、あくまで人種が違うだけという認識なのかもしれない。もしかしたら今までの町にもいたのに気づいていなかっただけかもしれないな。
役場に行ってから、しばらくこの町に滞在する旨を説明して登録を済ませる。しかし役場の受付が女性ばかりというのはなにか決まりがあるのかねえ?
掲示板を見てみると、珍しく特別依頼というものが張られていた。特別依頼は普通高レベルのパーティーに割り振られたりするんものなんだが、何で張られているんだろう?
内容を見ると財宝探しみたいで、詳細は受付に聞くようになっていた。
「掲示板に貼っている特別依頼について聞きたいんですけどいいですか?」
「特別依頼ですか?あぁ、財宝探しの依頼ですね。
えっと、依頼を出されたのは5年ほど前で、期日の指定もないこと、探し出せる確率も低いこと、違約金もないことから、依頼者と相談の上、特に制約を設けずに受注できるようにしています。
いつまで依頼が出されるか確約はできませんが、これを受けていても他の依頼は受注できるのでこの辺りの冒険者はほとんどこの依頼を受けていますよ。やってみますか?」
「やってみたいと思っているんですが、内容を教えてください。」
「もともとこの付近に海賊にまつわる話があるのですが、その海賊が隠したとされる宝玉を手に入れるのが依頼となっています。
過去に何パーティーか宝玉を見つけたと報告を受けましたが、依頼者からは目的のものと違うと判断されたみたいでまだ達成されたことになっていません。
今言いましたように、成功の判断は依頼者が行います。成功報酬は50万ドールと高額ですが、依頼者はかなり信用がおける方なので本当に達成できたとしたら依頼料は払ってくれるはずですよ。」
まあ額が額だから嘘ついてでも達成したことにしたいよな。まあ本当にどこかで見つけたけど、目的のものじゃなかったと言うこともあるかもしれないけどね。
「せっかくだから受けたいと思っているけど、ジェンもいいよね。」
かなり食いついている顔を見たら受けない選択肢は無さそうだ。速攻でうなずいている。
「依頼を受けたいと思いますが、何か手がかりなどはないのでしょうか?」
「依頼者に連絡しておきますので、明日の朝にまた来ていただけますか?」
「わかりました。また明日寄らせていただきますね。」
一通りの情報を手に入れてから宿へと向かう。スレインさん達や他の冒険者から事前にいろいろ聴いていたので助かる。
今回泊まろうとしているのは海鳥の館という宿屋だ。建物は町の中心からは少し外れたところのちょっと高台にあるところだった。建物は石造りなんだが、町中にあるようなビルのようなものではなく、ちょっとしゃれたペンションのような建物だ。
さっそく受付にいくと部屋は開いていたのでツインで朝食が付いて一泊1200ドールの部屋をお願いする。部屋に行くと窓からは海が一望できていい眺めだった。ここからだと朝日がきれいに見えそうだ。前に家族で行った岬の宿からの眺めを思い出すなあ。
日も落ちてきたので今日の夕食は宿併設の食堂で食べることにした。せっかくなので焼き魚の定食を食べることにしたが、やはりこっちの料理は香辛料がきつい感じだった。魚は普通の塩焼きなのでいいんだが、付け合わせ関係がねえ・・・。ジェンはこういう魚料理を食べ慣れていないのかちょっと苦労している。
部屋に戻ってから今日は浄化魔法できれいにしてからそうそうに寝ることにした。
最近浄化の魔法がかなりレベルアップしたのか、シャワーに入るよりも綺麗になっているような気がする。歯磨きもこれで済ませられるのでかなり楽でありがたい。洗濯もしなくていいしね。
この浄化魔法だけど、ジェンと話したところ、やはり自分たちの浄化魔法は他とは違うらしい。通常は殺菌まではできないようなので治癒魔法とかも一緒に使っているのかもしれないということだった。あまり公にしない方がいいね。
部屋全体を浄化魔法できれいにもできるんだが、さすがにそれをすると何か言われそうなのでベッドとかだけ浄化魔法をかけるようにしている。
ちなみに浄化魔法と言っても汚れがすべて消えてしまうわけではない。たしかに汚れの一部は浄化魔法で分解してしまうようなんだが、目に見える汚れはとれるだけで消えてしまうわけではないのである。まあ当たり前と言えば当たり前なんだけどね。
最初の頃は汚れが落ちても落ちた汚れがまとわりついて面倒だったんだが、最近は汚れを小さな固まりにすることができる様になったので楽になった。固まりを捨てるだけで済むからね。
湿ったものは水分が蒸発するのか、消えてしまうので、泥汚れの場合は後に土だけが残る感じである。このため浄化魔法で乾燥もできるのでお風呂上がりはかなり楽になっている。
あくまで汚れやゴミと意識したものを浄化、消毒するので、部屋の中であまりうかつに使ってしまうと、必要なものまでなくなってしまう可能性もあって怖いということもある。
まあイメージなのである程度大きなものは除外と意識すれば大丈夫とは思っているんだけどね。
バスが通るのは主要の道路だけなのと、バス移動の客を襲っても実入りが少ないこと、すぐに討伐依頼が出るため襲われることはほとんどないらしいので大丈夫と思いたい。フラグはいらない。
バス乗り場に到着してから目的のバスを確認する。バスは1列に2席と1席の3席が10列くらいの大きさで25席とトイレが完備されている。途中の町でバスを乗り換えることもあるが、乗るバスのグレードはほぼ一緒らしい。
運転手と護衛が1名乗っているんだが、運転手も護衛を兼ねているみたいでかなりがっちりとした体格をしている。
乗客は全部で20人くらいなので席には余裕がある。乗っている客は商人と冒険者、買い出しに来ている人たちという感じだ。
荷物の量によって追加料金を取られるみたいだが、自分たちは小さなリュックだけなので特に問題はないようだ。まあ自分たちも収納バッグがなかったら結構な荷物になっていただろうけどね。
席は二人がけのところに並んで座っている。ずっと話をしていてもいいんだが、せっかくなので移動中は仮眠をとったり、勉強したりしていた。
前みたいなことがあっても困るので訓練もかねて索敵は常に展開しておく。
途中で休憩は取るんだが、サービスエリアのようなところがあるわけでもないので、日本のように買い物とかができるわけではない。地球にいたときは旅行の時のサービスエリアや道の駅に寄るのは楽しかったけどね。
お昼は各人が準備したものを食べる感じなので自分たちも買っておいたサンドイッチで簡単に済ませる。朝夕の食事関係は途中の町で購入する予定だが、一応ある程度の食事は収納バッグに入れている。温かいままという訳ではないんだが、腐らないだけでも十分だからね。
途中の町の宿はツインの部屋に泊まることにした。まあもう今更だ。宿のレベルは町の規模によってさまざまだが、一応そこそこのレベルの宿に泊まっていたので特に不満はない。
何回か魔獣は出てきたけど、車でそのまま通り過ぎたり、場合によっては護衛の人が退治したりで予定通り10日目の夕方にオーマトの町に到着する。特に定番のイベントはなくてほっとする。
オーマトの町の規模はアーマトの町と同じくらいの印象だ。城壁も結構高くて町の雰囲気もそんなに変わらない。
町に入るのには60分ほどかかったが、まあこれはしょうが無いだろう。さすがに連続での移動もつらいので、バスの予定を確認して、2日後の朝一に出発するバスの予約を済ませておく。
このあとスレインさん達に事前に聞いておいたお勧めの宿に行ってからツインの部屋をお願いする。アーマトで泊まっていたカイランと同じような雰囲気だ。すぐに部屋に入れるようなので部屋に移動してから持っているリュックなどを部屋に置いてから夕食を食べに行く。リュックはほとんど何も入っていないんだけどね。
夕食には野菜炒めのようなものやスープを頼んだんだが、ちょっと香辛料が強い感じだ。オカニウムはそうでもなかったけど、南の方だから香辛料を使った料理が多いのかな?ハーブ系がきつい感じなのでだめな人も多いかもしれない。ジェンは少し苦手らしい。
夕食の後はすぐに宿に戻るが、さすがに疲れていたのでシャワーは諦めて浄化魔法で済ませる。ベッドに入るとそうそうに眠りに落ちていた。
翌日起きるとすでに1時半になっていた。やっぱり疲れがたまっていたんだろう。
ジェンを起こしてから服を着替えて遅めの朝食へ。宿の朝食時間はすでに終わっていたので諦めて近くにあったお店で簡単に済ませる。
役場に行ってから置いてある資料の確認を行う。町の周りはそこまで魔獣の種類が違う感じではない。町からは遠いが、一応遠征エリアにはかなり上のレベルの魔獣が住んでいるところもあるようだ。そこを狩り場にする場合は近くに町があるらしいのでそこを拠点にした方が良さそうだな。まあ、今日はもうさすがに狩りには出ないけどね。
特に予定もなかったので図書館をのぞいたり、ショッピングに行ったり、役場の訓練場で稽古をしたりした。骨董屋にも覗いていくがそうそう掘り出し物が見つかるわけでもない。まあ骨董店をやっているお店だと大体が鑑定スキルを持っているからね。
夕食にはちょっと辛めのラーメンのようなものを食べてから宿に戻る。シャワーを浴びてから今日もちょっと早めに就寝だ。
翌朝から再びバスに乗って移動となるが、ここからはバスのペースもさらに速くなっている。途中の町で泊まりながら、予定通り5日目の夕方に港町ルイサレムに到着した。海が近いせいかオカニウムの時のように潮の匂いがしてきた。
やはり南下してくると徐々に気温も上がってきて、出発の時には長袖に上着まで着ていたんだが、こっちに来たら半袖でもいいくらいの感じになってきた。真冬でも長袖くらいでいいかもしれないな。
オカニウムは海辺に面した港町で、高い城壁に囲まれているが、西側が少し高い丘になっているようで城壁より上に建物が見える。丘の斜面にも家が建ち並んでいるので丘の上だと展望が良さそうだ。
町の周りの畑は他の町に比べて小さいみたいだけど、農業よりも漁業が中心のせいだろうか?それとも土があまりよくないのだろうか?まあ海が近いと塩害とかもあるだろうからね。
まずは役場に行こうと町の中を歩いて行くと、頭の上に何かをつけている人たちがいた。よく見てみると、何かをのせているのではなく耳のようなものだった。
もしかして自分のイメージするような獣人?ちょっと異なる顔立ちに頭に耳が付いているので犬人か猫人なんだろうか?
そう思って注意してみると他にも何人かいることが分かる。服装も普通の人と変わらない感じなので奴隷とか言うことではなさそうだ。他の人も特に気にしている風もないので、あくまで人種が違うだけという認識なのかもしれない。もしかしたら今までの町にもいたのに気づいていなかっただけかもしれないな。
役場に行ってから、しばらくこの町に滞在する旨を説明して登録を済ませる。しかし役場の受付が女性ばかりというのはなにか決まりがあるのかねえ?
掲示板を見てみると、珍しく特別依頼というものが張られていた。特別依頼は普通高レベルのパーティーに割り振られたりするんものなんだが、何で張られているんだろう?
内容を見ると財宝探しみたいで、詳細は受付に聞くようになっていた。
「掲示板に貼っている特別依頼について聞きたいんですけどいいですか?」
「特別依頼ですか?あぁ、財宝探しの依頼ですね。
えっと、依頼を出されたのは5年ほど前で、期日の指定もないこと、探し出せる確率も低いこと、違約金もないことから、依頼者と相談の上、特に制約を設けずに受注できるようにしています。
いつまで依頼が出されるか確約はできませんが、これを受けていても他の依頼は受注できるのでこの辺りの冒険者はほとんどこの依頼を受けていますよ。やってみますか?」
「やってみたいと思っているんですが、内容を教えてください。」
「もともとこの付近に海賊にまつわる話があるのですが、その海賊が隠したとされる宝玉を手に入れるのが依頼となっています。
過去に何パーティーか宝玉を見つけたと報告を受けましたが、依頼者からは目的のものと違うと判断されたみたいでまだ達成されたことになっていません。
今言いましたように、成功の判断は依頼者が行います。成功報酬は50万ドールと高額ですが、依頼者はかなり信用がおける方なので本当に達成できたとしたら依頼料は払ってくれるはずですよ。」
まあ額が額だから嘘ついてでも達成したことにしたいよな。まあ本当にどこかで見つけたけど、目的のものじゃなかったと言うこともあるかもしれないけどね。
「せっかくだから受けたいと思っているけど、ジェンもいいよね。」
かなり食いついている顔を見たら受けない選択肢は無さそうだ。速攻でうなずいている。
「依頼を受けたいと思いますが、何か手がかりなどはないのでしょうか?」
「依頼者に連絡しておきますので、明日の朝にまた来ていただけますか?」
「わかりました。また明日寄らせていただきますね。」
一通りの情報を手に入れてから宿へと向かう。スレインさん達や他の冒険者から事前にいろいろ聴いていたので助かる。
今回泊まろうとしているのは海鳥の館という宿屋だ。建物は町の中心からは少し外れたところのちょっと高台にあるところだった。建物は石造りなんだが、町中にあるようなビルのようなものではなく、ちょっとしゃれたペンションのような建物だ。
さっそく受付にいくと部屋は開いていたのでツインで朝食が付いて一泊1200ドールの部屋をお願いする。部屋に行くと窓からは海が一望できていい眺めだった。ここからだと朝日がきれいに見えそうだ。前に家族で行った岬の宿からの眺めを思い出すなあ。
日も落ちてきたので今日の夕食は宿併設の食堂で食べることにした。せっかくなので焼き魚の定食を食べることにしたが、やはりこっちの料理は香辛料がきつい感じだった。魚は普通の塩焼きなのでいいんだが、付け合わせ関係がねえ・・・。ジェンはこういう魚料理を食べ慣れていないのかちょっと苦労している。
部屋に戻ってから今日は浄化魔法できれいにしてからそうそうに寝ることにした。
最近浄化の魔法がかなりレベルアップしたのか、シャワーに入るよりも綺麗になっているような気がする。歯磨きもこれで済ませられるのでかなり楽でありがたい。洗濯もしなくていいしね。
この浄化魔法だけど、ジェンと話したところ、やはり自分たちの浄化魔法は他とは違うらしい。通常は殺菌まではできないようなので治癒魔法とかも一緒に使っているのかもしれないということだった。あまり公にしない方がいいね。
部屋全体を浄化魔法できれいにもできるんだが、さすがにそれをすると何か言われそうなのでベッドとかだけ浄化魔法をかけるようにしている。
ちなみに浄化魔法と言っても汚れがすべて消えてしまうわけではない。たしかに汚れの一部は浄化魔法で分解してしまうようなんだが、目に見える汚れはとれるだけで消えてしまうわけではないのである。まあ当たり前と言えば当たり前なんだけどね。
最初の頃は汚れが落ちても落ちた汚れがまとわりついて面倒だったんだが、最近は汚れを小さな固まりにすることができる様になったので楽になった。固まりを捨てるだけで済むからね。
湿ったものは水分が蒸発するのか、消えてしまうので、泥汚れの場合は後に土だけが残る感じである。このため浄化魔法で乾燥もできるのでお風呂上がりはかなり楽になっている。
あくまで汚れやゴミと意識したものを浄化、消毒するので、部屋の中であまりうかつに使ってしまうと、必要なものまでなくなってしまう可能性もあって怖いということもある。
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