君の手の温もりが…

海花

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キッチン

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藤井は葵がキッチンに立っているのを最初椅子に座って見ていたものの、余程気になるのかソワソワとキッチンへ見に行っては「座ってて下さい」と怒られるのを繰り返している。
───あんな手つきで怪我しないかな……
「──熱っつ!──」
そう心配した途端葵の声が耳に入る。
「──葵!?」
慌てて藤井がキッチンへ向かうと再び葵に睨まれる。
「ちょっとお湯が飛んだだけですからっ!じっとしてて下さい!」
「………………はい……」
そんなやり取りをしながらようやく葵の『肉うどん』が出来上がり、藤井は「美味しい」と何度言ったか分からない程喜んだ。
「本当にすごく美味しかったよ」
コーヒーを飲みながらまだ言い続ける藤井に
「もう、いいですから」
と葵は照れて笑った。
「こんなに美味しいのに…昨日は食べなかったの?」
「……昨日は……食べてる途中で喧嘩になっちゃって」
無理に笑う葵を藤井が見つめた。
「……喧嘩することなんてあるんだ……?」
「そりゃありますよ」
葵がまた無理に笑う。
「兄弟ですから」
その言葉に藤井は手を伸ばし葵の頬に触れた。
脇に微かな痛みが走る。
「愛してるよ」
葵が黙ったまま見つめ返した。
「キス……しようか……」
藤井がそう言うと葵が立ち上がり机越しに藤井に口付けた。


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