契約婚のはずが、腹黒王太子様に溺愛されているようです

星月りあ

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王太子様の来訪

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リリカがレイリックの元を訪ねてから数日後、、、

「お嬢様!! 王太子殿下がお見えです!!」
「えっ!?」

レイナからの知らせを受け、リリカは大急ぎで準備をして、客間に向かう。
すると、そこにはレイリックとウィリアムが向かい合って座っていた。レイリックの後ろにはロベルトが立っている。

「久しぶりだね、リリカ嬢」
「お久しぶりでございます、殿下」
「お会いしたことがあったのか?」
「あっ、え、えっと、そう!! 以前王宮のお茶会にお招きいただいた際にお会いしました」
これは嘘ではない。リリカの過去の記憶を探ってレイリックと会ったことを思い出したのだ。

「そんなこともあったな」

ウィリアムはリリカに隣に座るように促した。

「それでどういったご要件でしょうか?」
ウィリアムも何も聞いていなかったようでレイリックに尋ねた。

「エバルディ公爵、僕は君の妹君リリカ嬢との婚約を申し込む」
「「!?」」

リリカもウィリアムも驚いて声が出ない。リリカはてっきり、書類だけで済ますのだと思っていた。直接王太子が訪ねて来るなど思ってもみなかった。

「しっ、しかし、リリカはまだ小さいですし」
「小さいと言ってももう成人してるよね? それに公爵令嬢なら婚約者がいてもおかしくない年齢では?」

そう、そうなのよ。お兄様からしたら、いつまで経っても子供のままなのかもしれないけれどもう17歳。この国の成人年齢は16歳だからすでに超えてるのよ。

「それはそうかもしれませんが……私にとっても可愛い妹なのでまだ婚約は……」

このままではマズいわ。やっぱりお兄様を納得させるのが一番大変なようね。それなら

「お兄様、私は婚約したいと思っておりますの」
「ど、どうして……この前までしたくないと言っていたじゃないか」
「気が変わりましたの。それに殿下のような素晴らしい方と婚約出来るのは真に光栄なことですわ」
「で、でも……」
「もし婚約を認めていただけないならお兄様のこと嫌いになってしまうかもしれませんわ……」
お兄様には悪いけれど、どうしても婚約が必要なんだからっ。

「!! き、きらい、嫌い……そんな」

チラッと隣を見ると相当ショックを受けているようで、項垂れている。
さすがに良心が痛むわ。

しばらくすると、、、
「……婚約を許可します」
と消え入りそうなほど小さな声でウィリアムは返事をした。

ふうっ。どうにか婚約出来そうで良かった。

すでに王家からは許可を得ていたらしく、後は公爵家からの許可のみだったようだ。
ウィリアムは婚約許可証にサインをした。これで婚約が決まった。

お兄様には後で、美味しいお菓子でも差し入れましょう。
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