255 / 430
第二部 異世界での訓練
231. 異世界1650日目 遺跡の壁画
しおりを挟む
車を走らせて3日目にトニアの町に到着する。役場に行って遺跡のことを確認すると、遺跡入口の鍵の解除方法について教えてくれた。調査許可証があれば入る許可はもらえるようだが、遺跡の鍵は毎年変えられるので、入れるのは来年の春までらしい。
遺跡はここから3日ほど歩いた山の麓にあるようだが、良階位くらいの魔獣が出るエリアになるので注意するように言われる。途中まで道はあるが、車で走れるようなところではないみたい。しかもしばらく使っていないのでどうなっているのかは分からないようだ。
距離を考えると自分たちの移動速度でも1日では着けない感じなので今日は町で泊まってから明日の朝一に出発した方が良さそうだ。
宿を確認していくが、あまりいいところがなかったので、貴族用の宿に泊まることにした。ちょっと割高だけど、安全や設備がいいところの方がいい。
このあとは役場で資料を見たり、適当に町をぶらついたりして夕食をとって眠りにつく。明日から拠点に泊まれるかどうかも分からないので今のうちにしっかりと休んでいた方がいいからね。
翌朝早めに出発する。道はかなりあれてきているが、道路の体裁は残っているのでまだ走りやすい。それでも道幅は狭いので慎重に索敵しながらの移動となるのでそこまでペースを上げることができなかった。
お昼はサンドイッチくらいで簡単に済ませ、時間はまだ早かったが行程の三分の二くらい進んだところで拠点を出して泊まることにした。調べた感じだともう少し先に進むと良階位の魔獣が出てくるようなので、下手に良階位の魔獣が出るところまで行くよりも、ここで休憩を取って明日朝早く出発した方がいいだろう。
翌日早くに出発してしばらく行くと、良階位の魔獣の気配が見つかった。この辺りにでる良階位レベルの大きめの魔獣は白狼、大白兎、巨魔鹿だが、巨大蜘蛛や猛毒スライムなども油断すると不意打ちを食らうので気をつけなければならない。
今回最も気になるのは白狼だ。以前遺跡で襲われて死にそうになった魔獣だからね。
「ジェン、白狼がいるみたいだけど、大丈夫?」
「ええ、まだ対峙してみないと分からないけど、大丈夫だと思うわ。あのときより強くなっている自覚もあるし、似たような魔獣も倒しているからね。イチの方こそ大丈夫なの?」
「ああ、たぶんジェンと同じような気持ちだと思うよ。ただ完全に白狼に対する恐怖心を払拭するには一回倒さないとだめだと思ってる。」
「そうね。まずはいつものように倒して、大丈夫そうだったら私も前に出てやってみるわ。」
「わかった。まずはもっとも安全と思われる方法で討伐してみよう。」
やっぱりまだ白狼には苦手意識があるよなあ。死にそうになったんだからしょうがないけどね。でも気持ちを切り替えるためにも倒して前に進まないといけないな。
しばらく進んだところで白狼を見つけたが、こっちが先に見つけることができたのでよかった。他の魔獣の場所も確認してからジェンと再度倒す方法を確認する。
まずは自分が魔法で攻撃を仕掛けるが、予想通り避けられてこちらに襲いかかってきた。近づいてきたところで収納魔法から盾をだして左右に逃げられないように挟み込み、正面に水盾を出して勢いを止める。ここでジェンが雷魔法で攻撃し、動きを若干鈍らせることができた。雷魔法の効きは悪いが、水を浴びせた後だとそれなりに効果はあるからね。少しでも動きを遅くできるのはかなり大きい。
このあとは自分が前衛で剣で攻撃し、ジェンが後ろから魔法で攻撃する。さすがにオリハルコンの剣のせいか、剣の通りが良く、思った以上に早くととどめを刺すことができた。
前は全く速度についていけなかったが、今なら雷魔法を使わなくても対応できそうだ。もしかしたら剣のみでも倒すことはできるかもしれないけど、素材の程度が悪くなるし、こちらの被害もそれなりに出るので余計なことはしたくないというのが本音だけどね。
このあとジェンも同じように対応して倒すことができたので苦手意識は払拭できたと考えていいだろう。ジェンも短剣の斬れにかなり驚いていた。やはり高レベルの魔獣だと武器の差がかなり分かるね。
大白兎も同じような感じで対応したので思ったよりも楽に倒すことができた。討伐依頼もあるのでこっちは索敵に引っかかった物はすべて倒していく。結構魔獣が多いのはあまり冒険者がこないせいなのかねえ?
昼過ぎには遺跡に到着し、鍵を開けて中を確認する。入口から確認した感じでは中にいるのは並階位レベルくらいまでのようだ。ただ遺跡の周辺には良階位の魔獣の気配を感じるので先に倒しておいた方がいいだろうな。索敵にかかる範囲で魔獣の討伐を終えて、遺跡の内部の魔獣も討伐する。
遺跡の大半は洞窟になっていて、すでに調査が何度も行われているせいか中には何も残っていない。ただ多くの部屋に壁画が描かれており、魔法で劣化を抑制しているようだった。
この日は遺跡の中の広いエリアに拠点を出し、倒した魔獣の解体をしてから夕食をとる。
「近くの魔獣はあらかた退治しているし、遺跡の中には並階位の魔獣しかいなかったので見張りはなくても大丈夫だよね?」
「ええ、良階位の魔獣が出たとしてもしばらくは耐えられるから不意打ちはないと思うわ。」
「まあ、装備は全部外せないけどね。」
やはり精神的には安心できなくて緊張はしていると思うし、装備も着けたままだけど、交代で見張りをするよりは休めるので見張りはなしにした。
翌日から朝と夕方に近くの魔獣を退治し、その間に遺跡の壁画の確認を行う。朝と夕方に退治しておけば寝ている間に沸く確率も低くなるからね。
最近文章が解明されて、神話の一部が見直されているが、やはり従来の神話を支持する反対勢力もあるみたいで、世間ではまだどっちが正しいのだろうという認識のようだ。
書かれているのは先代の神が加護をやめたのではなく、スキルの一部を奪ってからこの世界から去ったと言うことだった。傲慢な人間達への反省のために奪ったらしいが、文明の崩壊につながったために新しい神が再度スキルを与えたということだった。ただやはりスキルのレベルという概念がないのでそこについての解読ができないようだ。
原文を見てもそこまで詳しい内容が書かれているわけでもないからしょうがないだろう。そもそも解読も完全にできるようになっているわけでもないし、ここに描かれている壁画もなにを意図して書いたのかが分からないからね。
「やっぱり前の神がスキルを奪ったというのが正確なところなのかなあ?そして新しい神がスキルを戻したけど、いくつかのスキルのレベルに制約を設けたというところか。」
「ジョニーファンさんでも自然科学のレベルが3までしか上がっていなかったくらいでしょ?こっちの世界の人はそれ以上は上がらないし、それ以上の知識は得られないような制約がかけられていると考えた方が自然ね。知識とスキルがどういう関係にあるのかはっきりとは分からないけど、スキルが上がらないとそれ以上知識が得られないという風になっているのかもしれないわ。」
「いくつかのスキルに制約を加えてしまえば、鑑定などの他のスキルもレベルがあがらなくなるからなあ。」
「そのせいで収納バッグも作れないし、転移魔法も使えないって言うところなのかな?」
「もし自分たちがこのことを言ってしまったり、今自分たちの知っている知識を伝えようとしてしまうと何かしらされてしまう可能性は否定できないね。この世界のことわりを壊してしまうのはまずいと思って制約をしておいてよかったかもしれないよ。特にこの世界では神罰があると言われているから正直怖すぎる。」
「本当にそうよね。まあ神罰がどこまで本当なのかは分からないけど、神様の存在がここまで近いと怖いわよね。それでもいろいろと知識は広めていると思うけど、このくらいならまだ大丈夫なのかな?実際に発明品で祝福ももらっているわよね。」
「そう思わないと怖くてこれ以上何もできないよ。
ただ当時の知識がなくなってしまったのは分かるけど、記録として残されたものがなくなっているのは何かあったのかな?それとも記録類はメモリーのような記録媒体になっていたせいで使えなくなってすべて失われたんだろうか?」
「それは分からないわね。紙の資料があったような跡はあったけど、単に年数的に残らなかった可能性もあるわね。紙を作る技術がなくなってしまって壁に書くようになったことも考えられるわ。錬金の技術もいったん失われたあとにまたできるようになってきたかもしれないしね。」
「こればっかりは新たな情報源でも発見されない限りは分からないよなあ。」
遺跡の近くの魔獣の狩りに時間がとられたこともあり、遺跡の調査に6日ほどかかってしまったが、いろいろと確認もできたのでよしとしよう。討伐依頼の出ていた大白兎も結構狩ることができたしね。
遺跡はここから3日ほど歩いた山の麓にあるようだが、良階位くらいの魔獣が出るエリアになるので注意するように言われる。途中まで道はあるが、車で走れるようなところではないみたい。しかもしばらく使っていないのでどうなっているのかは分からないようだ。
距離を考えると自分たちの移動速度でも1日では着けない感じなので今日は町で泊まってから明日の朝一に出発した方が良さそうだ。
宿を確認していくが、あまりいいところがなかったので、貴族用の宿に泊まることにした。ちょっと割高だけど、安全や設備がいいところの方がいい。
このあとは役場で資料を見たり、適当に町をぶらついたりして夕食をとって眠りにつく。明日から拠点に泊まれるかどうかも分からないので今のうちにしっかりと休んでいた方がいいからね。
翌朝早めに出発する。道はかなりあれてきているが、道路の体裁は残っているのでまだ走りやすい。それでも道幅は狭いので慎重に索敵しながらの移動となるのでそこまでペースを上げることができなかった。
お昼はサンドイッチくらいで簡単に済ませ、時間はまだ早かったが行程の三分の二くらい進んだところで拠点を出して泊まることにした。調べた感じだともう少し先に進むと良階位の魔獣が出てくるようなので、下手に良階位の魔獣が出るところまで行くよりも、ここで休憩を取って明日朝早く出発した方がいいだろう。
翌日早くに出発してしばらく行くと、良階位の魔獣の気配が見つかった。この辺りにでる良階位レベルの大きめの魔獣は白狼、大白兎、巨魔鹿だが、巨大蜘蛛や猛毒スライムなども油断すると不意打ちを食らうので気をつけなければならない。
今回最も気になるのは白狼だ。以前遺跡で襲われて死にそうになった魔獣だからね。
「ジェン、白狼がいるみたいだけど、大丈夫?」
「ええ、まだ対峙してみないと分からないけど、大丈夫だと思うわ。あのときより強くなっている自覚もあるし、似たような魔獣も倒しているからね。イチの方こそ大丈夫なの?」
「ああ、たぶんジェンと同じような気持ちだと思うよ。ただ完全に白狼に対する恐怖心を払拭するには一回倒さないとだめだと思ってる。」
「そうね。まずはいつものように倒して、大丈夫そうだったら私も前に出てやってみるわ。」
「わかった。まずはもっとも安全と思われる方法で討伐してみよう。」
やっぱりまだ白狼には苦手意識があるよなあ。死にそうになったんだからしょうがないけどね。でも気持ちを切り替えるためにも倒して前に進まないといけないな。
しばらく進んだところで白狼を見つけたが、こっちが先に見つけることができたのでよかった。他の魔獣の場所も確認してからジェンと再度倒す方法を確認する。
まずは自分が魔法で攻撃を仕掛けるが、予想通り避けられてこちらに襲いかかってきた。近づいてきたところで収納魔法から盾をだして左右に逃げられないように挟み込み、正面に水盾を出して勢いを止める。ここでジェンが雷魔法で攻撃し、動きを若干鈍らせることができた。雷魔法の効きは悪いが、水を浴びせた後だとそれなりに効果はあるからね。少しでも動きを遅くできるのはかなり大きい。
このあとは自分が前衛で剣で攻撃し、ジェンが後ろから魔法で攻撃する。さすがにオリハルコンの剣のせいか、剣の通りが良く、思った以上に早くととどめを刺すことができた。
前は全く速度についていけなかったが、今なら雷魔法を使わなくても対応できそうだ。もしかしたら剣のみでも倒すことはできるかもしれないけど、素材の程度が悪くなるし、こちらの被害もそれなりに出るので余計なことはしたくないというのが本音だけどね。
このあとジェンも同じように対応して倒すことができたので苦手意識は払拭できたと考えていいだろう。ジェンも短剣の斬れにかなり驚いていた。やはり高レベルの魔獣だと武器の差がかなり分かるね。
大白兎も同じような感じで対応したので思ったよりも楽に倒すことができた。討伐依頼もあるのでこっちは索敵に引っかかった物はすべて倒していく。結構魔獣が多いのはあまり冒険者がこないせいなのかねえ?
昼過ぎには遺跡に到着し、鍵を開けて中を確認する。入口から確認した感じでは中にいるのは並階位レベルくらいまでのようだ。ただ遺跡の周辺には良階位の魔獣の気配を感じるので先に倒しておいた方がいいだろうな。索敵にかかる範囲で魔獣の討伐を終えて、遺跡の内部の魔獣も討伐する。
遺跡の大半は洞窟になっていて、すでに調査が何度も行われているせいか中には何も残っていない。ただ多くの部屋に壁画が描かれており、魔法で劣化を抑制しているようだった。
この日は遺跡の中の広いエリアに拠点を出し、倒した魔獣の解体をしてから夕食をとる。
「近くの魔獣はあらかた退治しているし、遺跡の中には並階位の魔獣しかいなかったので見張りはなくても大丈夫だよね?」
「ええ、良階位の魔獣が出たとしてもしばらくは耐えられるから不意打ちはないと思うわ。」
「まあ、装備は全部外せないけどね。」
やはり精神的には安心できなくて緊張はしていると思うし、装備も着けたままだけど、交代で見張りをするよりは休めるので見張りはなしにした。
翌日から朝と夕方に近くの魔獣を退治し、その間に遺跡の壁画の確認を行う。朝と夕方に退治しておけば寝ている間に沸く確率も低くなるからね。
最近文章が解明されて、神話の一部が見直されているが、やはり従来の神話を支持する反対勢力もあるみたいで、世間ではまだどっちが正しいのだろうという認識のようだ。
書かれているのは先代の神が加護をやめたのではなく、スキルの一部を奪ってからこの世界から去ったと言うことだった。傲慢な人間達への反省のために奪ったらしいが、文明の崩壊につながったために新しい神が再度スキルを与えたということだった。ただやはりスキルのレベルという概念がないのでそこについての解読ができないようだ。
原文を見てもそこまで詳しい内容が書かれているわけでもないからしょうがないだろう。そもそも解読も完全にできるようになっているわけでもないし、ここに描かれている壁画もなにを意図して書いたのかが分からないからね。
「やっぱり前の神がスキルを奪ったというのが正確なところなのかなあ?そして新しい神がスキルを戻したけど、いくつかのスキルのレベルに制約を設けたというところか。」
「ジョニーファンさんでも自然科学のレベルが3までしか上がっていなかったくらいでしょ?こっちの世界の人はそれ以上は上がらないし、それ以上の知識は得られないような制約がかけられていると考えた方が自然ね。知識とスキルがどういう関係にあるのかはっきりとは分からないけど、スキルが上がらないとそれ以上知識が得られないという風になっているのかもしれないわ。」
「いくつかのスキルに制約を加えてしまえば、鑑定などの他のスキルもレベルがあがらなくなるからなあ。」
「そのせいで収納バッグも作れないし、転移魔法も使えないって言うところなのかな?」
「もし自分たちがこのことを言ってしまったり、今自分たちの知っている知識を伝えようとしてしまうと何かしらされてしまう可能性は否定できないね。この世界のことわりを壊してしまうのはまずいと思って制約をしておいてよかったかもしれないよ。特にこの世界では神罰があると言われているから正直怖すぎる。」
「本当にそうよね。まあ神罰がどこまで本当なのかは分からないけど、神様の存在がここまで近いと怖いわよね。それでもいろいろと知識は広めていると思うけど、このくらいならまだ大丈夫なのかな?実際に発明品で祝福ももらっているわよね。」
「そう思わないと怖くてこれ以上何もできないよ。
ただ当時の知識がなくなってしまったのは分かるけど、記録として残されたものがなくなっているのは何かあったのかな?それとも記録類はメモリーのような記録媒体になっていたせいで使えなくなってすべて失われたんだろうか?」
「それは分からないわね。紙の資料があったような跡はあったけど、単に年数的に残らなかった可能性もあるわね。紙を作る技術がなくなってしまって壁に書くようになったことも考えられるわ。錬金の技術もいったん失われたあとにまたできるようになってきたかもしれないしね。」
「こればっかりは新たな情報源でも発見されない限りは分からないよなあ。」
遺跡の近くの魔獣の狩りに時間がとられたこともあり、遺跡の調査に6日ほどかかってしまったが、いろいろと確認もできたのでよしとしよう。討伐依頼の出ていた大白兎も結構狩ることができたしね。
12
あなたにおすすめの小説
異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』
アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた
【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。
カクヨム版の
分割投稿となりますので
一話が長かったり短かったりしています。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ
壬黎ハルキ
ファンタジー
それは、少年が高校を卒業した直後のことだった。
幼なじみでお嬢様な少女から、夕暮れの公園のど真ん中で叫ばれた。
「知らない御曹司と結婚するなんて絶対イヤ! このまま世界の果てまで逃げたいわ!」
泣きじゃくる彼女に、彼は言った。
「俺、これから異世界に移住するんだけど、良かったら一緒に来る?」
「行くわ! ついでに私の全部をアンタにあげる! 一生大事にしなさいよね!」
そんな感じで駆け落ちした二人が、異世界でのんびりと暮らしていく物語。
※2019年10月、完結しました。
※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる