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辺境伯領編
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コポコポと紅茶がティーカップに注がれる。注がれた紅茶は、俺の前に一つ、そして俺の目の前にいるヴァニタスの前に一つ置かれ、ローテーブルの上に置かれた瞬間カチャ…カチャ…と音がした。俺は目の前のティーカップを片手で持ち、匂いを楽しんでから口をつけた。
ヴァニタスからニクスの紹介があった後、俺はヴァニタスの私室で紅茶を嗜んでいた。
あの衝撃の(おそらく一方的な)再会の後、俺はヴァニタスからティータイムに誘われた。まだ混乱していた俺は断ろうと思ったのだが、ニコニコスマイルで微笑むヴァニタスに、誘いを断るのは憚られた。それからまもなくニクスによってティータイムの場が完璧に整えられ、彼によって淹れられたこれもまた完璧な紅茶を飲んでいる現在。俺の頭の中は温かく美味しい紅茶のおかげで少しだけ元の調子を取り戻していた。
俺は紅茶を飲む素振りをしながら、横目でチラリとニクスの様子を伺いみる。光を反射する美しい銀の髪に、長い睫毛に縁取られたプラチナの双眸は儚げに伏せられている。銀の色を身に纏う彼は、儚げな夜の月の精のような風貌だ。その美貌はさながら傾国のなんたるやといったところか。6歳の俺より少し年上に見える、けれどまだ幼い彼は、少年のようにも少女のようにもこの目に映る、性別不詳の美しさを持っていた。
記憶の中のヴァニタスと双子だった生の彼も、こんな風に儚げに目を伏せていたな…と思い出しながら俺は飲んでいた紅茶を飲み干す。空になったティーカップをソーサーに置けば、それにすぐ気づいたニクスに、「おかわりはいかがですか?」と聞かれたので、ありがたくいただくことにした。ニクスは俺の飲んでいたティーカップと紅茶が入っているティーポットを手に取り、繊細で、しかし優雅な動作で紅茶を淹れ始めた。一つ一つの動作が丁寧であり、けれど魅せ方がとてつもなく上手い。俺は思わず感嘆の息を漏らした。この主従は紅茶を淹れるのが本当に上手いなと、俺は目の前で相変わらずニコニコとしているヴァニタスとその横で紅茶を淹れているニクスに視線を走らせる。
その黒色と銀色の色彩を前にフラッシュバックする記憶に、俺は少し目を伏せた。
(あまり、思い出したくはない光景だな…)
俺が昔の記憶の感傷に浸っていれば、白い綺麗な手で、俺の前に置かれてあったままのソーサーに置かれる赤みの強いオレンジ色の紅茶が入ったティーカップ。俺がニクスを見上げれば、「どうぞ、お召し上がり下さい」と表情を変えぬままその柔らかなボーイソプラノで彼が言う。…笑ったら絶対可愛いのになあなんて思いながら、俺は湯気がたち芳醇な香りがこちらまで届く紅茶の入ったティーカップを片手で持ち上げる。この城の使用人は確かに異様なほど静かで顔は能面のようだが、まだ幼いニクスまでそれをする必要はないように思う。もしかしたら本人があまり表情を動かさないタイプなのかもしれないが、俺はいつかの生の彼を知っている。俺が知っている彼は、拙いながらも感情を表に出していたと記憶している。まだ本当に幼かった彼の小さな微笑みは、今もまだ胸に残っている。けれど、この城の使用人はそういう教育を受けているのかもしれないし俺が感情を表に出すことを強要することで彼がクビになってしまうのは本意では全くない。
紅茶の味を舌先で楽しみながら俺が悶々と唸っていると、目の前から声がかかる。
「どうしたの?ニクスが淹れた紅茶はお気に召さなかったかな」
「いえ、そういうわけでは。ニクスが淹れてくれた紅茶、とても美味しいです」
「そう。彼は少し前まで教育を受けていた身だから、もし何か粗相をしてしまっても許して欲しいな」
「それは…当然です。ニクスは兄様の従者ですから」
ヴァニタスは、俺が紅茶を飲みながら云々唸っているのを見て、ニクスの淹れた紅茶に問題があると思ったらしい。勿論そんなことは全くないので俺はニクスを褒める。ヴァニタスはニクスが粗相をしてしまうと思っているようだが、俺は今までの立ち振る舞いを見る限り彼が何かしてしまうとは毛ほども考えていない。熟練の執事などにも負けずとも劣らない、それほどニクスの従者としての振る舞いは完璧だった。ニクスをチラリと見上げれば、今俺たちの話題に上っていた本人であるにも関わらず、ただ静かに目を伏せヴァニタスの後ろに控えていた。なんだかその様を見て、俺は少し哀しくなってしまった。
それから、ヴァニタスに最近の様子やこの城に慣れたか、困ったことはないかなど、色々なことを聞かれた。まだ俺がこの城に来て一週間だ。我が兄は心配してくれているらしい。が、俺はヴァニタスのおかげで正直困ったことなどいまだにない。ヴァニタスは初日からめちゃめちゃ俺に構うのだ。それはもうしきりに。一般教養や社交術、馬術に剣術、そして魔法の授業が毎日変わる変わるあり忙しいはずなのに、授業の合間を縫っては俺に会いに来てくれる。俺はヴァニタスに負担をかけたくなくて、無理に来なくてもいいと言ったのだが「お前の顔を見られるのが本当に嬉しいんだ。俺の癒しの時間を奪わないで」と言われてしまえば拒否するのも憚られて結局この兄は現在まで頻繁に俺の元に顔を出す。この一週間でわかったが、多分というか確実にヴァニタスはブラコンである。初日からその片鱗はあったのだが、一緒に過ごす時間の中で流石に俺も気づいたのだ。まあこの息の詰まる城の中で、態度も良く表情もよく変わる可愛い(?)唯一の弟ができたとなればまあ可愛がっても仕方ないと思う。俺だってこんな環境に記憶のないまま生まれた頃からいれば、新しくできた表情がよく変わり自分を慕ってくれる弟をとても可愛がると思う。つまりそういうことなのだろう。今までの生のアドバンテージで、俺は‘‘かわいい弟’’を演じるのは得意なのだ。このままヴァニタスとはいい兄弟関係を築いていきたい。
「ライにもそろそろ家庭教師をつけることが決まりそうなんだ。始めのうちは色々大変だと思うけれど、一緒に頑張ろうね」
そうにこやかに言ったヴァニタスは手に持ったティーカップを傾けて紅茶を口に含む。優雅な動作だ。俺は彼の発言に目を瞬かせた。家庭教師…家庭教師か。正直俺はあまり期待していなかった。この家に来る家庭教師もまた特有の静けさを纏っているのではないかと。そんな人と二人きりなんて気まずいすぎる、と。いやしかし、まだ決めつけるのは早計である。家庭教師は他の下位貴族などから雇うか、伝手のある貴族に頼むのが一般的である。つまりこの城の雰囲気とは違った雰囲気の人が来てもおかしくないのだ。教養や技術については今のところあまり問題視していない。世界や国によって少しの文化の違いはあるにしろ、基本的な知識などは沢山の生で蓄えてある。問題はない。俺は主に俺に教鞭をとる家庭教師について一抹の不安を抱えながらも、コクリとヴァニタスの発言に頷いた。
と、その時、ちょうどくぅ~と俺の腹の虫が鳴ってしまった。俺はまたか…と溜息をついた。幼い体はやたら燃費が悪く、決まった時間の食事以外にも腹は空腹を訴えるのである。俺がどう空腹を凌ごうか考えていれば、ローテーブルの上にコトッと置かれた白い皿。その中には色々な種類のクッキーが盛られてあった。思わずクッキーの入った皿を置いた張本人、ニクスの方を見上げればニクスはヴァニタスの後ろに控えた後だった。
「ふふ、かわいい音だね。早速いただこうか」
「…兄様、からかわないでください。ニクス、ありがとうございます」
ヴァニタスが俺の腹の音を揶揄い、俺は少し顔を顰めた。けれど、目の前のクッキーの誘惑には勝てないのでありがたくいただこうと思う。ニクスは幼児体型の俺を気遣って準備していてくれたのだろうか。だとしたら本当に出来た従者だと俺は感心する。ニクスの方をチラリと見遣れば、相変わらず目を伏せ直立不動でその場に置物みたいに立っている。彼の用意してくれたクッキーを頬張りながら俺は考える。どうしたら従者でない彼の姿を見ることができるのかと。
俺は、今世のニクスについて知りたくなってしまった。
(とはいったものの、あれから特に進展なし…か)
ニクスと邂逅して2日。あれからヴァニタスの従者として常時控える彼に会う機会は沢山あったのだが、いかんせん彼はこの城の使用人らしく静かだ。俺が声をかけても発する言葉は「はい」か「いいえ」だ。無愛想というか、本当にそういう風な教育をされたのだろうといった様な静けさっぷりだ。俺は内心頭を抱えていた。
そんな俺はというと、現在猫の姿で城内の廊下を歩いている。何故猫になっているかって?それは長期間人間の姿でいると体が段々疼いてくるからだ。まだ幼い俺は、獣化の制御が上手く出来ていない。自身が半獣人だと知る前はこんなこと起きなかったのに…とヴァニタスにそれとなく漏らせば、一度獣化すると獣人の血が活性化して本能的に獣の姿になりたくなるのではないか、と言っていた。昔読んだ獣人の文献にそういった記載があったらしい。獣人が迫害されているこの国のどこでそんな本を読んだのかは甚だ疑問だが、この兄だからな……と俺は考えないことにした。
それから二日に一度獣化している俺は、度々この城の散策に自室から出る。猫は、普段人間の俺が入れないようなところにもするりと入ってしまうし、使用人も猫の俺は俺と認識していないらしく、俺が廊下をコソコソと歩いていても普通にいる。なんなら喋っている。俺はそれに少し感動してしまった。この城の使用人には真面目に感情がないのではないかと本当に心配していたのだ。それに伴いスラム育ち且つ半獣人である俺の陰口も叩かれていたが、まあ気にしていない。それよりも使用人が人間らしくしていることの方が衝撃だった。
俺は、今日はどこに行こうかなと使用人に見つからないように廊下の窓枠をトテトテと歩く。ふと、廊下の窓から見える中庭に人影が見えた。俺は人影を目を細めて注意深くじっと見れば、その人影がニクスだということがわかった。ヴァニタスはいないのかと思ったが、今は時間的に家庭教師から授業を受けている最中である。つまり今はニクス一人だということだ。そして今俺は愛らしい猫である。猫相手であれば彼も心を開いてくれるかもしれない。そう考えた俺は善は急げとニクスのいる中庭まで走った。
中庭まで来ると、そこは色とりどりの花々に囲まれていた。花々の中心、ガゼボの近くのベンチに、ニクスは腰掛けていた。手には何かの本を持っており、彼の横にも何冊かの本が積まれていた。中庭に暖かな風が吹き抜ける。ニクスの銀色の光を反射する美しい髪が風に靡く。本に落とされたプラチナの視線はその文字列から外されることはなく、顔にかかった髪を掬い取ると、するりと耳にかける。……その空間だけ、何か物語のワンシーンのようだった。
俺がニクスに近づくと、ニクスは読んでいた本から視線を外し、こちらを見て無表情のまま首を傾げた。
「……猫?」
あ、やばい。この城に猫がいる理由考えてなかった。俺は二クスを誤魔化すようにミャーンと鳴いて彼の足に擦り寄った。ニクスは少し目を瞬かせた後、「どこかから迷い込んだのかな…」と口許に右手を持っていった。よかった。誤魔化されてくれた。俺がホッとしていれば、ふわりと持ち上げられる俺の体。見ればニクスが俺の体に両手を差し込み持ち上げていた。そのまま俺はニクスの座っているベンチの隣に降ろされた。
「お前がどこから来たかわからないけれど、少し、勉強の息抜きに僕の話し相手になってくれる?」
俺が肯定するようにまたミャーと鳴くと、ニクスは優しく俺の頭を撫でた。
「僕、未だにこの城の…ヴァニタス様の従者になったっていう実感が湧かないんだ。まだ夢なんじゃないかって思ってる」
ニクスは、独り言を吐き出すようにヴァニタスの従者になった経緯について教えてくれた。
ニクスは、辺境伯領のとある村の出身だったらしい。そこでニクスは両親からネグレクト紛いのことを受けていたのだという。両親は茶髪に茶色の眼をしているのに対し、ニクスは銀髪に銀色の眼をしていたから、その後両親に似て生まれた弟を大層可愛がりニクスのことは必要なものだけ与えて腫れ物を扱うような接し方をされていたと。そんな中、ニクスはその見目麗しい外見から人攫いに遭ったらしい。そこで、奴隷商人に売り飛ばされそうになったところをその取引現場を抑えるために待機していた騎士団にその場は制圧され、保護されたと。そして保護された先で、ヴァニタスに遭ったのだという。
「僕は家に居場所がなかったから、あの場所に帰っても迷惑にしかならないって思って……そんな時にヴァニタス様に声をかけられたんだ、俺の従者にならないかって」
ニクスはそれを大事な思い出を思い出すように目を細める。
「始めは、なんの冗談かと思った。辺境伯様のご子息様が、僕を従者になんて……本気なはずないと思ったのに、気がついたら僕は名前をもらって、辺境伯様の血縁の男爵様の家の養子になって、そこで従者教育を受けて……今はヴァニタス様の従者をしてる。異端児の平民だった僕が、ヴァニタス様の従者だなんて、本当に夢みたいで……本当は今もあの家にいるんじゃないかって、怖くなる」
俺は、ニクスのあの完璧な従者の振る舞いの裏には平凡な子供の彼がいたのだと話を聞いていて思った。彼は、まだ普通の子供なのだと。そして、彼の持つこの城の使用人特有の静けさは従者教育の中で身につけたものだと思っていたが、家に居場所が無かったからこそ気配を潜めながら生きて来ざる負えなかったのだということにも気づいた。それに伴い無意識的に身につけたものだと。俺は少し胸の辺りがモヤモヤした。人間はどうしても子供に自身の面影を求めてしまう。それが、自分の子供の証のようなものだからだ。ニクスの両親はニクスにそれを求めたが、結果的に彼は二人の間では生まれるはずのない異質な色彩を持って生まれてしまった。名前も与えられず、部屋の隅で息を殺して疼くまる彼を想像した時、俺の口の中に苦いものが走り、彼の体を抱きしめたい衝動に駆られてしまった。
俺はニクスの身を乗り出して、彼の柔らかな銀髪を撫でた。少しでも今の彼が報われればいいと思いながら。少しでも今の生活が現実だと伝わればいいと思いながら。
「慰めてくれてる?……お前は優しいね」
ニクスはまた俺の頭を優しく撫でると、少し頬を緩ませて、笑った。ほら、やっぱり可愛い。俺は笑顔を眩しいものを見るかのように目を細めた。
それからニクスは何かに気づいたかのように「あっ」と声を上げた。
「そろそろ僕、ヴァニタス様の元に戻らなきゃ。話を聞いてくれてありがとう」
そう言って、ニクスは俺の首周りから耳まで満遍なく撫でる。むむ、こやつも中々の撫でテクの持ち主…!と俺が撫でられるのに夢中になっていれば、ニクスは俺の体から手を離す。俺は残念に思いながらもニクスが本をまとめている横でベンチから飛び降りる。俺は数歩歩いてから振り向いて、ニクスにお別れをいうようにミャーと鳴いた。
「僕、だいたいこの時間はここにいるから。また気が向いたら話し相手になって。……まあ、お前に僕の言葉はわからないと思うけど」
残念ながら君の言葉はわかるので、また気が向いたら来るよ。
そう言うように俺はその場でくるりと回ってまたミャーと鳴いた。それを見たニクスはまたクスクス笑うと、その眩しい笑顔のまま、俺にまたねと手を振った。俺はそれを彼の姿が城内に消えて行くまで眺めていた。
――ニクスに、あの生の記憶はない。俺は先程のニクスの話から、それを確信していた。無くて良かったのだと思う。彼は最期、酷く憔悴していたから。
……他でもない俺が、彼の中に消えないトラウマを植え付けたから。
俺は身を翻して俺の自室のある棟に向かう。今世で俺がニクスと関わることで、もしかしたら何か良くないことが起きるかもしれない。けれど、俺は彼とずっと話してみたかったから。この世界に与えられた機会も、今回は悪くないかもなと思っている。
「願わくば最後まで彼の記憶が蘇らないことを祈るよ」
獣化を解いた俺は、芝生を踏み締めて、色とりどりの花々の中を歩いて行った。
その様子を、ガラス越しに黒の双眸が眺めていたことも知らずに。
ヴァニタスからニクスの紹介があった後、俺はヴァニタスの私室で紅茶を嗜んでいた。
あの衝撃の(おそらく一方的な)再会の後、俺はヴァニタスからティータイムに誘われた。まだ混乱していた俺は断ろうと思ったのだが、ニコニコスマイルで微笑むヴァニタスに、誘いを断るのは憚られた。それからまもなくニクスによってティータイムの場が完璧に整えられ、彼によって淹れられたこれもまた完璧な紅茶を飲んでいる現在。俺の頭の中は温かく美味しい紅茶のおかげで少しだけ元の調子を取り戻していた。
俺は紅茶を飲む素振りをしながら、横目でチラリとニクスの様子を伺いみる。光を反射する美しい銀の髪に、長い睫毛に縁取られたプラチナの双眸は儚げに伏せられている。銀の色を身に纏う彼は、儚げな夜の月の精のような風貌だ。その美貌はさながら傾国のなんたるやといったところか。6歳の俺より少し年上に見える、けれどまだ幼い彼は、少年のようにも少女のようにもこの目に映る、性別不詳の美しさを持っていた。
記憶の中のヴァニタスと双子だった生の彼も、こんな風に儚げに目を伏せていたな…と思い出しながら俺は飲んでいた紅茶を飲み干す。空になったティーカップをソーサーに置けば、それにすぐ気づいたニクスに、「おかわりはいかがですか?」と聞かれたので、ありがたくいただくことにした。ニクスは俺の飲んでいたティーカップと紅茶が入っているティーポットを手に取り、繊細で、しかし優雅な動作で紅茶を淹れ始めた。一つ一つの動作が丁寧であり、けれど魅せ方がとてつもなく上手い。俺は思わず感嘆の息を漏らした。この主従は紅茶を淹れるのが本当に上手いなと、俺は目の前で相変わらずニコニコとしているヴァニタスとその横で紅茶を淹れているニクスに視線を走らせる。
その黒色と銀色の色彩を前にフラッシュバックする記憶に、俺は少し目を伏せた。
(あまり、思い出したくはない光景だな…)
俺が昔の記憶の感傷に浸っていれば、白い綺麗な手で、俺の前に置かれてあったままのソーサーに置かれる赤みの強いオレンジ色の紅茶が入ったティーカップ。俺がニクスを見上げれば、「どうぞ、お召し上がり下さい」と表情を変えぬままその柔らかなボーイソプラノで彼が言う。…笑ったら絶対可愛いのになあなんて思いながら、俺は湯気がたち芳醇な香りがこちらまで届く紅茶の入ったティーカップを片手で持ち上げる。この城の使用人は確かに異様なほど静かで顔は能面のようだが、まだ幼いニクスまでそれをする必要はないように思う。もしかしたら本人があまり表情を動かさないタイプなのかもしれないが、俺はいつかの生の彼を知っている。俺が知っている彼は、拙いながらも感情を表に出していたと記憶している。まだ本当に幼かった彼の小さな微笑みは、今もまだ胸に残っている。けれど、この城の使用人はそういう教育を受けているのかもしれないし俺が感情を表に出すことを強要することで彼がクビになってしまうのは本意では全くない。
紅茶の味を舌先で楽しみながら俺が悶々と唸っていると、目の前から声がかかる。
「どうしたの?ニクスが淹れた紅茶はお気に召さなかったかな」
「いえ、そういうわけでは。ニクスが淹れてくれた紅茶、とても美味しいです」
「そう。彼は少し前まで教育を受けていた身だから、もし何か粗相をしてしまっても許して欲しいな」
「それは…当然です。ニクスは兄様の従者ですから」
ヴァニタスは、俺が紅茶を飲みながら云々唸っているのを見て、ニクスの淹れた紅茶に問題があると思ったらしい。勿論そんなことは全くないので俺はニクスを褒める。ヴァニタスはニクスが粗相をしてしまうと思っているようだが、俺は今までの立ち振る舞いを見る限り彼が何かしてしまうとは毛ほども考えていない。熟練の執事などにも負けずとも劣らない、それほどニクスの従者としての振る舞いは完璧だった。ニクスをチラリと見上げれば、今俺たちの話題に上っていた本人であるにも関わらず、ただ静かに目を伏せヴァニタスの後ろに控えていた。なんだかその様を見て、俺は少し哀しくなってしまった。
それから、ヴァニタスに最近の様子やこの城に慣れたか、困ったことはないかなど、色々なことを聞かれた。まだ俺がこの城に来て一週間だ。我が兄は心配してくれているらしい。が、俺はヴァニタスのおかげで正直困ったことなどいまだにない。ヴァニタスは初日からめちゃめちゃ俺に構うのだ。それはもうしきりに。一般教養や社交術、馬術に剣術、そして魔法の授業が毎日変わる変わるあり忙しいはずなのに、授業の合間を縫っては俺に会いに来てくれる。俺はヴァニタスに負担をかけたくなくて、無理に来なくてもいいと言ったのだが「お前の顔を見られるのが本当に嬉しいんだ。俺の癒しの時間を奪わないで」と言われてしまえば拒否するのも憚られて結局この兄は現在まで頻繁に俺の元に顔を出す。この一週間でわかったが、多分というか確実にヴァニタスはブラコンである。初日からその片鱗はあったのだが、一緒に過ごす時間の中で流石に俺も気づいたのだ。まあこの息の詰まる城の中で、態度も良く表情もよく変わる可愛い(?)唯一の弟ができたとなればまあ可愛がっても仕方ないと思う。俺だってこんな環境に記憶のないまま生まれた頃からいれば、新しくできた表情がよく変わり自分を慕ってくれる弟をとても可愛がると思う。つまりそういうことなのだろう。今までの生のアドバンテージで、俺は‘‘かわいい弟’’を演じるのは得意なのだ。このままヴァニタスとはいい兄弟関係を築いていきたい。
「ライにもそろそろ家庭教師をつけることが決まりそうなんだ。始めのうちは色々大変だと思うけれど、一緒に頑張ろうね」
そうにこやかに言ったヴァニタスは手に持ったティーカップを傾けて紅茶を口に含む。優雅な動作だ。俺は彼の発言に目を瞬かせた。家庭教師…家庭教師か。正直俺はあまり期待していなかった。この家に来る家庭教師もまた特有の静けさを纏っているのではないかと。そんな人と二人きりなんて気まずいすぎる、と。いやしかし、まだ決めつけるのは早計である。家庭教師は他の下位貴族などから雇うか、伝手のある貴族に頼むのが一般的である。つまりこの城の雰囲気とは違った雰囲気の人が来てもおかしくないのだ。教養や技術については今のところあまり問題視していない。世界や国によって少しの文化の違いはあるにしろ、基本的な知識などは沢山の生で蓄えてある。問題はない。俺は主に俺に教鞭をとる家庭教師について一抹の不安を抱えながらも、コクリとヴァニタスの発言に頷いた。
と、その時、ちょうどくぅ~と俺の腹の虫が鳴ってしまった。俺はまたか…と溜息をついた。幼い体はやたら燃費が悪く、決まった時間の食事以外にも腹は空腹を訴えるのである。俺がどう空腹を凌ごうか考えていれば、ローテーブルの上にコトッと置かれた白い皿。その中には色々な種類のクッキーが盛られてあった。思わずクッキーの入った皿を置いた張本人、ニクスの方を見上げればニクスはヴァニタスの後ろに控えた後だった。
「ふふ、かわいい音だね。早速いただこうか」
「…兄様、からかわないでください。ニクス、ありがとうございます」
ヴァニタスが俺の腹の音を揶揄い、俺は少し顔を顰めた。けれど、目の前のクッキーの誘惑には勝てないのでありがたくいただこうと思う。ニクスは幼児体型の俺を気遣って準備していてくれたのだろうか。だとしたら本当に出来た従者だと俺は感心する。ニクスの方をチラリと見遣れば、相変わらず目を伏せ直立不動でその場に置物みたいに立っている。彼の用意してくれたクッキーを頬張りながら俺は考える。どうしたら従者でない彼の姿を見ることができるのかと。
俺は、今世のニクスについて知りたくなってしまった。
(とはいったものの、あれから特に進展なし…か)
ニクスと邂逅して2日。あれからヴァニタスの従者として常時控える彼に会う機会は沢山あったのだが、いかんせん彼はこの城の使用人らしく静かだ。俺が声をかけても発する言葉は「はい」か「いいえ」だ。無愛想というか、本当にそういう風な教育をされたのだろうといった様な静けさっぷりだ。俺は内心頭を抱えていた。
そんな俺はというと、現在猫の姿で城内の廊下を歩いている。何故猫になっているかって?それは長期間人間の姿でいると体が段々疼いてくるからだ。まだ幼い俺は、獣化の制御が上手く出来ていない。自身が半獣人だと知る前はこんなこと起きなかったのに…とヴァニタスにそれとなく漏らせば、一度獣化すると獣人の血が活性化して本能的に獣の姿になりたくなるのではないか、と言っていた。昔読んだ獣人の文献にそういった記載があったらしい。獣人が迫害されているこの国のどこでそんな本を読んだのかは甚だ疑問だが、この兄だからな……と俺は考えないことにした。
それから二日に一度獣化している俺は、度々この城の散策に自室から出る。猫は、普段人間の俺が入れないようなところにもするりと入ってしまうし、使用人も猫の俺は俺と認識していないらしく、俺が廊下をコソコソと歩いていても普通にいる。なんなら喋っている。俺はそれに少し感動してしまった。この城の使用人には真面目に感情がないのではないかと本当に心配していたのだ。それに伴いスラム育ち且つ半獣人である俺の陰口も叩かれていたが、まあ気にしていない。それよりも使用人が人間らしくしていることの方が衝撃だった。
俺は、今日はどこに行こうかなと使用人に見つからないように廊下の窓枠をトテトテと歩く。ふと、廊下の窓から見える中庭に人影が見えた。俺は人影を目を細めて注意深くじっと見れば、その人影がニクスだということがわかった。ヴァニタスはいないのかと思ったが、今は時間的に家庭教師から授業を受けている最中である。つまり今はニクス一人だということだ。そして今俺は愛らしい猫である。猫相手であれば彼も心を開いてくれるかもしれない。そう考えた俺は善は急げとニクスのいる中庭まで走った。
中庭まで来ると、そこは色とりどりの花々に囲まれていた。花々の中心、ガゼボの近くのベンチに、ニクスは腰掛けていた。手には何かの本を持っており、彼の横にも何冊かの本が積まれていた。中庭に暖かな風が吹き抜ける。ニクスの銀色の光を反射する美しい髪が風に靡く。本に落とされたプラチナの視線はその文字列から外されることはなく、顔にかかった髪を掬い取ると、するりと耳にかける。……その空間だけ、何か物語のワンシーンのようだった。
俺がニクスに近づくと、ニクスは読んでいた本から視線を外し、こちらを見て無表情のまま首を傾げた。
「……猫?」
あ、やばい。この城に猫がいる理由考えてなかった。俺は二クスを誤魔化すようにミャーンと鳴いて彼の足に擦り寄った。ニクスは少し目を瞬かせた後、「どこかから迷い込んだのかな…」と口許に右手を持っていった。よかった。誤魔化されてくれた。俺がホッとしていれば、ふわりと持ち上げられる俺の体。見ればニクスが俺の体に両手を差し込み持ち上げていた。そのまま俺はニクスの座っているベンチの隣に降ろされた。
「お前がどこから来たかわからないけれど、少し、勉強の息抜きに僕の話し相手になってくれる?」
俺が肯定するようにまたミャーと鳴くと、ニクスは優しく俺の頭を撫でた。
「僕、未だにこの城の…ヴァニタス様の従者になったっていう実感が湧かないんだ。まだ夢なんじゃないかって思ってる」
ニクスは、独り言を吐き出すようにヴァニタスの従者になった経緯について教えてくれた。
ニクスは、辺境伯領のとある村の出身だったらしい。そこでニクスは両親からネグレクト紛いのことを受けていたのだという。両親は茶髪に茶色の眼をしているのに対し、ニクスは銀髪に銀色の眼をしていたから、その後両親に似て生まれた弟を大層可愛がりニクスのことは必要なものだけ与えて腫れ物を扱うような接し方をされていたと。そんな中、ニクスはその見目麗しい外見から人攫いに遭ったらしい。そこで、奴隷商人に売り飛ばされそうになったところをその取引現場を抑えるために待機していた騎士団にその場は制圧され、保護されたと。そして保護された先で、ヴァニタスに遭ったのだという。
「僕は家に居場所がなかったから、あの場所に帰っても迷惑にしかならないって思って……そんな時にヴァニタス様に声をかけられたんだ、俺の従者にならないかって」
ニクスはそれを大事な思い出を思い出すように目を細める。
「始めは、なんの冗談かと思った。辺境伯様のご子息様が、僕を従者になんて……本気なはずないと思ったのに、気がついたら僕は名前をもらって、辺境伯様の血縁の男爵様の家の養子になって、そこで従者教育を受けて……今はヴァニタス様の従者をしてる。異端児の平民だった僕が、ヴァニタス様の従者だなんて、本当に夢みたいで……本当は今もあの家にいるんじゃないかって、怖くなる」
俺は、ニクスのあの完璧な従者の振る舞いの裏には平凡な子供の彼がいたのだと話を聞いていて思った。彼は、まだ普通の子供なのだと。そして、彼の持つこの城の使用人特有の静けさは従者教育の中で身につけたものだと思っていたが、家に居場所が無かったからこそ気配を潜めながら生きて来ざる負えなかったのだということにも気づいた。それに伴い無意識的に身につけたものだと。俺は少し胸の辺りがモヤモヤした。人間はどうしても子供に自身の面影を求めてしまう。それが、自分の子供の証のようなものだからだ。ニクスの両親はニクスにそれを求めたが、結果的に彼は二人の間では生まれるはずのない異質な色彩を持って生まれてしまった。名前も与えられず、部屋の隅で息を殺して疼くまる彼を想像した時、俺の口の中に苦いものが走り、彼の体を抱きしめたい衝動に駆られてしまった。
俺はニクスの身を乗り出して、彼の柔らかな銀髪を撫でた。少しでも今の彼が報われればいいと思いながら。少しでも今の生活が現実だと伝わればいいと思いながら。
「慰めてくれてる?……お前は優しいね」
ニクスはまた俺の頭を優しく撫でると、少し頬を緩ませて、笑った。ほら、やっぱり可愛い。俺は笑顔を眩しいものを見るかのように目を細めた。
それからニクスは何かに気づいたかのように「あっ」と声を上げた。
「そろそろ僕、ヴァニタス様の元に戻らなきゃ。話を聞いてくれてありがとう」
そう言って、ニクスは俺の首周りから耳まで満遍なく撫でる。むむ、こやつも中々の撫でテクの持ち主…!と俺が撫でられるのに夢中になっていれば、ニクスは俺の体から手を離す。俺は残念に思いながらもニクスが本をまとめている横でベンチから飛び降りる。俺は数歩歩いてから振り向いて、ニクスにお別れをいうようにミャーと鳴いた。
「僕、だいたいこの時間はここにいるから。また気が向いたら話し相手になって。……まあ、お前に僕の言葉はわからないと思うけど」
残念ながら君の言葉はわかるので、また気が向いたら来るよ。
そう言うように俺はその場でくるりと回ってまたミャーと鳴いた。それを見たニクスはまたクスクス笑うと、その眩しい笑顔のまま、俺にまたねと手を振った。俺はそれを彼の姿が城内に消えて行くまで眺めていた。
――ニクスに、あの生の記憶はない。俺は先程のニクスの話から、それを確信していた。無くて良かったのだと思う。彼は最期、酷く憔悴していたから。
……他でもない俺が、彼の中に消えないトラウマを植え付けたから。
俺は身を翻して俺の自室のある棟に向かう。今世で俺がニクスと関わることで、もしかしたら何か良くないことが起きるかもしれない。けれど、俺は彼とずっと話してみたかったから。この世界に与えられた機会も、今回は悪くないかもなと思っている。
「願わくば最後まで彼の記憶が蘇らないことを祈るよ」
獣化を解いた俺は、芝生を踏み締めて、色とりどりの花々の中を歩いて行った。
その様子を、ガラス越しに黒の双眸が眺めていたことも知らずに。
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しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫です。
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
病んでる愛はゲームの世界で充分です!
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
ヤンデレゲームが好きな平凡男子高校生、田山直也。
幼馴染の一条翔に呆れられながらも、今日もゲームに勤しんでいた。
席替えで隣になった大人しい目隠れ生徒との交流を始め、周りの生徒たちから重い愛を現実でも向けられるようになってしまう。
田山の明日はどっちだ!!
ヤンデレ大好き普通の男子高校生、田山直也がなんやかんやあってヤンデレ男子たちに執着される話です。
BL大賞参加作品です。よろしくお願いします。
11/21
本編一旦完結になります。小話ができ次第追加していきます。
転生したが壁になりたい。
むいあ
BL
俺、神崎瑠衣はごく普通の社会人だ。
ただ一つ違うことがあるとすれば、腐男子だということだ。
しかし、周りに腐男子と言うことがバレないように日々隠しながら暮らしている。
今日も一日会社に行こうとした時に横からきたトラックにはねられてしまった!
目が覚めるとそこは俺が好きなゲームの中で!?
俺は推し同士の絡みを眺めていたいのに、なぜか美形に迫られていて!?
「俺は壁になりたいのにーーーー!!!!」
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