科学は、如何にしてヒトを幸せにするか~ななの例~

深町珠

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個々

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「あの人は、超然としてると言うか、
トトロみたいに、ぬー、ってしてて。
ふつう、男の人ってどこか、尖ってるんだけど」と、ななは、そんな風に
加藤の事を思った。


信号が青になって、道を急ぐ人が
せわしげに車を走らせていく。


「そういう人と、のんびり暮らせたらいいな、って。そう思ったりしたけど
いけないことなのかしら」と、ななはふと
自らの思いを告げた。




「そんな事もないがのぉ。彼もそのうち
気も変わるかもしれんが」と、神様は
ななが悲しまないように、そんな風に言った。



気持ちの問題は、思いやりのある世の中になっても、そうは変わらない。


愛せるひとは、ひとりだけ。


加藤のように、愛の対象が
架空の世界の美的空間に、言ってみれば
0次元モデルになってしまっている者は


実際の3次元の人間、その中に愛を
見出だせなくなってしまう。


彼は、心の中に美しい空間を持っていて
そこにいつも音楽が満たされているから


人間としての愛は超越してしまう。



攻撃も防御も必要ないのだ。
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