【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

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23. 異世界182日目 上階位への挑戦

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23. 異世界182日目 上階位への挑戦
 朝起きて準備をした後、ジェンに声をかけて朝食へ。食べるところはある程度昨日のうちに聞いて確認しておいたから大丈夫だ。

 朝食を終えた後、役場に行って護衛依頼の完了通知を渡す。

「はい、護衛の完了通知ですね。身分証明証も一緒にお願いします。

 えっと・・・並階位で護衛なんですね。はぁ・・・。
えっ?盗賊の討伐?えっと・・・、記録にも記載されていますね。」

 並階位というのを見てからちょっとしかめ面になったんだけど、すぐに驚きの表情になっていた。

「ええ、並階位ですが、ある程度実力があると言うことで討伐にも参加させていただきました。もちろん同行した蠍の尾パーティーの方達が主に対応してくれたのでなんとかなった感じですけどね。」

「わ、わかりました。それでは護衛代を渡しますね。振り込みでなくて良かったんですよね。」

「はい。」

 この町でも結構お金を使いそうな感じなので今回の護衛代は現金でもらうことにした。

 ちなみに冒険者は見た目上は税金などを払っていないように見えるけど、実際はいろいろと報酬額から税金を引かれている。
 常時依頼の場合は素材の買い取りの時に税金がかけられていて買い取ったところがその税金を納めている。素材の買い取り額が100ドールの場合は、店側が10ドールを税金として納めているので、実際の買い取り額は110ドールと言うことになる。
 特別依頼についても報酬額から支払われるわけではなく、依頼者が報酬額と別に税金を納めることになっている。よく見てみると依頼書に小さく税金額についても書かれている。以前の護衛の時も税金分は支払ってくれていたのだろう。
 もともとは報酬額から税金を引く形にしていたらしいけど、納得しない人や支払いをしない人も多かったために事前徴収という形になったらしい。
 今回の盗賊討伐の時の摂取品などのように討伐で手に入れた収入や懸賞金、魔獣を倒して手に入れた魔素石には税金がかからない。今回の相談料についてはどういう扱いなのかはよくわからないが、自分が払う必要はないだろう。

「あと自分はすでに到達していたはずですが、ジェニファーも上階位の実績ポイントが貯まっていると思うのですが、確認してもらえますか?」

「はい、ちょっとお待ちください。

 えっと、確かに二人とも上階位の実績ポイントが貯まってますね。どうなされますか?急な話ですが明日の実技試験でもぎりぎり受付は間に合います。あと上階位の試験内容についての講習会も今日の午後の分でしたら受けることが出来ます。講習会は必須ではありませんが、受けたことが無いのであれば受けておいた方が良いかと思います。」

 ジェンの方を見るとうなずいてくれたので受けることにする。

「それじゃあ2名とも講習と試験の両方をお願いします。」

「はい、分かりました。講習は4時からですので、10分前には会場に行くようにしてください。」


 まだ時間は2時間近くあるのでそれまではサクラについての情報を調べることにした。

「やっぱり普通の日帰りエリアでは自分たちが対象とする魔獣がいないなあ。少し離れたところでやっと初階位レベルだよ。自分たちがぎりぎり日帰りできるエリアでやっとアーマト近郊にいた魔獣くらいなんだよなあ。」

「受付の人にも話を聞いてみたんだけど、階位の低い冒険者はほとんどいないので少し遠征すれば魔獣の取り合いにはならないのでそれなりには稼げるかもっていう話だけど、あくまで標準的な話なのよね。今までの稼ぎと比べると間違いなく低くなると考えていいわね。」

「どうなるかは分からないから、一回は試してみるしかないかな?まあ臨時収入もあったからすぐに生活に困るわけでもないからね。」

「試験が終わってから一回日帰りで出来る範囲でやってみる感じね。」

「その結果も踏まえてどうするか考えよう。滞在する場合は宿代についても考えないといけないしね。」

「今までと同じレベルの宿だと最低でも一人1000ドールくらいはかかりそうなのよね。安いところはあるとは思うけど、その当たりも調べてみないといけないわね。」

「どうするか決めるまではコーランさんの店の宿泊施設に泊めてらうのは大丈夫だと思うけど、さすがに冬の間いるとなれば甘えるわけにもいかないしね。とりあえずまずは試験を受けて、狩りをして、その間に相場とかも調べることにしよう。それで他の町に行くかも含めて今後の事を考えることにしよう。」



 昼ご飯を食べてから試験内容についての講習会を受ける。講習会は一人100ドールで受けることができるもので、大半の試験を受ける人は一度はこの講習を受けている。

 今回の講習内容は上階位と良階位への昇格の時のもので、優階位と特階位の試験は内容がまったく異なるらしい。それ以前に年に1回しか行われないみたいだからね。


 学識試験は魔獣や植物、鉱物に関する一般教養や冒険者としてのルールなどになっていて、合格率は80%を超えるようだ。試験に出る問題集があり、その中に書かれている500問から1割の50問が出題されるので、普通に勉強をしていれば通るものだ。もちろん階位で試験の内容は異なり、上位になればなるほど難しくなる。
 今回上階位への実績ポイントが貯まりそうだったので事前に問題集を購入して読んでいたのでおそらく大丈夫だろう。

 実技試験で武器の扱いについては高レベルの冒険者との実践のようだ。魔法使いや治癒士でも最低限の戦闘能力が求められるけど、魔法を使えるのであればかなりその基準は緩くなるみたい。ただし、その代わり魔法や治癒の効果が求められることになる。
 上階位の実技試験の試験官は良か優階位、良階位の試験官は優階位となるらしいけど、良階位の試験は通常首都でしか行われていないようだ。他の都市ではかなり大きな町で数年に1回行われる程度らしい。


 自分たちはどちらで登録するか悩むところだ。魔法使いや特に治癒士だと色々と面倒ごとも抱えそうだからねえ。一応剣術については蠍の尾メンバーからもお墨付きをもらっているので大丈夫っぽいんだけど・・・やっぱり心配なので魔法使いの方も登録しておこう。

 ちなみに良階位になるときには行動試験というものがあり、数日間の行動試験を合格しなければならないようだ。もちろん学識試験、実技試験をクリアした人だけが受けるもので、内容は毎回変わるらしい。

 講習会では説明はなかったけど、いろいろと聞いた話ではいままでの実績や行動などもチェックされているらしく、もめ事を起こしているとマイナス評価がされるみたい。



 講習会の後に鍛冶屋のドルンに紹介してもらっていた鍛冶屋に向かう。紹介状を店で渡すと、店主がやってきた。どうやら彼らは同じ鍛冶屋で習った同僚だったらしい。
 ここに置いているものすべてを自分で造ったものではないらしく、他の人が製作したものも置いているようだ。中には良レベルの装備も扱っていた。なかなかすごいな。まあその分金額も高いんだけどね。
 今の時点で買い換えるものはないため、とりあえず装備の調整と手入れをお願いする。明日の朝にはできるらしいので試験の前に回収していくことにした。そこまでひどい状態ではなかったこともあり、メンテナンス代は全部で1500ドールで請け負ってくれた。



 翌日、装備を回収してから役場に行き、受付のあと学識試験の行われる会場へ。ここで上階位の試験を受ける人はさすがに少ないみたいで、全部で20人くらいだった。パーティーの中でまだ階位の低い人たちが受けているという印象だ。ちなみに受講料は一人500ドールとそれなりに高い。
 受けている人たちは自分たちより年齢が上の人たちが多い感じがする。20代が多く、30代と思われる人たちも少しいる。年齢が低いせいかなんか注目を集めているような気がするが気のせいだろうか?

 まずは学識試験で、指定の席に座ってから試験の内容について簡単に説明を受ける。試験は60分で終了だったけど、そこまで時間もかからずに解答できた。おそらく満点近いと思う。
 この試験で大変なのは文字を読み書きできるかの確認の方が大きいような気もする。識字率は最近高くなってきているみたいだけど、それでもやはり低いみたいだからねえ。さすがに依頼のことを考えると高階位になってくると最低限の読み書きが必要なのだろう。

 人数も少ないので続けて実技試験となるようだ。実技試験の会場で係員から試験方法についての説明を受ける。今日は良階位の試験官が相手のようだが、別に勝つ必要は無く、技量を確認ことが目的らしい。
 訓練場に行くと見慣れた4人の女性が待っていた。今回の試験官はスレインさん達だったのか?説明の後、試験の準備に少し時間がかかるようだったので挨拶に行くと、スレインさんから発破をかけられる。

「評価はちゃんと公平にやるからね!でも合格しなかったらそのときは特訓をしてあげるから覚悟しなさい!」

「もちろんひいきしてくれとは言いませんから大丈夫ですよ。頑張ります。」

 スレインさん達と会話していると、なんか注目を浴びている気がするのだが、試験官に話しかけるのはダメだったのかな?そっちを向くと目をそらされるしなあ。


 自分たちは10番目と11番目なので試験の様子が見られて助かった。さらに上の階位では試験官のみで他の受験者の見学はできなくなるらしい。
 武器や盾などの防具は自分の持っているものを複製したなまくらの武器を使うようだ。重心とかはほぼ同じものになるので扱いには問題が無いようだ。

 他の人を見てみると、自分でも勝てそうな人もいるし、自分と同じかもっと強そうな人もいる。自分の順番がやってきたので前に出ると、相手はスレインさんだった。

 剣と盾を持って斬りかかるが、予想通り簡単にあしらわれる。まあ稽古をつけてもらったときも全くかなわなかったしな。これで魔法と治療がメインと言うんだからちょっと悲しい。できる限り剣を打ち込んで戦うこと数分くらい?自分の試験は終了した。評価はどうだっただろうなあ。
 ジェンの相手はイントさんで、短剣で攻撃を加えているが、同じように簡単にあしらわれていた。まあこれはしょうがないよな。
 やはり剣だけでなく魔法の審査も受けることにしておいて良かったかもしれない。



 魔法の審査を受けるのは5人だけで、自分たちは3番目と4番目だ。10mほど離れた場所にわらのようなもので作った的が作られており、そこに向けて魔法を放つようだ。

 1番目の人は火魔法を使ったけど、威力はかなり低い。的も少し焦げたくらいだ。2番目の人はかなり時間をかけて風魔法を放ち、的に結構大きな切れ込みが入った。魔法を使うまで結構時間がかかっているんだな。

 自分の順番が来たので風斬を的に放つと綺麗に切り裂けた。まあ前の二人に比べるといい感じかな?ジェンは水弾を的に撃ち込んでいたが、的に結構大きな穴が開いたので大丈夫だろう。

 5番目の人は石弾で、持ち上げた石を的に向けてはなって穴を開けていた。威力はジェンと同じくらいかな?


 やはり一般的には魔法の威力はかなり低い印象だ。もちろん良階位くらいになればデルタさんみたいに威力も違ってくるんだろうけどね。自分たちも威力は今のところ頭打ちしているんだよなあ・・・。

 治癒士としての能力についてはもしこれでだめだった時に考えればいいだろう。ちなみに挑戦は2回まで可能だけど、2回目に落ちるとまたある程度実績をためなければ受けられないらしい。



 試験の結果発表までは1時間ほどかかるようなので遅めのお昼を食べにいく。

「合格できるかなあ?」

「たぶん大丈夫じゃない?スレインさん達からも剣術については十分に上階位の実力があると言われていたし、魔法についても他の人のレベルを考えると十分だと思うわ。」

「そうは言ってもねえ。いくら良階位の人とはいえ、こっちが全力で攻撃しているのに軽くあしらわれてしまうとほんとに大丈夫なのかと思ってしまうよ。」

「もう、いまさら言ってもしょうがないでしょ。せっかくのお昼なんだから食事を楽しもうよ。」

 今日のお昼はハンバーガーの店で軽く済ませている。フライドポテトまであるのでこの辺りは地球とあまり変わらない。

 ただ今回のフードコートでも思ったんだが、自分で配膳するというスタイルはこちらではまだないみたいだ。この店も席で注文して持ってきてもらうスタイルで、カウンターで注文をしてから受け取るというものはまだ見かけたことがない。
 フードコートで説明したけど、お客さんがこのスタイルを受け入れてくれるかはまだ分からないんだよなあ。最初はやり方を教えるスタッフを置くようには言っておいたけどね。



 4時になったところで役場に戻り、合格発表を待つ。入学試験の合格発表みたいに名前が張り出されるのかと思ったが、一人一人呼び出されてよかった点と悪かった点が述べられて合否を告げられるようだ。

 なかなか合格者が出ないので自信はあるんだが、かなり怖い。自分の名前が呼ばれて前に出る。

「ジュンイチ。学識試験はほぼ満点だったので問題はない。剣術については剣のスキルはまあまあだが、まだ剣と盾の使い方がちぐはぐな感じだ。もう少し両方をうまく使うように鍛錬してほしい。魔法については十分な威力を持っているので今後も精進してくれ。合格だ。」

「よっしゃ~~!!」

 やっぱり試験に合格するとうれしいものだ。


「ジェニファー。学識試験は満点だったので知識は十分だ。剣術についてはまだ精進してもらいたいところだが、盾をうまく使っての防御については十分だと認められる。魔法については十分な威力を持っていることから、後衛職としては十分な能力と判断できる。合格だ。」

「ありがとうございます!!」

 ジェンもかなりうれしそうにしている。



 試験は20人受けていたんだけど、合格したのは4人とかなり狭き門のようだった。実力の判断基準が分からないけど、受かったあとの2人は実技で自分よりも強いと思った4人の内の1人と自分でも勝てるかなと思った人の一人だった。強い人とかは学識とかで問題があったのかな?

 このあと受付でカードの更新をしてもらうと、表示が冒険者(上階位)になっていた。ちょっとうれしい。合格した人だけが集められて、上階位についての簡単な説明を受ける。
 上階位になると、特別依頼を依頼されることがあること、内容にもよるが基本的に受けなければならないこと、罰則と降格についてなどである。


 一通りの説明を聞いた後、いろいろなお店をまわって町の相場などを確認しながら夕食を取ってから宿泊所に戻る。相場はやっぱりアーマトとかよりも2~3割高い感じかなあ?それも考えてどうするか考えないといけないなあ。

 いくつか調べたことを元にこの後のことについてジェンと話をする。

「資料を見た感じだと近郊で狩りをした場合、1日2000~3000ドールくらいは稼げるんじゃないかなと思う。」

「私もそのくらいはいけると思うわ。ただその場合、この町にとどまる意味はあるのかという気もするわね。」

「ああ、そうなんだよね。稼ぐのが目的ならこの町よりもっといいところがあるはずだからね。
 それで今はお金にも余裕があるので、折角なら剣術やそのほかのスキルを鍛えてみたらどうかと思っているんだ。この町だと講習のレベルも高そうだし、図書館も大きいので学識スキルを上げるのにもいいかもしれない。他にも鍛冶や特に付与について学んでみたいんだ。
 この後どのくらいこの世界にいるかは分からないけど、生き抜くためには剣術だけでなく、いくつかスキルを持っていた方がいいと思うんだよね。」

「たしかにそれはそうかもしれないわね。私もやってみたいこともあるし、折角だから買い物とかいろいろとこっちの文化にも触れてみたいわね。」

 いくつか話を決めた後、明日は移る宿を探すことにした。まあ宿はある程度目星は付けているのでその中からピックアップすればいいだろう。


~他の受検した人たちSide~

「なんかえらく若いのが二人いるな?もう上階位になる実績ポイントをためたのか?」

「どこかの金持ちの坊ちゃんとお嬢ちゃんで実績ポイントだけを早急にためたんだろう。どうせ実技試験で落ちるさ。」

「なんで実技試験があることが分かっているのに試験を受けようとするんだろうな。金持ちの考えることはよく分からねえ。」

「聞いた話しだと、試験を受けたと言うだけでいいらしいぞ。上階位に挑戦したくらいの実力というだけでも箔は付くらしい。」



「うわ、今回の実技試験の担当は蠍の尾のメンバーかよ。運が悪いなあ。」

「男が相手だとかなり厳しい評価されるからなあ。試験官の人選も考えてほしいよな。」

「おい、あの若いやつ蠍の尾のところに挨拶に行ってるぞ。落ちたな、あいつ。」

「こっちでは見ない顔だから蠍の尾のことを知らないんだろう。変に声をかけて印象悪くするとは、かわいそうになあ。」



「なんで蠍の尾のメンバーが男とあんなに気さくに話しているんだ?」

「いつもは最低限の会話しかしないし、しかもあんな表情とかほとんど見たことないぞ。」

「しかもほとんど話をしないアルドさんまで話に加わっているぞ。まじか?」

 男嫌いで通っている蠍の尾メンバーがジュンイチと普通に、しかも笑い声まで上げながら会話している姿は周りに衝撃を与えていた。
 ジュンイチ達が離れた後、「今は機嫌がいいのか?」と声をかけた勇者がいた。先ほどまでの和らいだ雰囲気ではないが、今までよりはかなり対応が丁寧だったのでみんなが驚いていた。



「あの二人、剣や短剣もそれなりのレベルなのに、並階位だったにしては魔法の威力が高くないか?」

「発動までの時間も早くてあの威力だから、時間をかければもっと高くなるって、余裕で上階位のレベルに達しているじゃねえか。だれだ実力がないとかいっていたやつは。」

 どうやら魔法に関しては二人が認識している以上に高いレベルのようである。


~備考 ライハンドリアの一般情報~

通貨: 
単位はドールで魔獣の落とす魔獣石を転用している。
魔獣石を構成できる最小単位が1ドール。
1ドール=黒色で直径約10mm、厚さ約1mm
10ドール=黒色で直径約18mm、厚さ約1.8mm
100ドール=赤黒色直径約20mm、厚さ約2mm
1,000ドール=赤色で直径約24mm、厚さ約2.4mm
10,000ドール=黄色で直径約28mm、厚さ約2.8mm
100,000ドール=白色で直径約32mm、厚さ約3.2mm
1,000,000ドール=金色で直径約40mm、厚さ約4.0mm  

一般的に使われる通貨は1000ドールまでで、屋台などでは100ドールまで。
取引で使用されるのは100,000ドールまで。
合成できる最高額は1,000,000ドールでこれ以上は合成できない。

一般的な貨幣の価値:
1ドール=10円くらい
1ヶ月あたりの一般的な収入=15,000~25,000ドール
冒険者の収入(初)=50~400ドール/日
冒険者の収入(並)=200~1500ドール/日
冒険者の収入(上)=1000~4000ドール/日

年月日: 
1年=12ヶ月=36週≒365.25日
1、3、5、7、9、11、12月が30日。
2、4、6、8、10月が31日で4年に一回12月が31日になる。
地域により異なるが、1~3月が春、4~6月が夏、7~9月が秋、10~12月が冬。
1週間は10日単位で下一桁の1の日、2の日という言い方が曜日にあたる。
10の日が0の日といわれて休日で、31がある月はその日も休み。
国や町によって祝日がある。

時間: 
その地域または国の平均的な朝日の時間が0時。
おおまかにいうと0時=地球時間の6時、6時=地球時間の18時。
1日=12時間、1時間=120分、1分=120秒。
1時間=地球時間の2時間
1分=地球時間の1分
1秒=地球時間の0.5秒

魔法薬: 
薬草や薬というものは流通しており、効果は地球の薬と同じレベル。ただし抗生物質や特効薬はなく、漢方に近い薬となる。
魔法薬には怪我などの治療をする治療薬と毒や麻痺を解除する回復薬がある。治癒魔法、回復魔法よりも性能は劣るが、全般的に使用することができること、治癒士が稀少なことから、大きな怪我などの回復には薬に頼る人が多い。
初級~中級治療薬が初級治癒魔法に相当し、中級~上級治療薬が中級治癒魔法に相当する。上級治癒魔法に相当するのは特級治療薬となるが、ほとんど流通していない。
各ランクの薬は制作材料の品質や制作者の能力によりグレードが低、並、高、良、優の5段階のグレードに分かれており、通常流通しているのは並グレードとなる。
価格は販売地域や情勢により差が出るがおおよそ以下の価格となる。
 初級治療薬:並=500、高=600、良=1000、優=2000
 中級治療薬:並=3000、高=3500、良=5000、優=8000
 上級治療薬:並=30000、高=35000、良=45000、優=60000
 初級回復薬:並=300、高=400、良=800、優=1200
 中級回復薬:並=2000、高=2500、良=4000、優=6000
 上級回復薬:並=20000、高=25000、良=35000、優=50000


魔法: 
まわりに漂っている魔素を体内に取り込み魔力に変換し、それを外に放出することで魔法が発動する。発動するときのイメージで魔法の形態が異なる。火、風、水、土、雷、氷、光、闇の属性魔法の他、治癒魔法、回復魔法、次元魔法、伝説と言われる転移魔法がある。
このほか一般魔法と言われる分類されない魔法があるが、一般魔法と言われるものも他の魔法を併用していることもあり、明確な分類は行われていない。一般魔法で一般的なものは魔獣石の分解、合成と浄化魔法で、ほとんどの人が使うことができる。

長さの単位: 
1ドール硬貨の直径が10ヤルドで設定。
1ヤルド≒1mm
1000ヤルド=1キヤルド≒1m
1000キヤルド=1メヤルド≒1km

重さの単位: 
1ドール硬貨の重さが1グムで設定。
1グム≒1g
1000グム=1キグム≒1kg
1000キグム=1メグム≒1ton

面積の単位: 
1ヤルド四方=1ヘル≒1mm2
100ヘル=1ジヘル≒1cm2
100ジヘル=1セヘル≒100cm2
100セヘル=1キヘル≒1m2
1000000キヘル=1メヘル≒1km2

体積の単位: 
1ヤルド立法=1リル≒1mm3=0.001ml
1000リルド=1ジリル≒1cm3=1ml
1000ジリル=1セリル≒1000cm3=1L
1000セリル=1キリル≒1m3=1000L
ただし昔の単位が一部残っている。1ドール硬貨1枚分の体積が基準。
1バル≒78mm3=0.078ml
1000バル=1キバル≒78ml
1000キバル=1メバル=78L
通常店で使われるサイズは5キバルの390ml、10キバルの780ml、100キバルの7.8L、300キバルの23.4L。

魔道具:
地球で電化製品と言われるものと同じような道具。魔法を使った道具であり、根本的に動力が異なる。魔獣石を使用して運用することで稼働する。

地理: 
天体の名前=ライハンドリア
大きな大陸は4つで、ホクサイ大陸、ナンホウ大陸、トウセイ大陸、キクライ大陸。
ホクサイ大陸の南東部にヤーマン国がある。
各大陸に大小複数の国が存在しており、過去に統一されたことはない。
統治機構は国王を中心とした統治機構や支配者層の議会政治、市民を含めて民主政治など国によっていろいろある。
ヤーマン国は国王がいるが、国王の納める州を含めて5つの州に分かれており、国王が絶対権力を持っているわけではなく、5つの領主のリーダーという立ち位置。それぞれの領地でさらに細分化されてそれぞれ行政官が管理をしている。
ヤーマンの首都はサクラで国の中央に位置している。
各州の州都といえる町が4つあり、北東のターマト、北西のラーマト、南東のオーマト、南西のアーマト。
アーマトの南西に港町オカニウムがある。

魔獣: 
魔獣石を持っているものが魔獣と言われる生き物。ある程度の時間がたつと魔素が固まり生まれてくる。一度形になった魔獣は同族と子供を作ることもできる。魔素が濃ければ濃いほど強い魔獣が生まれる。
また魔獣は戦闘経験を行うことで進化することもあり、進化した魔獣は通常の魔獣よりも強い。
魔獣も強さによってランク分けされており、特、優、良、上、並、初の6段階で、優階位までは上位、中位、下位に分かれているため、実質は16段階となっている。
冒険者の階位は同じ階位の魔獣を倒せるという目安であるが、あくまで倒せるという目安であり、楽に倒せるわけではない。

スキル:
武器や魔法などの扱いに慣れたり、知識を得たりするとスキルを取得することができる。スキルは通常のスキルと、知識スキル、秘匿スキルがあり、一般的に知られているのは通常スキルのみであり、スキルのレベルについても知られていない。

クラス: 
所定のスキルとスキルレベルを得ると与えられる職業。そのクラスにあった能力に補正がかかる。

冒険者: 
魔獣の退治や護衛、素材の調達などを行う職業。依頼をこなすことで実績ポイントが得られ、階位をあげることができる。階位は実力を判断するためのもので、特、優、良、上、並、初の6段階ですべての国で共通化されている。

神様: 
この世界の神様は5人で時々神託や祝福を授けることがある。主神となる神はおらず、それぞれの分野を担当している。
イミザは男性神で自然と武
イギナは女性神で生産と芸
アミナは女性神で誓約と知
タミスは男性神で豊穣と技
カムヒは男性神で生命と術

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