229 / 304
第十四章
648:「判定者とその支援者」の誕生
しおりを挟む
シトリとセリカが出会ってから二年、情報収集に当たっていた二人に協力を申し出た青年がいた。
インデスト在住で仕事の関係で数ヶ月に一度ポータル・シティを訪れるというその青年は、インデストで勢力を伸ばしつつある「EMいのちの守護者の会」の活動に疑問を抱いているとのことであった。
セリカやシトリは当初この青年を警戒していたが、「ミクモ工芸」の事件のことを知っていること、「EMいのちの守護者の会」に疑いを持っていることなどから、彼の申し出を受け入れることに決めた。
この青年こそが後に「ゴールド」のコードネームを得るセイガ・ブナイであった。
ブナイは事件に関係したとされる者の情報を数多く提供した。
容疑者の多くは現在インデストに在住しており、その大部分が鉄鉱石の採掘関係の仕事に就いていた。
インデストで「ミクモ工芸」の事件のことが語られることは皆無に等しく、事件の容疑者たちも安心して過ごすことができるのだろう、というのがブナイの見解であった。
インデストでの情報が集まる一方、シトリの計画のほうに大きな問題が発生した。
ジューリックス社社長のナベシマが体調を崩し、会社に顔を出す回数が減ってきたのだ。
事件の生存者の残りふたりは見つかっておらず、シトリのジューリックス社における立場も社に影響を与えられる水準には達していない。
また、ナベシマを問い質すための情報も不足しているという状況では、ナベシマと直接対峙するというわけにもいかなかった。
それでもセリカやシトリは精力的に情報を収集し、ひとつの重大な成果を得た。
ナベシマの姿が事件の日、それもまさに「ミクモ工芸」に火災が発生しているタイミングで「ミクモ工芸」の敷地内にあったという情報を掴んだのである。
それは、事件を目撃した周辺の住民が撮影した映像を入手するところから始まった。
事件の映像は被害者や周辺住民の感情を考慮して、という理由でエクザロームのあらゆる場所から隠されてきた。
セリカは撮影者を調べ、直接本人と接触して残された当時の映像を入手していった。
事件の関係者を警戒させないよう、接触は可能な限り間隔や場所を離して行ったため、時間を要した。
集められた映像を詳細に分析し、ついに「ミクモ工芸」の敷地内にナベシマの姿が映っている場面を発見したのである。
一秒半ほどの短い時間ではあるが、炎の中から建物の影に身を隠そうと走るナベシマの姿が認められた。
シトリはこの映像をもって、ナベシマを問い質したいとセリカに訴えた。
他の生存者の意思が確認できていないが、ナベシマの状況を考えれば時間がないと、セリカも渋々ながらシトリの行動を許した。
セリカ自身は事件の被害者ではない。
事件に対してナベシマを問い質す権利があるのは被害者であるシトリであって、自分自身ではない、ということをセリカは自らに強く言い聞かせていたのである。
結局、シトリとナベシマの対談は実現しなかった。
対談を申し込む直前のLH四八年一月、ジューリックス社創業社長のタカヒデ・ナベシマは病気のため七八年にわずかに足りない生涯を閉じたのであった。
ナベシマの死後もセリカとシトリは精力的に情報収集を続けた。
問い質すべき相手は一人減ったが、事件に関与したのはナベシマ一人ではないからだ。
事件から二〇年近く経過していたこともあり、事件の関係者でナベシマのようにこの世を去る者も出始めていた。
ブナイは事件の関係者とされる人物のうち亡くなった者を調査し、事件の現場で指揮を取ったのがナベシマらしいという情報を掴んだ。
LH四九年に入って、シトリは活動の拠点をインデストの近くにすることを提案してきた。
事件の関係者の多くが現在インデストに居住していること、ナベシマの死によりシトリ自身がジューリックス社に残る意味がなくなったこと、などが理由であった。
LH四九年五月末、レイカ・メルツの退職の約一ヵ月後、ミア・シトリはジューリックス社を去った。
実際にインデストに活動拠点を移したのは、LH五〇年に入ってからである。
活動拠点や資金の準備に時間を要したためであり、同時に三人での活動には限界を感じ始めた。
(私たちの賛同者を増やさないと……)
そこでセリカ、シトリ、ブナイの三人は密かに彼らの活動の協力者を募った。
最初に協力を申し出たのは、ミブヤという農家の青年であった。
「貴女方の活動の意義は理解します。ただ、俺は事件に関係のない農夫なので、活動のための場所は提供するけど、それ以外はちょっと勘弁してもらえないでしょうか?」
シトリが仕事を辞め資金の調達手段が限られていたこともあり、三人はミブヤの協力を受け入れた。
こうして、三人はインデスト郊外で活動のための拠点を得ることができたのである。
ブナイがひとつの情報を得てセリカとシトリのもとにやってきたのは、拠点での活動がようやく軌道に乗り出したLH五一年の年初であった。
三人目の生存者の氏名が判明したのである。
ブナイは事件当時、「ミクモ工芸」から数百メートルほど離れた区画に住んでいたらしい。
その後インデストに家族で移住したのとのことだが、同時期に移住した者の知り合いに三人目の生存者を知る者がいたとのことであった。
「ムツキ・カヤノという女性です。年は恐らくシトリさんのひとつか二つ下だと思われます。事件の後、親戚に引き取られたそうですが……」
それを聞いたセリカは早速ムツキ・カヤノについての情報を調べ始めた。
この時期はサン・アカシが「OP社グループ労働者組合」の設立と「タブーなきエンジニア集団」との共闘を宣言したのと前後しており、エイチ・ハドリ率いる「OP社治安改革部隊」がインデストに侵攻してくるのではないか、という噂が立ち始めていた。
このため情報収集よりも自らの身を守ることが優先され、情報収集の活動も限られたものとなっていた。
ハドリが行方不明となり、インデストの情勢が落ち着きだしたLH五一年六月、ムツキ・カヤノがインデスト郊外に住んでいることが判明した。
セリカとシトリが彼女を訪ねたのは六月の下旬である。
その時、彼女は活動に乗り気ではなかったが、セリカとシトリの根気強い説得により彼女も活動に参加することを承諾したのであった。
これと時期を同じくしてブナイが協力者を何人か集めてきた。
事件の被害者の生き残りが二人、そして一〇名ほどの協力者が集まったところで、セリカは「ミクモ工芸」の事件を裁くための団体の設立を提案した。
ここに「判定者とその支援者」が誕生し、彼らが互いのことを名前ではなくコードネームで呼ぶようになったのである。
セリカがアレク、シトリがダイヤ、ブナイはゴールドのコードネームを得た。
二人目の生き残りであったカヤノのコードネームはサファイアであった。
こうして彼らは「判定者とその支援者」として活動を始めた。
ただ、この時点において彼らが一枚岩であった、というわけではなかった。
「EMいのちの守護者の会」を真の黒幕と考えるアレクことセリカに対し、ダイヤことシトリは「EMいのちの守護者の会」は単なる集金団体と考えている節があった。
自分は事件の被害者ではない、とアレクがダイヤの意思を優先したため、二人が対立することはなかったが、組織としてはやや危険を孕んでいたことは否めない。
しかし、インデスト郊外で組織として立ち上がったことで得られたものも少なくなかった。
関係者が多く居住していることで情報が多かったことは、彼らにとって何よりもありがたかったのだ。
インデスト在住で仕事の関係で数ヶ月に一度ポータル・シティを訪れるというその青年は、インデストで勢力を伸ばしつつある「EMいのちの守護者の会」の活動に疑問を抱いているとのことであった。
セリカやシトリは当初この青年を警戒していたが、「ミクモ工芸」の事件のことを知っていること、「EMいのちの守護者の会」に疑いを持っていることなどから、彼の申し出を受け入れることに決めた。
この青年こそが後に「ゴールド」のコードネームを得るセイガ・ブナイであった。
ブナイは事件に関係したとされる者の情報を数多く提供した。
容疑者の多くは現在インデストに在住しており、その大部分が鉄鉱石の採掘関係の仕事に就いていた。
インデストで「ミクモ工芸」の事件のことが語られることは皆無に等しく、事件の容疑者たちも安心して過ごすことができるのだろう、というのがブナイの見解であった。
インデストでの情報が集まる一方、シトリの計画のほうに大きな問題が発生した。
ジューリックス社社長のナベシマが体調を崩し、会社に顔を出す回数が減ってきたのだ。
事件の生存者の残りふたりは見つかっておらず、シトリのジューリックス社における立場も社に影響を与えられる水準には達していない。
また、ナベシマを問い質すための情報も不足しているという状況では、ナベシマと直接対峙するというわけにもいかなかった。
それでもセリカやシトリは精力的に情報を収集し、ひとつの重大な成果を得た。
ナベシマの姿が事件の日、それもまさに「ミクモ工芸」に火災が発生しているタイミングで「ミクモ工芸」の敷地内にあったという情報を掴んだのである。
それは、事件を目撃した周辺の住民が撮影した映像を入手するところから始まった。
事件の映像は被害者や周辺住民の感情を考慮して、という理由でエクザロームのあらゆる場所から隠されてきた。
セリカは撮影者を調べ、直接本人と接触して残された当時の映像を入手していった。
事件の関係者を警戒させないよう、接触は可能な限り間隔や場所を離して行ったため、時間を要した。
集められた映像を詳細に分析し、ついに「ミクモ工芸」の敷地内にナベシマの姿が映っている場面を発見したのである。
一秒半ほどの短い時間ではあるが、炎の中から建物の影に身を隠そうと走るナベシマの姿が認められた。
シトリはこの映像をもって、ナベシマを問い質したいとセリカに訴えた。
他の生存者の意思が確認できていないが、ナベシマの状況を考えれば時間がないと、セリカも渋々ながらシトリの行動を許した。
セリカ自身は事件の被害者ではない。
事件に対してナベシマを問い質す権利があるのは被害者であるシトリであって、自分自身ではない、ということをセリカは自らに強く言い聞かせていたのである。
結局、シトリとナベシマの対談は実現しなかった。
対談を申し込む直前のLH四八年一月、ジューリックス社創業社長のタカヒデ・ナベシマは病気のため七八年にわずかに足りない生涯を閉じたのであった。
ナベシマの死後もセリカとシトリは精力的に情報収集を続けた。
問い質すべき相手は一人減ったが、事件に関与したのはナベシマ一人ではないからだ。
事件から二〇年近く経過していたこともあり、事件の関係者でナベシマのようにこの世を去る者も出始めていた。
ブナイは事件の関係者とされる人物のうち亡くなった者を調査し、事件の現場で指揮を取ったのがナベシマらしいという情報を掴んだ。
LH四九年に入って、シトリは活動の拠点をインデストの近くにすることを提案してきた。
事件の関係者の多くが現在インデストに居住していること、ナベシマの死によりシトリ自身がジューリックス社に残る意味がなくなったこと、などが理由であった。
LH四九年五月末、レイカ・メルツの退職の約一ヵ月後、ミア・シトリはジューリックス社を去った。
実際にインデストに活動拠点を移したのは、LH五〇年に入ってからである。
活動拠点や資金の準備に時間を要したためであり、同時に三人での活動には限界を感じ始めた。
(私たちの賛同者を増やさないと……)
そこでセリカ、シトリ、ブナイの三人は密かに彼らの活動の協力者を募った。
最初に協力を申し出たのは、ミブヤという農家の青年であった。
「貴女方の活動の意義は理解します。ただ、俺は事件に関係のない農夫なので、活動のための場所は提供するけど、それ以外はちょっと勘弁してもらえないでしょうか?」
シトリが仕事を辞め資金の調達手段が限られていたこともあり、三人はミブヤの協力を受け入れた。
こうして、三人はインデスト郊外で活動のための拠点を得ることができたのである。
ブナイがひとつの情報を得てセリカとシトリのもとにやってきたのは、拠点での活動がようやく軌道に乗り出したLH五一年の年初であった。
三人目の生存者の氏名が判明したのである。
ブナイは事件当時、「ミクモ工芸」から数百メートルほど離れた区画に住んでいたらしい。
その後インデストに家族で移住したのとのことだが、同時期に移住した者の知り合いに三人目の生存者を知る者がいたとのことであった。
「ムツキ・カヤノという女性です。年は恐らくシトリさんのひとつか二つ下だと思われます。事件の後、親戚に引き取られたそうですが……」
それを聞いたセリカは早速ムツキ・カヤノについての情報を調べ始めた。
この時期はサン・アカシが「OP社グループ労働者組合」の設立と「タブーなきエンジニア集団」との共闘を宣言したのと前後しており、エイチ・ハドリ率いる「OP社治安改革部隊」がインデストに侵攻してくるのではないか、という噂が立ち始めていた。
このため情報収集よりも自らの身を守ることが優先され、情報収集の活動も限られたものとなっていた。
ハドリが行方不明となり、インデストの情勢が落ち着きだしたLH五一年六月、ムツキ・カヤノがインデスト郊外に住んでいることが判明した。
セリカとシトリが彼女を訪ねたのは六月の下旬である。
その時、彼女は活動に乗り気ではなかったが、セリカとシトリの根気強い説得により彼女も活動に参加することを承諾したのであった。
これと時期を同じくしてブナイが協力者を何人か集めてきた。
事件の被害者の生き残りが二人、そして一〇名ほどの協力者が集まったところで、セリカは「ミクモ工芸」の事件を裁くための団体の設立を提案した。
ここに「判定者とその支援者」が誕生し、彼らが互いのことを名前ではなくコードネームで呼ぶようになったのである。
セリカがアレク、シトリがダイヤ、ブナイはゴールドのコードネームを得た。
二人目の生き残りであったカヤノのコードネームはサファイアであった。
こうして彼らは「判定者とその支援者」として活動を始めた。
ただ、この時点において彼らが一枚岩であった、というわけではなかった。
「EMいのちの守護者の会」を真の黒幕と考えるアレクことセリカに対し、ダイヤことシトリは「EMいのちの守護者の会」は単なる集金団体と考えている節があった。
自分は事件の被害者ではない、とアレクがダイヤの意思を優先したため、二人が対立することはなかったが、組織としてはやや危険を孕んでいたことは否めない。
しかし、インデスト郊外で組織として立ち上がったことで得られたものも少なくなかった。
関係者が多く居住していることで情報が多かったことは、彼らにとって何よりもありがたかったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる