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出発前 です。
ユウ です。
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まず、私が誰であるかを名乗ろうと思う。私は、邪馬台国の第一王子として生を受けた。
名を ジエン・ヒミカ・ユウ 歳は17。まもなく、18になる。
一般にはユウ、ユウ王子、ユウ様と呼ばれている。
母は邪馬台国の女王であるヒミカ。旧王家と呼ばれる二十代に渡って国を治めた王家の血を引き継ぐと共に、先代の王で唯一の民間人から王になった男の妻であった。(ヒミカは民間人から王になった男とは、事情があって、別れている。ユウとその男の血縁関係はない。ユウは二人目の夫との子供である。)
父は、教育部の部長と外務部の特別部長を兼任し官僚の中の中核的な立場を取っている。
弟と妹が一人ずつ居て、叔父や従姉妹なんかも居るが、王位継承順位は一位。このクニの期待を一身に背負い、常にそれに応えてきた。王座は確実と目されていたのだが、私の人生はそう順風満帆ではない。
ここで、軽く私の経歴を紹介しよう。
6歳
国内で最難関と言われる役人養成学校である警学校と、軍の幹部を養成する軍学校を受験し合格を果たすが、一般学校と呼ばれる基礎、基本的な学術を学ぶ学校に進学。
7歳
一般学校に通いながら、再試験をして警学校に通い始める。
8歳
父が転勤で魏へ渡ることに決まる。共に魏に渡り学業に励むと決意し、父と魏に行く。魏での寮生活が始まる。
13歳
魏の弓道大会、剣舞大会で優勝する。
14歳
魏の最高峰と言われる学校に最年少で入学を果たす。
15歳
一時帰国をする。一時帰国中に「王にはなれない」と母に言われる。
16歳
魏の王が娘の婿になってほしいと頼みにくるも、断る。魏の王との関係の悪化。
17歳
学校の中期課程を修了し、帰国。最終学歴が仮中退となり、残りの課程は独学での取得を余儀なくされる。(終期課程の試験を魏で受けて、七割以上を取ることで卒業を認められる)
頭の良さにはわりと自信がある。もちろん、二ヵ国語は操れるし、政治や経世済民の勉強もやってきた。運動も、できる方だ。馬術、剣道、弓道、体術すべてで何かしらで優勝をしている。芸術も出来ないわけではない。楽器は弦楽器、笛、共に大体のものは演奏することができるし、絵も賞をとるくらいには上手い。
なんてことは、公に言うわけではなく、日記に綴られている。
ユウが魏への渡航を強く思うようになった、きっかけになった日記に真似たのだろう。「第二王子 開喜日記」冒頭の文章。
カイキという名を持った、二代前の王様が少年期から青年期に綴っていた日記。開喜日記には、自身の生まれと身分を記し、そのあとに経歴と称した目標が掲げられている。それから、自信をつけるためか、いかに自分が器用で優れた人物なのか過大的に評価をする文が続く。そこまでが冒頭である。
巧みに、事実の出来事と大袈裟なものと、まったくの嘘が混ざって、日記というよりは体験をもとにした独特な小説っぽい。
在位期間1日にも満たない王様の日記など誰も開こうとせず、書庫の奥底に眠っていた。それを、見つけたのがユウであった。その、王子としての格調高い文と、男子的なふざけた文体が混じった日記は、ユウにとって面白い本で、いつしか、見たこともないカイキという人物に憧れを抱いていた。そして、十七歳を迎えても尚、開喜日記に似せたような日記を密かにつけている。でも、違う点があるというならば、ユウの日記には嘘がないことである。
長い前置きであったが、つまり、この物語は、超絶優秀王子の「ユウ」を主役とした話であるということだ。
名を ジエン・ヒミカ・ユウ 歳は17。まもなく、18になる。
一般にはユウ、ユウ王子、ユウ様と呼ばれている。
母は邪馬台国の女王であるヒミカ。旧王家と呼ばれる二十代に渡って国を治めた王家の血を引き継ぐと共に、先代の王で唯一の民間人から王になった男の妻であった。(ヒミカは民間人から王になった男とは、事情があって、別れている。ユウとその男の血縁関係はない。ユウは二人目の夫との子供である。)
父は、教育部の部長と外務部の特別部長を兼任し官僚の中の中核的な立場を取っている。
弟と妹が一人ずつ居て、叔父や従姉妹なんかも居るが、王位継承順位は一位。このクニの期待を一身に背負い、常にそれに応えてきた。王座は確実と目されていたのだが、私の人生はそう順風満帆ではない。
ここで、軽く私の経歴を紹介しよう。
6歳
国内で最難関と言われる役人養成学校である警学校と、軍の幹部を養成する軍学校を受験し合格を果たすが、一般学校と呼ばれる基礎、基本的な学術を学ぶ学校に進学。
7歳
一般学校に通いながら、再試験をして警学校に通い始める。
8歳
父が転勤で魏へ渡ることに決まる。共に魏に渡り学業に励むと決意し、父と魏に行く。魏での寮生活が始まる。
13歳
魏の弓道大会、剣舞大会で優勝する。
14歳
魏の最高峰と言われる学校に最年少で入学を果たす。
15歳
一時帰国をする。一時帰国中に「王にはなれない」と母に言われる。
16歳
魏の王が娘の婿になってほしいと頼みにくるも、断る。魏の王との関係の悪化。
17歳
学校の中期課程を修了し、帰国。最終学歴が仮中退となり、残りの課程は独学での取得を余儀なくされる。(終期課程の試験を魏で受けて、七割以上を取ることで卒業を認められる)
頭の良さにはわりと自信がある。もちろん、二ヵ国語は操れるし、政治や経世済民の勉強もやってきた。運動も、できる方だ。馬術、剣道、弓道、体術すべてで何かしらで優勝をしている。芸術も出来ないわけではない。楽器は弦楽器、笛、共に大体のものは演奏することができるし、絵も賞をとるくらいには上手い。
なんてことは、公に言うわけではなく、日記に綴られている。
ユウが魏への渡航を強く思うようになった、きっかけになった日記に真似たのだろう。「第二王子 開喜日記」冒頭の文章。
カイキという名を持った、二代前の王様が少年期から青年期に綴っていた日記。開喜日記には、自身の生まれと身分を記し、そのあとに経歴と称した目標が掲げられている。それから、自信をつけるためか、いかに自分が器用で優れた人物なのか過大的に評価をする文が続く。そこまでが冒頭である。
巧みに、事実の出来事と大袈裟なものと、まったくの嘘が混ざって、日記というよりは体験をもとにした独特な小説っぽい。
在位期間1日にも満たない王様の日記など誰も開こうとせず、書庫の奥底に眠っていた。それを、見つけたのがユウであった。その、王子としての格調高い文と、男子的なふざけた文体が混じった日記は、ユウにとって面白い本で、いつしか、見たこともないカイキという人物に憧れを抱いていた。そして、十七歳を迎えても尚、開喜日記に似せたような日記を密かにつけている。でも、違う点があるというならば、ユウの日記には嘘がないことである。
長い前置きであったが、つまり、この物語は、超絶優秀王子の「ユウ」を主役とした話であるということだ。
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