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第3章
気持ちを伝えちゃだめな人
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「なんか、すみません」
小さく頭を下げる間山さんにジロー先輩が「いや、静はあれが通常運転だ。気にするな」と言った。
クールそうに見えて恐縮する後輩を気遣うあたり、やっぱりジロー先輩って、ちゃんと先輩なんだなぁ。……それに比べて。
「俺も、ジローちゃん。俺にもフォローの言葉をちょうだい」
「で、依頼内容について詳しく聞きたいんだが……」
「まさかの無視!」
静先輩は本当に3年生だよね? 年上の、先輩なんだよね?
見た目は格好いいんだけど、なんていうんだっけ? こういうの。
あ、あれだ! 残念系イケメンってヤツ……。
「静、お前はいつも話を脱線させ過ぎだ。ちょっとは夏帆を見習って聞き役に徹しろ」
あれ、今、私ジロー先輩にさり気なく褒められた?
気分が上がる私に対し、テンションガタ落ちの静先輩はついにソファーから腰を浮かせた。
「もういいよ! こうなったら砂糖たっぷりのロイヤルミルクティー作っちゃうもんねー」
カチャカチャと新しいティーカップを準備し始めた静先輩を慣れた様子で放置して、ジロー先輩は脱線しかけた話を元に戻しにかかる。
「茶道部の先輩である有島に相談しても解決しなかった君の悩みっていうのは?」
ちらちらと静先輩の方を気にしていた間山さんも、相談するならジロー先輩だと判断したのか、姿勢を正した。
「ある男の子を、好きになってしまって」
ジロー先輩がペンを持つ手を一瞬止める。
「誰を? なんて無粋な事は聞かないが、依頼内容としてはその『好きな人』に気持ちを伝えるのを恋研が手伝うって事でー……」
「だめなんです!」
間山さんの顔が泣きそうに歪んだ。
「気持ちを伝えちゃだめなんです」
好きな男の子に、間山さんの気持ちを伝えちゃだめ?
間山さんには悩んで苦しくなっちゃうくらい好きになった人がいて、茶道部の先輩に相談しても解決しなかった。
それでもどうにか状況を変えたくて、桜ヶ丘中学校恋愛研究部の戸を叩いたわけでー……。
そう思ったのはジロー先輩も同じだったんだと思う。
「間山さんか、もしくはその男の子のどちらかに告白してはいけない理由でも?」
間山さんがスカートの上で、ぎゅっと両手を握る。
「私、大事な親友と同じ人を好きになってしまいました」
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「まさかの無視!」
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あ、あれだ! 残念系イケメンってヤツ……。
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あれ、今、私ジロー先輩にさり気なく褒められた?
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「もういいよ! こうなったら砂糖たっぷりのロイヤルミルクティー作っちゃうもんねー」
カチャカチャと新しいティーカップを準備し始めた静先輩を慣れた様子で放置して、ジロー先輩は脱線しかけた話を元に戻しにかかる。
「茶道部の先輩である有島に相談しても解決しなかった君の悩みっていうのは?」
ちらちらと静先輩の方を気にしていた間山さんも、相談するならジロー先輩だと判断したのか、姿勢を正した。
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「気持ちを伝えちゃだめなんです」
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それでもどうにか状況を変えたくて、桜ヶ丘中学校恋愛研究部の戸を叩いたわけでー……。
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