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第十五章
683:ヘンミの秘策
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OP社には押し寄せてきた市民団体の話を聞く準備があった。
少なくともノブヤ・ヤマガタがトップに立ってからは、こうした外部からの提案についても誠意を持って話し合いに応じていた。
それらの多くは、OP社の現在の能力では実現不可能であったり、現状を正しく把握できていないために意味がないものであった。それでも話を聞く姿勢は崩していなかったのだ。
今回もOP社は市民団体の話を聞く準備を整えて待っていた。
それが突然暴徒と化したデモ隊が本社内に侵入し、破壊の限りを尽くしていたのだからOP社の驚きも大きかった。
更に専門家チームのメンバーが明らかになった直後、OP社経営陣に激震が走った。
コウ・ホウノは海洋調査隊運営代行会社の役員であり、ハドリがトップの時代は「OP社治安改革部隊」が捕らえた犯罪者を海洋調査隊送りにする際にやり取りしていた相手であった。
そして、海流発電の研究所を運営するアタル・マタゴは、OP社が発電事業に乗り出した際、技術指導を行っていた者だったのだ。
今までこの両名が市民団体に与したという情報は一切無く、むしろOP社寄りの人物だと思われていた。
それが、今こうしてOP社本社に乗り込んできたのだ。
OP社からは社長のノブヤ・ヤマガタ、発電事業部長のアキヨシ・タノダ、総務部長のテツヤ・ヘンミが交渉のテーブルに着いた。
公には明かされていなかったが、この時点でヤマガタの身体は末期癌に侵されており、余命いくばくもない状況であった。
OP社にも社長を交代させたいという意思はあったが、ヤマガタが病を公表することを拒んだこと、そして「責任を全うするまで逃げることは許されない」という世論に押されて実現できずにいた。
普段、ヤマガタは社長室近くの個室で医師に付き添われてほぼ寝たきりの状態であったが、必要に応じてベッドから社長室へと移動していた。
ヤマガタに付き添っているタノダやヘンミからは、ヤマガタの姿はとても見られたものではなかった。
「結局、社長は死ぬまで世間から許されないのか。恐ろしいことだな、ヘンミ部長」
「そうですね。決して許されざる者を作って世間はそれを死ぬまで叩き、死ねば許されざる者としてそれをポイと捨てる、世間というのはそのように残酷で恐ろしいものなのかもしれません」
「社長の次は我々、か」
社長室に向かう途中、タノダとヘンミはこのような言葉を交わしていた。
ヘンミは一瞬、古巣であるECN社の助力を仰ごうかと考えたが、すぐにその考えを捨てた。
現在のトップであるミヤハラとヘンミは一時期上司と部下の関係にあった。
そして、両者が所属するタスクユニットのトップが故ウォーリー・トワであった。
ミヤハラはウォーリーに付き従い「タブーなきエンジニア集団」に身を投じたが、ウォーリーの業務の進め方を好まなかったヘンミはECN社に残る選択をした。
その影響かウォーリーの影響が強いと思われるミヤハラの助力を仰ぐ気にはなれなかったのだ。
交渉のテーブルに着くにあたって、OP社はデモ隊に破壊活動と従業員への暴力を止めるよう強く抗議した。
数の上ではOP社の従業員のほうがやや多いのだが、OP社の従業員が破壊活動や暴力を止めようとすると逆にデモ隊の方が暴力を振るわれたと大げさに訴えるため、思うようにこれらを止められずにいた。
これを知ったヤマガタは「リスク管理研究所」と連絡を取り、交渉への同席を求めたが、相手側の回答は素っ気なかった。
「OP社さんの問題なのですから、ご自身で解決なさるべきです。部外者の我々を同席させれば、自社に当事者能力が無いことを相手に知らしめることになります」
ヤマガタはせめて対応方針のアドバイスはないか、と尋ねた。
すると代表のトニー・シヴァは、次のように答えた。
「奴らは、OP社の現状も知らず机上の空論を並べているだけです。そんな奴らの相手をするより、経営者として先にすることがあるでしょう。奴らがいい手法を持っているならOP社に頼らずに奴ら自身でやればいい」
トニーのこの回答には一理ある。
現在のOP社のリソースでは、まさに今必要とされている最低限の発電量を確保するのが精一杯であり、これを維持することが最も強く求められている。
発電量の増加も必要であるが、こちらは必要最低限の発電量を確保するためのリソースとは異なるリソースで対応すべきである。
トニーの見解を要約すると、このようになる。
これは「リスク管理研究所」が公開しているレポートでも、繰り返し述べられていることであった。
しかし、現在のOP社は発電量を維持する活動に専念できない状況にあった。
デモ隊の突入により、発電設備の管理と送電に支障が出始めたのだ。
デモ隊による破壊活動や暴力は、これらの業務を行う人員や設備にも及んだのである。
これにより、ポータル・シティ周辺では工場の業務がストップしたり、鉄道が一部運休するなどの影響が出た。
影響を受けた者の一部がOP社本社に殺到したため、OP社の混乱は更にひどくなった。
こうなるとデモ隊の要求を突っぱねるどころではなくなる。
デモ隊突入から一時間半後、OP社幹部はデモ隊に連れられた専門家チームとの交渉を持つという決断を下した。
専門家チームのいう「新手法」は、発電機器のメンテナンス方法と発電技術者及びそのシフト管理の内容を変更するものであった。
発電機器のメンテナンスを陸上ではなく海中で行う、という点に目新しさはあったものの、それ以外は既にOP社で散々検討されたが、人員に余力がなく断念された内容であった。
ただし、専門家チームからの提案には、不足する人員についてデモ隊の参加者を充当して対応する、という内容も含まれていた。
デモ隊の参加者は、ほぼ全員が発電技術の素人であり、この案に対して現場の発電技術者の反発は必至である。
だが、ヤマガタの体調や本社の状況を考えると交渉に時間はかけられない。
半ば暴徒と化して本社に突入したデモ隊であったが、その報道がなされてなお、世論はOP社に味方していない様子であったことも、決着を急ぐ要因となった。
ここでヘンミは一計を案じた。
OP社の発電技術者をふたつのグループに分け、片方のグループにのみ「新手法」を導入し、導入した側と従来の手法の側との発電量の公開比較を行う、と提案したのである。
驚いたタノダが制止しようとしたが、デモ隊の専門家チームが乗ってきたため、ヘンミの提案どおり、発電手法の公開比較が行われることとなった。どうにかこれで交渉は決着したのであった。
少なくともノブヤ・ヤマガタがトップに立ってからは、こうした外部からの提案についても誠意を持って話し合いに応じていた。
それらの多くは、OP社の現在の能力では実現不可能であったり、現状を正しく把握できていないために意味がないものであった。それでも話を聞く姿勢は崩していなかったのだ。
今回もOP社は市民団体の話を聞く準備を整えて待っていた。
それが突然暴徒と化したデモ隊が本社内に侵入し、破壊の限りを尽くしていたのだからOP社の驚きも大きかった。
更に専門家チームのメンバーが明らかになった直後、OP社経営陣に激震が走った。
コウ・ホウノは海洋調査隊運営代行会社の役員であり、ハドリがトップの時代は「OP社治安改革部隊」が捕らえた犯罪者を海洋調査隊送りにする際にやり取りしていた相手であった。
そして、海流発電の研究所を運営するアタル・マタゴは、OP社が発電事業に乗り出した際、技術指導を行っていた者だったのだ。
今までこの両名が市民団体に与したという情報は一切無く、むしろOP社寄りの人物だと思われていた。
それが、今こうしてOP社本社に乗り込んできたのだ。
OP社からは社長のノブヤ・ヤマガタ、発電事業部長のアキヨシ・タノダ、総務部長のテツヤ・ヘンミが交渉のテーブルに着いた。
公には明かされていなかったが、この時点でヤマガタの身体は末期癌に侵されており、余命いくばくもない状況であった。
OP社にも社長を交代させたいという意思はあったが、ヤマガタが病を公表することを拒んだこと、そして「責任を全うするまで逃げることは許されない」という世論に押されて実現できずにいた。
普段、ヤマガタは社長室近くの個室で医師に付き添われてほぼ寝たきりの状態であったが、必要に応じてベッドから社長室へと移動していた。
ヤマガタに付き添っているタノダやヘンミからは、ヤマガタの姿はとても見られたものではなかった。
「結局、社長は死ぬまで世間から許されないのか。恐ろしいことだな、ヘンミ部長」
「そうですね。決して許されざる者を作って世間はそれを死ぬまで叩き、死ねば許されざる者としてそれをポイと捨てる、世間というのはそのように残酷で恐ろしいものなのかもしれません」
「社長の次は我々、か」
社長室に向かう途中、タノダとヘンミはこのような言葉を交わしていた。
ヘンミは一瞬、古巣であるECN社の助力を仰ごうかと考えたが、すぐにその考えを捨てた。
現在のトップであるミヤハラとヘンミは一時期上司と部下の関係にあった。
そして、両者が所属するタスクユニットのトップが故ウォーリー・トワであった。
ミヤハラはウォーリーに付き従い「タブーなきエンジニア集団」に身を投じたが、ウォーリーの業務の進め方を好まなかったヘンミはECN社に残る選択をした。
その影響かウォーリーの影響が強いと思われるミヤハラの助力を仰ぐ気にはなれなかったのだ。
交渉のテーブルに着くにあたって、OP社はデモ隊に破壊活動と従業員への暴力を止めるよう強く抗議した。
数の上ではOP社の従業員のほうがやや多いのだが、OP社の従業員が破壊活動や暴力を止めようとすると逆にデモ隊の方が暴力を振るわれたと大げさに訴えるため、思うようにこれらを止められずにいた。
これを知ったヤマガタは「リスク管理研究所」と連絡を取り、交渉への同席を求めたが、相手側の回答は素っ気なかった。
「OP社さんの問題なのですから、ご自身で解決なさるべきです。部外者の我々を同席させれば、自社に当事者能力が無いことを相手に知らしめることになります」
ヤマガタはせめて対応方針のアドバイスはないか、と尋ねた。
すると代表のトニー・シヴァは、次のように答えた。
「奴らは、OP社の現状も知らず机上の空論を並べているだけです。そんな奴らの相手をするより、経営者として先にすることがあるでしょう。奴らがいい手法を持っているならOP社に頼らずに奴ら自身でやればいい」
トニーのこの回答には一理ある。
現在のOP社のリソースでは、まさに今必要とされている最低限の発電量を確保するのが精一杯であり、これを維持することが最も強く求められている。
発電量の増加も必要であるが、こちらは必要最低限の発電量を確保するためのリソースとは異なるリソースで対応すべきである。
トニーの見解を要約すると、このようになる。
これは「リスク管理研究所」が公開しているレポートでも、繰り返し述べられていることであった。
しかし、現在のOP社は発電量を維持する活動に専念できない状況にあった。
デモ隊の突入により、発電設備の管理と送電に支障が出始めたのだ。
デモ隊による破壊活動や暴力は、これらの業務を行う人員や設備にも及んだのである。
これにより、ポータル・シティ周辺では工場の業務がストップしたり、鉄道が一部運休するなどの影響が出た。
影響を受けた者の一部がOP社本社に殺到したため、OP社の混乱は更にひどくなった。
こうなるとデモ隊の要求を突っぱねるどころではなくなる。
デモ隊突入から一時間半後、OP社幹部はデモ隊に連れられた専門家チームとの交渉を持つという決断を下した。
専門家チームのいう「新手法」は、発電機器のメンテナンス方法と発電技術者及びそのシフト管理の内容を変更するものであった。
発電機器のメンテナンスを陸上ではなく海中で行う、という点に目新しさはあったものの、それ以外は既にOP社で散々検討されたが、人員に余力がなく断念された内容であった。
ただし、専門家チームからの提案には、不足する人員についてデモ隊の参加者を充当して対応する、という内容も含まれていた。
デモ隊の参加者は、ほぼ全員が発電技術の素人であり、この案に対して現場の発電技術者の反発は必至である。
だが、ヤマガタの体調や本社の状況を考えると交渉に時間はかけられない。
半ば暴徒と化して本社に突入したデモ隊であったが、その報道がなされてなお、世論はOP社に味方していない様子であったことも、決着を急ぐ要因となった。
ここでヘンミは一計を案じた。
OP社の発電技術者をふたつのグループに分け、片方のグループにのみ「新手法」を導入し、導入した側と従来の手法の側との発電量の公開比較を行う、と提案したのである。
驚いたタノダが制止しようとしたが、デモ隊の専門家チームが乗ってきたため、ヘンミの提案どおり、発電手法の公開比較が行われることとなった。どうにかこれで交渉は決着したのであった。
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