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第二部 異世界の古代文明
184. 異世界1176日目 テルク遺跡
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翌朝早めに朝食をとってから準備をして宿の前に集合する。テルクの遺跡は町から歩いて60分ほど行ったところにあるらしいので、基本的に日帰りで調査をするみたいだ。二人も遺跡調査に同行してきたこともあるが、基本的に遺跡の外周の調査をするくらいで内部に入ったのは数えるほどしかないみたい。まあ調査許可証がないからしょうが無いんだろうけどね。
そろったところで出発しようと言われたんだが、さすがに歩く時間ももったいないので車で行くことにした。
「もしかして収納バッグで持ち歩いていたんですか?さすが良階位の冒険者だけのことはありますね。」
「ええ、運良く手に入れることができたんですよ。荷物は大事なもの以外は預かりますので出してくださいね。」
大きな荷物を受け取って収納バッグに入れてから車に乗り込む。車で移動できることにかなり感激しているようだ。まあ歩くと時間ももったいないし、それ以前に暑いからね。
町を出てから15分ほどで遺跡の入口に到着する。遺跡の周りはある程度塀で囲まれており、勝手に入れないようになっている。遺跡に入れないときはこの塀の外から遺跡を確認したり、塀の外にある遺跡の調査を行ったりしているらしい。
遺跡の入口に行くと門番のような人が立っていたのでここで受付をするのだろう。兵士が交代で見張りをしているらしく、魔獣の退治を含めて定期的に巡回をしているらしい。デリアンさんの顔はさすがに見知っているみたい。
「今回も近くの調査か?」
「いえ、今回は調査許可証がありますので中の調査を行うつもりです。」
自分とジェンが調査許可証を出すと驚いた顔をしながらも中に通してくれた。自分たちが持っていると言うよりも特級の許可証に驚いているのだろう。
「ここに入るのも1年ぶりくらいね。」
「ああ、前に学生の調査の随行員として入って以来だな。半日しかいられなかったし、生徒の相手でほとんど何もできなかったけどな。」
かなり広いエリアなんだが、主要なところの調査はすでに終わっているみたいだ。このエリアには古い建物などがあるくらいで思ったほど調査対象というものはない。それでもまだきちんと調査されていないような壁画や文字などが散在しているらしいのでそれらを書き取ったりしている。
実際のところどこまで調査されているのかわからないというのが実情のようだ。遺跡調査と言っても形式上ある仕事という感じで、ここ数十年も報告書も差し障りのない内容が上がってくるだけらしい。
古代ライハン語の解読の報告書も伝わってきているんだが、未だにそれに関する追加の報告書は出ていないようだ。どちらかというと新しい遺跡が見つかったときに遺物を調査するのが主な目的となっているようで、古代遺跡についての研究をしている人は彼らみたいな人達が中心らしい。
遺跡の保護も勝手に遺物をとられないというのが目的らしく、過去にも何度か調査済みの遺跡から遺物が見つかったことで保護対象となったようだ。それで中には入れる人を絞っているというのが実情らしい。兵士の職場の確保の目的もありそうだけどね。今回はジョニーファン様の紹介状もあったので調査許可証の発行を断れなかったのだろう。
この日は外周部分のチェックのみとなったが、それでも一日がかりの仕事となった。ずっと気になっていたのでこのあたりを先に抑えておきたかったらしい。帰りも車に乗って町に戻り、夕食をとることになった。
翌日も同じ時間に出発して遺跡へと向かう。今日から普段入ることのできないエリアの調査に入ることにした。入口に向かうとここにも警備員がいて調査許可証のチェックをしている。こっちはさらに厳しい確認をされることとなった。
昨日見たところとは異なり、いくつかの建物には多くの壁画が残っていた。壁画は前に見たものと同じようなものがあるんだが、作成途中のようなものもある。
5人の神ではなく、先人の神が人間達に何かを与えているような感じの絵も描かれているんだが、引継ぎの儀の前のことでも描かれているんだろうか?ただ文章がないので何を表しているのかよくわからないし、描いている途中でやめてしまったのか、徐々に絵が荒くなってしまっている。
時代的には前の神に見捨てられた後の話なんだろうか?5人の神も描かれているところもあるが、描かれていないものもある。時系列がよく分からないからね。文章もほとんどないし・・・。
あとは古代文明を滅ぼした古代兵器について書かれているようだ。こっちは絵だけではなくて文章も少し書かれている。空の城のアニメに出てきたようなロボットみたいでそこまで大きなものではないようだ。まあこの絵のサイズ関係が正しければだけどね。
光線のようなものを出すみたいだけど、これは光魔法を使っていたのだろうか?人が中に乗り込んで操作するのか、自己判断で動くものなのかはわからない。どうも指令を受けて動くような感じにも読めるんだけど、文字がすべてわかるわけじゃないからなあ・・・。
「まだ最近になってやっと解読方法がわかってきたのにそこまで読めるのですか?」
「えっと、この論文を読んでから結構経っていますので・・・」
そう説明していると、カルアさんが聞いてきた。
「あの、ずっと気になっていたんですが、この論文にお二人の名前があるんですが、もしかして本人ではないのですか?正直言ってお二人のお名前はかなり珍しい名前なので、二人とも名前が一致しているというのは偶然ではないように思うのですが・・・。」
まあもしかしたらばれるかと思ったけどしょうが無いか。
「ええ、この論文の元となった遺跡の調査に関わっていました。細かなところはアルモニアの学者達がまとめたのでそれをあとで読んだ感じです。」
「ということはジョニーファン様ともつながりがあると言うことなんですね?それで特級の調査許可証が発行されたわけですか・・・。」
「黙っていて申し訳ありませんでした。いろいろと不都合があっては困るのでできるだけ内密にしておきたかったのです。申し訳ありませんが、このことはできるだけ口外しないようにしてください。」
「「ええ、それはもちろん。」」
さすがに一日で調査は終わらないのできりがいいところで撤収作業に入る。門のところに行くと、なにやら言い合っている声が聞こえてきた。この声って・・・。
「許可証はないが、少しだけだから中に入れてくれてもいいだろう?」
「申し訳ありませんが、それはできません!!」
どうやら許可証がないのに入ろうとしているみたいだ。こっちをみて驚いた顔になって声をかけてきた。
「デリアン!!おまえたちなんでこんなところに入っていたんだ?それにカルアまでいるじゃないか。なんでこいつらが入れるのに私が入ることができないんだ!!」
「こちらの方々はちゃんと許可証を持っていたのでは入れただけです。無許可で入ったわけではありません。」
「クルマニア様、我々はこちらの方達に随行したのです。」
「お前が1級の調査許可証を持っているのか?どんな不正で手に入れたんだ?私のような貴族でも手に入れることができなかったんだぞ。」
緑色のペンダントをひけらかしてきた。たちが悪い貴族だったのか・・・。
「自分も一応貴族ではありますけどね。特に不正な手段を使ったわけではありません。」
自分のペンダントを見せると驚いた顔になった。
「お・・・あ、あなたたちが依頼者なんですね。私はこの国で遺跡の研究員をしている下位爵のクルマニア・トーレンといいます。」
どうやら地位が上と思ったのか、急に態度を変えてきた。こういう時は変に絡まれないからいいのかもしれないね。
「初めまして。この国のものではありませんので気にしないでください。お互いに調査頑張りましょう。」
なにか言いたそうだったが、早々に話を終わらせて外に出てからすぐに出発することにした。特にこっちの身分を明らかにする必要は無いだろう。
この日の夜はクルマニアのやつに一泡吹かせられて気分がいいなとえらく盛り上がっていた。どうも学生時代に色々と意地悪をされたらしい。カルアさんもちょっかいを出されそうになっていたみたいだしね。
そろったところで出発しようと言われたんだが、さすがに歩く時間ももったいないので車で行くことにした。
「もしかして収納バッグで持ち歩いていたんですか?さすが良階位の冒険者だけのことはありますね。」
「ええ、運良く手に入れることができたんですよ。荷物は大事なもの以外は預かりますので出してくださいね。」
大きな荷物を受け取って収納バッグに入れてから車に乗り込む。車で移動できることにかなり感激しているようだ。まあ歩くと時間ももったいないし、それ以前に暑いからね。
町を出てから15分ほどで遺跡の入口に到着する。遺跡の周りはある程度塀で囲まれており、勝手に入れないようになっている。遺跡に入れないときはこの塀の外から遺跡を確認したり、塀の外にある遺跡の調査を行ったりしているらしい。
遺跡の入口に行くと門番のような人が立っていたのでここで受付をするのだろう。兵士が交代で見張りをしているらしく、魔獣の退治を含めて定期的に巡回をしているらしい。デリアンさんの顔はさすがに見知っているみたい。
「今回も近くの調査か?」
「いえ、今回は調査許可証がありますので中の調査を行うつもりです。」
自分とジェンが調査許可証を出すと驚いた顔をしながらも中に通してくれた。自分たちが持っていると言うよりも特級の許可証に驚いているのだろう。
「ここに入るのも1年ぶりくらいね。」
「ああ、前に学生の調査の随行員として入って以来だな。半日しかいられなかったし、生徒の相手でほとんど何もできなかったけどな。」
かなり広いエリアなんだが、主要なところの調査はすでに終わっているみたいだ。このエリアには古い建物などがあるくらいで思ったほど調査対象というものはない。それでもまだきちんと調査されていないような壁画や文字などが散在しているらしいのでそれらを書き取ったりしている。
実際のところどこまで調査されているのかわからないというのが実情のようだ。遺跡調査と言っても形式上ある仕事という感じで、ここ数十年も報告書も差し障りのない内容が上がってくるだけらしい。
古代ライハン語の解読の報告書も伝わってきているんだが、未だにそれに関する追加の報告書は出ていないようだ。どちらかというと新しい遺跡が見つかったときに遺物を調査するのが主な目的となっているようで、古代遺跡についての研究をしている人は彼らみたいな人達が中心らしい。
遺跡の保護も勝手に遺物をとられないというのが目的らしく、過去にも何度か調査済みの遺跡から遺物が見つかったことで保護対象となったようだ。それで中には入れる人を絞っているというのが実情らしい。兵士の職場の確保の目的もありそうだけどね。今回はジョニーファン様の紹介状もあったので調査許可証の発行を断れなかったのだろう。
この日は外周部分のチェックのみとなったが、それでも一日がかりの仕事となった。ずっと気になっていたのでこのあたりを先に抑えておきたかったらしい。帰りも車に乗って町に戻り、夕食をとることになった。
翌日も同じ時間に出発して遺跡へと向かう。今日から普段入ることのできないエリアの調査に入ることにした。入口に向かうとここにも警備員がいて調査許可証のチェックをしている。こっちはさらに厳しい確認をされることとなった。
昨日見たところとは異なり、いくつかの建物には多くの壁画が残っていた。壁画は前に見たものと同じようなものがあるんだが、作成途中のようなものもある。
5人の神ではなく、先人の神が人間達に何かを与えているような感じの絵も描かれているんだが、引継ぎの儀の前のことでも描かれているんだろうか?ただ文章がないので何を表しているのかよくわからないし、描いている途中でやめてしまったのか、徐々に絵が荒くなってしまっている。
時代的には前の神に見捨てられた後の話なんだろうか?5人の神も描かれているところもあるが、描かれていないものもある。時系列がよく分からないからね。文章もほとんどないし・・・。
あとは古代文明を滅ぼした古代兵器について書かれているようだ。こっちは絵だけではなくて文章も少し書かれている。空の城のアニメに出てきたようなロボットみたいでそこまで大きなものではないようだ。まあこの絵のサイズ関係が正しければだけどね。
光線のようなものを出すみたいだけど、これは光魔法を使っていたのだろうか?人が中に乗り込んで操作するのか、自己判断で動くものなのかはわからない。どうも指令を受けて動くような感じにも読めるんだけど、文字がすべてわかるわけじゃないからなあ・・・。
「まだ最近になってやっと解読方法がわかってきたのにそこまで読めるのですか?」
「えっと、この論文を読んでから結構経っていますので・・・」
そう説明していると、カルアさんが聞いてきた。
「あの、ずっと気になっていたんですが、この論文にお二人の名前があるんですが、もしかして本人ではないのですか?正直言ってお二人のお名前はかなり珍しい名前なので、二人とも名前が一致しているというのは偶然ではないように思うのですが・・・。」
まあもしかしたらばれるかと思ったけどしょうが無いか。
「ええ、この論文の元となった遺跡の調査に関わっていました。細かなところはアルモニアの学者達がまとめたのでそれをあとで読んだ感じです。」
「ということはジョニーファン様ともつながりがあると言うことなんですね?それで特級の調査許可証が発行されたわけですか・・・。」
「黙っていて申し訳ありませんでした。いろいろと不都合があっては困るのでできるだけ内密にしておきたかったのです。申し訳ありませんが、このことはできるだけ口外しないようにしてください。」
「「ええ、それはもちろん。」」
さすがに一日で調査は終わらないのできりがいいところで撤収作業に入る。門のところに行くと、なにやら言い合っている声が聞こえてきた。この声って・・・。
「許可証はないが、少しだけだから中に入れてくれてもいいだろう?」
「申し訳ありませんが、それはできません!!」
どうやら許可証がないのに入ろうとしているみたいだ。こっちをみて驚いた顔になって声をかけてきた。
「デリアン!!おまえたちなんでこんなところに入っていたんだ?それにカルアまでいるじゃないか。なんでこいつらが入れるのに私が入ることができないんだ!!」
「こちらの方々はちゃんと許可証を持っていたのでは入れただけです。無許可で入ったわけではありません。」
「クルマニア様、我々はこちらの方達に随行したのです。」
「お前が1級の調査許可証を持っているのか?どんな不正で手に入れたんだ?私のような貴族でも手に入れることができなかったんだぞ。」
緑色のペンダントをひけらかしてきた。たちが悪い貴族だったのか・・・。
「自分も一応貴族ではありますけどね。特に不正な手段を使ったわけではありません。」
自分のペンダントを見せると驚いた顔になった。
「お・・・あ、あなたたちが依頼者なんですね。私はこの国で遺跡の研究員をしている下位爵のクルマニア・トーレンといいます。」
どうやら地位が上と思ったのか、急に態度を変えてきた。こういう時は変に絡まれないからいいのかもしれないね。
「初めまして。この国のものではありませんので気にしないでください。お互いに調査頑張りましょう。」
なにか言いたそうだったが、早々に話を終わらせて外に出てからすぐに出発することにした。特にこっちの身分を明らかにする必要は無いだろう。
この日の夜はクルマニアのやつに一泡吹かせられて気分がいいなとえらく盛り上がっていた。どうも学生時代に色々と意地悪をされたらしい。カルアさんもちょっかいを出されそうになっていたみたいだしね。
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