arcadia

深町珠

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あした

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「800年生きるって事はないからね。」中野は
珠子たちの直面している事は何もしらないから
そんな風に、常識を述べて笑った。

碧は、その話題を出した事を後悔したけれど、前向きな子である。

「先生も如何ですか、お菓子」と。

珠子本人は別に気にしていないようす。
そんなものである。碧の心配は

碧の心の中にあるのだから。


中野先生は「甘いのはニガテでね。それに、僕がいたら不釣合いだよ。
皆さん、美しくなられて。」と。


碧は「先生、お上手ですね。」と、にこにこ。

中野は「いやいや。あの頃とちっとも変わらないね。みんな。
制服着たらわからないよ。」と。
普通、女の子が聞いたら嬉しいような事を言った。

いまひとつ喜べない4人は「ははは。」と。笑っただけ。
それは、中野が悪い訳ではないのだけれども。







4人は、それから珠乃家に向かった。
これからのことを、珠子の父に話さないといけない。

神流はひとりでいい、と言ったが。


「こんばんはー。」と、一緒に言った。
どことなく、響きが明るくない事に
珠子の父は、なんとなく不審に思う。

表情を見て、察したようだ。

「奥へどうぞ。」と。



「ありがとう。皆さん。珠子の為にそこまで。」と
事情を聞いて、神妙な表情になる。


詩織は「私達も、お店のお手伝いをしようと思います。」と。

珠子の父は「・・・・・。今のお話だと、皆さんが危ないと思う。」


碧も、詩織も。それには気づかなかった。珠子に特別な事だと
考えていたからだった。

神流も、そう思っていた。「・・・・そうですね。論理的に。」


このアーケードに若い娘がいない理由は、それかもしれない。

もし「神隠し」が、誰の身にも起こるとしたら。


珠子は「わたし、お店で働くよ。だって、お父さんとお祖父ちゃんだけじゃ無理。」


珠子の父は「いや、対策が見つかるまでなら、なんとかなる。
ご近所に頼んでもいいし、アルバイトを雇ってもいい。男のな。」


「なるほど。そうですね。」と、神流。


対策を急がねばとも思うが。神流にしても専門外のお話である。

「奥様の時はどうだったのですか?」と、聞こうと思ったが
珠子の気持を考えて、止めた。


「それじゃ、珠ちゃん。とりあえず持って行くものをまとめましょう。」と
神流。


階段を昇って、4人で珠子の部屋へ。

以前は、妹とふたりの部屋だったが
妹は、お店の仕事を好まなかった。


珠子も、幼い頃はそうだったが
母が不在になり、するようになった。

無理をしていたのかもしれない。

何が、珠子に無理をさせたのだろう?

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