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シャワー
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飯…どうすっかなぁ…。
時計を見ると5時過ぎだ。
「俊、何か食べた?」
俊輔が首を横に振る。
何かあったかな…。
葵が立ち上がろうとすると俊輔が服を掴んだ。
「どこにも行かないよ。何か食べる物あるか見てくるだけ」
「………」
何も言わず服を掴む力が増す。
「分かった。ここにいる」
葵が座りなおすと俊輔が手を握ってくる。
まさか今の俊輔と買い物に出る訳にもいかない。
近所で誰に会うか分からない。
俊輔に変な噂が立つのは避けたかった。
多分明日になれば今のことは覚えていないのだから…。
「なんか頼むか…」
昨日も配達してもらったしなぁ…。
しかもタクシーまで…。
あんまりお金を使うと正気に戻った俊輔に怒られる。
葵はため息をついて俊輔を見る。
「俊!一緒にチャーハンつくるか!?」
気を取り直して言うと、俊輔は嬉しそうに頷いた。
キッチンで卵とウィンナーを炒める葵の足元で俊輔は膝を抱えて座り込んでいた。
俊輔は水道から出る水が恐くて結局何も出来なかったのだ。
「ほら、俊、炒めるのはできるだろ?」
葵が声を掛けてもそっぽを向いている。
水が恐いのに葵が自分の手を離していることに不貞腐れているのだ。
「こいつ…」
葵がため息をつく。
「俊、おいで」
葵は俊輔を立たせると自分の腰に手を回させた。
「これならいいだろ?」
俊輔は葵の背中にピッタリくっついた。
動きづらい…。
けれど気が済んだのか満足したのか、とりあえず背中にくっついて一緒に動き始めた。
まぁ役にはたっていないが…。
チャーハンを作り終え食べる頃には俊輔の機嫌も治っていた。
「美味しい」
嬉しそうに食べる俊輔を見ながら、葵は更なる関門をどう突破するか考えていた。
……シャワーだ……。
2人とも汗をかいている。
特に葵はバイトにも行っていたし、チャーハンを作りながら背中にくっついていた俊輔のお陰で身体は汗でびっしょりだった。
チャーハンを食べ終え食器を洗う間も俊輔は背中にくっついてきた。
気に入ったらしい…。
「俊、俺シャワー浴びたいんだけど」
背中の俊輔に伝えると、抱きつく手にギュッと力が入る。
「昨日みたいに一緒に入ろう?また洗ってやるから」
「やだ」
俊輔が間髪いれず反応する。
「お前…、ヤダってお前も汗臭いかんな!」
自分に抱きつく腕にまた力が加わる。
「俺と一緒ならいいだろ?絶対大丈夫だから!」
俊輔が首を横に振っているのが分かる。
葵はため息をついた。
「じゃあ、今日は一緒に寝てやらないからな!」
結局、最後の一言が効いて何とか浴室まで連れてきた。
葵はシャワーをゆるく出すと俊輔の足から掛け始める。
俊輔は一瞬ビクッとしたがそれ以上は特に恐がる様子は無い。
葵は俊輔の気を紛らわせる為にずっと話しかけ続けた。
頭を洗うのは本当に大変だった。
何しろ葵から離れないからだ。
しかし…一番大変だったのは裸でしがみついてくる俊輔に欲情しないこと…。
葵の鼓動が早くなると、くっついている俊輔が気付き、不安そうな顔で見上げてくる。
その顔にまたドキッとするのを深呼吸して抑えた。
「俺がヤバイわ…」
葵が呟く。
何とか頭を洗い終え身体を洗っている葵の手が止まった───。
俊輔の背中にまた『印』が残されている。
またあの赤いアザがこれ見よがしに付けられている。
葵の表情が強張り心臓が痛い程早くなる。
──何があった!?
俺がいない時間──……。
何が起きているのか解らず葵は不安に襲われた。
片山薫の顔が頭に浮かぶ。
「葵?」
俊輔が不安げな顔で見つめる。
──葵が思い切り俊輔の肩を掴んだ──。
それと同時に抑えきれない程の嫉妬心が込み上げる。
「俊!何があった!?お前あいつに何された!?」
葵の叫び声に俊輔が驚いたように目を見開く。
俊輔に聞いたところで発作直後のことなど覚えていないと分かっていた。
葵の中から感情が溢れ出す。
俊輔の身体を抱きしめると、我慢しきれず嗚咽が漏れた。
俊輔が慌てて背中をさする。
「どうした!?葵!?」
俊輔の声に余計涙が溢れた。
何故涙が出るのか葵にも解らなかった。
悲しいのか悔しいのか腹立たしいのか…。
ただ涙が溢れた。
俊輔が抱きしめる腕を振りほどくと、慌てて葵の首に手を回し抱き寄せ
「どうしたの…?俺のせい?…俺のせいで泣いてるの……?」
優しく目尻にキスをする。
「…泣かないで…」
俊輔の声が耳元で響く。
葵は手の甲で涙を拭った。
「ごめん…。大丈夫だから…」
そう言って俊輔を抱きしめると呼吸を整えた。
こんな場所で俊輔を不安にさせるようなことをしてはダメだと言い聞かせる。
サッとシャワーを掛け2人で浴室を出た。
時計を見ると5時過ぎだ。
「俊、何か食べた?」
俊輔が首を横に振る。
何かあったかな…。
葵が立ち上がろうとすると俊輔が服を掴んだ。
「どこにも行かないよ。何か食べる物あるか見てくるだけ」
「………」
何も言わず服を掴む力が増す。
「分かった。ここにいる」
葵が座りなおすと俊輔が手を握ってくる。
まさか今の俊輔と買い物に出る訳にもいかない。
近所で誰に会うか分からない。
俊輔に変な噂が立つのは避けたかった。
多分明日になれば今のことは覚えていないのだから…。
「なんか頼むか…」
昨日も配達してもらったしなぁ…。
しかもタクシーまで…。
あんまりお金を使うと正気に戻った俊輔に怒られる。
葵はため息をついて俊輔を見る。
「俊!一緒にチャーハンつくるか!?」
気を取り直して言うと、俊輔は嬉しそうに頷いた。
キッチンで卵とウィンナーを炒める葵の足元で俊輔は膝を抱えて座り込んでいた。
俊輔は水道から出る水が恐くて結局何も出来なかったのだ。
「ほら、俊、炒めるのはできるだろ?」
葵が声を掛けてもそっぽを向いている。
水が恐いのに葵が自分の手を離していることに不貞腐れているのだ。
「こいつ…」
葵がため息をつく。
「俊、おいで」
葵は俊輔を立たせると自分の腰に手を回させた。
「これならいいだろ?」
俊輔は葵の背中にピッタリくっついた。
動きづらい…。
けれど気が済んだのか満足したのか、とりあえず背中にくっついて一緒に動き始めた。
まぁ役にはたっていないが…。
チャーハンを作り終え食べる頃には俊輔の機嫌も治っていた。
「美味しい」
嬉しそうに食べる俊輔を見ながら、葵は更なる関門をどう突破するか考えていた。
……シャワーだ……。
2人とも汗をかいている。
特に葵はバイトにも行っていたし、チャーハンを作りながら背中にくっついていた俊輔のお陰で身体は汗でびっしょりだった。
チャーハンを食べ終え食器を洗う間も俊輔は背中にくっついてきた。
気に入ったらしい…。
「俊、俺シャワー浴びたいんだけど」
背中の俊輔に伝えると、抱きつく手にギュッと力が入る。
「昨日みたいに一緒に入ろう?また洗ってやるから」
「やだ」
俊輔が間髪いれず反応する。
「お前…、ヤダってお前も汗臭いかんな!」
自分に抱きつく腕にまた力が加わる。
「俺と一緒ならいいだろ?絶対大丈夫だから!」
俊輔が首を横に振っているのが分かる。
葵はため息をついた。
「じゃあ、今日は一緒に寝てやらないからな!」
結局、最後の一言が効いて何とか浴室まで連れてきた。
葵はシャワーをゆるく出すと俊輔の足から掛け始める。
俊輔は一瞬ビクッとしたがそれ以上は特に恐がる様子は無い。
葵は俊輔の気を紛らわせる為にずっと話しかけ続けた。
頭を洗うのは本当に大変だった。
何しろ葵から離れないからだ。
しかし…一番大変だったのは裸でしがみついてくる俊輔に欲情しないこと…。
葵の鼓動が早くなると、くっついている俊輔が気付き、不安そうな顔で見上げてくる。
その顔にまたドキッとするのを深呼吸して抑えた。
「俺がヤバイわ…」
葵が呟く。
何とか頭を洗い終え身体を洗っている葵の手が止まった───。
俊輔の背中にまた『印』が残されている。
またあの赤いアザがこれ見よがしに付けられている。
葵の表情が強張り心臓が痛い程早くなる。
──何があった!?
俺がいない時間──……。
何が起きているのか解らず葵は不安に襲われた。
片山薫の顔が頭に浮かぶ。
「葵?」
俊輔が不安げな顔で見つめる。
──葵が思い切り俊輔の肩を掴んだ──。
それと同時に抑えきれない程の嫉妬心が込み上げる。
「俊!何があった!?お前あいつに何された!?」
葵の叫び声に俊輔が驚いたように目を見開く。
俊輔に聞いたところで発作直後のことなど覚えていないと分かっていた。
葵の中から感情が溢れ出す。
俊輔の身体を抱きしめると、我慢しきれず嗚咽が漏れた。
俊輔が慌てて背中をさする。
「どうした!?葵!?」
俊輔の声に余計涙が溢れた。
何故涙が出るのか葵にも解らなかった。
悲しいのか悔しいのか腹立たしいのか…。
ただ涙が溢れた。
俊輔が抱きしめる腕を振りほどくと、慌てて葵の首に手を回し抱き寄せ
「どうしたの…?俺のせい?…俺のせいで泣いてるの……?」
優しく目尻にキスをする。
「…泣かないで…」
俊輔の声が耳元で響く。
葵は手の甲で涙を拭った。
「ごめん…。大丈夫だから…」
そう言って俊輔を抱きしめると呼吸を整えた。
こんな場所で俊輔を不安にさせるようなことをしてはダメだと言い聞かせる。
サッとシャワーを掛け2人で浴室を出た。
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