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第一章
精霊の種類と属性
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「わかったわ。次は『属性』ね」
アイリスの言葉からすると、イドイさんからの次の質問は精霊が持つ属性の話になるようだ。
「精霊がかかわっている何かと関係があるのでしょうか?」
「イドイさんは察しがいいわね、精霊自身がかかわりをもつ何かと属性とは密接に結びついているわ。ただ……」
「私たちの常識で物を考えるな? といったところでしょうか?」
イドイさんの目の付け所はかなり鋭い。
精霊がかかわりを持つ何かと属性とは密接に結びついているが、人間の常識とはちょっと違うところもある。
「その通り。それと精霊の属性は魂霊との相性にも密接に結びついているから、精霊界に移住するとなれば重要な要素になるわ」
「……そうなのですか! ところで人間や魂霊は属性を持つのでしょうか?」
「あると言えばあるし、ないと言えばない、というのが答えになるわね……」
「それはどのようなことでしょうか?」
「属性は『水』『火』「土』『風」『光』『闇』『時』の七つになるけど、精霊はこのうちの一つだけの属性要素を持っている。でも人間や魂霊は七つ全部を持っているのよ」
人間や魂霊と精霊の違いにもなるが、精霊は七つの属性要素のうち、一つだけを持っている。
一方、人間や魂霊は七つ全部を持っているのだ。これは、精霊から見て人間や魂霊が魅力的に見えるために必要なことらしい。
「ふむ、そうすると持っている属性要素の総量を一〇〇とした場合、精霊はどれか一つの属性要素だけを一〇〇持っていると。人間なら六つの属性要素が一〇ずつで、一つの属性要素が四〇、というようなイメージですかな?」
「そうなるわね。ただ、人間や魂霊の場合はそこまで極端な差にならないわ。一番多い属性要素で一〇〇のうちニ五を超えることはまずあり得ない」
私も前にアイリスから聞いたが、人間や魂霊は七つの属性要素を比較的バランスよく持っているのだそうだ。
その中でも割合が多い属性要素を持つ精霊と相性が良いということになる。
私の場合は水と風が多めなのだろう。
「うまくできているものなのですなぁ」
私にはどのあたりがうまくできているのかさっぱりわからないのだが、イドイさんは感心している。
「ちなみに生命を司る私は水属性。水属性を持つ精霊は動物の生命や水そのものにかかわりをもつことが多いわ」
「ということは植物とかかわりをもつ精霊は異なる属性、ということになるのですな?」
「そういうこと。こっちのメラニーはドライアドと言ったけど、ドライアドは風の属性になる。植物以外には風そのものにかかわりをもつわね」
それからアイリスは次々に「ケルークス」の店内にいる精霊たちの属性を説明していった。
風属性の次は、たまたま調理担当のブリスが厨房から出てきたのを幸いと地属性について説明する。
ブリスは家を司る精霊ボーグルで、属性は地になる。
ブラウニーと混同されることが多いボーグルだけど、ブラウニーは小さな住宅、ボーグルは大きな邸宅にかかわりを持つという違いがある。
地属性は土地や建造物にかかわりを持つことが多い。
相談員エリシアのパートナーであるファビオはグレムリンだ。グレムリンは時属性になる。
時属性はちょっと変わっていて、何かの流れだけではなく知識や学問などとかかわりを持つのだそうだ。
ただし、数学を司るセシャトという精霊はなぜか地属性になる。
このあたりの理屈が私にはよくわからないのだが、イドイさんは
「なるほど! 教典のある学問とそうでない学問とで属性が異なるということですな! これは興味深い……」
などとしきりに感心していたが……
そもそも「教典のある学問」って何だろうか?
ヴァルキリーのヴァレリィは光属性。
光属性は光そのものや生きとし生けるものの精神などにかかわりを持つ。
メイヴは闇属性。
闇属性がかかわりをもつのは人の負の感情とか、死とかだと私は思っていたのだが……
アイリスの答えは「失うこと」だった。
わかったようなわからないような……
残るは火属性だが、店内には火属性の精霊がいない。
存在界へ出張している精霊には該当者がいるのだが、「ケルークス」の相談員のパートナーには何故か一体も火属性の精霊がいないのだ。
また、「精霊界移住相談所」の近所に住んでいる火の精霊もいないので、今回呼ばれなかったのだと思う。
「ふむ、人や魂霊の場合は多めに持っている属性要素が相手となる精霊の属性を決めるということになるのですな?」
「そうなるわね。魂霊は二つか三つの属性と相性がいい、というケースが多いわね。一つだけ、とか四つ以上、というのはほぼないと考えていいわ」
「その、属性ごとにパートナーを求める精霊の数に差があるようなことはないだろうか?」
妙なことを聞くな、と私は思った。
場合によっては自分のパートナー候補が少なくなるとでも考えたのだろうか?
しかし、それは現在の状況ならほとんど意味のない質問だ。
「バラツキが無いとは言わないけど、精霊と比較すると人間は極端に数が少ないのよ。今の存在界の人間が全員魂霊になったとしても、一人で千体以上引き受けてもらわないと足りないんだから」
「なんと?! 精霊というのはそんなに数が多いものなのですか?!」
そう、だからイドイさんの質問は意味がないのだ。
精霊の総数など人間が知るわけがないのだから、仕方のないところではあるのだが……
「イドイさん、あなたが想像するより精霊の数はずっと多いし、精霊界は広い。そのあたりの心配は無用よ」
「……そうでしたか。では、移住する前に自分に合った精霊の属性を知ることはできますかな?」
これも答えにくい質問だ。
「できないことはないが、結果の精度が低い」というが答えなのだが……
「現実的でない、というのが答えになるわね……」
アイリスの答えも歯切れが悪い。
「現実的ではない、というのは?」
「魂霊になる前に人間の状態で持っている属性要素を調べたとしても、魂霊になる過程で六割くらいの確率で属性要素の構成比が変わってしまうの」
「……なるほど、人間の状態で調べたとしても、低くない確率でそれが正しくなくなる、ということですか……」
さすがにそれ以上この件についてイドイさんは質問をしてこなかった。
制限時間いっぱいまで属性に関する質問をしたイドイさんは、店内にいた全員に丁寧に礼を言って「ケルークス」を後にした。
イドイさんが去った後、私はアイリスに思い切って尋ねてみた。
彼の言動に違和感を覚えたからだ。
本来、魂霊の相談員が相談客のことを事細かに聞くのはルール違反なのだが、今回のアイリスは必要以上に彼に答えを与えているような気がしてならなかったからだ。
イドイさんが精霊界の移住に対して好意的な人間であればよいが、敵意を持ってこちらを調べに来たのであれば、今後他の相談客に不利益があるかも知れない。
「確かにそう思われても仕方ないのかな。私も一人一人の人間が何を考えているのかまではわからないけど……」
アイリスが髪をかき上げた。
「まず、イドイさんは文化人類学、って言ったかな? を研究している大学の教授だそうで、精霊に関する民間伝承が専門分野らしいのよ」
「それって、移住が目的ではなくて、精霊界のことを調べに来たということでは? 正しくこちらの情報が存在界に伝わるなら意味のないことではないと思いますけど……」
私も前に精霊界の情報が十分に存在界に伝わっていないことが問題だというようなことをアイリスに言っているので、それだと今回のアイリスの対応を非難することができない。
「まあ、どうなるかはわからないわねー。何かあったらアーベル、責任取ってよね。取り方は私が考えてあげるから」
ロクでもない冗談で返してきたところをみると、アイリスはイドイさんのことをあまり問題視していないようだ。
「一介の相談員では無理ですよ。この手のは責任者の責任になると思いますけどね」
「まあ、今回のケースは大丈夫でしょう。事情があるのだし」
「ふむふむ、オイラの出番かな」
事情がある、というところに反応して、エリシアが聞き耳を立ててきた。
他の連中はというと、ベネディクトは甲斐甲斐しくメイヴの世話としているから、こちらの話どころではない。
ヴァレリィはマンガに夢中だ。
ユーリとブリスは厨房に引っ込んでいるし、ファビオはエリシア同様聞き耳を立てている。
相談客のプライベートに関することだから守秘義務に気を付けるように毎置きしてから、アイリスはイドイさんの事情について話し始めた。
「本来の相談客はイドイさんの娘さんなのよ……イドイさんは奥様を早くに亡くされているし、お子さんはその娘さんだけ。そして娘さんにはここに来ることができない事情がある」
本来の相談者の代理で来る客というのは非常に珍しい。
精霊界への移住はそれほどまでに理解されていないし、他人に相談したら止められるだろう。
「アーベル、それは聞いておかないとね。オイラが記録しておくけど」
「エリシア、私をダシに使わないでくれ」
エリシアが手帳を取り出したので、私はやめておけと首を振ったのだ。
「イドイさんの娘さんは、ナントカって難病でベッドから離れられないのよ。確か余命五年、と聞いているわ……」
アイリスは表情を変えずに話を続けている。
「それでイドイさんは移住に関する情報をできるだけ多く集めて娘さんに伝えようとしている、という訳。いざとなったら、前にイサベルがユキを連れてきたように誰か出張組にイドイさんの娘さんを連れてきてもらうようにするしかないわね……」
「……車を確保して、夜に来てもらうとかした方がいいかもしれませんね……」
私にはこのくらいの案しか思いつかない。実際にイドイさんの娘がここへ来る必要が生じたら何らかの策が必要になるだろう。
移住者を増やし、精霊だけではなく人間も安心して暮らせるようになるために、「精霊界移住相談所」としてやるべきことはまだまだ多そうだ。
アイリスの言葉からすると、イドイさんからの次の質問は精霊が持つ属性の話になるようだ。
「精霊がかかわっている何かと関係があるのでしょうか?」
「イドイさんは察しがいいわね、精霊自身がかかわりをもつ何かと属性とは密接に結びついているわ。ただ……」
「私たちの常識で物を考えるな? といったところでしょうか?」
イドイさんの目の付け所はかなり鋭い。
精霊がかかわりを持つ何かと属性とは密接に結びついているが、人間の常識とはちょっと違うところもある。
「その通り。それと精霊の属性は魂霊との相性にも密接に結びついているから、精霊界に移住するとなれば重要な要素になるわ」
「……そうなのですか! ところで人間や魂霊は属性を持つのでしょうか?」
「あると言えばあるし、ないと言えばない、というのが答えになるわね……」
「それはどのようなことでしょうか?」
「属性は『水』『火』「土』『風」『光』『闇』『時』の七つになるけど、精霊はこのうちの一つだけの属性要素を持っている。でも人間や魂霊は七つ全部を持っているのよ」
人間や魂霊と精霊の違いにもなるが、精霊は七つの属性要素のうち、一つだけを持っている。
一方、人間や魂霊は七つ全部を持っているのだ。これは、精霊から見て人間や魂霊が魅力的に見えるために必要なことらしい。
「ふむ、そうすると持っている属性要素の総量を一〇〇とした場合、精霊はどれか一つの属性要素だけを一〇〇持っていると。人間なら六つの属性要素が一〇ずつで、一つの属性要素が四〇、というようなイメージですかな?」
「そうなるわね。ただ、人間や魂霊の場合はそこまで極端な差にならないわ。一番多い属性要素で一〇〇のうちニ五を超えることはまずあり得ない」
私も前にアイリスから聞いたが、人間や魂霊は七つの属性要素を比較的バランスよく持っているのだそうだ。
その中でも割合が多い属性要素を持つ精霊と相性が良いということになる。
私の場合は水と風が多めなのだろう。
「うまくできているものなのですなぁ」
私にはどのあたりがうまくできているのかさっぱりわからないのだが、イドイさんは感心している。
「ちなみに生命を司る私は水属性。水属性を持つ精霊は動物の生命や水そのものにかかわりをもつことが多いわ」
「ということは植物とかかわりをもつ精霊は異なる属性、ということになるのですな?」
「そういうこと。こっちのメラニーはドライアドと言ったけど、ドライアドは風の属性になる。植物以外には風そのものにかかわりをもつわね」
それからアイリスは次々に「ケルークス」の店内にいる精霊たちの属性を説明していった。
風属性の次は、たまたま調理担当のブリスが厨房から出てきたのを幸いと地属性について説明する。
ブリスは家を司る精霊ボーグルで、属性は地になる。
ブラウニーと混同されることが多いボーグルだけど、ブラウニーは小さな住宅、ボーグルは大きな邸宅にかかわりを持つという違いがある。
地属性は土地や建造物にかかわりを持つことが多い。
相談員エリシアのパートナーであるファビオはグレムリンだ。グレムリンは時属性になる。
時属性はちょっと変わっていて、何かの流れだけではなく知識や学問などとかかわりを持つのだそうだ。
ただし、数学を司るセシャトという精霊はなぜか地属性になる。
このあたりの理屈が私にはよくわからないのだが、イドイさんは
「なるほど! 教典のある学問とそうでない学問とで属性が異なるということですな! これは興味深い……」
などとしきりに感心していたが……
そもそも「教典のある学問」って何だろうか?
ヴァルキリーのヴァレリィは光属性。
光属性は光そのものや生きとし生けるものの精神などにかかわりを持つ。
メイヴは闇属性。
闇属性がかかわりをもつのは人の負の感情とか、死とかだと私は思っていたのだが……
アイリスの答えは「失うこと」だった。
わかったようなわからないような……
残るは火属性だが、店内には火属性の精霊がいない。
存在界へ出張している精霊には該当者がいるのだが、「ケルークス」の相談員のパートナーには何故か一体も火属性の精霊がいないのだ。
また、「精霊界移住相談所」の近所に住んでいる火の精霊もいないので、今回呼ばれなかったのだと思う。
「ふむ、人や魂霊の場合は多めに持っている属性要素が相手となる精霊の属性を決めるということになるのですな?」
「そうなるわね。魂霊は二つか三つの属性と相性がいい、というケースが多いわね。一つだけ、とか四つ以上、というのはほぼないと考えていいわ」
「その、属性ごとにパートナーを求める精霊の数に差があるようなことはないだろうか?」
妙なことを聞くな、と私は思った。
場合によっては自分のパートナー候補が少なくなるとでも考えたのだろうか?
しかし、それは現在の状況ならほとんど意味のない質問だ。
「バラツキが無いとは言わないけど、精霊と比較すると人間は極端に数が少ないのよ。今の存在界の人間が全員魂霊になったとしても、一人で千体以上引き受けてもらわないと足りないんだから」
「なんと?! 精霊というのはそんなに数が多いものなのですか?!」
そう、だからイドイさんの質問は意味がないのだ。
精霊の総数など人間が知るわけがないのだから、仕方のないところではあるのだが……
「イドイさん、あなたが想像するより精霊の数はずっと多いし、精霊界は広い。そのあたりの心配は無用よ」
「……そうでしたか。では、移住する前に自分に合った精霊の属性を知ることはできますかな?」
これも答えにくい質問だ。
「できないことはないが、結果の精度が低い」というが答えなのだが……
「現実的でない、というのが答えになるわね……」
アイリスの答えも歯切れが悪い。
「現実的ではない、というのは?」
「魂霊になる前に人間の状態で持っている属性要素を調べたとしても、魂霊になる過程で六割くらいの確率で属性要素の構成比が変わってしまうの」
「……なるほど、人間の状態で調べたとしても、低くない確率でそれが正しくなくなる、ということですか……」
さすがにそれ以上この件についてイドイさんは質問をしてこなかった。
制限時間いっぱいまで属性に関する質問をしたイドイさんは、店内にいた全員に丁寧に礼を言って「ケルークス」を後にした。
イドイさんが去った後、私はアイリスに思い切って尋ねてみた。
彼の言動に違和感を覚えたからだ。
本来、魂霊の相談員が相談客のことを事細かに聞くのはルール違反なのだが、今回のアイリスは必要以上に彼に答えを与えているような気がしてならなかったからだ。
イドイさんが精霊界の移住に対して好意的な人間であればよいが、敵意を持ってこちらを調べに来たのであれば、今後他の相談客に不利益があるかも知れない。
「確かにそう思われても仕方ないのかな。私も一人一人の人間が何を考えているのかまではわからないけど……」
アイリスが髪をかき上げた。
「まず、イドイさんは文化人類学、って言ったかな? を研究している大学の教授だそうで、精霊に関する民間伝承が専門分野らしいのよ」
「それって、移住が目的ではなくて、精霊界のことを調べに来たということでは? 正しくこちらの情報が存在界に伝わるなら意味のないことではないと思いますけど……」
私も前に精霊界の情報が十分に存在界に伝わっていないことが問題だというようなことをアイリスに言っているので、それだと今回のアイリスの対応を非難することができない。
「まあ、どうなるかはわからないわねー。何かあったらアーベル、責任取ってよね。取り方は私が考えてあげるから」
ロクでもない冗談で返してきたところをみると、アイリスはイドイさんのことをあまり問題視していないようだ。
「一介の相談員では無理ですよ。この手のは責任者の責任になると思いますけどね」
「まあ、今回のケースは大丈夫でしょう。事情があるのだし」
「ふむふむ、オイラの出番かな」
事情がある、というところに反応して、エリシアが聞き耳を立ててきた。
他の連中はというと、ベネディクトは甲斐甲斐しくメイヴの世話としているから、こちらの話どころではない。
ヴァレリィはマンガに夢中だ。
ユーリとブリスは厨房に引っ込んでいるし、ファビオはエリシア同様聞き耳を立てている。
相談客のプライベートに関することだから守秘義務に気を付けるように毎置きしてから、アイリスはイドイさんの事情について話し始めた。
「本来の相談客はイドイさんの娘さんなのよ……イドイさんは奥様を早くに亡くされているし、お子さんはその娘さんだけ。そして娘さんにはここに来ることができない事情がある」
本来の相談者の代理で来る客というのは非常に珍しい。
精霊界への移住はそれほどまでに理解されていないし、他人に相談したら止められるだろう。
「アーベル、それは聞いておかないとね。オイラが記録しておくけど」
「エリシア、私をダシに使わないでくれ」
エリシアが手帳を取り出したので、私はやめておけと首を振ったのだ。
「イドイさんの娘さんは、ナントカって難病でベッドから離れられないのよ。確か余命五年、と聞いているわ……」
アイリスは表情を変えずに話を続けている。
「それでイドイさんは移住に関する情報をできるだけ多く集めて娘さんに伝えようとしている、という訳。いざとなったら、前にイサベルがユキを連れてきたように誰か出張組にイドイさんの娘さんを連れてきてもらうようにするしかないわね……」
「……車を確保して、夜に来てもらうとかした方がいいかもしれませんね……」
私にはこのくらいの案しか思いつかない。実際にイドイさんの娘がここへ来る必要が生じたら何らかの策が必要になるだろう。
移住者を増やし、精霊だけではなく人間も安心して暮らせるようになるために、「精霊界移住相談所」としてやるべきことはまだまだ多そうだ。
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