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自然のなか
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「じいさんが死んでからな」と、おばあちゃんは平気な顔で言うので
その、超然としているところがいいな、と思って
何もいえなくなった。それから「あ、ごめんなさい。」と言ったら
「なーも、さ。年取ったら死ぬだべ、誰でも。あたりまえです。
おれもな、そのうち行くべさ。」
珠子には実感はない。けれども「神隠し」に遭ったら・・・
この世からは居なくなるのだろうから
それは、死に近いのだろうか。行った先で生きていられるのか
それも判らない。それを思い出すと
少し怖くなる。
俯いた珠子を見て「どっか痛い?」と、おばあちゃん。
珠子は、その優しさに触れて。嬉しくなって。落涙した。
おばあちゃんは「どうかしたか?珠子ちゃん」と、肩を引き寄せた。
よしよし、と。背中をさすって。
珠子は、ずっと抑えていたのだろう。怖さを。
「どうかしたか、ばーちゃんに言ってみろ、ほれ?なんでも聞くぞ
話すと楽になる。」
珠子は、おばあちゃんには話せるかな、と思って。
神隠しの事を話し、怖いの、と言った。
おばあちゃんは「うん。どこでもあるな。この村にもあったな。そういう言い伝え。
今はないから。安心しろ。」と、珠子の背中をぽんぽん、と叩いて。
珠子は、幼いころ、そんな事をされたような記憶を思い出す。
・・・・誰、だったかな・・・・。
思い出せない。
人の記憶ってそんなものだ。起こった事は思い出せても。
でもそれで、なんとなく安心。
前の時もそれで安心できたから。
珠子は「あ、ごめんなさい汚して」と。気づいて。
「なーもさ、元々泥だらけです。珠子ちゃんの服が汚れます。はは。
さ、食べちゃおね。おひる。」
四角い、日焼けの顔でにこにこ。
珠子は、お母さんがいなくなってから、本当にひさしぶりに
甘えられたような、そんな気がして。
・・・・ここへ旅してきて、良かったな。
そう思った。
それから、おにぎりを食べながら。「おばあちゃんは、ここにお嫁さんに来たの?」
「んー、まあ、その村だから。来たって程でもないが」と、おばあちゃんは笑った。
「昔の事だから。その頃は電車も無かったので静かで、なんにもない村だったもの。
そういうもんだと思ってたな。みんな。都会に出ようとか、思わなかったな。」と
珠子は「学校も村ですか?」
おばあちゃんは「そう。中学校はあるの。高校は少し離れたとこにあるけどね。
ばあちゃんの頃は、高校なんてお嬢さんの行くとこで。ふつうの子は、中学出たら
野良だった。小学校の頃からまあ、野良に出てたが。」と、ははは、と笑う。
そういうものだ。と思って生きてきて。
死ぬのもそういうものだ。
そういう超然としたところは、とても凄いと珠子は思う。
珠子は、自分がいなくなるかも、なんて、自分の事だけを考えていたから
おばあちゃんのように、自然に生きたいな、なんて
思ったりもした。
ここに住んでると、そんな風に思えるのかもしれないな、なんて
そう思ったり。
すべて自然の中だから、自然に生きていけて。
人の作ったような、些細な事はどこにもなかったり。
それはとてもいい事のように思えた。
その、超然としているところがいいな、と思って
何もいえなくなった。それから「あ、ごめんなさい。」と言ったら
「なーも、さ。年取ったら死ぬだべ、誰でも。あたりまえです。
おれもな、そのうち行くべさ。」
珠子には実感はない。けれども「神隠し」に遭ったら・・・
この世からは居なくなるのだろうから
それは、死に近いのだろうか。行った先で生きていられるのか
それも判らない。それを思い出すと
少し怖くなる。
俯いた珠子を見て「どっか痛い?」と、おばあちゃん。
珠子は、その優しさに触れて。嬉しくなって。落涙した。
おばあちゃんは「どうかしたか?珠子ちゃん」と、肩を引き寄せた。
よしよし、と。背中をさすって。
珠子は、ずっと抑えていたのだろう。怖さを。
「どうかしたか、ばーちゃんに言ってみろ、ほれ?なんでも聞くぞ
話すと楽になる。」
珠子は、おばあちゃんには話せるかな、と思って。
神隠しの事を話し、怖いの、と言った。
おばあちゃんは「うん。どこでもあるな。この村にもあったな。そういう言い伝え。
今はないから。安心しろ。」と、珠子の背中をぽんぽん、と叩いて。
珠子は、幼いころ、そんな事をされたような記憶を思い出す。
・・・・誰、だったかな・・・・。
思い出せない。
人の記憶ってそんなものだ。起こった事は思い出せても。
でもそれで、なんとなく安心。
前の時もそれで安心できたから。
珠子は「あ、ごめんなさい汚して」と。気づいて。
「なーもさ、元々泥だらけです。珠子ちゃんの服が汚れます。はは。
さ、食べちゃおね。おひる。」
四角い、日焼けの顔でにこにこ。
珠子は、お母さんがいなくなってから、本当にひさしぶりに
甘えられたような、そんな気がして。
・・・・ここへ旅してきて、良かったな。
そう思った。
それから、おにぎりを食べながら。「おばあちゃんは、ここにお嫁さんに来たの?」
「んー、まあ、その村だから。来たって程でもないが」と、おばあちゃんは笑った。
「昔の事だから。その頃は電車も無かったので静かで、なんにもない村だったもの。
そういうもんだと思ってたな。みんな。都会に出ようとか、思わなかったな。」と
珠子は「学校も村ですか?」
おばあちゃんは「そう。中学校はあるの。高校は少し離れたとこにあるけどね。
ばあちゃんの頃は、高校なんてお嬢さんの行くとこで。ふつうの子は、中学出たら
野良だった。小学校の頃からまあ、野良に出てたが。」と、ははは、と笑う。
そういうものだ。と思って生きてきて。
死ぬのもそういうものだ。
そういう超然としたところは、とても凄いと珠子は思う。
珠子は、自分がいなくなるかも、なんて、自分の事だけを考えていたから
おばあちゃんのように、自然に生きたいな、なんて
思ったりもした。
ここに住んでると、そんな風に思えるのかもしれないな、なんて
そう思ったり。
すべて自然の中だから、自然に生きていけて。
人の作ったような、些細な事はどこにもなかったり。
それはとてもいい事のように思えた。
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