【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ

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第一部 異世界での懐かしい人々

145. 異世界777日目 サクラに戻ってきた

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 アーマトの町を出発してサクラを目指すが、山越えのルートはまだ雪があってやめた方がいいと言われたので山の北側の方を抜けていくしかない。遠回りになるけど仕方が無いだろう。
 かなり速いペースで走ったんだが、思ったよりも時間がかかって到着したのは15日後だった。まあ山越えでも普通はそのくらいかかるし、こっちのルートだと20日以上はかかるのが普通だからね。
 途中はいつも通りに拠点での宿泊だったんだけど、拠点が快適すぎて宿に泊まるのももったいなくなってるんだよね。温泉とかあればいいけどこの辺りはないみたいだしね。


 サクラの入場口にはすでに行列ができており入場にはかなり時間がかかるがしょうがない。1時間ほどかかってなんとか町に入り、まずは宿の予約に向かう。
 今回もシルバーフローという前に泊まったところで、初めて自分からツインの部屋に泊まったところだ。今では普通になったんだけどね。大浴場があるのがうれしい。

 結婚式の日程はまだ聞いていなかったんだけど、宿の受付でその話が出たので聞いてみると4月10日に決まったようだ。20日後かよ・・・。それまで宿の予約をしようと思ったんだが、5日前からは満室で予約が取れなかったよ。失敗したなあ。
 「たぶんどこの宿も同じだと思いますよ。」と言われて宿泊は断念した。まあかなり安い宿だったら空いているかもしれないけど、それなら拠点の方がいいな。町に入るのが面倒になるけどそこは仕方が無いだろう。とりあえず15日分の予約だけは済ませておく。

 結婚式の詳細を聞こうと思ってスレインさんの家に行ってみるが、残念ながら出かけているみたいで不在だった。管理人のジャニーさんとルリアンさんに話を聞くと、王家での用事があるから数日出かけてくると言って出て行ったらしい。残念ながら詳細については教えてくれなかったようだ。

 結婚式は昼すぎからサクラの町の神殿で行われるらしい。王族から離れてしまっているので大々的なパレードはないみたいだが、やはりお披露目は必要だろうと言うことで神殿の周りを回ることになったようだ。大変だねえ・・・。
 その後にパーティーもあるようだが、自分たちがどこまで招待されているかはわからないので戻ってきたらすぐに連絡をくれるようにお願いした。まあどうせその日は一日時間を空けているからいいんだけどね。
 ただそれだとちゃんとした服がいるよね?さすがに冒険者の格好はまずいと思うし、こっちの正装ってどんな感じなんだろうか?カサス商会で話を聞いたら何かわかるかな?



 このあと役場に行って登録を済ませて資料の確認をする。特に変わったところはないようだが、今度の結婚式のせいでやってきている人が増えているようだ。


 カサス商会に行くと、カルニアさんがすぐにやってきてコーランさんを含めてすぐに魔道具の話になった。アーマトで渡しておいた試作品を追加で納めてほしいと言うことだった。重量が3倍まで大丈夫というのはそれはそれでかなり需要を見込めるみたい。
 今までのものも需要はあるので、そっちも定期的に納めることにしてほしいようだ。今回のは値段は高くなるが、特に商人に需要は出てくるだろうという見込みらしい。
 試作品で造っておいた10個だけを渡すが、あとはでき次第渡していくことにした。作業時間を考えて、1個あたり4500ドールで買い取ってくれるようだ。そのほか商売についての話をしていると思ったよりも時間がかかってしまったよ。


 クリスさんの結婚式の話をすると、コーランさんもかなり驚いていた。コーランさんも神殿の結婚式には招待されるらしい。すでに招待状はもらっているみたいなんだが、自分たちはどうなるんだろう?

「実は正式な結婚式じゃなくてその後で身内でのお祝いに招待ってことなのかしら?」

「でも4月に行われる結婚式に出てほしいと書かれていたからなあ・・・。まあ、特に準備があるわけでもないから後で聞いても十分間に合うと思うけどね。
 そうだ、もし式に出る場合はちゃんとした服じゃないとまずいですよね?」

「そうですね、神殿での式だけであればそこまで求められないとは思いますが、できれば正装をした方がよいと思いますよ。もし必要であればうちでも取り扱っていますので準備しましょうか?」

「よかった、それじゃあお願いします。まあもし行かなくても持っていて損はないだろうしね。」

 急遽正装を準備することとなり、体の採寸からデザイン決めまで行うこととなった。伝統的な衣装もあるようなんだが、無難な形の物にしてもらった。ある程度既製品のものをベースとしてサイズを調整してもらう様にしたのでそれなりにお金はかかるが、フルオーダーよりはましだ。時間的にも間に合わないしね。

 男性の正装はちょっと派手な感じのスーツみたいなものだったのでそこまで違和感はなかった。シャツを着てからその上に上着を着るという感じで、首には蝶ネクタイのような物をつけるみたいだ。
 女性はよくあるドレスというわけではなく、男性よりはきらびやかだけど、同じくスーツのような感じだ。正式な場ではスカートではなくズボンとなるらしい。ただ上着の裾が少し長くてスカートのようにはなっているんだけどね。
 たしかにもともと町の中でもスカートをはいている人はあまりいなかったように思う。スカートをはいていても下のズボンのような物を履いているパターンが多かったからね。
 あとはネックレスをつけるみたいだが、今の魔道具でもいいらしい。でも流石にネックレスくらいを見繕ってやったほうがいいよなあ。まだ時間もあるので専門店にでも見に行こうかな。

 思ったよりも時間がかかったが、これで結婚式に呼ばれたとしても服装は大丈夫っぽいな。


 宿に戻ってから今日は宿のレストランで夕食を食べる。眺めもいいしいいところだ。まあ高いけどこれはしょうがない。
 部屋に戻ってから大浴場でゆっくりお風呂に使って部屋に戻る。やはり車での移動は疲れるみたいで速攻で眠りに落ちた。
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