君の手の温もりが…

海花

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一緒に…

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藤井の家に着くと何度か来ている筈なのに、妙に緊張する。
それを分かってか、藤井が新しく出る予定のゲームを話題にだし、二人で考察した。
ソファーの前のテーブルには所狭しと、お菓子やスイーツが並ぶ。
「これ美味い!」
葵が、藤井が『おすすめ』と言ったスイーツを幸せそうに食べる。
「人が選んでくれた物って。自分じゃ選ばない物だったりするからちょっと新鮮だよね」
藤井は笑顔で葵の進めてくれたスイーツを口にする。
「ん、これも美味しい」
「それ、俺が今一番気に入ってるやつなんです!」
葵が嬉しそうに笑う。
大分リラックスしているように見える。
葵が何気に部屋を見回すと、キッチンカウンターの上にワインのボトルが数本並んでいる。
「藤井さんて…お酒飲むんですか?」
スイーツを食べながら葵が尋ねた。
「僕?飲むよ」
そう言って笑う。
「基本帰ってくるとシャワーを浴びて、すぐ飲みだすかな…。食事はしなくても平気だけど…アルコールは無いと無理」
「……そうなんだ…。何度か来させてもらってるけど、飲んでるの見たことなかったから……」
「葵くんとは一緒にゲームするからね。人とゲームする時は素面のがいいから」
「……今日は…飲まないんですか?」
───今日はゲームしに来たわけじゃないから──
藤井が葵を見つめてフッと笑う。
「今日は…葵くんを送り届ける使命があるからね」
「俺、一人で帰れますよ!」
葵が慌てて言った。
「それはダメ。葵くんはちゃんと僕が送り届けます。……もし……葵くんが帰らなくていい日が来たら…飲ませてもらうよ」
藤井の優しい笑顔に鼓動が早くなる…。
「シャワー……借りても…良いですか…?」
スイーツを食べ終えた葵が俯く。
「一緒に浴びるかい?」
「え!?」
藤井の言葉に葵が顔を上げる。
「冗談だよ」
藤井が笑って「バスローブ用意しておくから…」
「一緒に……浴びたい…かも……」
葵が藤井の言葉を遮る。
「……じゃあ…一緒に浴びよう」
藤井が立ち上がりシャワーの準備をする。
服を脱ぎ一緒にシャワーを浴び、藤井が葵の髪を丁寧に洗う。
葵は目を閉じ心地良さに浸る。
俊輔の髪を洗ったことはあっても、自分が洗ってもらうのは幼い時以来だった。
「流すよ?」
藤井が声をかける。
それもまた心地良くて……。
「藤井さんも俺が洗います」
葵の言葉に「僕はいから…」と笑う藤井を、浴槽に座らせ葵が洗い始める。
藤井が目を閉じ葵に委ねる。
髪を洗いながら、改めて藤井を見つめる。
服を着ていると分からなかったが、以外に筋肉質な身体をしている。
──そっか…バスケやってたんだもんな…
「流しますね」
葵も声を掛けて泡を落とす。
「──気持ちよかった。葵くん、洗うの上手だね」
髪を手ぐしでとかしながら藤井が笑顔を向ける。
「そうですか…?兄貴が発作起こすと…時々だけど洗ってやるからかな……」
葵が苦笑いする。
「発作の後…俺から離れなくなるから……あ…いや……今は違うけど…」
葵が俯く。
藤井が浴槽に腰掛けながら
「……───葵くん……キスしようか」
甘く囁く……。
葵は顔を上げて、いつもとは逆に自分が藤井を見下ろしていることに気付く。
急に心臓が高鳴って、顔が熱くなる…。
藤井を見つめるが、笑顔で葵を見つめ返すだけだ……。
……これは──俺からしろってことなのかな……。
そう思うと余計顔が熱くなる……。
葵は手で自分の邪魔な前髪をかきあげ
藤井に自分からキスをした……。
戸惑いながら藤井の舌を探す……。
藤井が葵を優しく迎え入れ、ゆっくりと絡ませる──。
藤井の腕が葵の首にまわされ、葵も強く藤井を抱きしめた……。
唇を離すと葵は一層藤井を強く抱きしめ
「……俺……上手く…出来てますか……」
藤井の耳元で小さく呟く…。
昨日から全て初めてのことばかりで……
正直どうしていいか…分からない……。
「すごく気持ちよかったよ」
藤井がそう言って耳にキスをした。
「……ベット行こうか…?」
藤井の言葉に葵は黙って頷いた…。


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