【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ

文字の大きさ
337 / 430
再編集版

24. ジェンside-3 首都サクラへ

しおりを挟む
24. ジェンside-3 首都サクラへ
 二人で冒険者として活動をすると決めてからいろいろとやり方を模索していった。野営をやった際にはまだ危ないと言うことで早々に切り上げてしまって、結局は日帰りで対応することになったのよね。
 結局は適度に休日を挟んだり、雨の日は狩りは休みにしたりしているんだけどそれでも貯蓄が出来るくらいのペースなのはなかなかすごいと思うわ。

 休みの予定が合ったときにはアキラやマラルと一緒に買い物に行ったりご飯を食べに行ったりした。お金は定期的に小遣いを渡してくれるし、出かけるときには臨時に少し多めに渡してくれるので特にお金に困ることはなかったわ。もちろん贅沢するわけではないんだけど、買えなくてもいろいろ見て回るだけで楽しい。

 例の3人に襲われるということがあったけれど、イチが即座に対応してくれたこともあってこちらの被害もなく撃退できた。二人で反撃して相手に怪我させたんだけど、特に罪悪感は感じなかった。もし反撃できていなかったら私はもてあそばれ殺されていたかもしれないのだから自業自得だ。結局通報して処罰が下ったようだけど、話しを聞く限りもう会うことはないだろうな。

 30日ののみの市の時には二人で掘り出し物を探して歩いた。イチが折角だから祭りを楽しみながら掘り出し物を探そうと言っていたので、いろいろと買ったり食べたりととても楽しめたわ。
 地球では男の子二人でこんな風に出歩くことはなかったけど、イチと一緒だとあまり気を遣わなくていいのよね。アキラ達とも気を遣わない感じなんだけど、それとはまた違った感じ。一緒にいて苦にならないって言った方がいいかな。



 イチと出会ってから3ヶ月くらいたった頃に、イチの知り合いのコーランという商人から食事の招待を受けたというので一緒に行くことになった。この町に来たときにもお世話になった人らしいのだけど、カサス商会の会長って・・・。
 カサス商会はマラルが勤めているところだからどんなところかはある程度知っている。今の会長になって一気に大きくなった商会でその会長はかなりのやり手と聞いている。悪い噂は聞かないけど、その会長がイチに肩入れするというのはどう考えても元の世界の知識が目的よね。
 お世話になったと聞いているけど、どれだけの情報を対価に支払っているかよね。おそらくこの世界の文化水準を考えるとどう考えても元の世界の方が進んでいるだろう。そう考えるとこちらの商人にとっては向こうの情報はかなり役に立つことだと言えるわ。


 招待されたのはかなり高そうな店だったので驚いたのだけれど、対応がどう考えても接待されている側という印象だった。とりあえずむやみに知識を得ようとしている印象ではないわね。商会の会長という立場なのにかなりイチに気を遣っているのが見て取れる。
 コーランという人は私の祖父や父を彷彿とさせる感じね。さすがに一代で国をまたがる商会まで成長させただけはあるわ。商売のやり方は確かに古い印象を受けるけど、かなり柔軟な考えを持っているみたい。

 会話を聞いていると、ところどころで商売に関する話が挟まれている印象だった。地球では結構普通になってきている内容だったけれど、こちらの世界ではかなり斬新なアイデアになるのだろう。コーランさんはかなり熱心に聞き入っている。

 食事の途中で首都のサクラに行かないかという話がでた。聞いた話を参考に実際に始めた事業について、助言がほしいみたい。途中の移動費はすべて出してくれる上、冒険者として護衛依頼も出してくれるみたい。日程もないため早めに返事をもらえないかと言うことでその日はお開きとなった。


 宿に戻ってからイチと話をしたけど、イチも商売に関する情報が有益なことは分かった上で、情報を提供しているみたいだった。たしかに自分たちには資金も信用もないのだから信用できると思えるところに情報を提供するというのは悪くはないのかもしれないわね。
 まだ完全に信用したわけでもないけれど、この世界で大きな商会の援助を受けられるというのはかなり大きなアドバンテージというのは間違いないわ。今までの対応や今日話した感じからしても、そこまで変なことにはならないかな。
 イチは特に意識はしていないようだけれど、いろいろと聞かれたことに対して知っていることをできるだけ丁寧に伝えているので、コーランさんからかなりの信頼を得ているみたい。知り合いのいない世界でこういう信頼を得るというのはすごく大切なことだと思うわ。

 首都のサクラというところにも興味はあるし、もちろん私も一緒に行くことにした。一人で行くことになるかもと心配していたようだけど、今更別の人とパーティーを組む気なんてないわよ。


 助言することとは別にイチがいろいろと試作していたインスタントラーメンを売り込んでみることにしたみたい。こっちの保存食は魔法で腐食を防止した値段の高いものしかないので、ある程度安く作ることができるのなら確かに売れそうな気もする。生産や販売は完全に委託して、アイデア料と言うことで固定収入を得られるように考えているらしい。


 インスタントラーメンの試食はかなり好評だった。これは売れると判断したのか、すぐに特許申請することになり、アイデア料の交渉をすることになったけれど、最初から利益の15%の数値が提示されて驚いたわ。しかも初期投資の費用別での利益に対して15%だからね。どう考えてもかなり破格の金額になるのだけれど、おそらく今後もいろいろとアイデアを出してもらいたいという意思の表れなのだろうな。


 そのあとお世話になった人たちに挨拶に行った。よく行っていた店や食堂、鍛冶屋などを回っていく。夕方に役場に行くと多くの冒険者がいた。アキラとマラルは「ぜったいまた会おうね!」と泣きながら見送ってくれた。「結婚式には呼べよ!」と言ってくる人もいたんだけど、イチは「そんな関係じゃないですよ。」と普通に流していたのはなぜだがちょっと悲しく感じた。



 翌朝には宿が忙しいにもかかわらず、メイサンとルミナ夫妻は見送りをしてくれた。私が地球に帰れないと分かったときに慰めてくれたルミナ、いつも優しく助けてくれたメイサン、ほんとうにありがとう。



 カサス商会に行って護衛の風の翼のメンバーと顔合わせをしたのだけれど、かなり静かな人たちだった。なんかかなり落ち込んでいるように見えるのは気のせいだったのかな?
 このあと車に分乗して出発したのだけれど、思いのほか乗り心地が良くてびっくりした。ただ、かなりうるさくて車内での会話は厳しいので、イチに言われていたとおり移動中はずっと勉強をしていた。最初に聞いたガイド本の使い方には驚いたけどね。

 最初の町に到着して宿に入ったのだけど、イチと同室と言われて驚いてしまった。どうやらイチと付き合っていると思われていたみたい。他に部屋がないみたいだけど、イチのことだからどこかの床とかに寝るとか言い出しかねない。
 イチならきっと大丈夫。うん、気にしない、気にしない。イチはパーティーメンバー、ただのパーティーメンバー。そう思ってイチを誘って部屋へと向かう。

 食事の後、シャワーを浴びてから荷物の整理をしてベッドに入った。大丈夫だよね、大丈夫だよね。えっと、下着は新しいものにしておいたし、シャワーで体も磨いていたから・・・って、違う!!
 緊張しながらベッドに入ったんだけど、全く眠気がやってこない。イチも同じみたいでしばらく話をしていたんだけど、途中で返事がなくなってしまった。あれ?寝ちゃったの?ほんとに寝てるの?私がいるのに?寝たふりをしてちょっかいを出してくるとかじゃないよね?あとでこっちのベッドに入ってきたらどうしよう。

 いろいろぐるぐる考えていたんだけれど、ふと気がつくと目の前にイチの顔があった。「やっぱりきたっ!!」と思っていると「おはよう」と言ってきた。「え?朝?朝なの?」しばらく思考が停止してしまった。
 急に恥ずかしくなり「寝顔をのぞくなんて最低!!」といって枕を投げつけてしまった。「ごめん、ごめん、なんかかわいい寝顔だったから見とれていたんだ。」と言われてちょっと混乱してしまった。かわいいって・・・気のないふりはしていたけど、一応そう思ってくれているんだ。ちょっとうれしくなったけど、そんな顔は見せられないので布団に潜り込んだ。


 このあともなぜか宿泊は一緒の部屋にさせられたけれど、途中から同室でいることが当たり前になって気にならなくなってきた。着替えの時などはイチが気を遣って部屋を出てくれるし、もちろん夜に手を出してくることもない。寝る前に二人で色々と話すのは楽しかったわ。


 最初はあまり会話しなかったフェルナーさんとも打ち解けてきて色々と話をするようになった。いろいろな冒険の話は地球ではかなり昔の話や物語の中でしかなかったことなのでとても面白かった。

「なあ、俺の体験談なんか聞いても面白いのか?」

 数日たった頃にフェルナーさんから言われて驚いた。

「普通はあまり聞けない話だから、とても楽しかったわよ。」

「そうなのか?だって、こんな話よりはおいしい店とか服とかの話の方がいいんじゃないのか?」

 どうやら女性と話をするときは女性が興味のありそうな話を頑張って話そうとしていたみたい。

「自分の話せることを話してそれを受け入れてくれる人じゃないとちゃんと付き合えないんじゃないの?無理して話を合わせても結局は話がおもしろくなくなるでしょ?もちろんおいしい店とかいう話もたまには必要だけど、それは知っている方が話せばいいだけだし、相手の話を聞いてくれるだけでもいいと思うわよ。」

 そういうとかなり衝撃を受けていたみたいだった。

「ジェンのその相手がジュンイチなんだな。」

 そう言われてちょっと焦ってしまった。別にそういう関係じゃないわよ・・・いまは・・・。



 アーマトの町はオカニウムよりも大きな町だった。イチが以前も泊まっていた宿に泊まることになったけれど、ここでは部屋は別々に泊まることになった。今まではこれが普通だったんだけれど、なんか寂しくなったのよね。
 アーマトの町でイチの知り合いにも会ったんだけれど、みんなから「嫁さんか?」とからかわれていた。普通に否定しているんだけど、私と結婚するってつもりはないのかなあ?
 ユータとカナという幼なじみのパーティーにも会って近くの森で狩りをしたりいろいろと教えたりした。自分たちのスタイルに似ているから参考になったらうれしいな。カナさんは初期の治癒魔法が使えるようになったので今後もがんばって上達してほしい。



 ここからサクラまでは蠍の尾という女性だけのパーティーと一緒に護衛業務となった。どうも男性にはかなり苦手意識があるみたいで、最初はかなり警戒されていたんだけれど、途中からは普通に接してくれるようになった。今回は山越えの時に野営もあるというので私たちも交代で見張りをすることにした。

 運悪く盗賊に襲われたんだけど、イチが万が一を考えて準備していた催涙スプレーのようなものがうまくはまってこちらに被害もなく撃退できた。でも初めてこの手で人を殺すことになった。もちろん今までも覚悟はしていたつもりだったけれど、やはり実際に人を殺すというのは思っていたよりも衝撃だった。
 なかなか眠れなかったこともあり、イチとずっと話していると落ち着いていった。きっともう大丈夫だろう。やらなければやられる。そういう世界だと言うことを改めて認識することになった。


 この襲撃の後から蠍の尾のメンバーとかなり打ち解けてきて、見張りの時にもいろいろと話しかけてくるようになった。イチのことを聞かれたんだけど、私の気持ちがまだ分からないし、今のままで良いと思っていると伝えると、「がんばって!!」と声をかけられた。

 盗賊退治の報酬はかなりの額で驚いた。蠍の尾のメンバーと話した結果、報奨金はすべて私たちがもらうことになったみたい。今回の討伐の立役者はイチだったことと、手に入れた装備の価格を考えても問題ないようだった。
 イチは無意識にやっているみたいだけど、蠍の尾のメンバーの信頼は格段に得られたと思う。信頼というとても大事なものを意識せずに手に入れているのはすごいことだよね。


 サクラについてからフードコートのようなところを視察することになった。イチと一緒にいろいろと意見を言ったんだけど、お礼といって15万ドールもらってかなり驚いた。
 打算もなく、知っていることを教えているイチにコーランさんもお返しをしたくなったのだろう。もちろん、今後もいろいろと情報が欲しいという打算もあったと思うけどね。

 インスタントラーメンの試作品も食べさせてもらったけど、かなりいい感じに仕上がっていた。来月からもう販売し始めるらしい。販売方法についてもモニター販売や新しい商品の開発について色々と提案したので、きっと結構な利益が出るだろう。

 こっちの世界ではまだ一般的でない商売の知識を先駆けて行うことのできているコーランさんのカサス商会は今後さらに力をつけていくだろう。イチはそこまで期待していないかもしれないけれど、きっと今後の生活に大きな力になってくれると思う。


 そのあと上階位試験への実績が貯まったことと、スレインさんたちにも大丈夫だと言われたこともあり試験を受けることにした。ちょっと不安だったけど、無事に受かることができた。やっぱりこういうのはうれしいものだ。「上階位」と書かれたカードを見てニマニマしてしまった。


 純粋に私自身を見てくれるイチ。もしかしたら好きになっているのかもしれない。でもイチがどう思っているのか聞くのが怖い。とりあえず今のままでいいと思ってしまう。


しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』

アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた 【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。 カクヨム版の 分割投稿となりますので 一話が長かったり短かったりしています。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ

壬黎ハルキ
ファンタジー
それは、少年が高校を卒業した直後のことだった。 幼なじみでお嬢様な少女から、夕暮れの公園のど真ん中で叫ばれた。 「知らない御曹司と結婚するなんて絶対イヤ! このまま世界の果てまで逃げたいわ!」 泣きじゃくる彼女に、彼は言った。 「俺、これから異世界に移住するんだけど、良かったら一緒に来る?」 「行くわ! ついでに私の全部をアンタにあげる! 一生大事にしなさいよね!」 そんな感じで駆け落ちした二人が、異世界でのんびりと暮らしていく物語。 ※2019年10月、完結しました。 ※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~

サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。 ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。 木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。 そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。 もう一度言う。 手違いだったのだ。もしくは事故。 出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた! そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて―― ※本作は他サイトでも掲載しています

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

処理中です...