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最終話
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リリーは男に森のような場所に連れて行かれた。
「お前は消さないとな。余計なことを知られたからな」
「っよ、余計なこと?」
リリーは彼らに関わったことなんてない筈だった。それにもかかわらず、そう言っている男。ふとその男を見ると、先程までよく見ていなかったため気づかなかったが顔の横、耳の下辺りに絵が描かれている。
それを見て思い出したのだ。昔、事故に遭ったときに、あの男が近くで見ていたことを、そして乗っていた馬車を襲った動物があの男に駆け寄って行ったことを。
その男は刃物を取り出し、振り下ろす。リリーは怖くて目を瞑った。だが、しばらくしても一向に痛みはやって来なかった。
ギャアッ
そっと目を開けるとそこにはジェラルドが立っていた。あの男はその場で倒れていた。
「大丈夫か⁉︎リリー」
ジェラルドはリリーの縄を解く。
「ええ。ありがとう」
そのとき、全てを思い出したのだ。事故のこともそうだが、事故以前のこと、そして10年前王都でジェラルドに会ったことを。
「ジェラルド…」
「‼︎ っもしかして思い出したのか⁉︎」
「ええっ、全部思い出したわ」
「良かった…」
そう言ってジェラルドはリリーを抱きしめる。
「それなら、改めてあのときの言葉を伝えさせてくれ」
『一生大切にする。だからリリー、俺と結婚してほしい』
「ええ、喜んで‼︎」
そうして2人は結婚した。
その後、初めて民の前に2人で立った。完璧王子と名高かったジェラルドとリリーは笑顔を見せ、見つめ合っていた。それを見た民から、相思相愛の夫婦として未来永劫語り継がれることになる。
「お前は消さないとな。余計なことを知られたからな」
「っよ、余計なこと?」
リリーは彼らに関わったことなんてない筈だった。それにもかかわらず、そう言っている男。ふとその男を見ると、先程までよく見ていなかったため気づかなかったが顔の横、耳の下辺りに絵が描かれている。
それを見て思い出したのだ。昔、事故に遭ったときに、あの男が近くで見ていたことを、そして乗っていた馬車を襲った動物があの男に駆け寄って行ったことを。
その男は刃物を取り出し、振り下ろす。リリーは怖くて目を瞑った。だが、しばらくしても一向に痛みはやって来なかった。
ギャアッ
そっと目を開けるとそこにはジェラルドが立っていた。あの男はその場で倒れていた。
「大丈夫か⁉︎リリー」
ジェラルドはリリーの縄を解く。
「ええ。ありがとう」
そのとき、全てを思い出したのだ。事故のこともそうだが、事故以前のこと、そして10年前王都でジェラルドに会ったことを。
「ジェラルド…」
「‼︎ っもしかして思い出したのか⁉︎」
「ええっ、全部思い出したわ」
「良かった…」
そう言ってジェラルドはリリーを抱きしめる。
「それなら、改めてあのときの言葉を伝えさせてくれ」
『一生大切にする。だからリリー、俺と結婚してほしい』
「ええ、喜んで‼︎」
そうして2人は結婚した。
その後、初めて民の前に2人で立った。完璧王子と名高かったジェラルドとリリーは笑顔を見せ、見つめ合っていた。それを見た民から、相思相愛の夫婦として未来永劫語り継がれることになる。
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