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友達思い
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でも、珠子の悩みは解決されてはいない。
お店の仕事をしていると、忘れているけれど。
悩みは、そういうものだ。
情報ー>人
人間の思考は、脳で行われている。
それは、長い進化の過程で得られた構造であるから
生存の為に作られている。
だから、生き延びて来れたのだが
その為、人間は常に思考を続けるように出来ていて
眠っている間でも、夢を見たりするように
脳は、休んでいない。
元々、野生生活だったから
常に情報が来る。その名残だ。
ジャングルに住んでいて、夜、思考が停まれば
外敵に食われてしまう。
その為の思考である。
悩みと言うのは、記憶を繰り返し考える、と言う事だ。
なので、「しなくてはならない事」があれば
悩みはとりあえず、抑えられる。
よく、心が疲れた人の治療に
お医者様が、山登りに連れて行ったりする方法があったり。
絵画を描かせたり。
音楽を聞かせたり。
そういう治療は、その構造から考えられたものだ。
珠子は、とりあえず店が暇になるまで
健康的に働けた。
それはいい事だが、店が落ち着いて見ると
自身の行く末を思う。
・・・もし、このままだったとしたら。
それ以前に「神隠し」の事が気になる。
・・・もしかして、このアーケードに
若い女の人が居ない理由は。
そう言えば、碧が
このアーケードに住むおじいちゃんと
とても仲が良いのに、なぜか同居しないのも。
特に訳がなかったけれど・・・。
商店街の近く。
銭湯のひとり娘は、結婚して
町を離れた。
それは普通にある事だけれども、ひょっとして「神隠し」を怖れての
事だろうか、などと憶測してしまう。
魚屋さんは、普通の中年夫婦だが
なぜか、子供がいない。
お豆腐屋さんは、中年の男性がひとり。
朴訥な人だけれども、どうしてか
ひとりのまま。
そして、なぜか
お祭りはとても盛大なのである。
それは神事。
と、あれこれ空想するのは
情報が入って来ないからである。
簡単に言えば、暇なのだ。
今のところ独身で、恋人もいない珠子でも
やっぱり、神隠しは嫌だ、と思う。
この町に居たいし。
「神隠しなら、気を付けるように、って
みんな、言ってくれると思うけど・・・。」
親切な人たちだから。
珠子はそう考える。
詩織は、珠子の事を心配したけれど
誰にも相談はできない。
珠子の秘密を話せない。
却って、詩織が悩んでしまう。
その様子を、生態学研究室の同僚が気にして
「どうしたの?」と。隣席の女子研究員。
詩織は咄嗟に「ミズクラゲって、記憶があるのかな、って。」
そういうと、隣席の彼女は「おかしな詩織さん。」と、笑い
「でも、記憶があっても消えちゃうでしょうね。生まれ変わる時に。
細胞が無くなるんだから。」
・・・・人間に生まれ変わりがあったら、そうなるのかしら。
詩織は思う。
珠子がもし、生まれ変わりでも
遺伝子に残るような情報は
受け継がれるだろうな。
そんな風にも思う。
いま、珠子の遺伝情報から判っている事は
細胞が少し、年齢相応より若いと言う事だけだ。
詩織は、午後に
生物社会学の資料室を訪ねた。
ここの大学で興ったこの分野なので、資料も立派なものである。
人間と社会の事に関する資料が沢山。
偶然、何かを見つけるには
図書館はいい場所だ。
書架をなんとなく眺めて歩いてみる。
こういう時間も、とても楽しい。
ふと、失踪の歴史と原因についての調査資料に目が留まる。
きちんとした本になっているので、丁寧に引き出すと
比較的読まれている資料のようだ。
日本全国の、どのあたりに失踪が多いか、等。
原因の多くは、社会の問題からの逃避であるらしい。
・・・逃避。
そうなのかなぁ、と詩織は思う。
詩織は、高校生になってから
珠子と出逢ったから
幼い頃の珠子は知らない。
・・・幼馴染だったら。
何か、知っているんじゃないかしら。
碧は、そういえば珠子と
ずっと幼馴染だったと聞いている。
「だとすると、珠子のお母さんの事を
覚えているかもしれないね。」
・・・なんとなく、その話題は避けていた。
珠子が悲しむのを見たく無かったから。
でも。
思い切って、碧に電話する。
「あ、私も知らないな。アーケードに住んでなかったから。
小学生になって、同じ学校に通うから、珠子と仲良しになったし。
4年だったかなぁ。」
と、碧はさっぱりと答える。
でも。
「なんでそんな事聞くの?珠子どうかした?」と、反対に気にされてしまったので。
詩織は焦る。
珠子の秘密を話す訳にもいかない。
お店の仕事をしていると、忘れているけれど。
悩みは、そういうものだ。
情報ー>人
人間の思考は、脳で行われている。
それは、長い進化の過程で得られた構造であるから
生存の為に作られている。
だから、生き延びて来れたのだが
その為、人間は常に思考を続けるように出来ていて
眠っている間でも、夢を見たりするように
脳は、休んでいない。
元々、野生生活だったから
常に情報が来る。その名残だ。
ジャングルに住んでいて、夜、思考が停まれば
外敵に食われてしまう。
その為の思考である。
悩みと言うのは、記憶を繰り返し考える、と言う事だ。
なので、「しなくてはならない事」があれば
悩みはとりあえず、抑えられる。
よく、心が疲れた人の治療に
お医者様が、山登りに連れて行ったりする方法があったり。
絵画を描かせたり。
音楽を聞かせたり。
そういう治療は、その構造から考えられたものだ。
珠子は、とりあえず店が暇になるまで
健康的に働けた。
それはいい事だが、店が落ち着いて見ると
自身の行く末を思う。
・・・もし、このままだったとしたら。
それ以前に「神隠し」の事が気になる。
・・・もしかして、このアーケードに
若い女の人が居ない理由は。
そう言えば、碧が
このアーケードに住むおじいちゃんと
とても仲が良いのに、なぜか同居しないのも。
特に訳がなかったけれど・・・。
商店街の近く。
銭湯のひとり娘は、結婚して
町を離れた。
それは普通にある事だけれども、ひょっとして「神隠し」を怖れての
事だろうか、などと憶測してしまう。
魚屋さんは、普通の中年夫婦だが
なぜか、子供がいない。
お豆腐屋さんは、中年の男性がひとり。
朴訥な人だけれども、どうしてか
ひとりのまま。
そして、なぜか
お祭りはとても盛大なのである。
それは神事。
と、あれこれ空想するのは
情報が入って来ないからである。
簡単に言えば、暇なのだ。
今のところ独身で、恋人もいない珠子でも
やっぱり、神隠しは嫌だ、と思う。
この町に居たいし。
「神隠しなら、気を付けるように、って
みんな、言ってくれると思うけど・・・。」
親切な人たちだから。
珠子はそう考える。
詩織は、珠子の事を心配したけれど
誰にも相談はできない。
珠子の秘密を話せない。
却って、詩織が悩んでしまう。
その様子を、生態学研究室の同僚が気にして
「どうしたの?」と。隣席の女子研究員。
詩織は咄嗟に「ミズクラゲって、記憶があるのかな、って。」
そういうと、隣席の彼女は「おかしな詩織さん。」と、笑い
「でも、記憶があっても消えちゃうでしょうね。生まれ変わる時に。
細胞が無くなるんだから。」
・・・・人間に生まれ変わりがあったら、そうなるのかしら。
詩織は思う。
珠子がもし、生まれ変わりでも
遺伝子に残るような情報は
受け継がれるだろうな。
そんな風にも思う。
いま、珠子の遺伝情報から判っている事は
細胞が少し、年齢相応より若いと言う事だけだ。
詩織は、午後に
生物社会学の資料室を訪ねた。
ここの大学で興ったこの分野なので、資料も立派なものである。
人間と社会の事に関する資料が沢山。
偶然、何かを見つけるには
図書館はいい場所だ。
書架をなんとなく眺めて歩いてみる。
こういう時間も、とても楽しい。
ふと、失踪の歴史と原因についての調査資料に目が留まる。
きちんとした本になっているので、丁寧に引き出すと
比較的読まれている資料のようだ。
日本全国の、どのあたりに失踪が多いか、等。
原因の多くは、社会の問題からの逃避であるらしい。
・・・逃避。
そうなのかなぁ、と詩織は思う。
詩織は、高校生になってから
珠子と出逢ったから
幼い頃の珠子は知らない。
・・・幼馴染だったら。
何か、知っているんじゃないかしら。
碧は、そういえば珠子と
ずっと幼馴染だったと聞いている。
「だとすると、珠子のお母さんの事を
覚えているかもしれないね。」
・・・なんとなく、その話題は避けていた。
珠子が悲しむのを見たく無かったから。
でも。
思い切って、碧に電話する。
「あ、私も知らないな。アーケードに住んでなかったから。
小学生になって、同じ学校に通うから、珠子と仲良しになったし。
4年だったかなぁ。」
と、碧はさっぱりと答える。
でも。
「なんでそんな事聞くの?珠子どうかした?」と、反対に気にされてしまったので。
詩織は焦る。
珠子の秘密を話す訳にもいかない。
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