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ソーダ色の夏が残したもの
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10年後
まず、誰から10年後の姿を明かしていこうか。
高校生の頃から変わった人を一番初めに紹介しよう。
《加賀 翠 27歳》
身長が10センチくらいぐぅっと伸びた。そして、サラサラストレートだった髪の毛にちょっとパーマをあてて、あか抜けた感じがする。ド貧乏少年だったなんて誰も思わない。今では頼れる先輩感がオーラとして出ている。
仕事は、子供服ブランドで服のデザインを担当するしている。本人の服装も、中学校のジャージから脱却し、お洒落な感じの服。いつでもデートに行けそうな服装に変わった。
最近は、友希が反抗期で距離感がつかみにくいというのが悩みだ。
友希も今、高校二年生。10年前は小学生。さすがにずっと同じというわけにもいかない。
《一ノ瀬 蒼士 27歳》
24で結婚をして、2児のパパ!驚きだ。本人の性格はあんまり変化なし。見た目については、ちょっと筋肉質で体つきがたくましくなったか。そして、気になる結婚相手は、結羽である。職業は警察官。本人いわく天職とのことだ。
《藤原 紅葉 26歳》
蒼士は2児の父になったが、こちらは学生。東理大を卒業して、その後3年間海外へ留学。そこから日本に戻って、大学院に通っている。何をしているのかというと、ホッジ予想の研究だとか。数学の未解決問題だ。くらいの説明におさえよう。複雑すぎて一般人にはよくわからない。
雰囲気はまさしくリケジョ。長かった髪の毛はバッサリと切った。失恋をしたわけではない。ただ、何となくで切ったのだとか。
《大堂 琥珀 27歳》
料亭だいどう の居酒屋バージョンをつくって大繁盛。経営学を学んで確かな知識と実績を積んでいる。そして、同じ大堂の姓を持つ同い年の男性と婚約期間である。遠い親戚だ。なんか、印象が悪そうだが、普通にイイ人だし、不満とかそういうのはない。
紅葉とは対照的に髪の毛を伸ばし、後ろにひとつで束ねている。小麦色だった肌も、今では新米のような透き通る白色。誰が見ても、美人だと言う。そんな感じだ。
結局のところ、翠と琥珀は「好き」と言っただけど付き合った訳じゃない。時々連絡をするけど、友達から発展することはなかった。
そして、一人一人が夢を叶えて、もしくは叶えようとそれぞれ歩く始めていた。
だが、出発点は同じあの いろ丸 からだ。
高くて、遠くて、広い空、丸みを帯びた水平線。今でも夢に出る。そして、くだらないことで笑いあったりして、まさしくソーダ色というのがふさわしい夏を駆け抜けたから今がある。
何色にでも染まっていける。これからも、自分自身を4人は生きていく。
ピロン ラインの着信音。紅葉は、スマホを取り出す。
[ソーダ色]
琥珀{ 久しぶり、今度、居酒屋だいどう 近畿に出店するからまた来てよ!
翠{また会いたいな
蒼士{スゲーな、琥珀!近畿なら、行きやすくていいや
紅葉{行く!また、4人で集まろう!
紅葉は紙飛行機のボタンを押して送信を完了する。そして、4人が肩を組み満面の笑みを浮かべる写真に視線を投げる。うん。いい写真だ。
まず、誰から10年後の姿を明かしていこうか。
高校生の頃から変わった人を一番初めに紹介しよう。
《加賀 翠 27歳》
身長が10センチくらいぐぅっと伸びた。そして、サラサラストレートだった髪の毛にちょっとパーマをあてて、あか抜けた感じがする。ド貧乏少年だったなんて誰も思わない。今では頼れる先輩感がオーラとして出ている。
仕事は、子供服ブランドで服のデザインを担当するしている。本人の服装も、中学校のジャージから脱却し、お洒落な感じの服。いつでもデートに行けそうな服装に変わった。
最近は、友希が反抗期で距離感がつかみにくいというのが悩みだ。
友希も今、高校二年生。10年前は小学生。さすがにずっと同じというわけにもいかない。
《一ノ瀬 蒼士 27歳》
24で結婚をして、2児のパパ!驚きだ。本人の性格はあんまり変化なし。見た目については、ちょっと筋肉質で体つきがたくましくなったか。そして、気になる結婚相手は、結羽である。職業は警察官。本人いわく天職とのことだ。
《藤原 紅葉 26歳》
蒼士は2児の父になったが、こちらは学生。東理大を卒業して、その後3年間海外へ留学。そこから日本に戻って、大学院に通っている。何をしているのかというと、ホッジ予想の研究だとか。数学の未解決問題だ。くらいの説明におさえよう。複雑すぎて一般人にはよくわからない。
雰囲気はまさしくリケジョ。長かった髪の毛はバッサリと切った。失恋をしたわけではない。ただ、何となくで切ったのだとか。
《大堂 琥珀 27歳》
料亭だいどう の居酒屋バージョンをつくって大繁盛。経営学を学んで確かな知識と実績を積んでいる。そして、同じ大堂の姓を持つ同い年の男性と婚約期間である。遠い親戚だ。なんか、印象が悪そうだが、普通にイイ人だし、不満とかそういうのはない。
紅葉とは対照的に髪の毛を伸ばし、後ろにひとつで束ねている。小麦色だった肌も、今では新米のような透き通る白色。誰が見ても、美人だと言う。そんな感じだ。
結局のところ、翠と琥珀は「好き」と言っただけど付き合った訳じゃない。時々連絡をするけど、友達から発展することはなかった。
そして、一人一人が夢を叶えて、もしくは叶えようとそれぞれ歩く始めていた。
だが、出発点は同じあの いろ丸 からだ。
高くて、遠くて、広い空、丸みを帯びた水平線。今でも夢に出る。そして、くだらないことで笑いあったりして、まさしくソーダ色というのがふさわしい夏を駆け抜けたから今がある。
何色にでも染まっていける。これからも、自分自身を4人は生きていく。
ピロン ラインの着信音。紅葉は、スマホを取り出す。
[ソーダ色]
琥珀{ 久しぶり、今度、居酒屋だいどう 近畿に出店するからまた来てよ!
翠{また会いたいな
蒼士{スゲーな、琥珀!近畿なら、行きやすくていいや
紅葉{行く!また、4人で集まろう!
紅葉は紙飛行機のボタンを押して送信を完了する。そして、4人が肩を組み満面の笑みを浮かべる写真に視線を投げる。うん。いい写真だ。
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