96 / 160
ケンカ
しおりを挟む
「……葵…?」
葵が俊輔の言葉に気付き振り向くとイヤフォンを外した。
「……起きたの?体調は?」
「全然平気」
俊輔がすまなそうに笑う。
「また迷惑掛けて、ごめんな」
「俺は別に何もしてないから…。結衣にお礼言えよ」
「ん……。分かってる」
──それでも……葵には嫌な思いばっかさせてる……。
「夕飯、うどん作ってみたんだけど。お前…吐いてたから、消化に良いもんのがいいかと思って」
「……ありがとう」
「もう出来るから器出してよ」
俊輔が食器棚から麺用の丼を二つ取り出し葵に渡そうと差し出すと、一瞬受け取ろうとして
「そこ置いといて」
と手を引いた。
触れようとして拒絶された事が葵にも傷を負わせていた。
「美味くできたな」
葵が自分で作った肉うどんに満足そうに頷いている。
俊輔はそれに笑いながら
「うん、美味く出来てる」
同意してから口に運んだ。
「お前……明日バイト?」
そう言いながら葵はカレンダーに目をやる。
「昼間だけね、夏休み中はもうこれで最後かな……」
「…………あいつも…一緒なの?……」
「あいつって………薫のこと…?」
葵が机の上に視線を移した。
どう言えばいいか分からなかった。
何か確証がある訳でもない。
ただ自分が嫉妬しているだけかもしれない……。
「……あんまり……そいつと一緒にいない方が…いいんじゃないか……?」
葵の言葉に昼間俊輔の頭に蘇るように聞こえた薫の声を思い出した。
───そんな訳ない……。何か他の言葉と聞き間違えたのかもしれないし……。変な夢を見たのかもしれない……。
「お前も、結衣も…薫に過敏になってない?」
俊輔は自分の気持ちも誤魔化す様に笑った。
「……じゃあ…昨日は何で発作を起こしたんだよ!?」
葵が真っ直ぐに俊輔を見つめる。
「……それは…………」
───まさか……ラインがきっかけで葵と『あの人』のことに嫉妬してなんて言える訳ない。
「けど、……薫は関係ない」
「答えになってねぇじゃん!何でそいつをそんなに庇うんだよ」
「庇ってる訳じゃない!本当のことなんだって!」
お互いに声が大きくなっていく。
「だったら!何で発作起こしたかちゃんと言えよ!あいつのせいじゃないなら言えんだろ!」
「それは……言えないけど……。でも!薫は関係ない!!」
「だから!何で言えないんだよ!それがおかしいって言ってんの!!」
「言えないのと薫は関係ないだろ!!」
「言えないってのは何か後ろめたいことがあるからだろ!!そうじゃないならちゃんと言えよ!」
「───葵には関係ないからだよ!!」
葵に胸の内を言い当てられて思わず口をついて出ていた。
葵の顔が一瞬歪み
「……あっそ……。じゃあ…好きにしろよ!」
葵は吐き捨てる様にそう言うとドアを勢いよく閉め自室へと向かった。
───やっちゃった……。葵は心配してくれてるだけのに……。
後ろめたいことがあるからだと言われて、つい…熱くなった。
見抜かれてる様で……。
未だに嫉妬してる……自分を……。
葵が俊輔の言葉に気付き振り向くとイヤフォンを外した。
「……起きたの?体調は?」
「全然平気」
俊輔がすまなそうに笑う。
「また迷惑掛けて、ごめんな」
「俺は別に何もしてないから…。結衣にお礼言えよ」
「ん……。分かってる」
──それでも……葵には嫌な思いばっかさせてる……。
「夕飯、うどん作ってみたんだけど。お前…吐いてたから、消化に良いもんのがいいかと思って」
「……ありがとう」
「もう出来るから器出してよ」
俊輔が食器棚から麺用の丼を二つ取り出し葵に渡そうと差し出すと、一瞬受け取ろうとして
「そこ置いといて」
と手を引いた。
触れようとして拒絶された事が葵にも傷を負わせていた。
「美味くできたな」
葵が自分で作った肉うどんに満足そうに頷いている。
俊輔はそれに笑いながら
「うん、美味く出来てる」
同意してから口に運んだ。
「お前……明日バイト?」
そう言いながら葵はカレンダーに目をやる。
「昼間だけね、夏休み中はもうこれで最後かな……」
「…………あいつも…一緒なの?……」
「あいつって………薫のこと…?」
葵が机の上に視線を移した。
どう言えばいいか分からなかった。
何か確証がある訳でもない。
ただ自分が嫉妬しているだけかもしれない……。
「……あんまり……そいつと一緒にいない方が…いいんじゃないか……?」
葵の言葉に昼間俊輔の頭に蘇るように聞こえた薫の声を思い出した。
───そんな訳ない……。何か他の言葉と聞き間違えたのかもしれないし……。変な夢を見たのかもしれない……。
「お前も、結衣も…薫に過敏になってない?」
俊輔は自分の気持ちも誤魔化す様に笑った。
「……じゃあ…昨日は何で発作を起こしたんだよ!?」
葵が真っ直ぐに俊輔を見つめる。
「……それは…………」
───まさか……ラインがきっかけで葵と『あの人』のことに嫉妬してなんて言える訳ない。
「けど、……薫は関係ない」
「答えになってねぇじゃん!何でそいつをそんなに庇うんだよ」
「庇ってる訳じゃない!本当のことなんだって!」
お互いに声が大きくなっていく。
「だったら!何で発作起こしたかちゃんと言えよ!あいつのせいじゃないなら言えんだろ!」
「それは……言えないけど……。でも!薫は関係ない!!」
「だから!何で言えないんだよ!それがおかしいって言ってんの!!」
「言えないのと薫は関係ないだろ!!」
「言えないってのは何か後ろめたいことがあるからだろ!!そうじゃないならちゃんと言えよ!」
「───葵には関係ないからだよ!!」
葵に胸の内を言い当てられて思わず口をついて出ていた。
葵の顔が一瞬歪み
「……あっそ……。じゃあ…好きにしろよ!」
葵は吐き捨てる様にそう言うとドアを勢いよく閉め自室へと向かった。
───やっちゃった……。葵は心配してくれてるだけのに……。
後ろめたいことがあるからだと言われて、つい…熱くなった。
見抜かれてる様で……。
未だに嫉妬してる……自分を……。
0
あなたにおすすめの小説
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
告白ごっこ
みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。
ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。
更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。
テンプレの罰ゲーム告白ものです。
表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました!
ムーンライトノベルズでも同時公開。
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫です。
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
ビッチです!誤解しないでください!
モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃
「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」
「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」
「大丈夫か?あんな噂気にするな」
「晃ほど清純な男はいないというのに」
「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」
噂じゃなくて事実ですけど!!!??
俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生……
魔性の男で申し訳ない笑
めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる