51 / 418
若いけど
しおりを挟む
神様はななを不憫に思ったから
自分の国、つまりめぐの国に連れていって
すこし、加藤から距離を置こうと思った。
恋愛って、どうしようもないところもある。
好みとか、生き方とか。
生まれ育った環境に合わせて生きるから
ひとそれぞれ。
面白い事に、ふつうの動物の多くは
雌が選択し、雄は選ばれる。
それが、霊長類あたりになると
猿くらいからだろうか、雄は好みを主張する。
勿論、主導権は雌にあるのだけれども
雄一頭に雌複数、そんな状況でも
雄は好みで雌を選ぶと観察されている。
人間も、ごく一部そんな人もいるようで
加藤などは、そうらしい。
加藤自身も不思議に思っている。
「別に、どうでもいいのだけれども」
取り立てて時間掛けて、女の子の機嫌を取るなんて面倒なだけだ(笑)と
そう思っているだけで、ななが格別嫌な訳でもないけど、好きでもない(笑)。
ななに出会う前にも、いろいろな女の子が
加藤の周囲にはいて
そんな記憶の中の彼女たちは、好ましかったような
そんな気もする、と
加藤は思っていたりするし
音楽の中のイメージ、例えば
「そよ風の誘惑」を歌っている
Oliviaの声は、とても愛しいと思ったり。
抽象的なものだから、現実の人間が
敵うはずもない。
わりと、特殊な人間の加藤に出逢ったのは
ななにとって不幸なのかもしれないけれど
容易く終わらない恋の思いに浸れるので
それは、幸せなのかもしれなかったり。
加藤にも、恋について
思い当たる事がある。
それは10年ほども前の事だったろうか。
一時的に仕事が途切れ、加藤は
研究所から離れてアルバイトをしていた。
そこで、バイト仲間だった少女は17歳、
何か理由があったのか、高校ではなく
専門学校に行っている、小柄な子だった。
ひどく幼いようで、大人のような
奇妙な子だったけれど
そのアンバランスなところ、それと
甘えてくるところが、どことなく
守ってあげたくなるような感じだった。
恋、と言うより支えてあげているうちに
なんとなく信頼しあう仲になり
寄り添うようになった。
恋はそういうものかもしれない。
そう、加藤は思ったのは
その子となら、苦労しても一緒でいたいと
思うような気持ちになったりもしたからだった。
ひたむきに恋する子で、愛が得られないと
思い込むと、瞼が腫れるほど泣きはらすようで
真っすぐで、痛々しくて。
クリスマスには、手作りのマフラーを編んだりする、そんな彼女は
ふと、気づくと
今、ななと同じ年齢になっているはずだった。
今の彼女は、ななのように
それなりに大人になっているのだろうか、と
思うと
その、17歳の頃に出会えて良かったと
思ったりする加藤だった。
その思い出があるから、今も
加藤は穏やかに幸せでいられるのだと
思ったりもする。
自分の国、つまりめぐの国に連れていって
すこし、加藤から距離を置こうと思った。
恋愛って、どうしようもないところもある。
好みとか、生き方とか。
生まれ育った環境に合わせて生きるから
ひとそれぞれ。
面白い事に、ふつうの動物の多くは
雌が選択し、雄は選ばれる。
それが、霊長類あたりになると
猿くらいからだろうか、雄は好みを主張する。
勿論、主導権は雌にあるのだけれども
雄一頭に雌複数、そんな状況でも
雄は好みで雌を選ぶと観察されている。
人間も、ごく一部そんな人もいるようで
加藤などは、そうらしい。
加藤自身も不思議に思っている。
「別に、どうでもいいのだけれども」
取り立てて時間掛けて、女の子の機嫌を取るなんて面倒なだけだ(笑)と
そう思っているだけで、ななが格別嫌な訳でもないけど、好きでもない(笑)。
ななに出会う前にも、いろいろな女の子が
加藤の周囲にはいて
そんな記憶の中の彼女たちは、好ましかったような
そんな気もする、と
加藤は思っていたりするし
音楽の中のイメージ、例えば
「そよ風の誘惑」を歌っている
Oliviaの声は、とても愛しいと思ったり。
抽象的なものだから、現実の人間が
敵うはずもない。
わりと、特殊な人間の加藤に出逢ったのは
ななにとって不幸なのかもしれないけれど
容易く終わらない恋の思いに浸れるので
それは、幸せなのかもしれなかったり。
加藤にも、恋について
思い当たる事がある。
それは10年ほども前の事だったろうか。
一時的に仕事が途切れ、加藤は
研究所から離れてアルバイトをしていた。
そこで、バイト仲間だった少女は17歳、
何か理由があったのか、高校ではなく
専門学校に行っている、小柄な子だった。
ひどく幼いようで、大人のような
奇妙な子だったけれど
そのアンバランスなところ、それと
甘えてくるところが、どことなく
守ってあげたくなるような感じだった。
恋、と言うより支えてあげているうちに
なんとなく信頼しあう仲になり
寄り添うようになった。
恋はそういうものかもしれない。
そう、加藤は思ったのは
その子となら、苦労しても一緒でいたいと
思うような気持ちになったりもしたからだった。
ひたむきに恋する子で、愛が得られないと
思い込むと、瞼が腫れるほど泣きはらすようで
真っすぐで、痛々しくて。
クリスマスには、手作りのマフラーを編んだりする、そんな彼女は
ふと、気づくと
今、ななと同じ年齢になっているはずだった。
今の彼女は、ななのように
それなりに大人になっているのだろうか、と
思うと
その、17歳の頃に出会えて良かったと
思ったりする加藤だった。
その思い出があるから、今も
加藤は穏やかに幸せでいられるのだと
思ったりもする。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる