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第一部 異世界ものに出てくる賢者
113. 異世界496日目 役場への報告と今後の対応
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朝食を取ってから1時半頃に役場に行ってみる。まずは二人のことを相談したいので、二人に待ってもらい、とりあえず総合受付に行ってみる。
「すみません、こちらにステファニーさんという方はいらっしゃいますか?」
「ステファニーですか?えっと、こちらには二人ほど心当たりがありますが、部署などはわかりますか?」
たしか紹介状に宛先が書かれていたような気がするな。紹介状を見せるとなぜか顔色が変わった。
「ステファニー部長宛て?えっ?ジョニーファン様からの紹介状?ええっ?」
やっぱり紹介者が有名すぎたのかな?
「少々お待ち下さい!」
そう言うとなにやら電話のようなもので連絡を取ってから紹介状を持ってどこかに行ってしまった。受付はいいのかな?
「なんか前に車を買いに行ったときにもあったような気がするね。」
「そうだね。」
ジェンも苦笑いしている。
しばらくして年配の男性をつれてやってきて部屋に案内されたので、スイートさんとミルファーさんも一緒に来てもらう。
「初めまして、事務部の部長をやっているステファニーと申します。」
「初めまして。アースというパーティーを組んでいるジュンイチと言います。隣にいるのが同じメンバーのジェニファーです。あと、こちらの二人が今回相談してもらいたいスイートさんとミルファーさんです。」
簡単に挨拶をすませる。
「紹介状に簡単な説明は書かれていましたが、改めてご説明いただいてもよろしいでしょうか?もちろん紹介状の内容を含めてここでの話は外に出すことはありません。」
「わかりました。ミルファーさんたちもいいですか?」
「「はい。」」
これまでのいきさつと女性二人のことについて話をする。
「なるほど、そういう事情ですか。それでしたら移住にちょうどいい案件がありますので、担当者に来てもらいましょう。
担当者には移住を希望しているとだけ説明いただければ大丈夫です。」
しばらくして担当という女性がやってきていた。ステファニーさんには後で挨拶することにして退席してもらう。偉い人にずっといられても困ってしまうからね。
「初めまして、開発課の担当のジュネリウムといいます。」
「初めまして・・・」
お互いに簡単に自己紹介した後、担当者からは移住について説明があった。
現在、この町の西の方(今はここからの直接の街道はないらしい)に新しく町を建設しているところがあり、町の体裁はかなりできあがってきているらしい。今後のことを考えて移民者を追加で募集しているみたいで、そこに行ってはどうかと言うことだった。もちろん建設中の町なので大変ではあるが、国が行う事業なので危険度もかなり低いみたいだ。
新しい町なので前からのしがらみも少ないため、やり直すにはちょうどいいのかもしれないね。
二人ともかなり前向きに考えているようだ。このあと時間があるのであれば1時間くらいで簡単な能力の確認を行えないかと言うことだったので二人ともうけてみることにしたようだ。
二人をジュネリウムさんに任せて、自分たちは依頼の報告に行くことにした。受付に行くと今回も部屋に案内される。
「すみません。報酬の内容説明のこともあったのでこちらの部屋で説明させていただきます。」
「いえ、お手数をおかけして申し訳ないです。」
「今回の報酬についてですが、基本報酬は3万ドールですが、調査結果に関する追加報酬があります。
まずは調査内容の報酬なんですが、2つの追加報酬が出ています。1つは古代語に関する調査結果についてなんですが、遺跡の発見とその解読についての報酬が32万ドールとなります。また古代遺跡の調査および考察についての報酬が15万ドールとなります。」
「調査の報酬ってこんなに高いものなのですか?」
「調査結果については依頼主の判断ですが、調査結果に対する報酬は数千~数百万ドールとかなり幅が広いのでとくにおかしな額では無いと思いますよ。かなり評価の高い調査結果だったように思います。詳細はわかりませんが、迷惑をかけた見舞金も含まれているという話です。」
このあと調査内容についての詳細な説明やその報酬額についての説明があった。
「続いて魔道具の買い取りに関する報酬です。まずはこちらで買い取らせてもらう場合の価格は、収納の宝玉が最も高くて120万ドール、その他の魔道具が全部で53万ドールとなり、合計で173万ドールとなりました。」
この買取額についても現在の販売価格が提示され、そこからの買い取り価格について説明を受ける。
収納の宝玉についてはオークションの結果からの買い取り価格となったが、オークションにかければ1~2割ほど、場合によっては3~4割高くなる可能性があるらしい。手数料は取られるけどね。ただオークションの開催まではまだ時間がかかるのですぐには入金できないらしい。
他の買取額についても価格に不満があれば買い取りはなしでもかまわないと言うことだったが、自分たちが知っている範囲の価格を考えてもそこまでずれていなさそうなのと、追加の実績ポイントを考えてこの金額で納得する。
「それではこちらで買い取らせてもらうと言うことで進めます。魔道具発見の追加報酬としてその1割となる17万3千ドールが追加されます。以上で合計額が240万3千ドールとなります。
お金はカードへ振り込みしておきますがよろしいですか?」
250万近くの報酬・・・。半端ないな・・・。装備更新で300万ドールくらい使ったけど、かなり回収できたな。
「お金は振り込みでお願いします。」
「でも収納の宝玉は自分たちで使わなくてよかったんですか?」
「ええ、容量がもっと大きければよかったんですが、少し大きめの収納袋を長期間借りることができているので今は実績とお金の方がいいかと思っています。」
「わかりました。それでは問題なければこちらの書類にサインをお願いします。確認後にお金の振り込みを行います。」
報酬額にも驚いたが、実績もかなり貯まったのが大きいな。良階位への実績ポイントも6割くらいまで貯まっているらしい。早くても2年くらいかかるらしいが、1年もたたずにここまで貯まったのは大きいなあ。
説明を終えると、ちょうど1時間ほど経ったのでジュネリウムさんのところへ向かう。二人は能力調査が終わって結果を待っているところだった。二人に話を聞くと、それなりには対応できたと思うけど、正直どのレベルなのかわからないと言っていた。
しばらくして部屋に呼ばれたので皆で中に入る。
「まずは結果から報告します。お二人ともに読み書きについては十分なレベルとなっています。また算術計算についても十分なレベルを持っており、特にミルファーさんは商売の手伝いをされていたこともありかなりのレベルとなっています。
スイートさんは宿の手伝いをしていたと言うことで料理や家事のスキルが高いですね。このスキルがあれば新しい町でも仕事に困ることは無いと思います。」
「「ほんとですか!?」」
二人ともにかなりの好印象のようだ。
「具体的にどのような仕事に枠があるのかは現地に行ってもらわないと正確にはわかりませんが、十分に紹介できるレベルですので、大丈夫ですよ。」
「「よかったですね。」」
「「はい!」」
「ジュンイチさん。それで現地までの移動についてのサポートをお願いできないでしょうか?通常の護衛依頼と違って報酬も実績ポイントも固定で高くはないのですが、彼女たちも知り合いの方が気を遣わなくて済むと思いますので・・・。」
「そういうことなら大丈夫ですよ。もともと言われなくても二人を連れて行こうと思っていましたので、問題ありません。」
「それでは護衛依頼を出しますのでよろしくお願いします。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「あと、こういうことを言うのはほんとはいけないことのですが、もし可能なのであればジョニーファン様からの紹介状を出してもらうと彼女たちも助かると思いますよ。この国で魔道士様の紹介状を持っている人に変な気を起こす人はいないと思いますので。」
「そうなんですか?それじゃあ出発前に少し頼んでみます。」
「え?ジョニーファン様って・・・魔道士様?」
「ジョニーファン様の知り合いなのですか?」
なぜか二人が驚いている。
「魔法のことで少しお世話になったんですよ。今回の遺跡の調査依頼も魔道士様が手配してくれたものなんです。」
「「申し訳ありません!!」」
おもむろに土下座する勢いで頭を下げられてしまった。
ジェンと二人でどうすればいいのか固まっているとジュネリウムさんが説明してくれた。
「この国で魔道士様の知り合いと言うだけでかなりの実力者であり、憧れの対象となっているんです。一般市民にとってはおそらくこのような反応が普通だと思いますよ。」
まじか・・・。なんか普通に研究馬鹿なおじいさんという感じで接していたよ。下手したら首が飛んでいたのか?
「知り合いと言っても特に実力とかあるわけでもないただの一般人なのでそんなに謝られても困ります。いままでと同じように接して下さい。」
「「いいのですか?」」
「もちろんです。」
なんとか二人からの誤解を解いてから役場を後にする。とりあえず他にも用事があるため、出発は3日後ということで準備をすることにした。
早めのお昼を食べてから移動中の食料などを購入しておく。今回の移動は結構距離があるので二人には内緒にしてもらう前提で拠点に泊まることにしたのである。
野営と言うことで二人はちょっと心配みたいなので、いったん郊外に出て拠点を見せることで納得してもらった。かなり驚いていたけどね。
拠点にセットするコンロなどを見てかなりテンションを上げていた。これならいろいろな料理ができると言っていたのでいろいろと食材も買い出すことにしたのである。移動中の料理は任せても良さそうな感じだ。
他にも寝具など必要なものを買い足していくが、衣類関係の買い物の同行は途中で断念して先に宿に帰らせてもらった。やっぱり女性の買い物に付き合うのはしんどいよ。夕食も3人で楽しんできてと言って自分は部屋で簡単に食べることにした。
ジェンが戻ってきたのは7時を回ったくらいでかなりうれしそうにしていた。久しぶりの女性同士の買い物でテンションが上がっているみたいだ。こういうのは男には理解できないことなんだよなあ。
~スイートSide~
ちょっと前まではもう少しで結婚という幸せな時間を過ごしていたのに、盗賊にさらわれてしまったことですべてが変わってしまったわ。でも信頼していた彼氏にあそこまで手のひらを返されるなんて、もしかしたら先にわかってよかったのかもしれないと思うようにしている。
色々あったけど、ジュンイチさんとジェニファーさんの提案に甘えて移住することにしたの。収納バッグがあると言うことでほとんどの荷物を持っていくことができたのはとてもありがたかったわ。移動中に色々と話をすることで気分も大分落ち着いてきたように思う。
王都クリアレントは初めて来たのだけど、とても楽しいところだったわ。宿もかなり立派なのでとても驚いた。遠慮しなくていいと言って宿代や食事代はお世話になっているのだけど、ほんとにいいのかな?翌日は用事があるというのでミルファーと一緒にいろいろなお店を見て回り、楽しい時間を過ごすことができたわ。そのときはつらいことがあったのは忘れるくらい楽しかったわ。
今日は移住の話をするというので一緒に役場に行くことになったの。町を新しく造っているところがあるというのでそこに行ってはどうかという話をされて、前向きに考えることにしたわ。ただ私たちのスキルについての能力調査があるようだったので頑張ってみた。
調査の結果、十分に働き口があるレベルと聞いてほっとしたわ。これで能力が無いと言われたらこの話自体が消えてしまうわけだからね。町までの移動はジュンイチさんたちが護衛についてくれるらしく、かなり助かったわ。全く知らない人にしてもらうよりも安心だしね。
ここで二人がジョニーファン様の知り合いであると言うことを聞いて驚いてしまったわ。紹介状を書いてもらえるような関係って!!ミルファーと二人で謝ったんだけど、特に気にしないでと言われて驚いた。ほんとにいいのかな?
このあと移動中は野営になるという話を聞いてちょっと身構えたのだけど、拠点と言われる宿泊の建物を見せてもらって驚いたわ。どう考えても野営じゃないよね?
建物の中は少し改造して部屋を分けると説明を受けたので大丈夫かな。台所のシステムもかなり豪華なので料理の腕を振るえそうだ。
この後ある程度買い物をしていたんだけど、ジュンイチさんは先に宿に戻るようなので三人で服などの買い物へ行き、いくつかの替えの衣類なども購入してそのまま夕食へ。
ここで気になっていた二人の関係について聞いてみた。夫婦か恋人同士かと思っていたんだけど、なんとただのパーティーメンバーだと言われて驚いたわ。どう考えても恋人か夫婦みたいな関係にしか見えないけど・・・。ジェニファーさんが席を外したときにミルファーに話をしたけど、やっぱり同じ考えだった。
ジェニファーさんに聞いてみたんだけど、「今のままでいいの。」としか言わない。彼女もかなり悩んでいるみたいなんだけど、これ以上は私たちが突っ込んでいい問題ではなさそうなのでいえなかったわ。
なにか特別な理由があるのだろうと思い、一応これでもいろいろな経験をしているから何かあったら相談してねと言うくらいしかできなかったわ。
「すみません、こちらにステファニーさんという方はいらっしゃいますか?」
「ステファニーですか?えっと、こちらには二人ほど心当たりがありますが、部署などはわかりますか?」
たしか紹介状に宛先が書かれていたような気がするな。紹介状を見せるとなぜか顔色が変わった。
「ステファニー部長宛て?えっ?ジョニーファン様からの紹介状?ええっ?」
やっぱり紹介者が有名すぎたのかな?
「少々お待ち下さい!」
そう言うとなにやら電話のようなもので連絡を取ってから紹介状を持ってどこかに行ってしまった。受付はいいのかな?
「なんか前に車を買いに行ったときにもあったような気がするね。」
「そうだね。」
ジェンも苦笑いしている。
しばらくして年配の男性をつれてやってきて部屋に案内されたので、スイートさんとミルファーさんも一緒に来てもらう。
「初めまして、事務部の部長をやっているステファニーと申します。」
「初めまして。アースというパーティーを組んでいるジュンイチと言います。隣にいるのが同じメンバーのジェニファーです。あと、こちらの二人が今回相談してもらいたいスイートさんとミルファーさんです。」
簡単に挨拶をすませる。
「紹介状に簡単な説明は書かれていましたが、改めてご説明いただいてもよろしいでしょうか?もちろん紹介状の内容を含めてここでの話は外に出すことはありません。」
「わかりました。ミルファーさんたちもいいですか?」
「「はい。」」
これまでのいきさつと女性二人のことについて話をする。
「なるほど、そういう事情ですか。それでしたら移住にちょうどいい案件がありますので、担当者に来てもらいましょう。
担当者には移住を希望しているとだけ説明いただければ大丈夫です。」
しばらくして担当という女性がやってきていた。ステファニーさんには後で挨拶することにして退席してもらう。偉い人にずっといられても困ってしまうからね。
「初めまして、開発課の担当のジュネリウムといいます。」
「初めまして・・・」
お互いに簡単に自己紹介した後、担当者からは移住について説明があった。
現在、この町の西の方(今はここからの直接の街道はないらしい)に新しく町を建設しているところがあり、町の体裁はかなりできあがってきているらしい。今後のことを考えて移民者を追加で募集しているみたいで、そこに行ってはどうかと言うことだった。もちろん建設中の町なので大変ではあるが、国が行う事業なので危険度もかなり低いみたいだ。
新しい町なので前からのしがらみも少ないため、やり直すにはちょうどいいのかもしれないね。
二人ともかなり前向きに考えているようだ。このあと時間があるのであれば1時間くらいで簡単な能力の確認を行えないかと言うことだったので二人ともうけてみることにしたようだ。
二人をジュネリウムさんに任せて、自分たちは依頼の報告に行くことにした。受付に行くと今回も部屋に案内される。
「すみません。報酬の内容説明のこともあったのでこちらの部屋で説明させていただきます。」
「いえ、お手数をおかけして申し訳ないです。」
「今回の報酬についてですが、基本報酬は3万ドールですが、調査結果に関する追加報酬があります。
まずは調査内容の報酬なんですが、2つの追加報酬が出ています。1つは古代語に関する調査結果についてなんですが、遺跡の発見とその解読についての報酬が32万ドールとなります。また古代遺跡の調査および考察についての報酬が15万ドールとなります。」
「調査の報酬ってこんなに高いものなのですか?」
「調査結果については依頼主の判断ですが、調査結果に対する報酬は数千~数百万ドールとかなり幅が広いのでとくにおかしな額では無いと思いますよ。かなり評価の高い調査結果だったように思います。詳細はわかりませんが、迷惑をかけた見舞金も含まれているという話です。」
このあと調査内容についての詳細な説明やその報酬額についての説明があった。
「続いて魔道具の買い取りに関する報酬です。まずはこちらで買い取らせてもらう場合の価格は、収納の宝玉が最も高くて120万ドール、その他の魔道具が全部で53万ドールとなり、合計で173万ドールとなりました。」
この買取額についても現在の販売価格が提示され、そこからの買い取り価格について説明を受ける。
収納の宝玉についてはオークションの結果からの買い取り価格となったが、オークションにかければ1~2割ほど、場合によっては3~4割高くなる可能性があるらしい。手数料は取られるけどね。ただオークションの開催まではまだ時間がかかるのですぐには入金できないらしい。
他の買取額についても価格に不満があれば買い取りはなしでもかまわないと言うことだったが、自分たちが知っている範囲の価格を考えてもそこまでずれていなさそうなのと、追加の実績ポイントを考えてこの金額で納得する。
「それではこちらで買い取らせてもらうと言うことで進めます。魔道具発見の追加報酬としてその1割となる17万3千ドールが追加されます。以上で合計額が240万3千ドールとなります。
お金はカードへ振り込みしておきますがよろしいですか?」
250万近くの報酬・・・。半端ないな・・・。装備更新で300万ドールくらい使ったけど、かなり回収できたな。
「お金は振り込みでお願いします。」
「でも収納の宝玉は自分たちで使わなくてよかったんですか?」
「ええ、容量がもっと大きければよかったんですが、少し大きめの収納袋を長期間借りることができているので今は実績とお金の方がいいかと思っています。」
「わかりました。それでは問題なければこちらの書類にサインをお願いします。確認後にお金の振り込みを行います。」
報酬額にも驚いたが、実績もかなり貯まったのが大きいな。良階位への実績ポイントも6割くらいまで貯まっているらしい。早くても2年くらいかかるらしいが、1年もたたずにここまで貯まったのは大きいなあ。
説明を終えると、ちょうど1時間ほど経ったのでジュネリウムさんのところへ向かう。二人は能力調査が終わって結果を待っているところだった。二人に話を聞くと、それなりには対応できたと思うけど、正直どのレベルなのかわからないと言っていた。
しばらくして部屋に呼ばれたので皆で中に入る。
「まずは結果から報告します。お二人ともに読み書きについては十分なレベルとなっています。また算術計算についても十分なレベルを持っており、特にミルファーさんは商売の手伝いをされていたこともありかなりのレベルとなっています。
スイートさんは宿の手伝いをしていたと言うことで料理や家事のスキルが高いですね。このスキルがあれば新しい町でも仕事に困ることは無いと思います。」
「「ほんとですか!?」」
二人ともにかなりの好印象のようだ。
「具体的にどのような仕事に枠があるのかは現地に行ってもらわないと正確にはわかりませんが、十分に紹介できるレベルですので、大丈夫ですよ。」
「「よかったですね。」」
「「はい!」」
「ジュンイチさん。それで現地までの移動についてのサポートをお願いできないでしょうか?通常の護衛依頼と違って報酬も実績ポイントも固定で高くはないのですが、彼女たちも知り合いの方が気を遣わなくて済むと思いますので・・・。」
「そういうことなら大丈夫ですよ。もともと言われなくても二人を連れて行こうと思っていましたので、問題ありません。」
「それでは護衛依頼を出しますのでよろしくお願いします。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「あと、こういうことを言うのはほんとはいけないことのですが、もし可能なのであればジョニーファン様からの紹介状を出してもらうと彼女たちも助かると思いますよ。この国で魔道士様の紹介状を持っている人に変な気を起こす人はいないと思いますので。」
「そうなんですか?それじゃあ出発前に少し頼んでみます。」
「え?ジョニーファン様って・・・魔道士様?」
「ジョニーファン様の知り合いなのですか?」
なぜか二人が驚いている。
「魔法のことで少しお世話になったんですよ。今回の遺跡の調査依頼も魔道士様が手配してくれたものなんです。」
「「申し訳ありません!!」」
おもむろに土下座する勢いで頭を下げられてしまった。
ジェンと二人でどうすればいいのか固まっているとジュネリウムさんが説明してくれた。
「この国で魔道士様の知り合いと言うだけでかなりの実力者であり、憧れの対象となっているんです。一般市民にとってはおそらくこのような反応が普通だと思いますよ。」
まじか・・・。なんか普通に研究馬鹿なおじいさんという感じで接していたよ。下手したら首が飛んでいたのか?
「知り合いと言っても特に実力とかあるわけでもないただの一般人なのでそんなに謝られても困ります。いままでと同じように接して下さい。」
「「いいのですか?」」
「もちろんです。」
なんとか二人からの誤解を解いてから役場を後にする。とりあえず他にも用事があるため、出発は3日後ということで準備をすることにした。
早めのお昼を食べてから移動中の食料などを購入しておく。今回の移動は結構距離があるので二人には内緒にしてもらう前提で拠点に泊まることにしたのである。
野営と言うことで二人はちょっと心配みたいなので、いったん郊外に出て拠点を見せることで納得してもらった。かなり驚いていたけどね。
拠点にセットするコンロなどを見てかなりテンションを上げていた。これならいろいろな料理ができると言っていたのでいろいろと食材も買い出すことにしたのである。移動中の料理は任せても良さそうな感じだ。
他にも寝具など必要なものを買い足していくが、衣類関係の買い物の同行は途中で断念して先に宿に帰らせてもらった。やっぱり女性の買い物に付き合うのはしんどいよ。夕食も3人で楽しんできてと言って自分は部屋で簡単に食べることにした。
ジェンが戻ってきたのは7時を回ったくらいでかなりうれしそうにしていた。久しぶりの女性同士の買い物でテンションが上がっているみたいだ。こういうのは男には理解できないことなんだよなあ。
~スイートSide~
ちょっと前まではもう少しで結婚という幸せな時間を過ごしていたのに、盗賊にさらわれてしまったことですべてが変わってしまったわ。でも信頼していた彼氏にあそこまで手のひらを返されるなんて、もしかしたら先にわかってよかったのかもしれないと思うようにしている。
色々あったけど、ジュンイチさんとジェニファーさんの提案に甘えて移住することにしたの。収納バッグがあると言うことでほとんどの荷物を持っていくことができたのはとてもありがたかったわ。移動中に色々と話をすることで気分も大分落ち着いてきたように思う。
王都クリアレントは初めて来たのだけど、とても楽しいところだったわ。宿もかなり立派なのでとても驚いた。遠慮しなくていいと言って宿代や食事代はお世話になっているのだけど、ほんとにいいのかな?翌日は用事があるというのでミルファーと一緒にいろいろなお店を見て回り、楽しい時間を過ごすことができたわ。そのときはつらいことがあったのは忘れるくらい楽しかったわ。
今日は移住の話をするというので一緒に役場に行くことになったの。町を新しく造っているところがあるというのでそこに行ってはどうかという話をされて、前向きに考えることにしたわ。ただ私たちのスキルについての能力調査があるようだったので頑張ってみた。
調査の結果、十分に働き口があるレベルと聞いてほっとしたわ。これで能力が無いと言われたらこの話自体が消えてしまうわけだからね。町までの移動はジュンイチさんたちが護衛についてくれるらしく、かなり助かったわ。全く知らない人にしてもらうよりも安心だしね。
ここで二人がジョニーファン様の知り合いであると言うことを聞いて驚いてしまったわ。紹介状を書いてもらえるような関係って!!ミルファーと二人で謝ったんだけど、特に気にしないでと言われて驚いた。ほんとにいいのかな?
このあと移動中は野営になるという話を聞いてちょっと身構えたのだけど、拠点と言われる宿泊の建物を見せてもらって驚いたわ。どう考えても野営じゃないよね?
建物の中は少し改造して部屋を分けると説明を受けたので大丈夫かな。台所のシステムもかなり豪華なので料理の腕を振るえそうだ。
この後ある程度買い物をしていたんだけど、ジュンイチさんは先に宿に戻るようなので三人で服などの買い物へ行き、いくつかの替えの衣類なども購入してそのまま夕食へ。
ここで気になっていた二人の関係について聞いてみた。夫婦か恋人同士かと思っていたんだけど、なんとただのパーティーメンバーだと言われて驚いたわ。どう考えても恋人か夫婦みたいな関係にしか見えないけど・・・。ジェニファーさんが席を外したときにミルファーに話をしたけど、やっぱり同じ考えだった。
ジェニファーさんに聞いてみたんだけど、「今のままでいいの。」としか言わない。彼女もかなり悩んでいるみたいなんだけど、これ以上は私たちが突っ込んでいい問題ではなさそうなのでいえなかったわ。
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