「ラメミリアの至宝」アリーナを去る(「Lilus(リーラス) ~意志によらぬ力を競え!~」外伝)

空乃参三

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二〇七五年一二月二〇日

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 こんにちは。こちらではお久しぶりになりますね、レスコス・テラーサです。
 私のコラムが「ド・リーラス」に移ってからもうすぐ一七年になります。

 こちらのリーラス運営会社の公式サイトで記事を書くのは二〇五八年の一二月二一日以来です。
 始めましての皆さん、おまえは誰だ? と思われているかもしれません。

 私はリーラス運営会社広報部異世界課に所属する社員のレスコス・テラーサと言います。
 オルト・ノイテス選手、ナルティス・ライズ選手の会社派遣マネージャーでもあります。
 「ド・リーラス」では二選手の近況などをお伝えするコラムを書いています。

 「ド・リーラス」の読者の皆さん、今回はこちらで記事を書かせていただくことになりました。よろしくお願いします。

 あと、会社のサイトで私のコラムを読まれていて、「ド・リーラス」にアクセスされていない皆様は……大変お久しぶりです。
 所属部署が違うじゃないか? と思われるかもしれませんが、七年前に広報部に異動し、新設された異世界課に配属されました。
 会社派遣マネージャーはずっと続けていますので人事管理部選手管理課マネージャー班兼務は変わっていません。

 長くなりましたが、今回のコラムについて説明いたします。

 「ラメミリアの至宝」の異名を持つリーラス界きっての名手、ゼリオン・アークトゥース選手が本日のグランド・ファイナル・グランプリを最後にそのキャリアを終えることになりました。
 アークトゥース選手の最後の戦いをお伝えするために、私が日本向けのコラム記事を書くことになった次第です。
 私どもリーラス運営会社では、シャンロス共通語、日本語以外のムンダスの言語など全一四ヵ国語でアークトゥース選手の最後の戦いをお伝えします。その日本語版の担当が私、ということになります。

 皆さんよくご存じだと思いますが、改めてゼリオン・アークトゥース選手の紹介です。
 ラメミリア共和国アネン地区の出身のキーべリ族の男性で、その姓が示す通り故事で知られるエア・セルの一族になります。
 選手コードは〇三六-〇一。
 二〇三六年に一九歳でデビューして現在四〇年目の五九歳。
 昨日までに通算二三九六戦三〇二勝。勝率一二.六パーセント。Sランク競技三五勝。
 年間最多勝四回、年間ランキング一位七回を誇ります。
 これらの記録のうち、通算出場回数と年間最多勝の回数を除く数字は全て史上最高です。
 特に優れているのが通算勝利回数と、勝率、Sランク競技の勝利数です。

 通算勝利数では、二位の選手が二五七勝、三位が二五三勝ですから、ダントツの一位です。
 また勝率も八パーセントを超えると超一流と言われる中、通算二〇〇〇回以上出場している選手の中では唯一の一〇パーセント超えです。
 Sランク競技も二位の選手の勝利数が二〇勝ですので、その差が大きいことは理解できると思います。

 アークトゥース選手最後の戦いをお伝えする前に、「ド・リーラス」をご覧になられていない方のために私が担当する二選手のことをちょっとだけお伝えしておきます。

 まずはオルト・ノイテス選手 (選手コード:〇五二-一一)
 リーラスの会場であるドラリス・リーラス・アリーナ向かいのスーパーマーケット「イグファ」に勤務する二足の草鞋を履く四六歳の男性選手です。
 会社のサイトでコラムを書いていた二〇五八年は惜しくもクラスⅢ昇格を逃してしまいましたが、翌年のSランク競技クロス・スペシャリストに出場して三位と健闘し、二〇六〇年に晴れてクラスⅢ昇格を果たしました。
 その後はクロス競技に強い選手としてクラスⅡを五年、クラスⅢを九年経験します。
 そして昨年、一二度目の挑戦で念願のSランク競技クロス・スペシャリスト制覇を果たします。
 このときは「クロス帝」の二つ名を持つバルサト・ノーラ選手、アークトゥース選手との激闘を制したのですが、「クロス・スペシャリスト史上最高の戦い」との呼び声も高い一戦でした。
 それまで二位五回、三位三回のうっぷんを晴らすような戦いぶりは、今でも私の目に焼きついています。
 そして今年━━
 グランド・ファイナル・グランプリ開始前の年間ランキングが二九位になりました。
 グランド・ファイナル・グランプリの結果次第ですが、来年、自身初となるクラスⅠ昇格を目前にしています。

 次にナルティス・ライズ選手 (選手コード:〇四九-〇三)
 こちらはかなり有名な選手ですのでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。「閃きナル」「閃きのライズ」の二つ名で知られる四九歳の男性選手。
 二〇五八年に自身初のSランク競技スピードスターズを制覇し、この年のグランド・ファイナル・グランプリでも三位に入り、初のトップ一〇入りを果たします。
 そして、二〇六一年に建国杯、二〇六五年に二度目のスピードスターズ、二〇七一年には九度目の挑戦にして初のグランド・ファイナル・グランプリを制覇しました。二〇七一年には自身最高となる年間ランキング二位となっています。
 残念ながら今年のグランド・ファイナル・グランプリへの出場は果たせませんでしたが、年間ランキングは現時点で一四位で、来年のクラスⅠ残留を確定させています。

※※
 
 一二月二〇日一八時四〇分。
 リーラスの年間最後の競技であり、この日の第一二競技となるグランド・ファイナル・グランプリがいよいよ開幕です!
 私レコも担当しているノイテス、ライズ両選手とともにステージ脇のマネージャー用ブースにて観戦です。

 出場する選手は次の通りです。



 ブース番号順に選手を紹介します。

 一番ブースのアークトゥース選手は先ほど紹介しましたが、最終年となる今年も現時点でランキングトップとなっています。
 有終の美を飾れるか?

 二番ブースのバルサト・ノーラ選手は、お母さんのトゥーレイラ・ノーラ選手もアークトゥース選手に次ぐ勝率を誇る名選手でした。
 貪欲に勝利を求めるトゥーレイラ選手に対し、息子のバルサト選手は「クロス帝」と呼ばれるほどのクロス競技の強豪で、過去三回クロス・スペシャリストを制しています。
 昨年は自身初のグランド・ファイナル・グランプリ制覇と年間ランキング一位を獲得し、今まさに脂ののっている選手です。

 三番ブースのアミ・ウルル選手は、クラスⅠの常連です。Sランク競技は二〇六五年の建国杯を勝利しており、この年は年間ランキング一位も達成しています。
 また、今年は現在一二勝を挙げており、最多勝が確定しています。
 グランド・ファイナル・グランプリは一二回目の出場となります。過去最高位は三位。自己最高位の更新なるか?

 四番ブースのコムス・モーリ選手は二〇五七年、二〇六〇年の二回フレッシャーズ・カップを制した選手です。
 今まで他にフレッシャーズ・カップを二度制覇した選手はいません。
 グランド・ファイナル・グランプリは四度目の出場になります。

 五番ブースのカオニナ・マナマ選手は大物食いで知られる女性選手。
 Sランク競技通算一二勝はアークトゥース選手、引退した「リーラスの王様」スエッソ・アキナダ選手に次ぐ史上三位です。
 年間ランキングの最高は三位ですが、今年は初の年間ランキング一位を目指します。

 六番ブースのセリヤ選手はそのスエッソ・アキナダ選手の長女の娘さん、すなわちアキナダ選手のお孫さんに当たる選手です。
 血統だけではなく実力も兼ね備えており、六年目の今年はランキングでのグランド・ファイナル・グランプリ出場を果たしました。
 今日は観客席にお祖父さんのアキナダ選手の姿もあります。八〇歳を超えていますが、まだまだお元気なようです。

 七番ブースからは投票での出場者となります。

 七番ブースのピエルコ選手は主に女性とお子さんに人気の選手です。
 リーラス史上初の着ぐるみの選手で、今日は自身がCM出演しているコルメ客船社のイメージキャラクターの着ぐるみでの登場です。
 ちなみに、ルール上は顔と片手が外に出ていれば着ぐるみの着用は問題ありません。

 八番ブースのコウヅネ選手はリーラス初の日本人選手です! このコラムが日本語で書かれるきっかけとなったのが彼女という説もあります。
 大学四年生のときに新人選手選抜競技にて選手に選ばれ、翌年にデビューしました。

 九番ブースのシャニ選手は今年の建国杯とサマートーナメントを制した選手。
 一一月末時点のランキングは七位でランキングでの出場を逃しましたが、投票での出場を果たしました。今回がグランド・ファイナル・グランプリ初出場となります。

 一〇番ブースのロハル選手は今年の一〇、一一月でAランク競技三勝を挙げました。
 Sランク競技は初出場となります。現在のランキングは一一位、トップテンを狙います。

 一一番ブースのネリオ選手はアークトゥース選手と同期。彼もアークトゥース選手同様この競技が引退試合となります。
 アークトゥース選手同様、こちらも有終の美を飾れるか、注目です。

 最後は一二番ブースのベリ選手。二〇五七年のグランド・ファイナル・グランプリで二位になった選手です。Sランク競技は翌二〇五八年の新年杯を制しています。
 グランド・ファイナル・グランプリは二位が通算三回。今年こそは初の戴冠を狙います。

 ステップ一は選手紹介と同時に第一テイクを行います。
 テイク順はブース番号の大きい順です。わずか一テイクで三人の選手が脱落するという厳しい戦いです。

 これが何と波乱の幕開けとなります。
 一〇番ブースのロハル選手が二スコア、七番ブースのピエルコ選手が六スコアと二人も一桁のスコアとなる不穏な滑り出し。
 投票チームの合計スコアが二七八と低調に終わります。

 しかし、六番ブースのセリヤ選手が一六、四番ブースのモーリ選手が七とランキングチームのスコアも低調。
 ウルル選手が九七、ノーラ選手が七〇と気を吐きましたが、アークトゥース選手のテイクを残した状態でランキングチームのスコアも二四四と低い状態です。

 アークトゥース選手がここで三四未満の数字を引くと、いきなりアークトゥース選手、セリヤ選手が脱落するという事態に。

 アークトゥース選手の第一テイクは……四〇!
 低い数字ですが、これでランキングチームの合計スコアは二八四となり、辛うじてランキングチームが勝利します。
 この時点でロハル選手、ピエルコ選手、シャニ選手が脱落しました。



 ステップ二は残された九選手でのスピード戦。テイク順はコイントスによりブース番号の昇順になりました。
 ステップニに進んでも相変わらず、Ilasの流れがおかしいのか、第二テイクで一桁のスコアが頻発します。

 ちなみにグランド・ファイナル・グランプリではステップ一とステップ二ではテイク数を持ち越します。
 ステップ三と四はこのようなことがないのに、と不思議に思われる方もいると思います。私も疑問に思っていました。
 これ、二〇二一年までは現在のステップ一とステップ二を合わせてステップ一と呼んでいた時代の名残なのだそうです。

 第二テイクまでで一から一〇の数字のうち七つがテイク済みという異常事態。
 この後の波乱が予想されます。

 日本期待の星のコウヅネ選手は残念ながらステップ二で最下位の九位となり脱落。
 七位のセリヤ選手、八位のモーリ選手もここで姿を消しました。

 ステップ二終了時点の途中経過は次の通りです。



 いよいよ後半戦のステップ三に入りました。コイントスによりテイク順はブース番号の昇順に。
 ここは偶数テイクのスコアが減算されるクロス競技。
 ここでのスコアが次のステップ四に持ち越されるということあり、かなり重要なステップです。

 第三テイクを終えたところでアークトゥース、ノーラの二選手が抜け出しました。
 少し離れてマナマ選手が三位、四位はウルル選手。ネリオ選手とベリ選手は大きく離されています。

 スコアがマイナスとなる第四テイクでウルル選手が痛恨の九四を引き当ててしまい、ネリオ選手、ベリ選手とともにスコアがマイナスに突入します。

 この時点で三位のマナマ選手と四位のウルル選手のスコア差は七五。
 会場もアークトゥース、ノーラ、マナマの三選手がステップ四進出かという雰囲気になりました。

 しかし、最終の第六テイクで勝負が動きました。
 マナマ選手が九二を引き当て、このテイクで四を引き当てたネリオ選手に逆転を許してしまいます。
 この時点でマナマ選手の四位が確定してしまい、会場からは落胆のため息があがりました。

 ステップ三はノーラ選手が一位で通過、二位に六〇スコア差でアークトゥース選手、三位は更に五八スコア差でネリオ選手となり、この三選手がステップ四に進みます。

 ステップ三終了時点の途中経過は次の通りです。



 次は最後となるステップ四。コイントスによりテイク順はブース番号の降順に。
 「ラメミリアの至宝」が有終の美を飾るか? それとも「クロス帝」が初の年間ランキング一位を獲得し、世代交代を宣言するのか?
 はたまた「ラメミリアの至宝」の同期が大逆転を見せるのか?

 トップのノーラ選手と二位のアークトゥース選手のスコア差は六〇。逆転はかなり難しい状況です。
 しかし、これが「ラメミリアの至宝」の力なのか、はたまた王者になるための重圧なのかはわかりませんが、ノーラ選手がスコアを伸ばせずにいる間に徐々にアークトゥース選手が迫ってきました。
 第三テイク終了時点で両者のスコア差はわずかに四。アークトゥース選手がノーラ選手の背中を射程圏に入れました。
 一方、ネリオ選手は第二テイクで八七スコアと意地を見せましたが、第一、第三テイクのスコアが振るわず、両者から一〇〇スコア以上離されてしまいます。



 第四テイクはノーラ選手が六四スコアと大きくスコアを伸ばせなかったのに対し、アークトゥース選手は八一とここで六〇スコア差を逆転します。
 ネリオ選手も九五スコアと気を吐きましたが、アークトゥース、ノーラの二選手との差はかなりあります。

 第五テイクはIlasの流れが止まったのか、打って変わって全員スコアが冴えません。アークトゥース選手とノーラ選手の差は七スコアに縮まりました。

 そして、運命の第六テイク!
 最初のテイク順となったネリオ選手がここで会心の九九スコアを獲得!
 最終スコアを三七一とし、わずかにですが逆転優勝の可能性を残しました。
 アークトゥース選手と同期で、三つ年上の六二歳がここで最高のIlasを見せつけています。

 ネリオ選手にも優勝の目が出てきたことで、会場の雰囲気が異様なものとなりました。
 ノーラ選手が手を上から下に下げて会場に静まるようにお願いすると、一気に会場がシーンとなります。

「Bの九番」

 ノーラ選手がコールし、進行役がカードの数字を確認します。
 掲げられたカードには八五の数字が。ネリオ選手を逆転し、トップに躍り出ます。
 ネリオ選手がノーラ選手に向けて拍手を送るよう促し、会場から惜しみない拍手が送られました。

 最後のテイク順はアークトゥース選手。これがリーラス競技での最後のテイクとなります。
 会場がしんと静まり返ります。

「……Hの二番」
 アークトゥース選手がいつもと同じように淡々とした声でコールします。
 進行役がカードの数字を確認しようとしますが、手が震えていてボードからうまくカードを外せません。
 マネージャー用のブースにいる私ですら手が震えているのですから、進行役の人にかかるプレッシャーは途轍もないものだと思います。

「……八八」
 進行役が示したカードの数字は八八。アークトゥース選手がノーラ選手を一〇スコア上回りました。
 これでアークトゥース選手の優勝が決まり、二位がノーラ選手、三位がネリオ選手となりました。
 アークトゥース選手はこの勝利が今年の一二勝目となり、ウルル選手と並んで最多勝も獲得となりました。

 会場から割れんばかりの拍手と、ファーストネームである「ゼリオン」コールが地鳴りのように響いてきます。
 「ラメミリアの至宝」はトップのままアリーナを去ることが決まったのです。

 ノーラ選手がアークトゥース選手、ネリオ選手の順に握手を求めると、ステージ上の他の出場選手も同じ様にアリーナを去る二選手に握手を求めていきます。

 興奮冷めやらぬ中表彰式が行われた後、そのままアークトゥース、ネリオの二選手の合同引退セレモニーが行われます。
 合同引退セレモニーとしたのはアークトゥース選手のアイデアだったそうです。
 ここで私は両脇にいるノイテス、ライズ選手に声をかけてステージに向かいます。
 というのも事前の取り決めで、今年の年間ランキング三〇位以内の選手とグランド・ファイナル・グランプリ出場選手とでアークトゥース、ネリオ両選手を送り出すことになっていたためです。
 グランド・ファイナル・グランプリの結果次第ではノイテス選手が年間ランキング三一位になる可能性もあったのですが、結果的には三〇位に留まったためセレモニーに参加できることが決定しました。
 そのため私たちは三人でステージの上へと走りました。

 引退セレモニーでは、アークトゥース、ネリオ両選手のプロフィールと主な戦績が発表されました。
 アークトゥース選手ほどではありませんが、ネリオ選手も年間ランキング一位獲得経験があり、Sランク競技を二勝しているトップ選手です。
 しかし、アークトゥース選手の輝かしい記録と比較するとどうしても見劣りしてしまうのは仕方ないところです。

 選手コード〇三六-〇一ゼリオン・アークトゥース。
 通算成績三〇三勝、勝率一二.六パーセント、Sランク競技三六勝、年間ランキング一位八回はいずれも史上最高記録となります。
 また、年間最多勝五回は史上最多タイです。

 次に両選手の名場面、名勝負が映し出されます。
 アークトゥース選手の名場面はいくつもあるので、映し出される場面も数多いです。
 まずは繰り上がりで出場した新年杯の勝利は印象的なものでした。
 二〇五二年の年間一七勝とランキングポイント三七四はいずれも未だに破られていない大記録です。
 また、二〇六二年、二〇六三年と史上唯一の二年連続年間ランキング一位という記録もあります。
 そして今年、二〇七五年はグランド・ファイナル・グランプリ制覇と八度目の年間ランキング一位で有終の美を飾りました。

 映像の次は、選手代表としてバルサト・ノーラ選手、カオニナ・マナマ選手からアークトゥース、ネリオの二選手に花束が贈呈されました。
 そしてネリオ選手、アークトゥース選手の順で引退の挨拶となります。

 ネリオ選手は応援してくれたファンへの感謝とリーラスの楽しさを述べた後、これからもリーラスを愛して欲しいという言葉で挨拶を締めくくりました。

 アークトゥース選手は、最初にリーラス競技の創設者アルベルト・クレスラーへの感謝を述べました。
 「アネン地区だけではなくシャンロス全土と、私や周りの人々を救ってくれたクレスラーの恩を未だに返しきれていない」という言葉は特に印象的でした。
 その後にファンや選手への感謝を述べた後、最後にこう締めくくりました。
「クレスラーがリーラスを広めたおかげでシャンロスには平和が訪れ、多くの人が幸せに暮らせる世界へと変わっていっています。しかし、クレスラーが目指した場所へ到達するまでの旅の途中だと私は考えます。私はこれからもクレスラーが目指した場所をたどり着くため、リーラスの普及に務めたいと考えています。皆さん、今後ともリーラスをよろしくお願いします」
 アークトゥース選手の挨拶の後、アリーナは割れんばかりの拍手と「ゼリオン」コールが鳴り響きました。
 鳴りやまぬ拍手の中、ネリオ、アークトゥースの両選手は観客に向けて深々と頭を下げた後、ステージを後にしました。

 二選手の今後についてですが、ネリオ選手は故郷へ戻って弟さんが経営しているレストランを手伝うとのことです。
 アークトゥース選手はリーラス運営会社のアドバイザーに就任するとともに、シャンロス各国へリーラスを普及する活動を行うとのことです。

 二選手の将来が幸多いものであることを願って止みません。

 アークトゥース選手の引退試合のレポートは以上となります。ありがとうございました。
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