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第七章 反省会
―進展―(1)
しおりを挟む宇宙船を待つ人々が集まる、宇宙港のメインターミナル。
そこを起点・終点として、宇宙港には長い遊歩道が、観光地の一つとしてある。
フウマ、ミオはその遊歩道を、並んで歩いていた。
環状に繋がるドーナッツ型の居住部と、発電所や、酸素、食料の各種プラントなど重要施設が集まる軸部、宇宙港はその軸部の数層を丸々使用されている。
遊歩道はその軸部の円周上を一周回るルート、スペースコロニーの軸部だけあり円周だけでも十キロメートルを超す距離だが、それでも動く歩道、大規模な水平型エスカレーターにより一時間くらいで一周出来る。
「ふふっ……いい場所ね。さすがフウマ、私が好きなものを分かっているわね!」
子供のようにワクワクした様子で、遊歩道の広い窓から外を眺めるミオ。
外には内部の停泊デッキに入れないほど巨大な、超大型宇宙船が何隻も見える。
貨物船に客船などに、果ては軍艦まである。
「エアケルトゥング行きの船が出るには、時間がかかるしね。まぁ時間つぶしには丁度いいだろ? それに、リッキーもどっかに行っちゃったし」
今はリッキーの姿はない。
少し前に、彼の父親であるリオンドからメールが届き、内容は話があるから会いに来てくれ、とのことだった。
当人は嫌々ながらだったそうだが、どうやら重要な話らしい、無視する訳にも行かないらしくリッキーは、そのまま行ってしまった。話によれば宇宙船が停泊する停泊デッキの何処からしいが、一体何があるのか……。
――まぁ、今は別にいいか。あまりそんな事情に突っ込むのも、野暮だし――
気にはなるフウマだったが、今は考えないことにした。
「でも、こんなに巨大な船が並んでいる所なんて、なかなか見たことなかったな。本当に凄いと言うか……人間でも、ここまでの物が作れるんだなって」
「このスペースコロニーだって、人が作った建造物。そう考えると、人類は何千年もかけて、随分進歩したものね」
「……確かにね」
しみじみと、感慨深い気持ちに浸るフウマとミオ。
それから少しの間、二人は何も言わずに外を眺めていた。
すると、突然フウマの方へと、ミオはその顔を向けた。少し照れ臭そうな顔を見せて、彼女は言う。
「フウマ」
「ああ、どうしたんだい?」
「今更だけど、あの時の事…………ありがとうね」
いきなりそんな事を言われたフウマは、首をかしげる。
「ん? 一体、何の事を言っているのか僕にはさっぱり……」
ミオは説明不足に気づき、恥ずかしそうにこう付け加える。
「あはは、ほら……試合が始まる前、ジョンが私とフウマを恋人と言った時に、否定しなかったでしょ? 私に気をつかってくれて……とても嬉しかったわ」
「……それくらい、僕たちの関係なら当然だろ。まぁ別に……完全に間違っているわけでは、ないんだし」
内心、多少の動揺をしているフウマだが、それを悟らせないようにあえて素っ気ない態度を取ってみせる。
「そっか、私たちは昔からの、幼なじみだもんね」
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