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衝動
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葵はまだ覚めきっていない頭でベットから起き上がった。
バイトを始めてからこんな事初めてだった。
──何があったんだろう……
藤井の口調が変によそよそしかったのも気になったが、仕事の話だったから…という気もする。
スマホを見るとまだ8時にもなっておらず一瞬迷ったが眠れる気もしなくてリビングへ向かった。
ドアを開けようと手を伸ばすと同じタイミングで中から俊輔が出てきた。
「…………あ……」
思わず声が出る葵に俊輔も立ち止まった。
「……おはよう…。今、起こしに行こうと思ったとこ……」
俊輔が気まずそうに視線を逸らせた。
「……ん……」
葵も視線を逸らしリビングへ入っていくと、テーブルにはちゃんと朝食が用意されていて、葵は小さくため息をついた。
──ケンカした次の日も朝食作って、起こしてやるとか…………俊らしいけど……。
「……昨日は……」
葵が謝ろうと口を開いた途端、手にしていたスマホが再び鳴り出した。
画面を見ると『上原』からだ。
「…はい」
少し躊躇ってから電話に出ると
『葵!?』
上原の朝とは思えない声が耳に響く。
「……おはようございます。……朝からどうしたんですか……?」
遠慮なく不機嫌な声を出した。
『お前んとこに藤井さんから電話行った!?』
葵の無愛想な声にも気付かないのか、気にしないのか、上原は高めのテンションで話し始めた。
「さっき来ましたけど……」
『店休の理由聞いた!?』
「いや……聞いてないっすけど……」
聞きはしたが藤井は何も答えなかった。
『昨日いた人からラインきてさ!藤井さん、酔っ払いと喧嘩して店めちゃくちゃらしいぞ』
「───え!?」
──さっき…大した事じゃないって……
「それ…本当なんですか!?」
『その場にいたヤツが言ってたんだから本当だろ!?警察とかきて大変だったらしい』
上原の声は他人事でどこか楽しんでいるように聞こえる。
『あの人が喧嘩とか想像出来るか!?しかも店めちゃくちゃとか……案外クビになったりしてな』
「まさか……」
『ま、さすがにそりゃねえか』
上原が笑った。
「怪我は!?藤井さん…怪我は……」
『知らねぇけど、してんじゃねえの?2対1だったって言ってたし…。入院してたりしてな』
鼓動がどんどん早くなるのが分かる。
───どうしよう………でもまさか……電話だってきたし…………
その後も何か話していた上原の電話を切ると急いで藤井にかけ直したが、話し中になっていて繋がらない。
「………何かあったの?」
俊輔が葵に声を掛けた。
電話中の葵の言葉から『藤井』が関係していることは分かっていた。
「……あ…」
葵は振り向き俊輔と目が合って思わず逸らした。
「……藤井さんが……怪我してるかもしれなくて…………」
俊輔が見つめているのが分かって無意識にTシャツの胸の当たりを掴んだ。
胸が苦しくなる。
「───行ってあげなよ」
「でもっ……お前だって…発作起こしたばっかだし…………」
「俺だってバイトだから……。葵がいたところで…………」
俊輔はそこで言葉を切った。
昨夜の『関係ない』と言った俊輔の言葉がお互い蘇る。
「ごめん…………俺、行ってくる……」
葵は急いで自室へ戻り着替えをすると財布だけポケットへねじ込み家を飛び出した。
バイトを始めてからこんな事初めてだった。
──何があったんだろう……
藤井の口調が変によそよそしかったのも気になったが、仕事の話だったから…という気もする。
スマホを見るとまだ8時にもなっておらず一瞬迷ったが眠れる気もしなくてリビングへ向かった。
ドアを開けようと手を伸ばすと同じタイミングで中から俊輔が出てきた。
「…………あ……」
思わず声が出る葵に俊輔も立ち止まった。
「……おはよう…。今、起こしに行こうと思ったとこ……」
俊輔が気まずそうに視線を逸らせた。
「……ん……」
葵も視線を逸らしリビングへ入っていくと、テーブルにはちゃんと朝食が用意されていて、葵は小さくため息をついた。
──ケンカした次の日も朝食作って、起こしてやるとか…………俊らしいけど……。
「……昨日は……」
葵が謝ろうと口を開いた途端、手にしていたスマホが再び鳴り出した。
画面を見ると『上原』からだ。
「…はい」
少し躊躇ってから電話に出ると
『葵!?』
上原の朝とは思えない声が耳に響く。
「……おはようございます。……朝からどうしたんですか……?」
遠慮なく不機嫌な声を出した。
『お前んとこに藤井さんから電話行った!?』
葵の無愛想な声にも気付かないのか、気にしないのか、上原は高めのテンションで話し始めた。
「さっき来ましたけど……」
『店休の理由聞いた!?』
「いや……聞いてないっすけど……」
聞きはしたが藤井は何も答えなかった。
『昨日いた人からラインきてさ!藤井さん、酔っ払いと喧嘩して店めちゃくちゃらしいぞ』
「───え!?」
──さっき…大した事じゃないって……
「それ…本当なんですか!?」
『その場にいたヤツが言ってたんだから本当だろ!?警察とかきて大変だったらしい』
上原の声は他人事でどこか楽しんでいるように聞こえる。
『あの人が喧嘩とか想像出来るか!?しかも店めちゃくちゃとか……案外クビになったりしてな』
「まさか……」
『ま、さすがにそりゃねえか』
上原が笑った。
「怪我は!?藤井さん…怪我は……」
『知らねぇけど、してんじゃねえの?2対1だったって言ってたし…。入院してたりしてな』
鼓動がどんどん早くなるのが分かる。
───どうしよう………でもまさか……電話だってきたし…………
その後も何か話していた上原の電話を切ると急いで藤井にかけ直したが、話し中になっていて繋がらない。
「………何かあったの?」
俊輔が葵に声を掛けた。
電話中の葵の言葉から『藤井』が関係していることは分かっていた。
「……あ…」
葵は振り向き俊輔と目が合って思わず逸らした。
「……藤井さんが……怪我してるかもしれなくて…………」
俊輔が見つめているのが分かって無意識にTシャツの胸の当たりを掴んだ。
胸が苦しくなる。
「───行ってあげなよ」
「でもっ……お前だって…発作起こしたばっかだし…………」
「俺だってバイトだから……。葵がいたところで…………」
俊輔はそこで言葉を切った。
昨夜の『関係ない』と言った俊輔の言葉がお互い蘇る。
「ごめん…………俺、行ってくる……」
葵は急いで自室へ戻り着替えをすると財布だけポケットへねじ込み家を飛び出した。
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