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第十一章 束の間の安寧と、そして――
やっぱり今は――
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「ふぇっ!」
そんな事を言われたフウマは、思わず叫んでしまう。
実はフウマ、さっきからずっと、頑なにミオの姿を見ようとしていなかったのだ。
こんな事を言われて、フウマはドキッとする。
「だ、だって……ミオだって、その……」
「平気よ。私だって、ほら、タオルで身体を隠してるし」
そう優しく、声をかける彼女。
「せっかくの温泉なのに、一度もフウマの顔が見えないのは、ちょっと寂しいもの。
それに――私とフウマって、恋人同士でしょ? だったらそんなに恥ずかしがること、ないじゃない」
「恋人って言うけど、それはG3レースが終わった後での話じゃないかよ」
それはフウマの言う通り、今はあくまでまだ、幼馴染のまま。恋人同士になるのは、無事、レースが終わった後。以前二人は、そんな話をしていた。
「ふふっ、でもマリンさんと話した時、私の事を『最高の恋人』って、言ってくれたじゃない。あれは……とてもキュンってなっちゃった。
確かにあの時、私はそんな事を言ったかもだけど、あれからの私たちって、まるで恋人同士みたいじゃないかな。フウマだって、そんな感じでしょ?」
ミオの指摘に、フウマは言いよどむ。
「まぁ、それは……そうだけど」
「ねっ? 確かにまだ恋人同士とはちょっと違うけど、それでもちょっとは恋人みたいでしょ? それに何たって、両思いでもあるんだし。だったら――」
しかしなおも、フウマは諦めない。
「もちろん僕も、そう思うよ! でも、これから僕は後半戦だってあるんだ。だから、もしかすると君の姿を見ると、集中出来なくなるかも知れないって、言うか」
彼には見えていないが、後ろのミオは少しムッとしている。
「フウマってば、それはちょっと、失礼かもよ。そんな事を言うフウマは……えいっ!」
と、次の瞬間、フウマの上からザバァっと、温泉の湯をかけられた。
「――うわっ!」
突然ずぶ濡れになって、彼は驚く。
「ちょっと! いきなり何を――」
思わず振り向いたフウマの目の前にいたのは、風呂桶を持って笑いかける、ミオの姿がある。
「ふふふっ! ようやく見てくれたね」
タオルで大事な所を隠しているものの、両腕両足、肩や腰など肌が多く覗き、それにシャワーも浴びたばかりで、肌や髪はしっとりと濡れていて、いつものミオとは全然違う姿だった。
「……ミオっ!?」
目をぱちくりして、どきまきして固まっているのを良いことに、ぐっと距離を縮めるミオ。
「別に、こうしてお風呂に一緒なのも、初めてじゃなかったよね。今更そう、緊張するなんて」
「だけど……しょ、それはまだ、ずっと小さいころの話さ。今のミオは……」
もう目をそらす事もせずに、彼女を見つめながら、ちょっと噛みつつもそう言うフウマ。
「なぁに?」
柔らかい声で、続きを催促しながら、ちょっとまた顔を寄せるミオ。フウマはごくりと、唾を飲み込む。
そして……。
「とても、女の子って感じで――すごく綺麗、なんだ。
さっきは、もしかするとレースの妨げになると思ったけど、全然そんなのはないって言うか……むしろもっと頑張りたいって、そう思えても来るよ」
彼はそう言うと、今度は自分の方からミオに近づく。
二人の距離はもうすぐ目に前に顔があるくらい、とても短いものと、なっていた。
「ねぇミオ、まだハッキリと恋人ではないし、それはレースが終わってからって、約束だったよね。
でも、ここまで僕は頑張ったし、これからの後半戦だってきっともっと頑張れる。
だから――早いかもしれないけど、もう僕たちはちゃんと恋人同士になっても、いいかな?」
それに対する、ミオは少し赤くなりながらも、微笑んで答える。
「……うん。フウマがそう言うなら、私は、いいよ」
フウマは、軽く頷く。
そして彼女に顔を近づけ。その唇同士を――。
しかし、その寸前でフウマは、ぴたりと動きを止めた。
「……」
彼はミオの直前で、口を閉ざして躊躇う様子を見せる。
「どうしたの? フウマ?」
彼女も気にかけるように、声をかけるも、それでもフウマは黙ったままだ。
そして、一度瞬きをしたのちに、ようやく一言。
「ごめん、僕は気が動転してたみたいだ。やっぱり――やめた」
フウマはそう言ったのち、ほんの少し、ミオから身を引いた。
「やっぱりまだ、緊張してるの? だったら一旦落ち着いてから、もう一回、キスをやり直してもいいよ」
しかし彼には、緊張しているような素振りはなくむしろ、落ち着いたように、首を横に振る。
「違う、そうじゃないんだ。だって、約束だったから……しっかりこのG3レースが終わってから、やっぱりそっちがいいはず」
さらにフウマは、こうも続けた。
「後半戦もちゃんと頑張って、その後で堂々と、ミオと恋人になりたい
のさ。
別にすぐじゃなくても、ほんの少し先になるだけだから。だから今は――」
すると彼はそっとまた、顔を近づけ、ミオの頬に軽いキスをした。
「今は、これくらいでガマンかな。それに親善試合後のあの時には、ミオから先だったから、お返しだ。
こんな僕でも、先にキスすることくらい、出来るんだから」
今度はミオが驚く番だったが、とても嬉しそうな笑顔を、フウマに見せた。
「あはは。これは、やられちゃった。でも困ったな、そんな事されたら私が、我慢出来なくなっちゃいそう」
ミオは軽く、フウマの頬に触れる。
でも――。そう言って彼女は伸ばした手を、引っ込めた。
「それだったら、私も我慢しないとね。ちゃんと、レースが終わってから……そうだよね、フウマ」
「うん。きっと、それが一番さ」
暖かい温泉で、フウマはぐーっと伸びをする
「うーん、それじゃ後は、もう少しオンセンに浸かってから、上がろうかな。後半戦は二時間後だから、まだまだ大丈夫さ」
「そうね。残っている修理はあと少しだけだし、二人でゆっくりしていようね。
フウマもやっと、私を見てくれるようになったし」
ミオの言う通り、さっきまでは彼女の姿を頑なに見ようともしなかったフウマだが、一度見てからはそんな様子もなくなった。
「あはは、緊張しすぎたせいで、さっきは固くなりすぎたんだ。今は落ち着いたから、普通通りさ。
そっちの方の緊張も取れたことだし、やっと心身ともに、リラックスって感じだね」
岩肌の壁にもたれかかり、こうしてゆったりとしたひと時を過ごす、フウマであった。
それから、しばらくした後。
「さて、と。もう十分にゆっくりした事だし、そろそろ上がろうかな」
フウマは湯舟から上がり、浴場の出入り口へと向かい、横開きのドアに手をかける。
しかし……。
「あれ?」
ドアに手をかけ、開けようとするフウマだが、扉はビクともしない。
これにはミオも、異変を察した。
「もしかして、ドア、開かないの?」
「おかしいな……入った時には開いたのに。ミオ、ちょっと手を貸してくれない」
ミオもドアに近づいて、そして二人同時に引く。
だがそれでも……ビクリともしない。
「ここまでしても開かないなんて、やっぱり、これって――」
かなり深刻な表情を見せるフウマ。そして、一言……。
「これって、僕たち……閉じ込められたって事だよね」
そんな事を言われたフウマは、思わず叫んでしまう。
実はフウマ、さっきからずっと、頑なにミオの姿を見ようとしていなかったのだ。
こんな事を言われて、フウマはドキッとする。
「だ、だって……ミオだって、その……」
「平気よ。私だって、ほら、タオルで身体を隠してるし」
そう優しく、声をかける彼女。
「せっかくの温泉なのに、一度もフウマの顔が見えないのは、ちょっと寂しいもの。
それに――私とフウマって、恋人同士でしょ? だったらそんなに恥ずかしがること、ないじゃない」
「恋人って言うけど、それはG3レースが終わった後での話じゃないかよ」
それはフウマの言う通り、今はあくまでまだ、幼馴染のまま。恋人同士になるのは、無事、レースが終わった後。以前二人は、そんな話をしていた。
「ふふっ、でもマリンさんと話した時、私の事を『最高の恋人』って、言ってくれたじゃない。あれは……とてもキュンってなっちゃった。
確かにあの時、私はそんな事を言ったかもだけど、あれからの私たちって、まるで恋人同士みたいじゃないかな。フウマだって、そんな感じでしょ?」
ミオの指摘に、フウマは言いよどむ。
「まぁ、それは……そうだけど」
「ねっ? 確かにまだ恋人同士とはちょっと違うけど、それでもちょっとは恋人みたいでしょ? それに何たって、両思いでもあるんだし。だったら――」
しかしなおも、フウマは諦めない。
「もちろん僕も、そう思うよ! でも、これから僕は後半戦だってあるんだ。だから、もしかすると君の姿を見ると、集中出来なくなるかも知れないって、言うか」
彼には見えていないが、後ろのミオは少しムッとしている。
「フウマってば、それはちょっと、失礼かもよ。そんな事を言うフウマは……えいっ!」
と、次の瞬間、フウマの上からザバァっと、温泉の湯をかけられた。
「――うわっ!」
突然ずぶ濡れになって、彼は驚く。
「ちょっと! いきなり何を――」
思わず振り向いたフウマの目の前にいたのは、風呂桶を持って笑いかける、ミオの姿がある。
「ふふふっ! ようやく見てくれたね」
タオルで大事な所を隠しているものの、両腕両足、肩や腰など肌が多く覗き、それにシャワーも浴びたばかりで、肌や髪はしっとりと濡れていて、いつものミオとは全然違う姿だった。
「……ミオっ!?」
目をぱちくりして、どきまきして固まっているのを良いことに、ぐっと距離を縮めるミオ。
「別に、こうしてお風呂に一緒なのも、初めてじゃなかったよね。今更そう、緊張するなんて」
「だけど……しょ、それはまだ、ずっと小さいころの話さ。今のミオは……」
もう目をそらす事もせずに、彼女を見つめながら、ちょっと噛みつつもそう言うフウマ。
「なぁに?」
柔らかい声で、続きを催促しながら、ちょっとまた顔を寄せるミオ。フウマはごくりと、唾を飲み込む。
そして……。
「とても、女の子って感じで――すごく綺麗、なんだ。
さっきは、もしかするとレースの妨げになると思ったけど、全然そんなのはないって言うか……むしろもっと頑張りたいって、そう思えても来るよ」
彼はそう言うと、今度は自分の方からミオに近づく。
二人の距離はもうすぐ目に前に顔があるくらい、とても短いものと、なっていた。
「ねぇミオ、まだハッキリと恋人ではないし、それはレースが終わってからって、約束だったよね。
でも、ここまで僕は頑張ったし、これからの後半戦だってきっともっと頑張れる。
だから――早いかもしれないけど、もう僕たちはちゃんと恋人同士になっても、いいかな?」
それに対する、ミオは少し赤くなりながらも、微笑んで答える。
「……うん。フウマがそう言うなら、私は、いいよ」
フウマは、軽く頷く。
そして彼女に顔を近づけ。その唇同士を――。
しかし、その寸前でフウマは、ぴたりと動きを止めた。
「……」
彼はミオの直前で、口を閉ざして躊躇う様子を見せる。
「どうしたの? フウマ?」
彼女も気にかけるように、声をかけるも、それでもフウマは黙ったままだ。
そして、一度瞬きをしたのちに、ようやく一言。
「ごめん、僕は気が動転してたみたいだ。やっぱり――やめた」
フウマはそう言ったのち、ほんの少し、ミオから身を引いた。
「やっぱりまだ、緊張してるの? だったら一旦落ち着いてから、もう一回、キスをやり直してもいいよ」
しかし彼には、緊張しているような素振りはなくむしろ、落ち着いたように、首を横に振る。
「違う、そうじゃないんだ。だって、約束だったから……しっかりこのG3レースが終わってから、やっぱりそっちがいいはず」
さらにフウマは、こうも続けた。
「後半戦もちゃんと頑張って、その後で堂々と、ミオと恋人になりたい
のさ。
別にすぐじゃなくても、ほんの少し先になるだけだから。だから今は――」
すると彼はそっとまた、顔を近づけ、ミオの頬に軽いキスをした。
「今は、これくらいでガマンかな。それに親善試合後のあの時には、ミオから先だったから、お返しだ。
こんな僕でも、先にキスすることくらい、出来るんだから」
今度はミオが驚く番だったが、とても嬉しそうな笑顔を、フウマに見せた。
「あはは。これは、やられちゃった。でも困ったな、そんな事されたら私が、我慢出来なくなっちゃいそう」
ミオは軽く、フウマの頬に触れる。
でも――。そう言って彼女は伸ばした手を、引っ込めた。
「それだったら、私も我慢しないとね。ちゃんと、レースが終わってから……そうだよね、フウマ」
「うん。きっと、それが一番さ」
暖かい温泉で、フウマはぐーっと伸びをする
「うーん、それじゃ後は、もう少しオンセンに浸かってから、上がろうかな。後半戦は二時間後だから、まだまだ大丈夫さ」
「そうね。残っている修理はあと少しだけだし、二人でゆっくりしていようね。
フウマもやっと、私を見てくれるようになったし」
ミオの言う通り、さっきまでは彼女の姿を頑なに見ようともしなかったフウマだが、一度見てからはそんな様子もなくなった。
「あはは、緊張しすぎたせいで、さっきは固くなりすぎたんだ。今は落ち着いたから、普通通りさ。
そっちの方の緊張も取れたことだし、やっと心身ともに、リラックスって感じだね」
岩肌の壁にもたれかかり、こうしてゆったりとしたひと時を過ごす、フウマであった。
それから、しばらくした後。
「さて、と。もう十分にゆっくりした事だし、そろそろ上がろうかな」
フウマは湯舟から上がり、浴場の出入り口へと向かい、横開きのドアに手をかける。
しかし……。
「あれ?」
ドアに手をかけ、開けようとするフウマだが、扉はビクともしない。
これにはミオも、異変を察した。
「もしかして、ドア、開かないの?」
「おかしいな……入った時には開いたのに。ミオ、ちょっと手を貸してくれない」
ミオもドアに近づいて、そして二人同時に引く。
だがそれでも……ビクリともしない。
「ここまでしても開かないなんて、やっぱり、これって――」
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