414 / 430
再編集版
101. 現世界-10 67日目 家族旅行
しおりを挟む
101. 現世界-10 67日目 家族旅行
明日から三連休で家族旅行を予定している。まあ家族といいながらジェンも一緒なんだけどね。
今回の旅行は自分がジェンにも少し相談しながら計画して、両親に声をかけたものだ。旅費については夏休みのバイト代を充てると説明している。かなり驚いていたんだけど、たまには子供に甘えるかと言うことで予定は決まった。
ちなみにしばらく収入を得る方法としてジェンの両親の伝を使ってアクセサリーの販売を始めることにした。もちろん自分で直接売るわけではなく、店に卸す形だ。
以前あったときにプレゼントも兼ねていくつか作ったアクセサリーのサンプルを見てもらったところ、かなりの評価が得られたのだ。錬金などのスキルを使って作るので、普通ではかなり難しい金属や宝石の融合や細工ができるからね。
目の肥えているであろうジェンの母親には「ちゃんと宣伝しておいてあげるわよ。」と言ってくれたので期待しておこう。
今は余計な時間をかけたくないので、必要経費を取ってもらい手続き関係は店に委託している。この辺は信頼して大丈夫だろう。
元々持っていたものを使うので原材料費もかからないし、道具がいるわけでもないから人件費を除けば収入の全てがもうけとなる。ある程度収入が見込めるなら起業まで考えないといけないけど、もっと他のことも考えていかないといけない。
今回の旅行は父の運転する車で行くんだけど、渋滞を避けるために朝早く出発するのでジェンにはうちに前泊してもらうことになった。一緒に旅行に行くことは両親にもちゃんと許可をもらったと言っている。
玲奈も珍しく参加するらしい。最初は留守番すると言っていたくせにジェンが行くと言った瞬間に行くといいやがった。
帰宅してからしばらくするとジェンが車でやってきた。さすがに収納魔法を使うわけにもいかないのでちゃんと荷物を持ってきている。夕食も一緒にとることにしたんだけど、母は旅行の前日というのにえらく張り切って作っていた。玲奈も手伝ったみたいでジェンにいろいろと説明している。
食事の後はお風呂に入り、部屋で少し話をしていたんだけど、明日の朝も早いので早々に寝ることにした。ベッドは一つだけどまあ前と変わらないよなと言うことで一緒にベッドに入って眠りにつく。さすがにエッチなことはしないよ。
翌朝はうちの家のスタンスにあわせて4時に起きてから準備に取りかかる。うちの両親はすでに起きて準備をしていたのでジェンと二人で1階に下りてから挨拶をすると、なにかぎこちない表情で挨拶されてしまった。
「なんか変な感じだけど、どうかした?」
「ううん、別に・・・。夕べはちゃんと眠れたの?」
「今日は早いから少し話をした後すぐに寝たよ。やっぱりあのベッドだと狭かったせいかちょっと眠りが浅いみたいだから車で寝かせてもらうよ。」
準備を済ませてから車に荷物を積み込んで出発するが、すぐに眠りに落ちてしまった。車は7人乗りなので荷物を積んでもスペースは十分だ。
寝ている間に結構走っていたようで、目を覚ますとどこかのサービスエリアだった。小さな頃は目的地まで眠ったままだったなあ。でも自分で運転しないと本当に楽だよね。しかも途中にちゃんとした休憩所があるのはすごくありがたい。
このあと車の中で朝食をとりながら最初の観光地に到着。天気も良かったので自転車を借りて観光することにした。
過去の偉人の建物など見て回るが、ジェンはあまり知らない内容だったのでいろいろと質問してくる。さすがに自分もすべて答えられるわけではないけど、うちの父が嬉々として説明していた。この歴史オタクめ。
有名どころを一回りしてから町を出て、少し走ったところの何度か寄ったことのある雑炊の店で遅めの昼食を取る。昔ながらの建物にジェンも喜んでいた。
このあと再び車で移動して、今回の目的地である温泉地に到着した。ここは父が気に入っている温泉地でかなりひなびた感じだが温泉としてはかなり質がいいところと力説している場所だ。予約は自分が行っていたので受付に行ってチェックインを済ませて鍵を渡す。
「ジュンイチ、普通に鍵を渡してきたけど、部屋割りはどうするつもりだ?まさかジェニファーさんと二人で一部屋と言うつもりはないよな?」
「え?・・・あっ!」
なんか普通にジェンと二人で同じ部屋のつもりだったけど、普通に考えたらまずいよな。やばい・・・。
「夕べはもう寝てしまっていたようだったからそのまま寝かせたけど、さすがに結婚前の二人だけを同室にするわけにはいかないぞ。」
「いや、その・・・。そうそう、玲奈、自分たちと同じ部屋でもいいよな?今回はいい部屋を用意したから夫婦でゆっくりしてもらいたかったんだ。」
「ええ~~、お兄ちゃんと?・・・でもジェンさんと一緒ならまあいいか。いいわよ。でも着替えの時とかちゃんと気を遣ってよね。兄妹でもその当たりはちゃんとして。」
「わかった、わかった。これなら大丈夫だろ?いい部屋を取っているから父さん達もゆっくりしてよ。」
今回予約したのはお風呂の付いている部屋だ。結構高かったけどね。部屋を見たときの父の感激ぶりはすごかったよ。早速温泉に入ると言って部屋を追い出されてしまった。
部屋のお風呂はあとにしてまずは大浴場で温泉を堪能する。玲奈もジェンと一緒に入ってくると嬉々として行ったようだ。父は結局やってこなかったので部屋のお風呂を満喫しているのだろう。
夕食は父達の部屋で食べることにしたんだけど、少しお酒も飲ませてもらう。もちろん未成年の飲酒はだめなんだけど、少しは飲めるようになっておいた方がいいといってこういうときには少し飲ませてくれるのだ。前はあまりおいしいとは思わなかったけど、あっちの世界でジェンに鍛えられたからなあ。
ジェンはこっそりと秘蔵のお酒を出して父にすすめていた。父はかなり感激していたが、どこのお酒だとラベルを見て首をかしげていた。まあどう考えても読めないだろう。このあともいろいろと話をしてからお開きとなる。
翌朝は早く目が覚めたので部屋のお風呂に入っているとジェンも起きて入ってきた。もちろんタオルを巻いているけどね。
「こうやって入るのも久しぶりだなあ・・・。サイノレアの温泉宿を思い出すよね。」
「そうねえ。私が裸で入ったときはイチがすごく動揺しておもしろかったわ。」
「水着でも刺激がきついのにまさか裸で入ってくるとは思わなかったから当たり前だよ。あのころはジェンに手を出さないように必死だったんだからな。」
「ふふふ・・・。」
「だけどこうしてジェンと再会できて本当によかったよなあ。
あの時はもうダメだと思ったけど、あれがあったからこそ記憶が残るチャンスができたんだもんなあ。」
「ほんとにそうね。ライハンドリアの神様には感謝しないといけないわね。」
しばらく温泉に浸かってゆっくりしてから、玲奈が起きる前にさっさと着替えて出ることにした。こんなところ見られたらまた何を言われるか分からないからな。玲奈は夕べかなり遅くまで起きてジェンと話をしていたようなのでまだぐっすりだ。
宿に付いている朝食をとった後、準備をしてから再び車に乗って出発する。
高速を走って再び歴史的な建造物のある観光地へ。渋滞がすごいので途中で車を降りてから電車で移動することになる。路面電車のような電車なのでなかなか趣があっていいものだ。そういえば電車はあっちの世界では発達していなかったんだよなあ。
お昼にあなご飯を食べてから船で島に渡り、有名な建物を見て鹿と戯れる。向こうの世界ではこんなに大人しい動物はあまりいなかったなあ。ジェンにはこのようなところは初めてだったようでかなり喜んでいた。一通り観光した後、今回は別の温泉地のホテルに泊まる。この日も部屋の割り振りは昨日と同じだ。
翌朝は朝食の後ですぐに出発し、サファリにやってきた。朝一でまだ人が少ないのですぐに入場する。えさやりバスもあるんだが、そこまでは必要ないだろう。
ライオンなどの猛獣はいるんだけど、飼い慣らされているので魔獣などを見てきた自分たちには迫力に欠ける。まあもともと人間慣れしているので野生のかけらもない感じだけどね。
ジェンがちょっと威圧すると、縮こまってしまったよ。やめなさい・・・。正直外に出てもやられることはなさそうだな。もしテイムのスキルとかがあったらこっちの動物とかも操れたのかねえ?
温泉と旅行を堪能して戻ってきたけど、やっぱり向こうの世界の旅とは違うね。やっぱり快適だし、途中で警戒をしなくていいのがいいね。向こうだったら常に索敵しておかないと怖いからね。
今回は家族を連れて行ったけど、二人だけで旅行にも行きたいなあ。でも折角ならバイクか車の免許がほしい。
あっちの世界の車をこっちで使うわけにもいかないだろうし、魔獣石の制約もある。魔獣石はもう手に入れることはできないからね。車かバイクを手に入れたらいろいろと改造して快適にすればいいのかな?バイクを冷暖房完備にすればかなり快適だろうし、そのくらいの魔獣石なら消費も小さいからね。
バイクに乗るのは反対されていないけど、乗るなら中型以上のマニュアルの免許を取らないとダメだと言われているからなあ。まだしばらくは移動は公共のものを使うしかないって事か・・・。
だけど、もしいろいろな偶然が重ならなければこんなことにはならなかったんだよなあ。10日間の異世界旅行の予定がこんな事になるなんて、あのときは全く思わなかったよ。あと、もしかしたらという可能性もあるので今後も鍛錬は続けないといけないな。
~~母Side~~
ジュンイチが彼女と言ってジェニファーさんを紹介してきたときは驚いたわね。今まで全くと言っていいほど女の子の影すらなかったのに、いきなりあんなかわいい子を連れてくるなんてね。しかもジェニファーさんは結婚前提で考えているみたいだし・・・。
二人の出会いについてはどうもおかしな事が多いけど、まあ何か悪いことをやった訳でもないから気にしなくていいわよね。話す気があるならいつか話してくれるでしょう。
ジェニファーさんの家柄は問題ないというか、問題がありすぎるというか・・・まあそこは二人の事だから特に気にしなくてもいいかしらね。ご両親もお金持ちみたいだけど、傲慢なところもなかったから良かったわ。日本人と言うことにも気にしていないようだったからね。
玲奈もジェニファーさんのことはかなり気に入っているみたいだし、仲良くやっているみたいだからそっちも問題ないわね。まあジュンイチと絶対に結婚してもらうように言い切っていたのはある意味怖かったわ。
ただやっぱり気になるのはあの二人の距離感なのよね・・・。私達でもあんな感じになるのは何年もかかったくらいなのに、どう考えても付き合いだしたばかりという雰囲気じゃないのよねえ。
夕べも普通に同じベッドで寝ていたくらいだし、心配になって確認に行ったけど特に変なこともするわけでもなく寝入っていたからね。宿でも普通に二人で一緒の部屋に泊まろうとしていたくらいだし、ジェニファーさんもそれが普通という感じに思っていたようなのよね。
あえて指摘はしなかったけど、朝も二人で温泉に入っていたようなのよね。あまり話は聞き取れなかったけど、前にも同じような温泉に入っていたようなことを言っていたのよね。二人だけでこっそり旅行とか行っていたのかしら?それでも一緒にお風呂に入るというのをお互いに受け入れているというのがちょっとね・・・。
まあそのあたりはちゃんとわきまえているようだからあまり突っ込まないけど、避妊はちゃんとしてほしいわよね。そのへんはちゃんと教育していたから分かっているとは思うけど・・・。
明日から三連休で家族旅行を予定している。まあ家族といいながらジェンも一緒なんだけどね。
今回の旅行は自分がジェンにも少し相談しながら計画して、両親に声をかけたものだ。旅費については夏休みのバイト代を充てると説明している。かなり驚いていたんだけど、たまには子供に甘えるかと言うことで予定は決まった。
ちなみにしばらく収入を得る方法としてジェンの両親の伝を使ってアクセサリーの販売を始めることにした。もちろん自分で直接売るわけではなく、店に卸す形だ。
以前あったときにプレゼントも兼ねていくつか作ったアクセサリーのサンプルを見てもらったところ、かなりの評価が得られたのだ。錬金などのスキルを使って作るので、普通ではかなり難しい金属や宝石の融合や細工ができるからね。
目の肥えているであろうジェンの母親には「ちゃんと宣伝しておいてあげるわよ。」と言ってくれたので期待しておこう。
今は余計な時間をかけたくないので、必要経費を取ってもらい手続き関係は店に委託している。この辺は信頼して大丈夫だろう。
元々持っていたものを使うので原材料費もかからないし、道具がいるわけでもないから人件費を除けば収入の全てがもうけとなる。ある程度収入が見込めるなら起業まで考えないといけないけど、もっと他のことも考えていかないといけない。
今回の旅行は父の運転する車で行くんだけど、渋滞を避けるために朝早く出発するのでジェンにはうちに前泊してもらうことになった。一緒に旅行に行くことは両親にもちゃんと許可をもらったと言っている。
玲奈も珍しく参加するらしい。最初は留守番すると言っていたくせにジェンが行くと言った瞬間に行くといいやがった。
帰宅してからしばらくするとジェンが車でやってきた。さすがに収納魔法を使うわけにもいかないのでちゃんと荷物を持ってきている。夕食も一緒にとることにしたんだけど、母は旅行の前日というのにえらく張り切って作っていた。玲奈も手伝ったみたいでジェンにいろいろと説明している。
食事の後はお風呂に入り、部屋で少し話をしていたんだけど、明日の朝も早いので早々に寝ることにした。ベッドは一つだけどまあ前と変わらないよなと言うことで一緒にベッドに入って眠りにつく。さすがにエッチなことはしないよ。
翌朝はうちの家のスタンスにあわせて4時に起きてから準備に取りかかる。うちの両親はすでに起きて準備をしていたのでジェンと二人で1階に下りてから挨拶をすると、なにかぎこちない表情で挨拶されてしまった。
「なんか変な感じだけど、どうかした?」
「ううん、別に・・・。夕べはちゃんと眠れたの?」
「今日は早いから少し話をした後すぐに寝たよ。やっぱりあのベッドだと狭かったせいかちょっと眠りが浅いみたいだから車で寝かせてもらうよ。」
準備を済ませてから車に荷物を積み込んで出発するが、すぐに眠りに落ちてしまった。車は7人乗りなので荷物を積んでもスペースは十分だ。
寝ている間に結構走っていたようで、目を覚ますとどこかのサービスエリアだった。小さな頃は目的地まで眠ったままだったなあ。でも自分で運転しないと本当に楽だよね。しかも途中にちゃんとした休憩所があるのはすごくありがたい。
このあと車の中で朝食をとりながら最初の観光地に到着。天気も良かったので自転車を借りて観光することにした。
過去の偉人の建物など見て回るが、ジェンはあまり知らない内容だったのでいろいろと質問してくる。さすがに自分もすべて答えられるわけではないけど、うちの父が嬉々として説明していた。この歴史オタクめ。
有名どころを一回りしてから町を出て、少し走ったところの何度か寄ったことのある雑炊の店で遅めの昼食を取る。昔ながらの建物にジェンも喜んでいた。
このあと再び車で移動して、今回の目的地である温泉地に到着した。ここは父が気に入っている温泉地でかなりひなびた感じだが温泉としてはかなり質がいいところと力説している場所だ。予約は自分が行っていたので受付に行ってチェックインを済ませて鍵を渡す。
「ジュンイチ、普通に鍵を渡してきたけど、部屋割りはどうするつもりだ?まさかジェニファーさんと二人で一部屋と言うつもりはないよな?」
「え?・・・あっ!」
なんか普通にジェンと二人で同じ部屋のつもりだったけど、普通に考えたらまずいよな。やばい・・・。
「夕べはもう寝てしまっていたようだったからそのまま寝かせたけど、さすがに結婚前の二人だけを同室にするわけにはいかないぞ。」
「いや、その・・・。そうそう、玲奈、自分たちと同じ部屋でもいいよな?今回はいい部屋を用意したから夫婦でゆっくりしてもらいたかったんだ。」
「ええ~~、お兄ちゃんと?・・・でもジェンさんと一緒ならまあいいか。いいわよ。でも着替えの時とかちゃんと気を遣ってよね。兄妹でもその当たりはちゃんとして。」
「わかった、わかった。これなら大丈夫だろ?いい部屋を取っているから父さん達もゆっくりしてよ。」
今回予約したのはお風呂の付いている部屋だ。結構高かったけどね。部屋を見たときの父の感激ぶりはすごかったよ。早速温泉に入ると言って部屋を追い出されてしまった。
部屋のお風呂はあとにしてまずは大浴場で温泉を堪能する。玲奈もジェンと一緒に入ってくると嬉々として行ったようだ。父は結局やってこなかったので部屋のお風呂を満喫しているのだろう。
夕食は父達の部屋で食べることにしたんだけど、少しお酒も飲ませてもらう。もちろん未成年の飲酒はだめなんだけど、少しは飲めるようになっておいた方がいいといってこういうときには少し飲ませてくれるのだ。前はあまりおいしいとは思わなかったけど、あっちの世界でジェンに鍛えられたからなあ。
ジェンはこっそりと秘蔵のお酒を出して父にすすめていた。父はかなり感激していたが、どこのお酒だとラベルを見て首をかしげていた。まあどう考えても読めないだろう。このあともいろいろと話をしてからお開きとなる。
翌朝は早く目が覚めたので部屋のお風呂に入っているとジェンも起きて入ってきた。もちろんタオルを巻いているけどね。
「こうやって入るのも久しぶりだなあ・・・。サイノレアの温泉宿を思い出すよね。」
「そうねえ。私が裸で入ったときはイチがすごく動揺しておもしろかったわ。」
「水着でも刺激がきついのにまさか裸で入ってくるとは思わなかったから当たり前だよ。あのころはジェンに手を出さないように必死だったんだからな。」
「ふふふ・・・。」
「だけどこうしてジェンと再会できて本当によかったよなあ。
あの時はもうダメだと思ったけど、あれがあったからこそ記憶が残るチャンスができたんだもんなあ。」
「ほんとにそうね。ライハンドリアの神様には感謝しないといけないわね。」
しばらく温泉に浸かってゆっくりしてから、玲奈が起きる前にさっさと着替えて出ることにした。こんなところ見られたらまた何を言われるか分からないからな。玲奈は夕べかなり遅くまで起きてジェンと話をしていたようなのでまだぐっすりだ。
宿に付いている朝食をとった後、準備をしてから再び車に乗って出発する。
高速を走って再び歴史的な建造物のある観光地へ。渋滞がすごいので途中で車を降りてから電車で移動することになる。路面電車のような電車なのでなかなか趣があっていいものだ。そういえば電車はあっちの世界では発達していなかったんだよなあ。
お昼にあなご飯を食べてから船で島に渡り、有名な建物を見て鹿と戯れる。向こうの世界ではこんなに大人しい動物はあまりいなかったなあ。ジェンにはこのようなところは初めてだったようでかなり喜んでいた。一通り観光した後、今回は別の温泉地のホテルに泊まる。この日も部屋の割り振りは昨日と同じだ。
翌朝は朝食の後ですぐに出発し、サファリにやってきた。朝一でまだ人が少ないのですぐに入場する。えさやりバスもあるんだが、そこまでは必要ないだろう。
ライオンなどの猛獣はいるんだけど、飼い慣らされているので魔獣などを見てきた自分たちには迫力に欠ける。まあもともと人間慣れしているので野生のかけらもない感じだけどね。
ジェンがちょっと威圧すると、縮こまってしまったよ。やめなさい・・・。正直外に出てもやられることはなさそうだな。もしテイムのスキルとかがあったらこっちの動物とかも操れたのかねえ?
温泉と旅行を堪能して戻ってきたけど、やっぱり向こうの世界の旅とは違うね。やっぱり快適だし、途中で警戒をしなくていいのがいいね。向こうだったら常に索敵しておかないと怖いからね。
今回は家族を連れて行ったけど、二人だけで旅行にも行きたいなあ。でも折角ならバイクか車の免許がほしい。
あっちの世界の車をこっちで使うわけにもいかないだろうし、魔獣石の制約もある。魔獣石はもう手に入れることはできないからね。車かバイクを手に入れたらいろいろと改造して快適にすればいいのかな?バイクを冷暖房完備にすればかなり快適だろうし、そのくらいの魔獣石なら消費も小さいからね。
バイクに乗るのは反対されていないけど、乗るなら中型以上のマニュアルの免許を取らないとダメだと言われているからなあ。まだしばらくは移動は公共のものを使うしかないって事か・・・。
だけど、もしいろいろな偶然が重ならなければこんなことにはならなかったんだよなあ。10日間の異世界旅行の予定がこんな事になるなんて、あのときは全く思わなかったよ。あと、もしかしたらという可能性もあるので今後も鍛錬は続けないといけないな。
~~母Side~~
ジュンイチが彼女と言ってジェニファーさんを紹介してきたときは驚いたわね。今まで全くと言っていいほど女の子の影すらなかったのに、いきなりあんなかわいい子を連れてくるなんてね。しかもジェニファーさんは結婚前提で考えているみたいだし・・・。
二人の出会いについてはどうもおかしな事が多いけど、まあ何か悪いことをやった訳でもないから気にしなくていいわよね。話す気があるならいつか話してくれるでしょう。
ジェニファーさんの家柄は問題ないというか、問題がありすぎるというか・・・まあそこは二人の事だから特に気にしなくてもいいかしらね。ご両親もお金持ちみたいだけど、傲慢なところもなかったから良かったわ。日本人と言うことにも気にしていないようだったからね。
玲奈もジェニファーさんのことはかなり気に入っているみたいだし、仲良くやっているみたいだからそっちも問題ないわね。まあジュンイチと絶対に結婚してもらうように言い切っていたのはある意味怖かったわ。
ただやっぱり気になるのはあの二人の距離感なのよね・・・。私達でもあんな感じになるのは何年もかかったくらいなのに、どう考えても付き合いだしたばかりという雰囲気じゃないのよねえ。
夕べも普通に同じベッドで寝ていたくらいだし、心配になって確認に行ったけど特に変なこともするわけでもなく寝入っていたからね。宿でも普通に二人で一緒の部屋に泊まろうとしていたくらいだし、ジェニファーさんもそれが普通という感じに思っていたようなのよね。
あえて指摘はしなかったけど、朝も二人で温泉に入っていたようなのよね。あまり話は聞き取れなかったけど、前にも同じような温泉に入っていたようなことを言っていたのよね。二人だけでこっそり旅行とか行っていたのかしら?それでも一緒にお風呂に入るというのをお互いに受け入れているというのがちょっとね・・・。
まあそのあたりはちゃんとわきまえているようだからあまり突っ込まないけど、避妊はちゃんとしてほしいわよね。そのへんはちゃんと教育していたから分かっているとは思うけど・・・。
30
あなたにおすすめの小説
異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』
アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた
【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。
カクヨム版の
分割投稿となりますので
一話が長かったり短かったりしています。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ
壬黎ハルキ
ファンタジー
それは、少年が高校を卒業した直後のことだった。
幼なじみでお嬢様な少女から、夕暮れの公園のど真ん中で叫ばれた。
「知らない御曹司と結婚するなんて絶対イヤ! このまま世界の果てまで逃げたいわ!」
泣きじゃくる彼女に、彼は言った。
「俺、これから異世界に移住するんだけど、良かったら一緒に来る?」
「行くわ! ついでに私の全部をアンタにあげる! 一生大事にしなさいよね!」
そんな感じで駆け落ちした二人が、異世界でのんびりと暮らしていく物語。
※2019年10月、完結しました。
※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる