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番外編 後日談
20. 鍛冶屋の今
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タイガではいろいろと寄り道をしてハクセンまでやって来た。ハクセン国に入る国境の入口は今も貴族用と平民用に別れているが、かなり簡素化されているのでどちらも行列があるわけではない。ただし入国のチェックがあるので、貴族籍がある人は貴族用の通路を通るように言われている。
入国してからまずはカルマの鍛冶屋へと向かう。鍛冶屋の場所は変わっていなかったんだが、建物はさらに立派になっていた。かなり繁盛しているんだろうなあ。お店には多くの兵士や冒険者と思われる人たちがやってきていた。
とりあえずカルマさんのことを聞くことにするか。
「すみません、親方のカルマさんは今いらっしゃいますか?装備のことについて相談したいのですが?」
「えっと、装備の依頼でしょうか?申し訳ありませんが、今工房への依頼は1年先まで予約がいっぱいなのです。
あと、カルマ大親方への依頼は現在受け付けていないんですよ。申し訳ありません。」
今は大親方とか言われているのか・・・。
「いえ、この武器を製作してもらったものですが、少し話が出来ないかと思いまして・・・。」
そう言って持っていた剣を見せる。これを見ればここで作ったと言うことは分かるはずだ。
マニュアル通りのような対応をしていたのだが、剣の柄の部分を見て驚愕していた。
「こ、これは・・・。
す、すみません。少し確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
そう言われたので渡して見てもらうことにした。
こ、これは・・・間違いなくナンバー品!!
しょ、少々お待ちください。」
このナンバー品というのはここにお世話になった時にカルマさんと話をしたものだ。本人の気に入ったものだけになにか印を付けてみたらどうかと話をしたのだ。付けるのは買ってもらった本人と造ったものが気に入ったときだけで、うれしいことに最初に自分たちのものに付けてくれたものだ。
このことは公にされておらず、模様の入ったものはできのいい物だけという認識で通っており、詳細に知っているのはかなり限られた人間だけとなっている。
しばらくすると先ほどの女性がカルマさんを連れて戻ってきた。カルマさんもかなり年を取ったなあ・・・。こっちをみて少し驚いた顔をしている。
「ナンバー品を持ったやつというのはこっちの客か?」
「ええ、そうです。詳細はまだ聞いていませんが、まずは確認してもらった方が良いかと思いまして・・・。」
「すまんが、その装備を見せてもらうことは出来るか?」
そういって剣をみると、目を見開いてこっちを見てきた。
「わかった。とりあえず詳しい話を聞きたいのでこっちの部屋に来てもらっていいか?」
そういうと先に歩き出したので、受付の女性にお礼を言ってから慌てて付いていく。部屋に入るとなにやらスイッチを入れていた。
「すまんな、うかつに言うと面倒なことになりそうだったんでな。ここなら外に音は漏れないぞ。かなり特殊な魔道具だからな」
「まだこの魔道具を使っていたんですね。よかった壊れていなくて・・・。」
「うん?この魔道具の話も聞いていたのか?
それでアムダの英雄の二人の装備を持っているというのはどういうことなのか聞いておこう。どこまで話しを知っているのかはわからないが、場合によっては通報させてもらうことになるぞ。
見た感じからして二人の子供なのか?しかし二人の子供がいたという話は聞いたことがなかったんだがな。」
「あらためて、お久しぶりです、カルマさん。お元気そうで何よりです。」
そう言って変装の魔道具を外す。
「ジュ、ジュンイチとジェニファー??」
「ええ、いろいろあって・・・」
今回の事について説明するとさすがに驚いていた。まあ仕方が無いだろう。ただ前にあったいろいろなことを話すと信じてくれたようだ。
「それで今回来たのはこの装備の手入れをしてほしいからなんです。そこまで手入れはいらないものとは聞いていますが、なかなか頼める人もいなくて困っていたんですよ。」
「わかった、任せとけ。ナンバー品については最優先でやることになっているからな。たださすがに今日明日というわけにもいかんから少し待ってもらうことになるぞ。」
「それは大丈夫です。せっかくなので少しお手伝いしましょうか?」
「それは助かるが、いいのか?英雄の二人に手伝ってもらうというのは気が引けるんだが・・・。」
「それは気にしないでください。ここでは自分たちはあくまで見習いみたいなものですから。ただあまりこのことは広めたくないのですが、あの当時のメンバーはまだいらっしゃいますか?」
「あのときの主要メンバーではムワニは今は王都に出した支店に移動してな、そこにカルキアたち数人がついて行っている。
実はあれからも兵士からの依頼も多くて、手入れを考えるとさすがに毎回ここに来るというわけにもいかなくてな。いろいろと融通してくれたこともあって支店を出すことにしたんだ。
お前がよく知っているタルトは今はここで親方として指揮を執ってるぞ。息子もここで働いているからな。ゆくゆくはここを継がせようと考えているんだ。」
「タルトさん、そこまで成長したんですね。」
「ああ、お前達に刺激を受けたみたいでな。いつか自分も英雄のための装備を造ってみたいとかなりがんばっていたな。それもあって一気に成長した感じだったよ。今ではものによっては俺のものよりもいい物を造るようになってるからな。」
「そうなのですね。タルトさんには話した方がいいかなあ?」
翌日からは短期的な体験と言うことで働かせてもらったが、自分たちの実力に結構驚いていた。まあそうは言っても出来るのはミスリルまでなんだけどね。
地球に戻ったときに向こうでもいろいろと体験していたのが役にたったのだろう。日本刀を打ったりもしていたからね。向こうでは魔力の操作がかなり難しかったのでいろいろと調整する能力は上がっていたと思う。
~タルトSide~
ジュンイチとジェニファーが亡くなったことを聞いた。アムダという古代兵器の討伐に参加して身を挺して倒したと言うことだった。
二人がいなかったら倒すことが出来なかったし、倒せていなかったらへたすればこの世界がまた滅びていたかもしれないと言われている。そのため二人はアムダの英雄と言われるようになった。
二人の話が伝わり、多くの伝記が書かれた。その中でうちの鍛冶屋のことも取り上げられ、多くのお客が訪れることになった。
そしてカルマ親方はなんと国から褒賞を受けるという前代未聞の事が起きた。ただの町の鍛冶屋が褒賞を受けるというのはこの国始まって以来初めてのことだ。どうやらジュンイチ達の知り合いらしい貴族達がいろいろと動いてくれていたようだ。
それからも多くの注文を受けることになり、いろいろと話し合った結果、王都に支店を出すことになった。場所などはかなりいいところを準備してくれたのはきっと例の人たちの力なのだろう。責任者としてムニワさん達が行くことになったが、俺はここに残ることになった。
俺も王都に言った連中には負けられないと今まで以上に真剣に取り組んだ。そして10年ほどした頃に、この店を任されるようになった。カルマ親方も引退したわけではないが、依頼を受けるのは特別なものだけだったので、実質は俺がメインでやるしかなかった。俺の代になって腕が落ちたと言われるのがいやで今まで以上にがんばった。
知り合いの紹介で結婚した嫁の間に息子3人と娘一人を授かり、そのうち息子二人が鍛冶をやってくれることになったが、腕の方はまだまだだ。どうもまだ集中力に欠けることがあるが、いずれは成長してほしいものだ。
それからさらに10年ほど経ち、カルマ親方も半分隠居して、気に入った注文のみを受けるようになっていた。まだまだ俺以上の腕は持っているが、やはり体力的にきついようだ。
ある日、カルマ親方から突然「短期的な研修を受け入れる」と言われて驚いた。今までも受け入れはやったことはあるが、かなり審査が厳しくてなかなか受け入れられない上に最低限3ヶ月は受け入れることが前提だ。
それが特に審査もなく、1週間くらいという話を聞いて驚いた。どうやら昔からの知り合いと言うことらしいが、珍しいこともあるものだ。
最初にみんなへの紹介となったが、一人は女性だったので男性陣のテンションがかなり上がっていた。ただ二人が夫婦と言うことで落ちこんでいたけどな。
ジェニファーさんがここで鍛冶をやっていたと言うことでいまでは女性鍛冶も増えてきているがまだ少数派だ。しかもここまでの美人だと余計にテンションは上がるだろう。
しかしその腕には驚きを隠せなかった。息子達と同じくらいの年齢なのに実力はかなりのものだったからだ。うちの店の中でもかなり上位に入る腕だろう。
しかもこの二人の雰囲気がなにか懐かしさを感じる。そう思っていると、カルマ親方に夕食に誘われて二人もやって来た。珍しいこともあるものだと思ったが、そこで衝撃のことを聞いた。
「お久しぶりです。」と挨拶された後、魔道具の変装をとくとそこには懐かしい顔があったのだ。生きていたのか?
その日はカルマ親方を交えておいしい酒を飲んだ。いろいろと昔話や失敗談など懐かしい話をした。二人と再会できるとは思ってもみなかったことだ。
二人の実力を見た息子達はかなり衝撃を受けていた。俺もそんな感じだったからなあと懐かしく思ってしまう。いろいろと話しを聞いているが、これがいいきっかけになってくれるといいんだがな。
入国してからまずはカルマの鍛冶屋へと向かう。鍛冶屋の場所は変わっていなかったんだが、建物はさらに立派になっていた。かなり繁盛しているんだろうなあ。お店には多くの兵士や冒険者と思われる人たちがやってきていた。
とりあえずカルマさんのことを聞くことにするか。
「すみません、親方のカルマさんは今いらっしゃいますか?装備のことについて相談したいのですが?」
「えっと、装備の依頼でしょうか?申し訳ありませんが、今工房への依頼は1年先まで予約がいっぱいなのです。
あと、カルマ大親方への依頼は現在受け付けていないんですよ。申し訳ありません。」
今は大親方とか言われているのか・・・。
「いえ、この武器を製作してもらったものですが、少し話が出来ないかと思いまして・・・。」
そう言って持っていた剣を見せる。これを見ればここで作ったと言うことは分かるはずだ。
マニュアル通りのような対応をしていたのだが、剣の柄の部分を見て驚愕していた。
「こ、これは・・・。
す、すみません。少し確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
そう言われたので渡して見てもらうことにした。
こ、これは・・・間違いなくナンバー品!!
しょ、少々お待ちください。」
このナンバー品というのはここにお世話になった時にカルマさんと話をしたものだ。本人の気に入ったものだけになにか印を付けてみたらどうかと話をしたのだ。付けるのは買ってもらった本人と造ったものが気に入ったときだけで、うれしいことに最初に自分たちのものに付けてくれたものだ。
このことは公にされておらず、模様の入ったものはできのいい物だけという認識で通っており、詳細に知っているのはかなり限られた人間だけとなっている。
しばらくすると先ほどの女性がカルマさんを連れて戻ってきた。カルマさんもかなり年を取ったなあ・・・。こっちをみて少し驚いた顔をしている。
「ナンバー品を持ったやつというのはこっちの客か?」
「ええ、そうです。詳細はまだ聞いていませんが、まずは確認してもらった方が良いかと思いまして・・・。」
「すまんが、その装備を見せてもらうことは出来るか?」
そういって剣をみると、目を見開いてこっちを見てきた。
「わかった。とりあえず詳しい話を聞きたいのでこっちの部屋に来てもらっていいか?」
そういうと先に歩き出したので、受付の女性にお礼を言ってから慌てて付いていく。部屋に入るとなにやらスイッチを入れていた。
「すまんな、うかつに言うと面倒なことになりそうだったんでな。ここなら外に音は漏れないぞ。かなり特殊な魔道具だからな」
「まだこの魔道具を使っていたんですね。よかった壊れていなくて・・・。」
「うん?この魔道具の話も聞いていたのか?
それでアムダの英雄の二人の装備を持っているというのはどういうことなのか聞いておこう。どこまで話しを知っているのかはわからないが、場合によっては通報させてもらうことになるぞ。
見た感じからして二人の子供なのか?しかし二人の子供がいたという話は聞いたことがなかったんだがな。」
「あらためて、お久しぶりです、カルマさん。お元気そうで何よりです。」
そう言って変装の魔道具を外す。
「ジュ、ジュンイチとジェニファー??」
「ええ、いろいろあって・・・」
今回の事について説明するとさすがに驚いていた。まあ仕方が無いだろう。ただ前にあったいろいろなことを話すと信じてくれたようだ。
「それで今回来たのはこの装備の手入れをしてほしいからなんです。そこまで手入れはいらないものとは聞いていますが、なかなか頼める人もいなくて困っていたんですよ。」
「わかった、任せとけ。ナンバー品については最優先でやることになっているからな。たださすがに今日明日というわけにもいかんから少し待ってもらうことになるぞ。」
「それは大丈夫です。せっかくなので少しお手伝いしましょうか?」
「それは助かるが、いいのか?英雄の二人に手伝ってもらうというのは気が引けるんだが・・・。」
「それは気にしないでください。ここでは自分たちはあくまで見習いみたいなものですから。ただあまりこのことは広めたくないのですが、あの当時のメンバーはまだいらっしゃいますか?」
「あのときの主要メンバーではムワニは今は王都に出した支店に移動してな、そこにカルキアたち数人がついて行っている。
実はあれからも兵士からの依頼も多くて、手入れを考えるとさすがに毎回ここに来るというわけにもいかなくてな。いろいろと融通してくれたこともあって支店を出すことにしたんだ。
お前がよく知っているタルトは今はここで親方として指揮を執ってるぞ。息子もここで働いているからな。ゆくゆくはここを継がせようと考えているんだ。」
「タルトさん、そこまで成長したんですね。」
「ああ、お前達に刺激を受けたみたいでな。いつか自分も英雄のための装備を造ってみたいとかなりがんばっていたな。それもあって一気に成長した感じだったよ。今ではものによっては俺のものよりもいい物を造るようになってるからな。」
「そうなのですね。タルトさんには話した方がいいかなあ?」
翌日からは短期的な体験と言うことで働かせてもらったが、自分たちの実力に結構驚いていた。まあそうは言っても出来るのはミスリルまでなんだけどね。
地球に戻ったときに向こうでもいろいろと体験していたのが役にたったのだろう。日本刀を打ったりもしていたからね。向こうでは魔力の操作がかなり難しかったのでいろいろと調整する能力は上がっていたと思う。
~タルトSide~
ジュンイチとジェニファーが亡くなったことを聞いた。アムダという古代兵器の討伐に参加して身を挺して倒したと言うことだった。
二人がいなかったら倒すことが出来なかったし、倒せていなかったらへたすればこの世界がまた滅びていたかもしれないと言われている。そのため二人はアムダの英雄と言われるようになった。
二人の話が伝わり、多くの伝記が書かれた。その中でうちの鍛冶屋のことも取り上げられ、多くのお客が訪れることになった。
そしてカルマ親方はなんと国から褒賞を受けるという前代未聞の事が起きた。ただの町の鍛冶屋が褒賞を受けるというのはこの国始まって以来初めてのことだ。どうやらジュンイチ達の知り合いらしい貴族達がいろいろと動いてくれていたようだ。
それからも多くの注文を受けることになり、いろいろと話し合った結果、王都に支店を出すことになった。場所などはかなりいいところを準備してくれたのはきっと例の人たちの力なのだろう。責任者としてムニワさん達が行くことになったが、俺はここに残ることになった。
俺も王都に言った連中には負けられないと今まで以上に真剣に取り組んだ。そして10年ほどした頃に、この店を任されるようになった。カルマ親方も引退したわけではないが、依頼を受けるのは特別なものだけだったので、実質は俺がメインでやるしかなかった。俺の代になって腕が落ちたと言われるのがいやで今まで以上にがんばった。
知り合いの紹介で結婚した嫁の間に息子3人と娘一人を授かり、そのうち息子二人が鍛冶をやってくれることになったが、腕の方はまだまだだ。どうもまだ集中力に欠けることがあるが、いずれは成長してほしいものだ。
それからさらに10年ほど経ち、カルマ親方も半分隠居して、気に入った注文のみを受けるようになっていた。まだまだ俺以上の腕は持っているが、やはり体力的にきついようだ。
ある日、カルマ親方から突然「短期的な研修を受け入れる」と言われて驚いた。今までも受け入れはやったことはあるが、かなり審査が厳しくてなかなか受け入れられない上に最低限3ヶ月は受け入れることが前提だ。
それが特に審査もなく、1週間くらいという話を聞いて驚いた。どうやら昔からの知り合いと言うことらしいが、珍しいこともあるものだ。
最初にみんなへの紹介となったが、一人は女性だったので男性陣のテンションがかなり上がっていた。ただ二人が夫婦と言うことで落ちこんでいたけどな。
ジェニファーさんがここで鍛冶をやっていたと言うことでいまでは女性鍛冶も増えてきているがまだ少数派だ。しかもここまでの美人だと余計にテンションは上がるだろう。
しかしその腕には驚きを隠せなかった。息子達と同じくらいの年齢なのに実力はかなりのものだったからだ。うちの店の中でもかなり上位に入る腕だろう。
しかもこの二人の雰囲気がなにか懐かしさを感じる。そう思っていると、カルマ親方に夕食に誘われて二人もやって来た。珍しいこともあるものだと思ったが、そこで衝撃のことを聞いた。
「お久しぶりです。」と挨拶された後、魔道具の変装をとくとそこには懐かしい顔があったのだ。生きていたのか?
その日はカルマ親方を交えておいしい酒を飲んだ。いろいろと昔話や失敗談など懐かしい話をした。二人と再会できるとは思ってもみなかったことだ。
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