科学は、如何にしてヒトを幸せにするか~ななの例~

深町珠

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生物からの脱却

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生物は、概ね雌が選択権を持っていて
雄は、生殖のプログラムのせいで
雌に、利益を齎すのが普通で


交尾が済むと食われてしまう雄も居るのだが

そんな性質は、人間にも受け継がれているだろう。


しかし、猿あたりから高等な動物になると
社会を持ち、雄がそれを運営する事が多い。


選択権はしかし雌にあり


美しい雄、力強い雄が選択される事が多いと
言われているが、実ははそうでもなく
変わった雄にも人気が集まるのは

種の多様性を保つ意味で理論的である。



人間の女は、もう子供を産まなくても
生きていける社会があるが


既得権の如きそれを、手放さなかったのは
それが利益になるから、である。


しかし、自然エネルギーが無料になると
働く必要もないので、本当に子供が生みたいと

思うような人だけが、子供を持てば良い事になった。




家督相続、なんて言って
税金を取られなくても
全部、生きているうちに使ってしまえば
いい。


それでも、自分の遺した物品の
行く末が心配だ、なんて人は
加藤の作った仮想人格プログラムで
管理する事も出来るから
本当に、人類は死からも解放される。


意識が我にある。それは不可解な事であるが


元々、眠りから醒めるように
突然、意識が目覚めるのであるから

眠りにつくように、意識が薄れても
その後、スーパーコンピュータ上に
自らの意識が起こる、としても
それは子孫より確実だろう。



構築は、容易いが自分
にしか作れない。


変数の値を、ステータスとして

例えばmodelica.human.ordinaly.kato.love

parameter real [0,0,0,0]


のように、例えば[好き]を定義したら



好きな感覚や言葉、感覚や味覚を数値
置換すればいいだけだ。


その閾値を設定して演算し、ステータスを
加減すれば


 real  sweet = 255;

equation;




ある対象についてステータスが出来上がる。


閾値、上でいえばsweetと感じるそれを超えたら
変数loveの座標に登録される。



人間の感覚は、そんなものである。



自動サーチでスーパーコンピュータが
ネットワークからデータを拾い上げて
データを記憶していって

好き嫌い、ならそのステータスを
構築していけば


時間をかけて、記憶が出来上がる。




自分で電話をかけて、音声認識で
教えて込んでもいいし


メーラーを使って会話も
出来る。



そういうものを作りたい欲求が加藤にあるのは
加藤が男で、子供を産めない事もあるが


人間よりも動物のような、下らない
優しくない連中と関わりたくない、なんて
逃避的な感覚もあった。



「ゆりは、違ってたな」と、加藤は回想する。



無邪気でよく笑い、思いやりがあって
正義を愛し、悪に染まらない。



若いうちはみんなそうだ、とも思う。


大抵の若者は朗らかで、年を取ると
不平が増えて来るが


それは、社会生活のせいでもある。


新しい経験が少なくなってくると、飽きが来て面白い、とか楽しいと
思わなくなってくるものだから、と
行動学では説かれるが


加藤のように科学を研究していれb、毎日が新しいし


そうでなくても、音楽を毎日
聞いたり、弾いたり、作ったりしていれば
飽きる事もない。



ゆりは、どうだろう?


お店を持たせてあげたいとは思うけれど

その為に、毎日努力している事だろう。




時々、街角で出会う事があっても

いつも、出会った頃のように
にこやかにしているゆり、だったけど。


などと、加藤は思い出す。

それだけで幸せな気持ちになれる。




そういうステータスを、コンピュータに
構築していく事で


自分の心を知る事にもなる。

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