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第二部 異世界の争い
212. 異世界1413日目 革命の状況
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許可証の準備にもう少し時間がかかるようなので、準備が終わるまでオカロニアの宿に泊まることになった。奴隷のため部屋を別に取ることはできないので自分とジェンで一部屋ずつ部屋を取り、一部屋を家族で使ってもらうことにした。
食事は奴隷だけでできないので自分たちと一緒にしなければならないという制約があるが、買い物などについてはお使いもあるので問題ないため、結構町での生活は楽しんでいるみたい。子供達も屋台巡りなど結構楽しんでいるようだ。
遺跡調査のことについても詳細を詰めなければならないこともあり、打ち合わせをしているときにハクさんから現在の状況について話を聞いた。
すでにラルトニアの町は革命軍が抑えているらしく、国境の警備は革命軍が取って代わったようだ。兵士の多くはもともと平民だったので、命令系統は変わったが、実務はそのまま引き継いでもらっているみたいだけどね。
モクニク国とは現在静観してもらうことで話が付いているのでおそらく大丈夫だろうと言うことだ。タイカン国との関係もあるし、いろいろな方面から根回ししているのだろう。ただ争乱の期間が長くなれば状況も変わってくる可能性もあるため、早めに決着をつけたいようだ。
現在は国の行き来は完全に止められているので、もしモクニク国側が脱出者を見つけた場合はこちらの国に強制送還させる手はずとなっているらしい。結構捕まっている人達も多いようだ。
現在本格的な抵抗があるのは王都だけになったようだが、平民の多くはすでに王都を脱出しているらしく、王都に残っているのは貴族が大半らしい。もちろん貴族に仕えるものや奴隷もいるのでどのくらいが戦力なのかはまだはっきりとはわかっていないようだ。
貴族が中心の兵士達の質はそれほど高くはないが、やはりそれなりの数がいるのですぐに陥落させるのは難しい状況らしい。ただ指揮を執る人間が知識も経験も無いらしく、そこがつけいるところと考えているようだ。
ハクさんは食糧の輸送など兵站に関わっているんだが、先日の戦いで王都の包囲の食料備蓄がかなり楽になったと笑っていた。どうやら王都から討伐隊と言うことで大々的にかなりの兵力が出発したみたいだが、ある程度進んだところで夜襲をかけたところ大半の兵士が逃げ帰ったらしい。そのときに回収した食料の量がすごい量だったようだ。
長期間の遠征で反乱軍をすべて倒していくつもりだったのかもしれないが、それにしてもあまりにお粗末な戦いだったらしい。
もう負けることはないと考えているようだが、階級は低いが優秀な指揮官もいるので最後まで気は抜けないと言っていた。
もう少し状況が進行したら他の国との話し合いを始めるみたいなので、古代遺跡の通路については
できるだけ早めに確証がほしいようだ。王都の状況なども考えると、早ければ一ヶ月以内、遅くても二ヶ月以内には何かしらの決着が付くと考えているようだ。このためできれば来年の1月末には結果がほしいと言われる。
現段階ではできるだけ頑張りますとしか言えない。古代遺跡があったのは間違いないと思うが、問題は現在も使える状態なのか、また補修が必要な場合はどの程度時間がかかるかだな。とりあえず大体の調査日数と、その後の確認についての手順を決めておいた。
~サビオニア国王Side~
一体何があったというのだ。なぜ平民風情がこの私に逆らうのだ。たしかにここ最近で他の国との折衝が少しうまくいかなかったと聞いているが、それは私のせいではない。臣下の者たちが悪いのだ。
愚かしくも反乱が起きたというのですぐに討伐命令を下すと、しばらくして討伐が終わったという報告が上がってきた。反乱に加担したもの達はすべて処刑したと言っている。馬鹿な奴らだ。その首謀者の首でも拝もうかと思ったんだが、すでに焼却してしまったと言っていた。
それからしばらく平穏な日々を過ごしていたんだが、なにか城の様子がおかしい。どういうことかと問いただしても王に聞かせるようなことではないと言って詳細な説明が上がってこないのだ。
まあいい。私は私の責務を果たせばいいのだからな。そう思い、昼間からお気に入りの妾を呼んで戯れることにした。
それからさらに日が経ったところでなぜか城の外から大きな歓声が聞こえてきた。歓声?怒号?どういうことだ?問いただそうと思って宰相を呼ぶが姿が見当たらないと返事があった。どういうことだ?改めて確認してみると、上位爵のもの達の姿がほとんどないではないか?どういうことだ。
近くにいた侍従に話を聞くが、「私は何も存じません。」と言うばかりだ。どういうことか聞き回っていると、小さな頃に少しの間だけ武術の指導をしてくれたものが状況を教えてくれた。
どういうことだ?反乱は鎮圧したのではないのか?
王都が反乱軍に取り囲まれている?すでに他の町は反乱軍によって鎮圧された?
王都からもすでに多くの貴族が逃げ出している?
どういうことだ?
どういうことだ?
そのものは「どのようになさいますか?判断をお願いします。」と聞いてきた。私に判断しろと?何を言っているんだ。それは臣下の役目だろう?
私は知らんぞ。私は知らん。
~ある下位爵Side~
この国はもう終わりだろう。先々代の王に申し訳ない。先々代の王はその先代の王の愚行を反省し、多くの改革を進めた素晴らしい王だった。しかしその王が早くに亡くなり、そのときの後継者争いで王位継承権3位の三男が王位を継いだのがこの国のさらなる不幸の始まりだ。あのとき長男が継いでいたらまた違っていただろう。
王としての政務はすべて投げ出し、家臣の言いなりとなってしまった。その家臣は先々代の王からは遠ざけられたはずなのに、機会を虎視眈々と狙っていたのだろう。王にうまく取り入り、反対する勢力は徐々に排除されてしまった。おかげで国は疲弊し、財政はみるみる傾いていった。そしてその息子が後を継いでからさらにひどくなってしまった。
私も閑職に追いやられ王にもほとんど会う機会が無くなってしまった。唯一今の王が小さな頃に武術指導の機会が与えられたが、すぐにやめさせられてしまった。やはり私が話すことが都合悪かったのだろう。
反乱軍との対戦にしても十分に巻き返せる兵力はあったはずだ。ただ兵士の資質は考えていた以上にひどかった。指揮する人間もひどいが、兵士の資質もひどいものだった。
なぜあれほど見え見えの陽動作戦に引っかかるのだ?反乱軍もまさかと思ったのではないだろうか。勢いが止まらず、気がついたときには伏兵に囲まれて何もできなくなってしまった。こうなったときには一点突破で壁を破るしかないのにそれを指揮することもできていなかったのだ。
なんとか残った兵力をまとめて決死の覚悟で壁の薄い箇所を狙い脱出して戻ってきた私たちには「逃げてくるとは何という卑怯者だ!」と罵声を浴びせられた。決死の覚悟で戻ってきた兵士の気持ちはどうなるのだ?
国王は城の奥に引きこもり出てこないし、上位爵の貴族はすでに脱出したのか姿が見えない。王都を出てどこに行こうというのだろうか?おそらく反乱軍にすでに捕まっているのではないだろうか?
王都は現在包囲されているが、反乱軍はおそらく無駄な死者を出さずに終わらせたいのだろう。食料の備蓄はまだあるようだが、それが何になるのか?どこからも援軍はやってこないだろうし、最終的にはこの王都を落とさなくても別にかまわないと考えるかもしれない。
町の風紀は最悪な状態まで落ちている。罰則を厳しくして対処するしか無くなっている状態だ。それでも犯罪が止まらないのはもう後がないと思っているからだろう。ある意味平民がいないのは救いだったかもしれないな。
結局誰も今の状況を打破することができない状態なのだ。こっそり町を抜け出す人間も出てきているが、捕まってどうなっているのかは不明だ。そのまま殺されているのかもしれないし、捕虜となっている状態かもしれない。私もどうするかを考えなければならないだろう。
ハーマン下位爵に賛同し、小さいところだが頑張って領地経営をしていたんだが、結局大局は変えられなかったな。すなおに領地に引きこもって討伐された方がまだ良かったんだろうか?息子達だけは先に信用できる人にお願いしたが無事だろうか?苦労をかけたくなかったので爵位を継がせずにいたのはまだ救いだったかもしれないな。
食事は奴隷だけでできないので自分たちと一緒にしなければならないという制約があるが、買い物などについてはお使いもあるので問題ないため、結構町での生活は楽しんでいるみたい。子供達も屋台巡りなど結構楽しんでいるようだ。
遺跡調査のことについても詳細を詰めなければならないこともあり、打ち合わせをしているときにハクさんから現在の状況について話を聞いた。
すでにラルトニアの町は革命軍が抑えているらしく、国境の警備は革命軍が取って代わったようだ。兵士の多くはもともと平民だったので、命令系統は変わったが、実務はそのまま引き継いでもらっているみたいだけどね。
モクニク国とは現在静観してもらうことで話が付いているのでおそらく大丈夫だろうと言うことだ。タイカン国との関係もあるし、いろいろな方面から根回ししているのだろう。ただ争乱の期間が長くなれば状況も変わってくる可能性もあるため、早めに決着をつけたいようだ。
現在は国の行き来は完全に止められているので、もしモクニク国側が脱出者を見つけた場合はこちらの国に強制送還させる手はずとなっているらしい。結構捕まっている人達も多いようだ。
現在本格的な抵抗があるのは王都だけになったようだが、平民の多くはすでに王都を脱出しているらしく、王都に残っているのは貴族が大半らしい。もちろん貴族に仕えるものや奴隷もいるのでどのくらいが戦力なのかはまだはっきりとはわかっていないようだ。
貴族が中心の兵士達の質はそれほど高くはないが、やはりそれなりの数がいるのですぐに陥落させるのは難しい状況らしい。ただ指揮を執る人間が知識も経験も無いらしく、そこがつけいるところと考えているようだ。
ハクさんは食糧の輸送など兵站に関わっているんだが、先日の戦いで王都の包囲の食料備蓄がかなり楽になったと笑っていた。どうやら王都から討伐隊と言うことで大々的にかなりの兵力が出発したみたいだが、ある程度進んだところで夜襲をかけたところ大半の兵士が逃げ帰ったらしい。そのときに回収した食料の量がすごい量だったようだ。
長期間の遠征で反乱軍をすべて倒していくつもりだったのかもしれないが、それにしてもあまりにお粗末な戦いだったらしい。
もう負けることはないと考えているようだが、階級は低いが優秀な指揮官もいるので最後まで気は抜けないと言っていた。
もう少し状況が進行したら他の国との話し合いを始めるみたいなので、古代遺跡の通路については
できるだけ早めに確証がほしいようだ。王都の状況なども考えると、早ければ一ヶ月以内、遅くても二ヶ月以内には何かしらの決着が付くと考えているようだ。このためできれば来年の1月末には結果がほしいと言われる。
現段階ではできるだけ頑張りますとしか言えない。古代遺跡があったのは間違いないと思うが、問題は現在も使える状態なのか、また補修が必要な場合はどの程度時間がかかるかだな。とりあえず大体の調査日数と、その後の確認についての手順を決めておいた。
~サビオニア国王Side~
一体何があったというのだ。なぜ平民風情がこの私に逆らうのだ。たしかにここ最近で他の国との折衝が少しうまくいかなかったと聞いているが、それは私のせいではない。臣下の者たちが悪いのだ。
愚かしくも反乱が起きたというのですぐに討伐命令を下すと、しばらくして討伐が終わったという報告が上がってきた。反乱に加担したもの達はすべて処刑したと言っている。馬鹿な奴らだ。その首謀者の首でも拝もうかと思ったんだが、すでに焼却してしまったと言っていた。
それからしばらく平穏な日々を過ごしていたんだが、なにか城の様子がおかしい。どういうことかと問いただしても王に聞かせるようなことではないと言って詳細な説明が上がってこないのだ。
まあいい。私は私の責務を果たせばいいのだからな。そう思い、昼間からお気に入りの妾を呼んで戯れることにした。
それからさらに日が経ったところでなぜか城の外から大きな歓声が聞こえてきた。歓声?怒号?どういうことだ?問いただそうと思って宰相を呼ぶが姿が見当たらないと返事があった。どういうことだ?改めて確認してみると、上位爵のもの達の姿がほとんどないではないか?どういうことだ。
近くにいた侍従に話を聞くが、「私は何も存じません。」と言うばかりだ。どういうことか聞き回っていると、小さな頃に少しの間だけ武術の指導をしてくれたものが状況を教えてくれた。
どういうことだ?反乱は鎮圧したのではないのか?
王都が反乱軍に取り囲まれている?すでに他の町は反乱軍によって鎮圧された?
王都からもすでに多くの貴族が逃げ出している?
どういうことだ?
どういうことだ?
そのものは「どのようになさいますか?判断をお願いします。」と聞いてきた。私に判断しろと?何を言っているんだ。それは臣下の役目だろう?
私は知らんぞ。私は知らん。
~ある下位爵Side~
この国はもう終わりだろう。先々代の王に申し訳ない。先々代の王はその先代の王の愚行を反省し、多くの改革を進めた素晴らしい王だった。しかしその王が早くに亡くなり、そのときの後継者争いで王位継承権3位の三男が王位を継いだのがこの国のさらなる不幸の始まりだ。あのとき長男が継いでいたらまた違っていただろう。
王としての政務はすべて投げ出し、家臣の言いなりとなってしまった。その家臣は先々代の王からは遠ざけられたはずなのに、機会を虎視眈々と狙っていたのだろう。王にうまく取り入り、反対する勢力は徐々に排除されてしまった。おかげで国は疲弊し、財政はみるみる傾いていった。そしてその息子が後を継いでからさらにひどくなってしまった。
私も閑職に追いやられ王にもほとんど会う機会が無くなってしまった。唯一今の王が小さな頃に武術指導の機会が与えられたが、すぐにやめさせられてしまった。やはり私が話すことが都合悪かったのだろう。
反乱軍との対戦にしても十分に巻き返せる兵力はあったはずだ。ただ兵士の資質は考えていた以上にひどかった。指揮する人間もひどいが、兵士の資質もひどいものだった。
なぜあれほど見え見えの陽動作戦に引っかかるのだ?反乱軍もまさかと思ったのではないだろうか。勢いが止まらず、気がついたときには伏兵に囲まれて何もできなくなってしまった。こうなったときには一点突破で壁を破るしかないのにそれを指揮することもできていなかったのだ。
なんとか残った兵力をまとめて決死の覚悟で壁の薄い箇所を狙い脱出して戻ってきた私たちには「逃げてくるとは何という卑怯者だ!」と罵声を浴びせられた。決死の覚悟で戻ってきた兵士の気持ちはどうなるのだ?
国王は城の奥に引きこもり出てこないし、上位爵の貴族はすでに脱出したのか姿が見えない。王都を出てどこに行こうというのだろうか?おそらく反乱軍にすでに捕まっているのではないだろうか?
王都は現在包囲されているが、反乱軍はおそらく無駄な死者を出さずに終わらせたいのだろう。食料の備蓄はまだあるようだが、それが何になるのか?どこからも援軍はやってこないだろうし、最終的にはこの王都を落とさなくても別にかまわないと考えるかもしれない。
町の風紀は最悪な状態まで落ちている。罰則を厳しくして対処するしか無くなっている状態だ。それでも犯罪が止まらないのはもう後がないと思っているからだろう。ある意味平民がいないのは救いだったかもしれないな。
結局誰も今の状況を打破することができない状態なのだ。こっそり町を抜け出す人間も出てきているが、捕まってどうなっているのかは不明だ。そのまま殺されているのかもしれないし、捕虜となっている状態かもしれない。私もどうするかを考えなければならないだろう。
ハーマン下位爵に賛同し、小さいところだが頑張って領地経営をしていたんだが、結局大局は変えられなかったな。すなおに領地に引きこもって討伐された方がまだ良かったんだろうか?息子達だけは先に信用できる人にお願いしたが無事だろうか?苦労をかけたくなかったので爵位を継がせずにいたのはまだ救いだったかもしれないな。
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