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最終章 レースの決着
不安と焦燥
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――――
惑星サファイアが目前に迫り、G3レースも終盤に近付く、そんな中での突然の出来事。
何者かが通信をジャックし、レースを中止するよう、求める言葉……
「大事な彼女……だって!? お前っ! ミオに何かしたのかよっ!」
先ほどの発言に反応し、いつもでは見ない程に、激昂するフウマ。
だが、相手はそれを意に返さない。
〈そう怒らずとも、彼女は大切な人質だ。今は豪華な部屋で、ゆっくりくつろいでいるだろうとも〉
「せめて、ミオの無事を保証しろ! 映像や声を見せるくらい……」
今フウマの頭の中にあるのは、ミオの事ばかりだった。
無事であると言う、証拠が欲しかった。
〈ふむ、そこまで言うなら……いいだろう〉
と、ここで通信が切り替わり、映像が映し出される。
とある立派な、ホテルの一室が映された映像。
そこには一匹の小動物と、四人の人間が部屋にいた。
四人はそれぞれ多少の不安を感じながら、部屋で過ごしており……内二人は、リオンドとティナであるとフウマは分かった。
そして、ベッドに腰かけ、心配そうな表情を見せる……ミオの姿も。
「……ミオっ!」
しかし、フウマの言葉は向こうに聞こえないらしく、反応を示さない。
〈これで分かったかな? 彼女は今、我々の手中にあることが〉
通信相手はそう、フウマに言った。
「いいか、もしミオに手出ししてみろ。――ただじゃおかないからな!」
それでも、彼の怒りは収まらない。
〈だから、落ち着け。彼女も、そして他の人質には、手出しをするつもりはない。
最もそれは……君自身の選択次第だがな〉
「……くっ!」
今はレース中、ミオの危機を知っていたとしても、どうする事さえ出来ない。
すると更に、通信は続く。
〈では再度、申し出を言い渡そう。
……G3レースから手を引き、ジンジャーブレッドに優勝を譲って貰おうか。もし君が、彼女の無事を願うなら……な〉
フウマは……深く思い悩むように、顔を俯ける。
だが――答えは当然、決まっていた。
「ああ……分かったよ。レースを、諦めればいいんだろ」
これには相手も、満足したようだ。
〈賢明な判断だな〉
「そうと決まったら、急いでミオを開放しろよ! ちゃんと言う通りにするんだからさ!」
こうフウマは言うものの、向こうは……。
〈悪いが、まだだ。君の言うことを信じないわけではないが、解放するのはレースが終わってからだ〉
「くそっ! 結局は……そうなるのか」
苛立ち紛れに、舌打ちをするフウマ・
「ああ分かった! どうせこっちに、出来ることはないんだからさ!
信じてやるよ! だがもし彼女に何かあったら、僕は――」
〈心配するな。もちろん無事に返すとも。では……さよならだ〉
通信はここで切れた。
――くっ! 何でこんな事に。……ミオっ!――
席を立ち、拳を壁に叩きつけ、息を荒らげているフウマ。
すると……
〈やはり、フウマも同じ……みたいですね〉
すると通信も、回復したようだ。
シロノは画面越しに、そう語りかけるのは、シロノであった。
これに気づき、フウマははっとなる。
「……シロノ。変な所を、見せてしまったな」
そう言うものの、気を取り直す余裕も、彼にはなかった。
それに――
〈まさか、親父が攫われるなんてな〉
〈私は……お姉ちゃんが、あんな事に〉
〈ペットのスノゥまで……許せないわね〉
リッキー、フィナ、そしてマリンまでも、同じ被害を受けたらしい。
「……やっぱり、みんなも」
〈私の弟、アインもまた彼らの手に。――目的はやはり、私たちにレースを辞退させる事、みたいですね〉
フウマは、頷いた。
〈私たちは全員、レースを辞退すると決めました。フウマは……聞くまでもないですね〉
「そんなの当たり前だ。レースと、ミオの無事、幾ら僕がレーサーでも、どっちが重要かだなんて分かりきった事だろ」
フウマはレースを諦め、彼女を選んだ。
……が、やはり本当に大丈夫なのか、不安があった。
〈最後の最後で、こんな事になるなんて。やはり――〉
〈……〉
シロノはジンジャーブレッドとも、通信を繋げていた。
明らかな怒りを覚えた彼は、こう言い放った。
〈ジンジャーブレッド! あなたのせいでこんなことに!〉
〈それは……〉
シロノに言及され、弱ったジンジャーブレッドには、言い返す余力すらなかった。
「ちょっ、やめてよシロノ! ジンジャーブレッドは――」
これにハッとしたフウマは、シロノを止めようとする。が……。
〈一度は信じて、再びレースを頑張ろうとしました。最悪あの加速を行ったとしても、それはもう、諦めるつもりでいたのですよ。
でも! 他の人間まで巻き込んでこんな真似に! やはりアインの言っていた通り……あなたなんて、レーサーの風上にもおけません!〉
怒りの込もった、シロノの発言。
〈レーサーの風上にもおけない……か〉
明らかにショックを受けたかのような、ジンジャーブレッドと、そして――。
「違う! ジンジャーブレッドだって、こんな事は望んでなんていない! いや、望むわけなんてないんだ!」
〈しかし大切な人が人質にとられて、危険であるのですよ! ジンジャーブレッドさえレースに、現れさえしなければ……っ!〉
フウマもフウマで、ジンジャーブレッドを庇おうとするも、シロノには通じない。
対して、ジンジャーブレッドはと言うと、もう諦めたかのように……。
〈……いや、いいんだ、フウマ〉
「でも――ジンジャーブレッドさんは……」
気にかける様子のフウマ、だが。
〈シロノの言う通り、私にも責任がある。こうなったのも…………ぐはっ!〉
「……ジンジャーブレッドさんっ!」
突如苦しむ様子を見せた、ジンジャーブレッド。……もはや相手も、限界だったのだろう。
〈ここまでどうにか耐えていたが……ぐうっ、もう……無理みたいだ。ぐあっ……があぁぁっ!〉
その声が、最後だった。
ジンジャーブレッドとの通信は、この絶叫とともに、一方的に切断された。
通信は途切れた。
だが……ブラッククラッカーは相変わらず、飛行している。
先ほどとはうって変わり、ずっと単調で、まるで自動で動いているような、そんな飛び方だ。
――ジンジャーブレッドさん、一体……どうしたんだよ――
向こうからの応答も、一切なく、ブラッククラッカーはただ飛行を続ける。
フウマは心配になるものの、もはやどうしようもない。今はどうにか、約束通り上手くブラッククラッカーに負けることだ。
八百長していると悟られないように、レースを頑張っているように見せかけ、ブラッククラッカーを追い越さないように注意を払う。
――シロノ達も、同じようにして背後を飛ぶ。
順位も変動することなく、見かけだけの単調なレースが、こうして続くことになる。
――――
クイーン・ギャラクシー号の、特殊モニタリングルームでは、ゲルベルトがブラッククラッカーを自動操縦へと、切り替えていた。
正面の装置に示される、パイロットであるジンジャーブレッドのバイタルは、通常時よりもずっと低い。
恐らく意識を失い、自らが操縦する状態にないようだ。
――もう使えないか。まぁいい、奴の役目もこれで終わりだ。 後は自動操縦で機体を動かし、ゴールに向かわせれば済む――
ゲルベルトはフッと、勝ち誇った表情を浮かべる。
――今回の事には、ずいぶん手間をかけさせてくれたが、これで全ては解決だ。
さて、後は――
後ろへと、彼は振り返り、にこやかなほほ笑みを張り付けた。
背後には、楕円形の大きな机を囲み、席に座る何人もの人々の姿があった。
ギラギラしたような恰好や、立派なスーツを着たもの、誰も彼も、地位の高い相手であると思わせる人間だ。
ゲルベルトが笑みを向けたのは、彼らに対して。
「さぁ皆さん、多少お見苦しい所はありましたが……商談の続きと参りましょう」
惑星サファイアが目前に迫り、G3レースも終盤に近付く、そんな中での突然の出来事。
何者かが通信をジャックし、レースを中止するよう、求める言葉……
「大事な彼女……だって!? お前っ! ミオに何かしたのかよっ!」
先ほどの発言に反応し、いつもでは見ない程に、激昂するフウマ。
だが、相手はそれを意に返さない。
〈そう怒らずとも、彼女は大切な人質だ。今は豪華な部屋で、ゆっくりくつろいでいるだろうとも〉
「せめて、ミオの無事を保証しろ! 映像や声を見せるくらい……」
今フウマの頭の中にあるのは、ミオの事ばかりだった。
無事であると言う、証拠が欲しかった。
〈ふむ、そこまで言うなら……いいだろう〉
と、ここで通信が切り替わり、映像が映し出される。
とある立派な、ホテルの一室が映された映像。
そこには一匹の小動物と、四人の人間が部屋にいた。
四人はそれぞれ多少の不安を感じながら、部屋で過ごしており……内二人は、リオンドとティナであるとフウマは分かった。
そして、ベッドに腰かけ、心配そうな表情を見せる……ミオの姿も。
「……ミオっ!」
しかし、フウマの言葉は向こうに聞こえないらしく、反応を示さない。
〈これで分かったかな? 彼女は今、我々の手中にあることが〉
通信相手はそう、フウマに言った。
「いいか、もしミオに手出ししてみろ。――ただじゃおかないからな!」
それでも、彼の怒りは収まらない。
〈だから、落ち着け。彼女も、そして他の人質には、手出しをするつもりはない。
最もそれは……君自身の選択次第だがな〉
「……くっ!」
今はレース中、ミオの危機を知っていたとしても、どうする事さえ出来ない。
すると更に、通信は続く。
〈では再度、申し出を言い渡そう。
……G3レースから手を引き、ジンジャーブレッドに優勝を譲って貰おうか。もし君が、彼女の無事を願うなら……な〉
フウマは……深く思い悩むように、顔を俯ける。
だが――答えは当然、決まっていた。
「ああ……分かったよ。レースを、諦めればいいんだろ」
これには相手も、満足したようだ。
〈賢明な判断だな〉
「そうと決まったら、急いでミオを開放しろよ! ちゃんと言う通りにするんだからさ!」
こうフウマは言うものの、向こうは……。
〈悪いが、まだだ。君の言うことを信じないわけではないが、解放するのはレースが終わってからだ〉
「くそっ! 結局は……そうなるのか」
苛立ち紛れに、舌打ちをするフウマ・
「ああ分かった! どうせこっちに、出来ることはないんだからさ!
信じてやるよ! だがもし彼女に何かあったら、僕は――」
〈心配するな。もちろん無事に返すとも。では……さよならだ〉
通信はここで切れた。
――くっ! 何でこんな事に。……ミオっ!――
席を立ち、拳を壁に叩きつけ、息を荒らげているフウマ。
すると……
〈やはり、フウマも同じ……みたいですね〉
すると通信も、回復したようだ。
シロノは画面越しに、そう語りかけるのは、シロノであった。
これに気づき、フウマははっとなる。
「……シロノ。変な所を、見せてしまったな」
そう言うものの、気を取り直す余裕も、彼にはなかった。
それに――
〈まさか、親父が攫われるなんてな〉
〈私は……お姉ちゃんが、あんな事に〉
〈ペットのスノゥまで……許せないわね〉
リッキー、フィナ、そしてマリンまでも、同じ被害を受けたらしい。
「……やっぱり、みんなも」
〈私の弟、アインもまた彼らの手に。――目的はやはり、私たちにレースを辞退させる事、みたいですね〉
フウマは、頷いた。
〈私たちは全員、レースを辞退すると決めました。フウマは……聞くまでもないですね〉
「そんなの当たり前だ。レースと、ミオの無事、幾ら僕がレーサーでも、どっちが重要かだなんて分かりきった事だろ」
フウマはレースを諦め、彼女を選んだ。
……が、やはり本当に大丈夫なのか、不安があった。
〈最後の最後で、こんな事になるなんて。やはり――〉
〈……〉
シロノはジンジャーブレッドとも、通信を繋げていた。
明らかな怒りを覚えた彼は、こう言い放った。
〈ジンジャーブレッド! あなたのせいでこんなことに!〉
〈それは……〉
シロノに言及され、弱ったジンジャーブレッドには、言い返す余力すらなかった。
「ちょっ、やめてよシロノ! ジンジャーブレッドは――」
これにハッとしたフウマは、シロノを止めようとする。が……。
〈一度は信じて、再びレースを頑張ろうとしました。最悪あの加速を行ったとしても、それはもう、諦めるつもりでいたのですよ。
でも! 他の人間まで巻き込んでこんな真似に! やはりアインの言っていた通り……あなたなんて、レーサーの風上にもおけません!〉
怒りの込もった、シロノの発言。
〈レーサーの風上にもおけない……か〉
明らかにショックを受けたかのような、ジンジャーブレッドと、そして――。
「違う! ジンジャーブレッドだって、こんな事は望んでなんていない! いや、望むわけなんてないんだ!」
〈しかし大切な人が人質にとられて、危険であるのですよ! ジンジャーブレッドさえレースに、現れさえしなければ……っ!〉
フウマもフウマで、ジンジャーブレッドを庇おうとするも、シロノには通じない。
対して、ジンジャーブレッドはと言うと、もう諦めたかのように……。
〈……いや、いいんだ、フウマ〉
「でも――ジンジャーブレッドさんは……」
気にかける様子のフウマ、だが。
〈シロノの言う通り、私にも責任がある。こうなったのも…………ぐはっ!〉
「……ジンジャーブレッドさんっ!」
突如苦しむ様子を見せた、ジンジャーブレッド。……もはや相手も、限界だったのだろう。
〈ここまでどうにか耐えていたが……ぐうっ、もう……無理みたいだ。ぐあっ……があぁぁっ!〉
その声が、最後だった。
ジンジャーブレッドとの通信は、この絶叫とともに、一方的に切断された。
通信は途切れた。
だが……ブラッククラッカーは相変わらず、飛行している。
先ほどとはうって変わり、ずっと単調で、まるで自動で動いているような、そんな飛び方だ。
――ジンジャーブレッドさん、一体……どうしたんだよ――
向こうからの応答も、一切なく、ブラッククラッカーはただ飛行を続ける。
フウマは心配になるものの、もはやどうしようもない。今はどうにか、約束通り上手くブラッククラッカーに負けることだ。
八百長していると悟られないように、レースを頑張っているように見せかけ、ブラッククラッカーを追い越さないように注意を払う。
――シロノ達も、同じようにして背後を飛ぶ。
順位も変動することなく、見かけだけの単調なレースが、こうして続くことになる。
――――
クイーン・ギャラクシー号の、特殊モニタリングルームでは、ゲルベルトがブラッククラッカーを自動操縦へと、切り替えていた。
正面の装置に示される、パイロットであるジンジャーブレッドのバイタルは、通常時よりもずっと低い。
恐らく意識を失い、自らが操縦する状態にないようだ。
――もう使えないか。まぁいい、奴の役目もこれで終わりだ。 後は自動操縦で機体を動かし、ゴールに向かわせれば済む――
ゲルベルトはフッと、勝ち誇った表情を浮かべる。
――今回の事には、ずいぶん手間をかけさせてくれたが、これで全ては解決だ。
さて、後は――
後ろへと、彼は振り返り、にこやかなほほ笑みを張り付けた。
背後には、楕円形の大きな机を囲み、席に座る何人もの人々の姿があった。
ギラギラしたような恰好や、立派なスーツを着たもの、誰も彼も、地位の高い相手であると思わせる人間だ。
ゲルベルトが笑みを向けたのは、彼らに対して。
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